転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ

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 徐々に客がやってくる。やはりハンターと庶民が半々位だ。会話を聞いている限り、反乱軍の話題は出ない。あまり、重大に捉えて居ないのだろうか?

 マスターに話を聞いてみる。

 やはり、王城の近辺の話で、この辺は関係ないと言った感じだ。

 どうやら反乱軍の行動はあまり支持されて居ない様だ。王国民は、国に特に大きな不満は無いらしい。あったとしても、行動に出る程の者は少ない無いそうだ。

 こうなると反乱軍の数は意外と少ないのかもしれないな。

 そんな話をしていると、一人のハンターが近づいて来た。

「なんだ、反乱軍に入りたいのか?」

「いえ、田舎から出てきたモノで王都の情勢に詳しく無くて、なんでも王都は今危険だと聞いた物ですから。」

「なるほど、そう言う事か、なら心配は要らない。時々王城の近くで小競り合いは起きるが、一般市民に怪我人が出たと言う話は聞かない。まあ、反乱軍と言っても大した規模じゃ無い。精々、100人程度の集団だ、大きな事は出来ないだろう。」

 ほう?結構有用な情報が聞けたんじゃないかな?反乱軍は100人程度か、通常なら王国軍に捕らえられて終わりだよな、それが、数か月も活動が続いているってどうなんだ?

 王国軍が無能なのか、反乱軍が優秀なのか?あるいは両方なのかもしれない。

「ところで、えらい別嬪さんを連れてるな。ここは安いのは良いが女っ気が少ない。俺たちと一緒に呑まないか?」

 あれ?目的はナンパか?これはテンプレートな予感が。

「申し訳ないですが、僕の妻なので、ナンパは困ります。」

「酌をするくらい構わないだろう?」

 そう言って、男がフローネル嬢の腕を掴もうとした。当然避ける訳で、男はバランスを崩して転んだ。

 男がゆっくりと立ち上がる。顔が真っ赤だ。酔ってるのか、怒っているのか、恥ずかしいのか判らない表情だ。

「舐めた真似してくれるじゃないか、田舎もんがつけあがるなよ。」

 何と言うか小物のセリフだな。

 男が殴りかかって来る。避けるフローネル嬢。チラッと僕を見た。それは反撃しても良いですか?って事かな?

 まあ、手加減はするよな。僕は黙って頷いた。

 避けられた男は、今度は掴みに来る。その手を弾き、フローネル嬢は男の頬を張った。

 後ろの方で笑い声が上がる。男は更に逆上する。今度は勢いよくガバッと抱き着いて来る。反射的にフローネル嬢は回し蹴りを顔面にヒットさせた。

 それは、やり過ぎなんじゃない?男が5メートル位吹っ飛んだ。

 なんか、ピクピクしてるぞ。

 男の仲間らしき男たちが、駆け寄って来た。なんか、ヤバそうな雰囲気になって来たぞ。

「おい、兄ちゃん。今のうちに帰んな。こいつは女癖が悪いので有名なんだ。良い薬になっただろう。」

 お、意外なお言葉。銀貨を1枚置いて、酒場を後にした。

 トラブルにならなくて良かった。そう人心地付いているとフローネル嬢が謝って来た。

「申し訳ありません。つい、反射的に。」

「いや、大丈夫だ。必要な情報は手に入ったからね。」

 宿屋に戻り夕食を取る。その後部屋に戻り、情報を整理する。

「だいたい、王国の生活水準は帝国と変わりが無い。町を見る限りでは治世も上手く行っている様だ。しかし、幾つか疑問点もある。切れ者の宰相が居るのに反乱軍がのさばっている現状だ。」

「確かに不自然ですね。100人程度の反乱軍なら、そう日数も掛からずに全員捕縛されてもおかしくありません。」

「だよな、って事はだ。宰相が意図的に見逃していると言う仮説が成り立つ訳だ。」

「宰相がクーデターに協力していると?」

「もしくは、真の黒幕って可能性もある。」

 フローネル嬢がアッと言う顔をした。

「問題はだ、宰相が悪霊についてどこまで関わっているかだな。」

「悪霊とは、そうそう人の思い通りになる物なのでしょうか?」

「こればっかりは、実際に取り憑かれている人間に会ってみないと判らないな。明日は東の森と南の森を調査してみるつもりだ。フローネルには引き続き町での情報収集を頼みたい。別行動になるが、トラブルは起こすなよ。」

「解りました。反乱軍のリーダーの情報を集めれば良いのですね?」

「そう言う事だな。僕は近くにSランクの魔物が居ないか探してみるよ。」

 明日の予定が決まったので寝る事にする。2日目だが、そろそろ伯爵家のベッドが恋しくなる頃かな?

