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サントスの町は思った以上に活気がある。ブレイルより2回り位大きそうだ。川が近い為、漁業も盛んらしい。何となく漁村の趣もある。所々に串焼きでは無く焼き魚の屋台が出ていた。
僕は適当な屋台で焼き魚を注文してみる。見た事の無い魚が炭火で香ばしい匂いに焼き上がっている。味付けは塩だけかな?
食べてみるとニジマスっぽい味がする。やはり淡水魚は似た様な味になるのだろうか?まあ、これはこれで美味しい。
「最近この辺で面白い噂って聞かない?」
僕は屋台のおじさんにそう声を掛けた。
「んー、ここ最近は王都の噂ぐらいしか聞かないな。」
やはり王都の噂はこんな所まで届いているんだな。
しかし、王国の東ってのはもっとこう田舎を想像していたのだが、思ったより栄えているんだな。もしかしたら独自の文化とかもあるのだろうか?
僕は屋台のおじさんに冒険者ギルドの場所を聞いて、ギルドへ向かう。
冒険者ギルドは町の中央よりやや北寄りにあるらしい。北には領主館があるらしいが、寄らなくても良いよね?
やがてギルドが見えて来る。周りの建物と比べると結構大きいが、王都のギルドを見慣れてると小さく感じる。ブレイルのギルドと同じ位かな?
時間は12時過ぎ、この時間なら空いているだろうと入ったら思っていた以上に混んでいる。どうやら朝一で出かけたパーティーが帰って来ている様だ。
適当な列に並んで待っていると順番が来たのでギルドカードを見せ、ギルマスに会いたい旨を話す。受付嬢はSランクのカードを見て吃驚していた。おそらくこの町には滅多にSランカーが来ないのだろう。
「あのー、誠に申し訳ないのですが、Sランクだからと言ってギルマスにすぐに会えると言う訳では無いのです。ギルマスも忙しいので、申請を出して通らないと会えません。申請を出しますか?」
「申請を出して、どの位でギルマスに会えるんだ?」
「申請が通れば数日後には会えると思います。」
そいつは困ったな。今日中に話を聞きたかったのだが。って言うか、ここのギルマスはそんなに偉いのか?
「じゃあ、なるべく偉い人ですぐに会える人って居ないか?」
「急ぎの用事ですか?」
「そうだ。」
「それでしたら、ギルマスの補佐官でも構いませんでしょうか?」
「ん?補佐官ってサブギルドマスターとは違うのか?」
「はい、全く違います。補佐官は文字通りギルマスの補佐をする文官です。」
文官か、まあ良い。その補佐官とやらに僕の身分を明かせばギルマスに会えるだろう。
「解った。その補佐官で構わないから会わせてくれ。」
「畏まりました。階段の横にあるソファに掛けてお待ちください。」
何だか良く解らないが、階段の横のスペースが待合室の様になって居る。僕は固いソファに座って大人しく待っている。
10分程待たされ、補佐官と言う人物が現れた。
「何やら緊急の用事だそうで、どの様なお話でしょうか?」
僕がSランク冒険者だと受付嬢から聞いたのか、丁寧な口調で話す補佐官。
「悪いが、人に聞かれたくない。何処か2人で話せる場所は無いか?」
それでしたらと会議室に連れて行かれた。まあ、ここなら大丈夫かな。
「で、どの様なお話でしょうか?」
僕はストレージから貴族の証を取り出す。
「ゼルマキア公爵だ。ギルマスに話がある。至急取り次いで貰いたい。」
補佐官は何やら青ざめた顔で、すぐにと言って会議室から飛び出して行った。
数分で補佐官が戻って来た。すぐにギルマスが会うそうだ。
「これはようこそ公爵様。当ギルドのマスターをしているコルジアーノと申します。」
「ん?名前からすると貴族か?」
「はい、一応男爵の末席を務めさせて頂いております。」
そう言えばSランク冒険者は引退後爵位を貰えるんだよな。だけど、この人は冒険者の匂いがしない。おそらく男爵の地位でギルマスになったのだろう。
「国王陛下の指示で王国の東を調査している。ここ最近、このサントスの町でおかしな事とか起きていないか?」
