1 / 3
1話
しおりを挟む
「アリシア、たった今、君との婚約を破棄することをここに命じる」
婚約者である、ラクマは吐き捨てるように言い放った。
せっかくの、夜会だというのに。残念です。
なんとなくわかってはいました。彼はおそらく妹が好きなのだろうと。
「そうですか。わかりました。私ではなく、本当にいいんですね?」
「ああ。構わん。僕は君ではなく、妹のアルマと婚約を結ぶ」
やはりでしたか……。
「アルマは少々、危険かもしれませんよ?」
「何を言っているんだアリシア。君がショックなのは分かるが、そんな戯言は耳に響かんよ」
私の思った通り、やっぱりこうなってしまったのね。
彼のことを思って、忠告してあげたのに。
そもそもアルマはラクマのことをどう思っているのだろうか。
私の見ている様子では好意など少したりとも感じない。
まあそれもそのはずでしょう。
だって、妹は……。
「--私ですか??」
「あ、アルマ……。聞いていたんだね。なら、話は早い。僕と婚約をしてくれないか?」
「婚約ですか……。そうですね……」と言いながら、アルマはこちらを哀愁を漂わせ見つめる。
「いいですよ」
「ほ、本当に?!」
「ええ。ラクマ様ならば私としても光栄です」
アルマはニヤッと不敵な笑みを浮かべて答えた。
「そうか。ありがとうアルマ‼︎」
ラクマは隠そうともせず態度に出して喜んでいる。
おそらく、それが嘘であることを知らずに。
私にはそれがわかります。
だからこそ、とても残念です。
親同士が決めた婚約者とはいえ、全く持って情がないわけではありません。
たしかに、正直なところ彼に恋愛感情はありませんが、それでも思いやる気持ちくらいはあるものです。
だって、妹は……妹は貴方をきっと。
「式をあげるのであれば、なるべく早い方がいいですね。私もすぐにでもラクマ様の妻となりたいので。いつにいたしましょう?」
「そうか……アルマも僕のことを愛してくれていたんだね。知らなかったよ。こんなにも嬉しいことはない。そうだな……来週でも構わん。どのみち、アリシアとも年内に結婚する予定だった訳だし、僕としても早いに越したことはないよ」
「そうですか。では、このことを皆様にも報告するとしましょう」
ああ、もうこうなってしまった以上きっと止まることはない。
妹は……どうしようもなく私のことを好いている。
ラクマは、純粋に婚約を結べたと喜んでいるけれど、それはきっと復讐するための罠なんでしょうね……。
私を裏切ったら、妹は怖いですよ。
婚約者である、ラクマは吐き捨てるように言い放った。
せっかくの、夜会だというのに。残念です。
なんとなくわかってはいました。彼はおそらく妹が好きなのだろうと。
「そうですか。わかりました。私ではなく、本当にいいんですね?」
「ああ。構わん。僕は君ではなく、妹のアルマと婚約を結ぶ」
やはりでしたか……。
「アルマは少々、危険かもしれませんよ?」
「何を言っているんだアリシア。君がショックなのは分かるが、そんな戯言は耳に響かんよ」
私の思った通り、やっぱりこうなってしまったのね。
彼のことを思って、忠告してあげたのに。
そもそもアルマはラクマのことをどう思っているのだろうか。
私の見ている様子では好意など少したりとも感じない。
まあそれもそのはずでしょう。
だって、妹は……。
「--私ですか??」
「あ、アルマ……。聞いていたんだね。なら、話は早い。僕と婚約をしてくれないか?」
「婚約ですか……。そうですね……」と言いながら、アルマはこちらを哀愁を漂わせ見つめる。
「いいですよ」
「ほ、本当に?!」
「ええ。ラクマ様ならば私としても光栄です」
アルマはニヤッと不敵な笑みを浮かべて答えた。
「そうか。ありがとうアルマ‼︎」
ラクマは隠そうともせず態度に出して喜んでいる。
おそらく、それが嘘であることを知らずに。
私にはそれがわかります。
だからこそ、とても残念です。
親同士が決めた婚約者とはいえ、全く持って情がないわけではありません。
たしかに、正直なところ彼に恋愛感情はありませんが、それでも思いやる気持ちくらいはあるものです。
だって、妹は……妹は貴方をきっと。
「式をあげるのであれば、なるべく早い方がいいですね。私もすぐにでもラクマ様の妻となりたいので。いつにいたしましょう?」
「そうか……アルマも僕のことを愛してくれていたんだね。知らなかったよ。こんなにも嬉しいことはない。そうだな……来週でも構わん。どのみち、アリシアとも年内に結婚する予定だった訳だし、僕としても早いに越したことはないよ」
「そうですか。では、このことを皆様にも報告するとしましょう」
ああ、もうこうなってしまった以上きっと止まることはない。
妹は……どうしようもなく私のことを好いている。
ラクマは、純粋に婚約を結べたと喜んでいるけれど、それはきっと復讐するための罠なんでしょうね……。
私を裏切ったら、妹は怖いですよ。
322
あなたにおすすめの小説
安息を求めた婚約破棄
あみにあ
恋愛
とある同窓の晴れ舞台の場で、突然に王子から婚約破棄を言い渡された。
そして新たな婚約者は私の妹。
衝撃的な事実に周りがざわめく中、二人が寄り添う姿を眺めながらに、私は一人小さくほくそ笑んだのだった。
そう全ては計画通り。
これで全てから解放される。
……けれども事はそう上手くいかなくて。
そんな令嬢のとあるお話です。
※なろうでも投稿しております。
婚約者を奪うことが大好きな妹は最終的にその行いを皆に知られてしまい滅びました、ざまぁですよ。
四季
恋愛
婚約者を奪うことが大好きな妹は最終的にその行いを皆に知られてしまい滅びました、ざまぁですよ。
そして私は……。
婚約者を奪えて良かったですね! 今どんなお気持ちですか?
四季
恋愛
「お姉様、申し訳ありませんけれど、ダルビン様はいただきますわ」
ある日突然腹違いの妹からそんなことを告げられた。
気付いた時には既に婚約者を奪われていて……。
婚約者を友人に奪われて~婚約破棄後の公爵令嬢~
tartan321
恋愛
成績優秀な公爵令嬢ソフィアは、婚約相手である王子のカリエスの面倒を見ていた。
ある日、級友であるリリーがソフィアの元を訪れて……。
【全4話】私の婚約者を欲しいと妹が言ってきた。私は醜いから相応しくないんだそうです
リオール
恋愛
私の婚約者を欲しいと妹が言ってきた。
私は醜いから相応しくないんだそうです。
お姉様は醜いから全て私が貰うわね。
そう言って妹は──
※全4話
あっさりスッキリ短いです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる