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第79話 魔法学校ディベート大会、開幕
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ロンブローゾ魔法学校が誇る巨大ホールは、これから始まる年に一度の祭典への期待と熱気で満ち満ちていた。
数百名の生徒たちが固唾を飲んで見下ろす先の中央には、円形に設置された二つの壇上がスポットライトに照らし出されている。
(こういうのはお約束だな)
俺は壇上から見晴らしのいいVIP席へと視線を送った。
そこに鎮座するのが、カレンの叔母だという学長だろう。燃えるような赤髪に鋭い眼光、カーラをそのまま年増にしたような分かりやすすぎる風貌に内心で感謝する。
周りにいるのが学校の権力者たちか。
『リア充チェッカー』、仕事の時間だぜ。……よし、全員ひと月以上前か。レズ堕ちするにはプライドが邪魔してるところか?
そのグループとは別にもう一つVIP席がある。
そこに座るのは金髪ショートヘアを上品な巻き毛にした、いかにも深窓の令嬢といった風情の美少女がいて背後には侍女が1人、彼女を守るように影となって控えている。
あれがリイナの義妹の第三王女マーサ姫か。
リイナを1歳若くして髪型を変えただけって感じで、やっぱり美人姉妹だなあ。表示が【無】なのもホッとするぜ。……後ろの侍女は【昨日、女クラスメイトと】ってなってるのが気になるが……。
ぱっと見、学生はごく一部が行為経験有り、教師陣は全員有り、か。
まあ、会場にいる女性教師陣の話であって、俺の隣にいる男性教師、フェリックスのおっさん以外はと注釈しておこう。
さて、俺を狙って攻撃したリア充がこの中にいるかどうか。
リイナたちも応援席に潜入成功。不測の事態への備えは盤石だ。
「え? なんで教師生活初日で、生徒主催のイベントに俺、飛び入り参加してんの? で? なんでパートナーお前なの?」
フェリックスのおっさんがキョロ充丸出しで、俺に囁く。
「フッ、これも作戦さ」
俺は口の端に不敵な笑みを浮かべ、この奇策に至った昨夜の経緯を思い出していた。
***
魔王様に怒られて、真面目に魔法学校通っているというサーシャが門限を気にして去り、おっさんも宿のベッドで高いびきを立て始めた後、俺は仲間たちを集めて堂々と宣言したのだ。
「俺もおっさんのサポーターとして潜入する。待ちの姿勢は苦手だ。こっちから揺さぶりをかけるぞ」
「確かに、サーシャ以外の魔族が暗躍しているのを見過ごすわけにはいかぬ。街の男とセイヤへの謎の攻撃、敵がいるのは間違いない」
リイナが同意してくれたおかげで話はすんなり進んだが、アンナが素朴な疑問を口にした。
「でもセイヤさん? それならカレンちゃんに任せればいいんじゃないですか?」
「なあに、こういうのは目立ったほうが敵も燻り出しやすくなるのさ。それに、フェリックスのおっさんの結界魔法だ。対グリーンウェル戦で切り札になるかもしれん。おっさんに恩を売ったほうが後々得ってもんさ」
「セイヤさんにしては良案だと思います。正直、魔法学校のディベート大会ですから、魔法の使えないセイヤさんではなく、サポート役は別の人選が好ましいのですが、まあフェリックスさんに頑張ってもらうとしましょう」
レイラちゃんも同意してくれる。よしよし、いい流れだ。
「それでカレン、三連覇しているという実績から聞く。ディベート大会って魔法関連なのだろうが、どのような内容になるのが常なのだ?」
リイナの問いに、カレンは「ああ」と頷いてから続けた。
「テーマは毎年当日に発表される。昔っから魔法の応用について『こうしたらこうなる』ってのを実践してみせて、それを基礎理論から実戦式か生活に役立つかの観点から討論し、相手を屈服させるか、決着がつかなければ会場の投票で勝敗を決めるって感じさ」
「なるほど、面識ゼロの人間にはキツい仕様だな。だが、フェリックスのおっさんなら大丈夫だろう。俺がサポートするしな」
「あたしもサーシャのサポートしながら、怪しい動きをする奴がいないか探る。セイヤ、あんたが狙われているんだから気を抜くなよ」
「ああ、リイナとアンナとレイラは応援席から俺たちへの声援よろしくな!」
***
こうして俺たちは今、ディベート会場の中央に立っているのだ。
「おう、それは胸が高まるな」
俺の作戦を聞いたおっさんが、死んだ魚の目にわずかな光を宿す。
「だろ? 俺たちも魔法学校に潜入する口実を得られ、謎の敵やサーシャの目的を探れる。さらにカレンに嫌味を言った生徒会長カーラに嫌がらせもできる! おっさんも出来る教師として女子生徒がときめいて惚れて告られる! まさに一石二鳥どころか三鳥にも四鳥にもできる作戦さ」