「おかしな事ですか?」
「ああ、些細な事でも良いのであったら教えてくれ。」
「そうですね。申し上げる程の事かどうか解りませんが、川で取れる魚の量が去年に比べて2割ほど落ちています。」
漁獲高か、これは年によって微妙に変化するのは仕方がない事だとは思うが、2割と言うのは結構大きい気がする。
「その件に関して、町の経済に影響が出たりしているのか?」
「いや、そこまで大きな打撃はありません。」
「そうか。ちなみにこの町の治安はどんな感じだ?」
「ここは平和な町ですよ。領主様が優秀ですので。」
あれ?この町の領主って常駐しているのか?普通の貴族なら年間半年は王都で暮らす必要があるはずだ。その間は代官が町を運営する。唯一辺境伯だけは王都に家を持つ必要が無い。
「解った。ではこの町の周辺の町や村で何か異変があると言った話は聞いた事があるか?」
「いえ、その様な話はギルドには上がって来てませんね。」
「ふむ、少し町の周辺を見て回りたいのだが、問題は無いか?」
「構いません。ご存分にお調べください。」
何と言うか、タヌキだな。何かを隠している気がする。恐らく領主か代官と組んで不正でも働いているのだろう。まあ、僕の領地じゃ無いから構わないけどね。
田舎なので貴族と庶民の身分の差が激しいのかもしれない。Sランク冒険者が用があると言っても会わないギルマスって初めてだぞ。
時間も無いのでギルドを辞し、サントスの町の周囲を調べる事にする。フライで飛んでいると、小さな町を見つけた。町だよな?村よりは大きい気がするし。
少し手前で地上に降り、その町に向かう。門番が2人しか居ないけど大丈夫なのか?
ギルドカードを見せて町へ入る。相変わらずSランクのカードは2度見される位驚かれる。これはこれで目立つので何か違う身分証が欲しいな。
どうやら町らしいが、ギルドや領主館は無いらしい。代官邸があるだけだ。この町は主に漁業が中心で魔物狩りは滅多にしないと、門番が言っていた。
適当な屋台で焼き魚を買い、店主に話を聞く。どうやらこっちの町では漁獲高が減ったと言う事は無いらしい。なんだ?話がおかしく無いか?
他に大した情報は得られなかった。これ以上の情報を求めるなら。対岸の大きな町に行かないと難しいだろう。
普通は対岸の町に行くには王国をぐるりと一周しなければ行けないらしい。馬車でおよそ3か月かかるそうだ。僕ならフライで10分位かな。
フライを使い対岸の町まで飛ぶ。対岸の町はギルガムと言うらしい。そろそろ日が傾いて来たので調査は明日にしよう。とりあえず、転移出来る様に人気のない場所をチェックして置く。
転移で王都に飛ぶ。あまり危険は無さそうだし明日はビアンカも連れて来るかな。
僕の様に転移を使えるならともかく、救済の箱舟がそう簡単に王国の東に行くとは考えにくい。もし、王都を出るとしても王都の近郊の都市に隠れ家があると考える方が自然だ。
しかし、王都から一番近いプレイースは僕の領地だ。しかもあそこにあった救済の箱舟の拠点は僕が潰した。僕の目がある場所に隠れ家を作ると言うのはちょっと考えにくい。
となると王都の南か?確か3侯爵の1人の領地があるはずだ。3侯爵と救済の箱舟が繋がっていると言う話は聞いていない。それは元公爵の調べでも解って居る。
やはり王都に潜伏していると見た方が良いのかな?
王都の人口は他の都市に比べて圧倒的に多い。木の葉を隠すなら森と言う理論から行けば、人を隠すなら人口の多い都市だよな。
まして、僕らは長老の正体を知らないと来れば、わざわざ地方都市に流れる必要は無いんだよね。
けど、救済の箱舟の構成員が地方都市で暗躍して、人を集めて王都で合流したらと考えると、地方を無視する訳には行かないんだよね。
見えない敵と戦うのがこんなに厄介だとは思わなかったよ。
僕は適当な屋台で焼き魚を注文してみる。見た事の無い魚が炭火で香ばしい匂いに焼き上がっている。味付けは塩だけかな?
