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21.所有者-4 *
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「来い」
シュルークを抱えて寝台を下りたファルハードは、彼女をキアーの前に跪かせ、半ば突き飛ばすように押しつけた。それを受けとめたことで、前傾で座っていたキアーは後ろに倒れ込む。
「奉仕を」
何かと混乱するキアーよりも先に、シュルークが主君の意図を汲んだ。
「シュルーク……!」
彼女に服の上から触れられてようやく、キアーは自分の体の熱の正体に気づいた。キアーは、愛する人が犯されているこの地獄の中で、劣情を催していたのだ。
「犬ならば口を使え」
「はぁ……っ、はい……」
ファルハードに強い語調で指示されて、シュルークはキアーの脚衣を寛げて、兆しているそれに舌を這わした。柔らかく、熱い、濡れた感触。見るだけで緩く立ち上がっていた自身が、直接的な刺激ですぐに膨張していく。
はあはあと息を荒げてキアーの男根を舐めるシュルークの背後から、ファルハードが覆いかぶさる。
「ああぁっ!」
まだ満足しきっていない穴を埋められて、シュルークは歓喜の声を上げた。彼女の奉仕の手が止まらないよう、先ほどより律動は緩やかだが、シュルークが集中できていないのは明らかだ。
「休むな。身を入れて奉仕しろ。求婚を受けた、愛する男ではないのか?」
「は、ひ……、違い、ます……」
シュルークの舌が、キアーの陰茎の裏筋を必死に舐めあげる。これまで、何度も口淫はしてもらってきた。だが、今回ほど拙いのは初めてだ。それなのに、キアーは我慢をしなくてはならないほど、既に限界が近かった。
「何が違う。言え」
「シュルーク……!」
シュルークを止めようと名前を呼ぶが、亀頭をちゅぱちゅぱと吸っていた彼女は、呼びかけられたと思ってしまったようだ。理性を欠いた目が、キアーを見る。
「あなたが……、若くて、体力があって、あっ……、私の必要とするだけ、この身を慰めてくださると、思ったから……!」
ファルハードに後ろから犯されながら、キアーの竿を唇で食みながら、その合間に返された答え。これが、シュルークが求婚を承諾してくれた理由。
彼女は、キアーを愛してなどいなかった。愛だと盛り上がっていたのはキアーひとり。二人の関係が、体から始まったように、最初から理由は肉欲だったのだ。
シュルークの中を圧し捏ねるファルハードは、この残酷な、もしかすると彼はとっくに悟っていた答えに、唇を歪めて笑った。
「浅ましい雌犬が。どちらが欲しいか、言ってみせろ」
「陛下です……! 陛下に抱いてほしいです……!」
「見下げ果てた女だ。真剣に婚姻まで考えた男を前に」
「キアー様、申し訳ありません……っ」
彼女の泣き叫んでいる理由が罪悪感ではないことは、キアーはもう思い知っている。打ち砕かれた矜持と恋心に、胸の中は冷えていく。一方で体の熱は、シュルークの口内で包まれ、爆発した。
「うぐ……」
シュルークは弾ける飛沫を全て受け止め、最後まで吸い取ってから、飲み下した。
その奉仕の丁寧な終わり方が惨めで、キアーは解放された自身をすぐにしまい込んで後退った。
追い打ちをかけるように、ファルハードの冷たい視線がキアーを追い払う。
「下がれ。お前たちもだ」
壁際に立っていたオーランとサドリと共に、キアーは逃げるようにファルハードの寝室を出ていく。
あれを見せられて、シュルークへの思いは完膚なきまでに打ち砕かれていた。
シュルークを抱えて寝台を下りたファルハードは、彼女をキアーの前に跪かせ、半ば突き飛ばすように押しつけた。それを受けとめたことで、前傾で座っていたキアーは後ろに倒れ込む。
「奉仕を」
何かと混乱するキアーよりも先に、シュルークが主君の意図を汲んだ。
「シュルーク……!」
彼女に服の上から触れられてようやく、キアーは自分の体の熱の正体に気づいた。キアーは、愛する人が犯されているこの地獄の中で、劣情を催していたのだ。
「犬ならば口を使え」
「はぁ……っ、はい……」
ファルハードに強い語調で指示されて、シュルークはキアーの脚衣を寛げて、兆しているそれに舌を這わした。柔らかく、熱い、濡れた感触。見るだけで緩く立ち上がっていた自身が、直接的な刺激ですぐに膨張していく。
はあはあと息を荒げてキアーの男根を舐めるシュルークの背後から、ファルハードが覆いかぶさる。
「ああぁっ!」
まだ満足しきっていない穴を埋められて、シュルークは歓喜の声を上げた。彼女の奉仕の手が止まらないよう、先ほどより律動は緩やかだが、シュルークが集中できていないのは明らかだ。
「休むな。身を入れて奉仕しろ。求婚を受けた、愛する男ではないのか?」
「は、ひ……、違い、ます……」
シュルークの舌が、キアーの陰茎の裏筋を必死に舐めあげる。これまで、何度も口淫はしてもらってきた。だが、今回ほど拙いのは初めてだ。それなのに、キアーは我慢をしなくてはならないほど、既に限界が近かった。
「何が違う。言え」
「シュルーク……!」
シュルークを止めようと名前を呼ぶが、亀頭をちゅぱちゅぱと吸っていた彼女は、呼びかけられたと思ってしまったようだ。理性を欠いた目が、キアーを見る。
「あなたが……、若くて、体力があって、あっ……、私の必要とするだけ、この身を慰めてくださると、思ったから……!」
ファルハードに後ろから犯されながら、キアーの竿を唇で食みながら、その合間に返された答え。これが、シュルークが求婚を承諾してくれた理由。
彼女は、キアーを愛してなどいなかった。愛だと盛り上がっていたのはキアーひとり。二人の関係が、体から始まったように、最初から理由は肉欲だったのだ。
シュルークの中を圧し捏ねるファルハードは、この残酷な、もしかすると彼はとっくに悟っていた答えに、唇を歪めて笑った。
「浅ましい雌犬が。どちらが欲しいか、言ってみせろ」
「陛下です……! 陛下に抱いてほしいです……!」
「見下げ果てた女だ。真剣に婚姻まで考えた男を前に」
「キアー様、申し訳ありません……っ」
彼女の泣き叫んでいる理由が罪悪感ではないことは、キアーはもう思い知っている。打ち砕かれた矜持と恋心に、胸の中は冷えていく。一方で体の熱は、シュルークの口内で包まれ、爆発した。
「うぐ……」
シュルークは弾ける飛沫を全て受け止め、最後まで吸い取ってから、飲み下した。
その奉仕の丁寧な終わり方が惨めで、キアーは解放された自身をすぐにしまい込んで後退った。
追い打ちをかけるように、ファルハードの冷たい視線がキアーを追い払う。
「下がれ。お前たちもだ」
壁際に立っていたオーランとサドリと共に、キアーは逃げるようにファルハードの寝室を出ていく。
あれを見せられて、シュルークへの思いは完膚なきまでに打ち砕かれていた。
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