転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ

文字の大きさ
8 / 308

008

 朝7時に目が覚めた。この世界は夜が暗い上娯楽が無いので、どうしても早寝になる。したがって起きる時間も早くなる。

「今日は魔法の練習か?それとも狩りに行くのか?」

 ブラスマイヤーが聞いて来る。

「金が欲しいから狩りかな。狩りをしながらでも魔法の練習は出来るし。」

「スローライフだったか?それにはそんなに金がかかるのか?」

「そうだな、最初だけだがまとまった金が必要だ。まず地方に土地を買う。あと家だな。それと牛や馬も欲しい。」

「地方ってのはなんだ?」

「この世界で言う村だな。」

「村に家は売って無いぞ。土地は自分で開拓する物だ。家も当然自分で作る。それから馬は知っているが、牛って何だ?」

 ん?ちょっと待て。色々とおかしいぞ。

「って事はだ、家と土地はただか?馬は幾ら位する?牛が居ないって事は肉はどうするんだ?」

「質問が多い奴だな。基本、村では開拓すれば開拓しただけ土地は自分の物になる。家は自分の土地に自分で建てるのが普通だ。近所の人に手伝ってもらう事もあるが、そう言う場合は作物や狩った魔物の肉を分け与える。だから金は必要ないな。また村は物々交換が主流だ。馬は高いぞ。良い馬なら金貨40枚位はするかな。肉は基本魔物を倒して食べる。食べられない魔物も居るが。大抵の魔物は美味いぞ。」

 異世界舐めてました。金があれば何とかなると踏んでいたのに金が通用しない世界だと?

「解ったスローライフは諦めよう。この町で働かずに死ぬまで裕福な暮らしをするとしたら幾ら必要だ?」

「それは難しい質問だな。裕福と言うのがどの程度を指すのか判らんが貴族にでもならないと難しいぞ。」

「じゃあ、貴族になるにはどうしたら良い?」

「平民から貴族になる事は出来ない。」

 詰んだ。僕の計画は全て終わった。このまま冒険者を続けるのが一番儲かるかな?でも年を取ってから冒険者はキツイよな?

「要は働かずに裕福な暮らしがしたいんだな?」

「そう言う事だ。」

「なら、町を作れ。」

「ん?どう言う事だ?」

「この国と言うか大陸なのだが、国はこの国しかない。当然未開拓地も多い。そこに町を開拓すれば領主になれる。領主は貴族と同等の力を持つ。町が発展すれば収入も増える。ある程度発展すれば代官に任せてあとは悠々自適の暮らしが可能だ。成功すればの話だがな。」

「ほう?悪く無い提案だ。で、どの位の金がかかる?」

「金と言うより人脈が大事だな。最低でも冒険者ギルドと商業ギルドのマスターは囲い込まないと無理だな。」

 それって無理ゲーじゃね?

「他に方法は無いのか?」

「Sランクの冒険者なら月に1度働けば、後は遊んで暮らせるぞ。」

「ふむ?冒険者って自由なのか?」

「ギルド招集と言って数年に一度単位で災害級の魔物が出ると強制依頼が来るが、それ以外は自由だな。」

「災害級の魔物って強いのか?」

「人間レベルでは強いな。」

「今の僕の力だと?」

「まあ、苦戦するほどでは無いかな。魔法を使える様になれば瞬殺出来るぞ。」

「ほう?なら悪く無いかもしれないな。まずはSランク冒険者になって、それから考えれば良いか?」

 って、話が長引いた。狩りに行かないと稼げないぞ。
 
 昨日の元Sランクのおっさんが弱かったので強めの魔物をよろしくとブラスマイヤーに頼む。北西の森へと入った。

 なんか鳥の魔物とでかい熊の魔物を適当に20匹位狩った。野生だからかおっさんより威圧感はあるが、それだけだ。

 ギルドに戻りミリムの窓口へ行く。例のおっさんを呼んで貰う為だ。何時もの倉庫に案内されると、おっさんが、今日は何かとワクワクしている。

 鳥と熊を出すと驚かれた。

「これ、どこで狩ったんだ?」

「北西の森だな。」

「んー。普段はそこまで降りて来る魔物じゃ無いんだが、何か異変の前触れじゃなきゃ良いが。」

「珍しい魔物なのか?」

「いや、特別珍しい訳では無いが、この近辺で取れるのがおかしい。」

「珍しく無いのなら安いって事か?」

「いや、素材は文句ない高値で引き取るよ。コカトリスとレッドマーダー合わせて20匹、金貨450枚って所だな。」

 おっさんが書類を書いてくれる。

 ミリムの所へ戻るとまた驚かれた。

「これ、この近くで狩ったんですか?」

「北西の森だ。」

「Aランクの魔物がこんな近くに出るなんて。」

 そう言いながら換金してくれる。

「何か異変が起きているかもしれません。ギルドマスターに報告を上げて置きます。エイジさんも気を付けて。」

 お?何を気を付ければ良いのかな? 