「……なるほど。賢い。特に俺が女子生徒たちに告白される展開はときめくぜ。これは1回戦で負けたら逆効果だ。何を思って参加したんだと蔑まれる教師人生が待っているだろう。優勝以外、薔薇色の未来はないぞ」
「応! 優勝しようぜおっさん!」
「ああ、よろしくな、相棒!」
俺とおっさんの乾いたハイタッチの音が静まり返った壇上に響き渡る。
おっさんの魔法の腕前は確かだ。この作戦は上手くいく。
クックック、悪いなおっさん。中年おっさんの活躍なんぞで若い女子生徒の胸がときめくものか。根こそぎ女子生徒人気を俺がいただいていくぜ。
俺が内心で邪悪な笑みを浮かべていると、おっさんは急に気が重そうに嘆息した。
「……一つ問題がある」
「なんだおっさん。相棒なんだ。遠慮なく不安を吐露してくれ」
「……俺は女の子とまともに会話ができない。……任せたぞ、勇者セイヤ」
「……は? これ魔法学校のディベート大会で、俺に魔法知識あるわけないんですが?」
そんな俺たちの絶望的な混乱をよそに、ついに大会が始まった。
「それでは今年もこの時期がやってまいりました、ロンブローゾ魔法学校ディベート大会! 今年も実況はこの私、皆様と同世代の17歳のピッチピチの美少女シャーロットがお送りします!」
聞いたことある声に、見たことのあるバニーガールが中央に現れて大会開始を高らかに宣言する。
「シャーロットさーん、頑張ってくださーい」
アンナの黄色い声援に「ありがとう~」と手を振るシャーロット。
この2人って妙に仲がいいんだよな。
まあ、アンナって誰にもニコニコ笑顔で仲良くしてるから不思議はないんだが、シャーロットの性活は仲良くするなよ。
【シャーロット(人間・審判)】【最終性交時間: 8日12時間35分30秒前(相手:ここへ来る道中でウッドの幼馴染と結婚した人と)】
「ブフウウウウウウウウウウウウウ」
チラリと目に入ったリア充チェッカー情報に、俺は思わず吹いた。
ここですっかり忘れていた、ウッドの幼馴染のその後の情報が手に入るとは……。
まあいい、忘れよう。俺にもウッドにも、もう関係ない話だ。
「あっ、20代のシャーロットさん、お久しぶりです」
応援席から、お菓子を食べながらのレイラちゃんの的確なツッコミが響き渡った。
「なんのことだか分かりませーん! ともかく、今年のディベート内容はこちら!」
バーンと垂れ幕が下りると会場から大きなどよめきが起こる。
そこに書かれている内容は……。
「愛は世界を救う」……だと⁉
「それではー、ディベート大会スタート! キラ☆彡」
数百名の生徒たちが固唾を飲んで見下ろす先の中央には、円形に設置された二つの壇上がスポットライトに照らし出されている。
(こういうのはお約束だな)
俺は壇上から見晴らしのいいVIP席へと視線を送った。
そこに鎮座するのが、カレンの叔母だという学長だろう。燃えるような赤髪に鋭い眼光、カーラをそのまま年増にしたような分かりやすすぎる風貌に内心で感謝する。
周りにいるのが学校の権力者たちか。
『リア充チェッカー』、仕事の時間だぜ。……よし、全員ひと月以上前か。レズ堕ちするにはプライドが邪魔してるところか?
そのグループとは別にもう一つVIP席がある。
そこに座るのは金髪ショートヘアを上品な巻き毛にした、いかにも深窓の令嬢といった風情の美少女がいて背後には侍女が1人、彼女を守るように影となって控えている。
あれがリイナの義妹の第三王女マーサ姫か。
リイナを1歳若くして髪型を変えただけって感じで、やっぱり美人姉妹だなあ。表示が【無】なのもホッとするぜ。……後ろの侍女は【昨日、女クラスメイトと】ってなってるのが気になるが……。
ぱっと見、学生はごく一部が行為経験有り、教師陣は全員有り、か。
まあ、会場にいる女性教師陣の話であって、俺の隣にいる男性教師、フェリックスのおっさん以外はと注釈しておこう。
さて、俺を狙って攻撃したリア充がこの中にいるかどうか。
リイナたちも応援席に潜入成功。不測の事態への備えは盤石だ。
「え? なんで教師生活初日で、生徒主催のイベントに俺、飛び入り参加してんの? で? なんでパートナーお前なの?」
フェリックスのおっさんがキョロ充丸出しで、俺に囁く。
「フッ、これも作戦さ」
俺は口の端に不敵な笑みを浮かべ、この奇策に至った昨夜の経緯を思い出していた。
***
魔王様に怒られて、真面目に魔法学校通っているというサーシャが門限を気にして去り、おっさんも宿のベッドで高いびきを立て始めた後、俺は仲間たちを集めて堂々と宣言したのだ。
「俺もおっさんのサポーターとして潜入する。待ちの姿勢は苦手だ。こっちから揺さぶりをかけるぞ」
