【R-18】【完結】皇帝と犬

雲走もそそ

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19.誘惑-3 *

 払いのけることもせず、シュルークの少し冷たい指先が自身の褐色の肌にそっと触れるのを、キアーは受け入れている。腕力の差で抵抗できるはずで、これを漠然といけないことだと認識しているというのに。

「緊張していますね」

 シュルークはキアーの力んで硬くなった胸筋を軽く揉んで、存在感のない男の乳首を探り当て指先で軽く引っ掻いた。そんな触り方などしたことのない場所で、羞恥心に顔が熱くなってくる。
 女性には男が主導権を握るものだと思っていて、これまでもそうしてきたキアーは、シュルークの誘惑と手管に何もできず翻弄されるばかりであった。

「大丈夫ですよ。私はキアー様と一緒に少し深い場所へ下りてみたいだけです。あなたは逞しい方ですから、いつでも私を押しのけて戻ることができるはずです」

 このように艶然と微笑む女性だったのだろうか。キアーは戸惑うばかりだ。
 指で弄られて場所を意識するようになった乳首へ、シュルークは腰を浮かせて顔を近づけると、舌を這わせ始めた。

「あっ……、っく」

 思わず声を漏らしてしまって、そんな場所で感じたと思われたくなくて羞恥心と快感を押し殺して黙り込む。
 シュルークはそれを聞かないふりをしてくれているのだろう。品よく、舌先で胸の小さな粒をくすぐり続けた。

 同時に割れた腹筋の溝も指でなぞられて、くすぐったいような、それとは何か違うような感覚で背筋がぞくぞくする。
 腹をしばらくなでた手は徐々に下へいき、長い上着の中へ忍び込んできた手が脚衣の腰紐を解き、中へ差し込まれる。

「う……」

 下着の上から優しく揉まれた逸物は、既に芯を持ち始めていた。

「手を、離してください……っ」

 シュルークの裸身を見て、軽く触れられたぐらいで兆している己を恥じ、それ以上になってはいけないという思いがキアーに拒絶の言葉を口にさせた。
 するとシュルークは、素直にキアーの股座から手をどけた。

「わかりました、手では触れません」

 そう言いながら体を起こしたシュルークは、キアーの脚衣の前を大きく広げ、下着も性器が露出するまで引き下ろしてしまった。

「ご立派ですね」
「なっ……!?」
「手では触れていないでしょう?」

 立ち上がってはいないが膨張している男根を晒されてキアーは慌てる。だがキアーが何かする前に、すかさずシュルークはその上に腰を下ろした。
 彼女の滑らかな腿がキアーの下腹部周辺に密着し、陰茎も圧される。

「女官長、下着は……!?」

 思わず尋ねてしまったが、答えは返されずともわかっている。脚衣だけ脱いで中は下着姿だと思っていたが、シュルークはそれすら穿いていなかったのだ。
 頼みの綱のはずだった布一枚に隔てられることすらなく、女性器の割れ目に直接陰茎が触れた。

「ん……」

 キアーの胴に手をついて、シュルークはそのまま腰を前後にゆすった。擦りつけられた粘膜の、熱さと潤み、柔らかさが、敏感な器官に鮮烈に感じられる。

「素敵ですよ、キアー様」

 たったそれだけで硬く首をもたげた自身に、キアーは恥じ入って何も返事ができなかった。だが、もうこの先を望む自分がいることも否定できない。

「女官長、申し訳ありません……」
「いいえ。今、触れようと仕掛けているのは私です。キアー様のこれは、生理的な反応で、あなたの意思には関係ありません」

 だが、抵抗できないのも、無理に犯されているのも、嘘だ。キアーの体は明らかに応じようとしている。羞恥を覚えつつも、彼女の奥を知りたいという欲求がある。

 シュルークが腰を浮かせば、キアーの男根は追いかけるように天井へ向いた。彼女の愛液だけでなく、先走りも噴いて、ランプの明かりでぬらぬらと光っている。

 そこへまた彼女の腰が下ろされていく。むに、と濡れた場所に亀頭が当たるが、滑って狙いが定まらない。

「は……っ、女官長、焦らさないで、ください」

 挿れたい。挿れてほしい。それに頭を支配されて、キアーはいつのまにかシュルークを促してた。

「では手を使っても構いませんね」

 先ほどキアーの方が拒んでいたというのに、一つ翻してしまった。
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