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第七話
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「セバスチャン!」
急いで寮に戻り、セバスチャンを探すと、セバスチャンが何かを食べている。あれはクッキー?!
待って! 唯一の味方がいなくなるのは困る。セバスチャンが、キャシーにベタベタするなんて嫌!
「やめて! 食べないで!」
「お嬢様?!」
あ、クッキー食べちゃった。どうしよう。セバスチャンもお父様みたいに冷たくなるの?
お父様は、元々入婿だったこともあって私やお母様には遠慮がちだった。まさか、愛人を連れてくるなんて思わなかったけど、それでも、小さな頃は優しかった。でも、再婚してキャシー達が来たら急に冷たくなって泣いたのを覚えている。その時も、セバスチャンが慰めてくれた。お父様より、セバスチャンといた時間の方が長いし、セバスチャンも冷たくなったら今度こそ生きていけない!
「やだ、私に冷たくなっちゃ嫌……」
なんだかんだでストレスが溜まっていたんだろう。その場で泣き続ける私を、セバスチャンがびっくりした顔で見ている。いつもだったら慰めてくれるのに、もう、私のこと嫌いになったのかな。
「カトリーヌ、大丈夫だ。オレがお前に冷たくなるなんてありえない」
……あれ? なんか暖かいよ?
「せ、せ、せ、セバスチャン?!」
セバスチャンに、抱きしめられてる?
「お嬢様、とにかく部屋に戻りましょうね?」
「はい……」
セバスチャンに連れられて、寮の自室に戻る。
「あれ? お嬢様、お早いですね? なんだか顔が赤いですし、目も腫れてますね? どうされました? まさか、セバスチャンに襲われました?!」
「ふざけるな、そんな事する訳ないだろう」
「男は狼ですからね、油断しちゃダメですよ。お嬢様」
「違うの、メアリー。学園で不安な事があって、相談していたら泣いてしまったの」
「そうなんですか、わたくしも相談に乗りますよ?」
「なら聞いていいか? メアリーは甘いもの嫌いだよな? クッキーとか食べるか?」
「あー、食べないです。最近はよくクロード様がくれるんですけど、一回も食べてないですね」
「私もあまり甘いものは食べません。先ほどのクッキーは、甘くないチーズのクッキーで、お嬢様はチーズがお好きなのでオレが作ったんですよ」
セバスチャンが、クッキーを食べさせてくれる。塩味の効いたクッキーで、好みの味がする。
「あ、コレ美味しい!」
「お嬢様に作ったのに、勝手に食べるな」
「じゃあ、クッキーはキャシーから貰ったものではないの?」
「ええ、違いますよ。それで、どうしてそんなにお嬢様は怯えておられるのですか?」
「あのね、確証はないんだけと、わたくしに冷たくなった人は、キャシーのクッキーを食べてるの。クロードは、クッキーを食べてなくて、メイドのみんなにあげてた」
「メアリー、今すぐキャシーお嬢様付きのメイドの所へ行き、キャシーお嬢様か、クロード様のクッキーを食べたか確認して来い。お前は絶対食べるなよ」
「……かしこまりました。お嬢様、ご安心下さい。わたくしはカトリーヌお嬢様の味方です。クッキーなど食べておりませんし、今後も食べませんわ。セバスチャン、手を出すのはダメよ」
「わかってる。出さねぇよ」
「では、行って参りますわ」
メアリーが、部屋を出て行く。頼り甲斐のある言葉に安心する。やっぱりメアリーはすごい。
「カトリーヌ、ゲームとやらの記憶を含めて、なんでそこまでクッキーが怪しいと思ったか、詳しく話せ。オレが絶対何とかしてやる」
だけど、セバスチャンの言葉にいちばん安心する。いつのまにかお嬢様呼びになったけど、セバスチャンに、名前を呼ばれるととっても安心する。
急いで寮に戻り、セバスチャンを探すと、セバスチャンが何かを食べている。あれはクッキー?!
待って! 唯一の味方がいなくなるのは困る。セバスチャンが、キャシーにベタベタするなんて嫌!
「やめて! 食べないで!」
「お嬢様?!」
あ、クッキー食べちゃった。どうしよう。セバスチャンもお父様みたいに冷たくなるの?
お父様は、元々入婿だったこともあって私やお母様には遠慮がちだった。まさか、愛人を連れてくるなんて思わなかったけど、それでも、小さな頃は優しかった。でも、再婚してキャシー達が来たら急に冷たくなって泣いたのを覚えている。その時も、セバスチャンが慰めてくれた。お父様より、セバスチャンといた時間の方が長いし、セバスチャンも冷たくなったら今度こそ生きていけない!
「やだ、私に冷たくなっちゃ嫌……」
なんだかんだでストレスが溜まっていたんだろう。その場で泣き続ける私を、セバスチャンがびっくりした顔で見ている。いつもだったら慰めてくれるのに、もう、私のこと嫌いになったのかな。
「カトリーヌ、大丈夫だ。オレがお前に冷たくなるなんてありえない」
……あれ? なんか暖かいよ?
「せ、せ、せ、セバスチャン?!」
セバスチャンに、抱きしめられてる?
「お嬢様、とにかく部屋に戻りましょうね?」
「はい……」
セバスチャンに連れられて、寮の自室に戻る。
「あれ? お嬢様、お早いですね? なんだか顔が赤いですし、目も腫れてますね? どうされました? まさか、セバスチャンに襲われました?!」
「ふざけるな、そんな事する訳ないだろう」
「男は狼ですからね、油断しちゃダメですよ。お嬢様」
「違うの、メアリー。学園で不安な事があって、相談していたら泣いてしまったの」
「そうなんですか、わたくしも相談に乗りますよ?」
「なら聞いていいか? メアリーは甘いもの嫌いだよな? クッキーとか食べるか?」
「あー、食べないです。最近はよくクロード様がくれるんですけど、一回も食べてないですね」
「私もあまり甘いものは食べません。先ほどのクッキーは、甘くないチーズのクッキーで、お嬢様はチーズがお好きなのでオレが作ったんですよ」
セバスチャンが、クッキーを食べさせてくれる。塩味の効いたクッキーで、好みの味がする。
「あ、コレ美味しい!」
「お嬢様に作ったのに、勝手に食べるな」
「じゃあ、クッキーはキャシーから貰ったものではないの?」
「ええ、違いますよ。それで、どうしてそんなにお嬢様は怯えておられるのですか?」
「あのね、確証はないんだけと、わたくしに冷たくなった人は、キャシーのクッキーを食べてるの。クロードは、クッキーを食べてなくて、メイドのみんなにあげてた」
「メアリー、今すぐキャシーお嬢様付きのメイドの所へ行き、キャシーお嬢様か、クロード様のクッキーを食べたか確認して来い。お前は絶対食べるなよ」
「……かしこまりました。お嬢様、ご安心下さい。わたくしはカトリーヌお嬢様の味方です。クッキーなど食べておりませんし、今後も食べませんわ。セバスチャン、手を出すのはダメよ」
「わかってる。出さねぇよ」
「では、行って参りますわ」
メアリーが、部屋を出て行く。頼り甲斐のある言葉に安心する。やっぱりメアリーはすごい。
「カトリーヌ、ゲームとやらの記憶を含めて、なんでそこまでクッキーが怪しいと思ったか、詳しく話せ。オレが絶対何とかしてやる」
だけど、セバスチャンの言葉にいちばん安心する。いつのまにかお嬢様呼びになったけど、セバスチャンに、名前を呼ばれるととっても安心する。
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