「確かに、サーシャ以外の魔族が暗躍しているのを見過ごすわけにはいかぬ。街の男とセイヤへの謎の攻撃、敵がいるのは間違いない」
リイナが同意してくれたおかげで話はすんなり進んだが、アンナが素朴な疑問を口にした。
「でもセイヤさん? それならカレンちゃんに任せればいいんじゃないですか?」
「なあに、こういうのは目立ったほうが敵も燻り出しやすくなるのさ。それに、フェリックスのおっさんの結界魔法だ。対グリーンウェル戦で切り札になるかもしれん。おっさんに恩を売ったほうが後々得ってもんさ」
「セイヤさんにしては良案だと思います。正直、魔法学校のディベート大会ですから、魔法の使えないセイヤさんではなく、サポート役は別の人選が好ましいのですが、まあフェリックスさんに頑張ってもらうとしましょう」
レイラちゃんも同意してくれる。よしよし、いい流れだ。
「それでカレン、三連覇しているという実績から聞く。ディベート大会って魔法関連なのだろうが、どのような内容になるのが常なのだ?」
リイナの問いに、カレンは「ああ」と頷いてから続けた。
「テーマは毎年当日に発表される。昔っから魔法の応用について『こうしたらこうなる』ってのを実践してみせて、それを基礎理論から実戦式か生活に役立つかの観点から討論し、相手を屈服させるか、決着がつかなければ会場の投票で勝敗を決めるって感じさ」
「なるほど、面識ゼロの人間にはキツい仕様だな。だが、フェリックスのおっさんなら大丈夫だろう。俺がサポートするしな」
「あたしもサーシャのサポートしながら、怪しい動きをする奴がいないか探る。セイヤ、あんたが狙われているんだから気を抜くなよ」
「ああ、リイナとアンナとレイラは応援席から俺たちへの声援よろしくな!」
***
こうして俺たちは今、ディベート会場の中央に立っているのだ。
「おう、それは胸が高まるな」
俺の作戦を聞いたおっさんが、死んだ魚の目にわずかな光を宿す。
「だろ? 俺たちも魔法学校に潜入する口実を得られ、謎の敵やサーシャの目的を探れる。さらにカレンに嫌味を言った生徒会長カーラに嫌がらせもできる! おっさんも出来る教師として女子生徒がときめいて惚れて告られる! まさに一石二鳥どころか三鳥にも四鳥にもできる作戦さ」
「……なるほど。賢い。特に俺が女子生徒たちに告白される展開はときめくぜ。これは1回戦で負けたら逆効果だ。何を思って参加したんだと蔑まれる教師人生が待っているだろう。優勝以外、薔薇色の未来はないぞ」
「応! 優勝しようぜおっさん!」
「ああ、よろしくな、相棒!」
俺とおっさんの乾いたハイタッチの音が静まり返った壇上に響き渡る。
おっさんの魔法の腕前は確かだ。この作戦は上手くいく。
クックック、悪いなおっさん。中年おっさんの活躍なんぞで若い女子生徒の胸がときめくものか。根こそぎ女子生徒人気を俺がいただいていくぜ。
俺が内心で邪悪な笑みを浮かべていると、おっさんは急に気が重そうに嘆息した。
「……一つ問題がある」
「なんだおっさん。相棒なんだ。遠慮なく不安を吐露してくれ」
「……俺は女の子とまともに会話ができない。……任せたぞ、勇者セイヤ」
「……は? これ魔法学校のディベート大会で、俺に魔法知識あるわけないんですが?」
そんな俺たちの絶望的な混乱をよそに、ついに大会が始まった。
「それでは今年もこの時期がやってまいりました、ロンブローゾ魔法学校ディベート大会! 今年も実況はこの私、皆様と同世代の17歳のピッチピチの美少女シャーロットがお送りします!」
聞いたことある声に、見たことのあるバニーガールが中央に現れて大会開始を高らかに宣言する。
「シャーロットさーん、頑張ってくださーい」
アンナの黄色い声援に「ありがとう~」と手を振るシャーロット。
この2人って妙に仲がいいんだよな。
まあ、アンナって誰にもニコニコ笑顔で仲良くしてるから不思議はないんだが、シャーロットの性活は仲良くするなよ。
【シャーロット(人間・審判)】【最終性交時間: 8日12時間35分30秒前(相手:ここへ来る道中でウッドの幼馴染と結婚した人と)】
「ブフウウウウウウウウウウウウウ」
チラリと目に入ったリア充チェッカー情報に、俺は思わず吹いた。
ここですっかり忘れていた、ウッドの幼馴染のその後の情報が手に入るとは……。
まあいい、忘れよう。俺にもウッドにも、もう関係ない話だ。
「あっ、20代のシャーロットさん、お久しぶりです」
応援席から、お菓子を食べながらのレイラちゃんの的確なツッコミが響き渡った。
「なんのことだか分かりませーん! ともかく、今年のディベート内容はこちら!」
バーンと垂れ幕が下りると会場から大きなどよめきが起こる。
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