「なあ、ブラスマイヤー。もっと強い魔物って居ないのか?」

「この近辺には居ないな。強い魔物に会いたいなら遠征する必要がある。」

「遠征か面倒だな。」

「なら魔法を覚える事だな。転移や飛行の魔法を覚えれば遠くへ楽に行ける様になる。」

「ほう?じゃあ、教えてくれ。」

「魔法はイメージだと言ったろう?お前のイメージが明確なら教えなくても使えるようになる。」

「じゃあ、明日は家で練習だな。」

 翌朝から家で魔法の練習をする。転移のイメージは割とわかり易いので見える範囲なら転移が出来る様になった。問題は転移は一度行った場所で無いと転移できない事だ、更に明確なイメージが出来ないと転移が発動しない。なので見える範囲なら転移が可能だがギルドに転移しようとしたら出来なかった。

 どうも転移にイメージを奪われるので転移場所へのイメージが曖昧になるみたいだ。これは転移を繰り返す事で慣れるだろう。

 次に飛行の魔法だが、飛行機をイメージしたら無理だった。次に鳥をイメージするがこれも発動しない。ブラスマイヤーに聞くと大きな手で摘まんで貰うイメージが解り易いと言うが、どうもイマイチ判らない。なので、クレーンに引き上げられるイメージをしたら浮く事は出来る様になった。

 それから1週間魔法の練習に費やした。飛行と転移だけでなく合間に他の魔法も色々と試す。ブラスマイヤーが言うには同じことを繰り返してばかりではイメージが固定してしまって成長の妨げになるそうだ。

 なんとか魔法が形になったので、今日は久しぶりに狩りに出る事にする。

「僕の野望の為になるべく強い魔物をよろしく!」

 ブラスマイヤーに語り掛ける。

「お前の野望は良く解らんが、女が出て来んな。普通人間の欲望と言うのは金と地位と女では?」

 女?忘れてたし。前世でモテな過ぎて女の事が頭から飛んでるとかどんだけ病んでるんだ?

「それを言うなら金と地位と名誉だ。女は欲望には入らない。」

「では女は要らないと?」

「違う。金と地位と名誉が揃えば女は勝手に寄って来るもんだ。」

「そういう物なのか?」

「何でもいいから強い魔物を頼む。」

「ふむ。この方角に強い反応があるな。」

 エイジの頭の中に矢印が出る。そちらの方向を向く。

「こっちか?それでどうすれば良い?」

「これからお前の頭の中にイメージを送る。そこへ飛んでみろ。」

 なるほど、ブラスマイヤーがイメージを鮮明に送ってくれれば行った事が無い場所でも転移が可能って訳か。

 思い切って転移を発動する。イメージがしっかりしているせいか何時もよりすんなりと転移が出来た。

 転移した先は平原である。街道らしき道が中央を走っている。頭の中には矢印と赤い点滅が浮かんでる。赤い点滅が大きい。まるで何かのアラートの様だ。

 街道を下った先に矢印が向いているので走り出す。

「ちなみに勝てる程度の強さなんだよな?」

「油断しなければ問題無い。」

 よし、なら一気に行きますか。

 近づくと争っている音と声が聞こえる。あら?先を越された?

「心配ない奴らには倒せない。無視して良い。」

 そうなの?更に走って近づくと何やら見えて来た。ってドラゴンじゃね?

 緑色のドラゴンとそれに蹴散らされる騎士たちが見えた。

「グリーンドラゴンだ。お望み通り強い魔物を用意したぞ。」

 グリーンドラゴンって見たまんまのネーミングだね。

 短く転移し騎士とドラゴンの中間に出る。

「悪いけど獲物は貰うよ。」

 そう言ってドラゴンと対峙するエイジ。騎士たちは唖然としてみている。

 ドラゴンの攻撃は爪と尻尾。たまにブレスと言った感じだ。流石に今までの魔物より素早いが、避け切れない速度では無い。一通り楽しんでから首を落として終わりだ。ストレージに仕舞う。

 振り向くと何やら騎士たちが茫然としている。帰ろうとすると待てと声が掛かったので、嫌だと答えた。

「頼む、主が挨拶をしたいと言って居る手間は取らせん。」

 しつこいなぁと振り向いたら、豪奢な馬車から女性が出て来た。いや、女の子かな?

「こちらはミーレン公爵のご令嬢、セレスティア様だ。」

「はぁ?」

「セレスティアだ。そちに褒美を与えたい名前を教えては貰えないだろうか?」

「ブレイルの冒険者エイジだ。」

 そう言うと転移で家へ帰る。家はイメージしやすいからね。

感想 299

あなたにおすすめの小説

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~

夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。 雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。 女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。 異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。 調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。 そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。 ※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。 ※サブタイトル追加しました。

俺のスキルが回復魔『法』じゃなくて、回復魔『王』なんですけど?

八神 凪
ファンタジー
ある日、バイト帰りに熱血アニソンを熱唱しながら赤信号を渡り、案の定あっけなくダンプに轢かれて死んだ 『壽命 懸(じゅみょう かける)』 しかし例によって、彼の求める異世界への扉を開くことになる。 だが、女神アウロラの陰謀(という名の嫌がらせ)により、異端な「回復魔王」となって……。 異世界ペンデュース。そこで彼を待ち受ける運命とは?

現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~

はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。 病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。 これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。 別作品も掲載してます!よかったら応援してください。 おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。

10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)

犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。 意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。 彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。 そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。 これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。 ○○○ 旧版を基に再編集しています。 第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。 旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。 この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。