 翌朝、食事を取った後、部屋で着替え、2人で一緒に宿を出る。その後、僕は森に向かい、フローネル嬢は、まだ回って無い地区へと向かう。一応王城と貴族街には近づかない様に言ってある。

 僕は東門を出て、少し歩き、人気が無い場所まで辿り着いた所でフライを使い空に上がる。サーチを掛けるが、それ程大きな気配は感じない。そのままサーチを掛けながら東に飛び、時計回りに徐々に南へと向かう。

 魔物の数は多いが、強い魔物があまり居ない。ん?何かおかしく無いか?

 こう言う時は、強い魔物が何処かに出現している可能性が高い。注意深く探索を続ける。

 真南を通り過ぎやや西に進んだ所で、魔物の動きがおかしいのに気が付く。何かから逃げている感じだ。

 と言う事はこの先に何かが居るって事だよね?

 サーチを西に絞って探知距離を長くする。お?何かでかいのが居るぞ。

 そのまま、反応をサーチに捉えたまま、その物体に近づいて行く。かなりの大きさだ、なんだろう?また、ドラゴンかな?

 やがて、徐々にその正体が明らかになる。

 なんじゃあれ?でかい牛か?

 いや、牛にしてはでかすぎるし、顔つきが獰猛だ。そして、その気はドラゴンに勝るとも劣らない。こんな魔物が居るのか?

 明らかにSランクの範囲を超えて居る。悪霊が取り憑く前から災害級って、ドラゴン以外に居たんだな。

 って言うか、こんなの放って置いたら、王都か帝都が滅びるぞ。

 しかし、ドラゴンと比べて首がかなり太い。これはサクッと狩るのは難しそうだな。さて、どうする?魔法効くかな?

 15メートル程の位置まで近づいた所でライトニングを最大威力で撃ってみた。

 頭に直撃したと思ったのだが、どうやらレジストされた様だ。魔法が効かないのはキツイな。

 更に近づくとその大きさに驚く。牛の様な容姿だが、全長が25メートル位ある。

 なんだ、このバケモノ?

 何かの魔物なんだろうが、聞いた事も見た事も無い。そう言えば、ヒュドラってのも知らなかったな。僕はもう少し魔物の勉強をした方が良いらしい。

 まあ、牛だと仮定するなら、弱点はやはり首かな?

 大きな体に似合わず敏捷性は高い様だが、スピードはこっちに分がある。

 一気に懐に飛び込むと爪が襲って来た。え?牛なのに猫爪?

 この世界の牛は偶蹄目じゃなくて、猫科なの?

 猫爪を掻い潜り首に切りつける。派手に血しぶきが上がる。

 若干動きが鈍るが、生命力強いな。これって人間が退治できる魔物なのか?

 頸動脈切ったのに暴れまくってるし、失血死を待つのもどうかと思うのでもう一撃、反対の首を切りつける。再度派手な血しぶきが上がる。

 普通なら沈黙してもおかしくない致命傷のはずなんだが、もしかして、こいつも再生持ちかな?

 あまり使いたくないが、誰も見て無いから大丈夫かな?僕は、一旦距離を取って、次元斬で、奴の首を落とした。

 ようやく沈黙するバケモノ。ストレージに仕舞って一息つく。

 んー、やっぱ、僕って弱くなってる?出来れば災害級までは剣と普通の魔法だけで倒したいんだけどね。

 って言うか、ストレージに仕舞ったは良いが、これって人に見せて大丈夫なんだろうか?

 まあ、とりあえず、こいつのお陰でこの近辺にSランクの魔物は居なくなったので良しとしよう。

 悪霊だって操れる魔物が居なければどうする事も出来ないだろうしね。

 さて、このまま北上して王都に戻りますか。

 王都に戻り、フローネル嬢と、あらかじめ決めて置いた場所で合流する。

 フローネル嬢にバケモノの事を話し、ようやくその正体が判った。

 魔物の名前はベヒモス。RPGとかだとラスボスになる奴だね。
 
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