食べてみるとニジマスっぽい味がする。やはり淡水魚は似た様な味になるのだろうか?まあ、これはこれで美味しい。
「最近この辺で面白い噂って聞かない?」
僕は屋台のおじさんにそう声を掛けた。
「んー、ここ最近は王都の噂ぐらいしか聞かないな。」
やはり王都の噂はこんな所まで届いているんだな。
しかし、王国の東ってのはもっとこう田舎を想像していたのだが、思ったより栄えているんだな。もしかしたら独自の文化とかもあるのだろうか?
僕は屋台のおじさんに冒険者ギルドの場所を聞いて、ギルドへ向かう。
冒険者ギルドは町の中央よりやや北寄りにあるらしい。北には領主館があるらしいが、寄らなくても良いよね?
やがてギルドが見えて来る。周りの建物と比べると結構大きいが、王都のギルドを見慣れてると小さく感じる。ブレイルのギルドと同じ位かな?
時間は12時過ぎ、この時間なら空いているだろうと入ったら思っていた以上に混んでいる。どうやら朝一で出かけたパーティーが帰って来ている様だ。
適当な列に並んで待っていると順番が来たのでギルドカードを見せ、ギルマスに会いたい旨を話す。受付嬢はSランクのカードを見て吃驚していた。おそらくこの町には滅多にSランカーが来ないのだろう。
「あのー、誠に申し訳ないのですが、Sランクだからと言ってギルマスにすぐに会えると言う訳では無いのです。ギルマスも忙しいので、申請を出して通らないと会えません。申請を出しますか?」
「申請を出して、どの位でギルマスに会えるんだ?」
「申請が通れば数日後には会えると思います。」
そいつは困ったな。今日中に話を聞きたかったのだが。って言うか、ここのギルマスはそんなに偉いのか?
「じゃあ、なるべく偉い人ですぐに会える人って居ないか?」
「急ぎの用事ですか?」
「そうだ。」
「それでしたら、ギルマスの補佐官でも構いませんでしょうか?」
「ん?補佐官ってサブギルドマスターとは違うのか?」
「はい、全く違います。補佐官は文字通りギルマスの補佐をする文官です。」
文官か、まあ良い。その補佐官とやらに僕の身分を明かせばギルマスに会えるだろう。
「解った。その補佐官で構わないから会わせてくれ。」
「畏まりました。階段の横にあるソファに掛けてお待ちください。」
何だか良く解らないが、階段の横のスペースが待合室の様になって居る。僕は固いソファに座って大人しく待っている。
10分程待たされ、補佐官と言う人物が現れた。
「何やら緊急の用事だそうで、どの様なお話でしょうか?」
僕がSランク冒険者だと受付嬢から聞いたのか、丁寧な口調で話す補佐官。
「悪いが、人に聞かれたくない。何処か2人で話せる場所は無いか?」
それでしたらと会議室に連れて行かれた。まあ、ここなら大丈夫かな。
「で、どの様なお話でしょうか?」
僕はストレージから貴族の証を取り出す。
「ゼルマキア公爵だ。ギルマスに話がある。至急取り次いで貰いたい。」
補佐官は何やら青ざめた顔で、すぐにと言って会議室から飛び出して行った。
数分で補佐官が戻って来た。すぐにギルマスが会うそうだ。
「これはようこそ公爵様。当ギルドのマスターをしているコルジアーノと申します。」
「ん?名前からすると貴族か?」
「はい、一応男爵の末席を務めさせて頂いております。」
そう言えばSランク冒険者は引退後爵位を貰えるんだよな。だけど、この人は冒険者の匂いがしない。おそらく男爵の地位でギルマスになったのだろう。
「国王陛下の指示で王国の東を調査している。ここ最近、このサントスの町でおかしな事とか起きていないか?」
「おかしな事ですか?」
「ああ、些細な事でも良いのであったら教えてくれ。」
「そうですね。申し上げる程の事かどうか解りませんが、川で取れる魚の量が去年に比べて2割ほど落ちています。」
漁獲高か、これは年によって微妙に変化するのは仕方がない事だとは思うが、2割と言うのは結構大きい気がする。
「その件に関して、町の経済に影響が出たりしているのか?」
「いや、そこまで大きな打撃はありません。」
「そうか。ちなみにこの町の治安はどんな感じだ?」
「ここは平和な町ですよ。領主様が優秀ですので。」
あれ?この町の領主って常駐しているのか?普通の貴族なら年間半年は王都で暮らす必要があるはずだ。その間は代官が町を運営する。唯一辺境伯だけは王都に家を持つ必要が無い。
「解った。ではこの町の周辺の町や村で何か異変があると言った話は聞いた事があるか?」
「いえ、その様な話はギルドには上がって来てませんね。」
「ふむ、少し町の周辺を見て回りたいのだが、問題は無いか?」
「構いません。ご存分にお調べください。」
何と言うか、タヌキだな。何かを隠している気がする。恐らく領主か代官と組んで不正でも働いているのだろう。まあ、僕の領地じゃ無いから構わないけどね。
田舎なので貴族と庶民の身分の差が激しいのかもしれない。Sランク冒険者が用があると言っても会わないギルマスって初めてだぞ。
時間も無いのでギルドを辞し、サントスの町の周囲を調べる事にする。フライで飛んでいると、小さな町を見つけた。町だよな?村よりは大きい気がするし。
少し手前で地上に降り、その町に向かう。門番が2人しか居ないけど大丈夫なのか?
ギルドカードを見せて町へ入る。相変わらずSランクのカードは2度見される位驚かれる。これはこれで目立つので何か違う身分証が欲しいな。
どうやら町らしいが、ギルドや領主館は無いらしい。代官邸があるだけだ。この町は主に漁業が中心で魔物狩りは滅多にしないと、門番が言っていた。
適当な屋台で焼き魚を買い、店主に話を聞く。どうやらこっちの町では漁獲高が減ったと言う事は無いらしい。なんだ?話がおかしく無いか?
他に大した情報は得られなかった。これ以上の情報を求めるなら。対岸の大きな町に行かないと難しいだろう。
普通は対岸の町に行くには王国をぐるりと一周しなければ行けないらしい。馬車でおよそ3か月かかるそうだ。僕ならフライで10分位かな。
フライを使い対岸の町まで飛ぶ。対岸の町はギルガムと言うらしい。そろそろ日が傾いて来たので調査は明日にしよう。とりあえず、転移出来る様に人気のない場所をチェックして置く。
転移で王都に飛ぶ。あまり危険は無さそうだし明日はビアンカも連れて来るかな。
僕の様に転移を使えるならともかく、救済の箱舟がそう簡単に王国の東に行くとは考えにくい。もし、王都を出るとしても王都の近郊の都市に隠れ家があると考える方が自然だ。
しかし、王都から一番近いプレイースは僕の領地だ。しかもあそこにあった救済の箱舟の拠点は僕が潰した。僕の目がある場所に隠れ家を作ると言うのはちょっと考えにくい。
となると王都の南か?確か3侯爵の1人の領地があるはずだ。3侯爵と救済の箱舟が繋がっていると言う話は聞いていない。それは元公爵の調べでも解って居る。
やはり王都に潜伏していると見た方が良いのかな?
王都の人口は他の都市に比べて圧倒的に多い。木の葉を隠すなら森と言う理論から行けば、人を隠すなら人口の多い都市だよな。
まして、僕らは長老の正体を知らないと来れば、わざわざ地方都市に流れる必要は無いんだよね。
けど、救済の箱舟の構成員が地方都市で暗躍して、人を集めて王都で合流したらと考えると、地方を無視する訳には行かないんだよね。
見えない敵と戦うのがこんなに厄介だとは思わなかったよ。
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