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22.家族会議
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「ここでの話は他言無用だ。良いな?」
お父様、お母様、お兄様ご夫婦と、隣国に嫁いだお姉様、まだ13歳と10歳と幼い弟達、そしてわたくしとリュカ。
お姉様は、わたくしの誕生日を祝う為来て下さっています。旦那様はお仕事なので、おひとりでの里帰りです。
過去も今回も、わたくしの婚約をとても喜んで下さいました。
弟達はまだ幼いですが、理解出来ない年齢ではありませんから同席しています。弟達の特殊魔法は、鑑定と収納だそうです。
収納は、その名の通り魔力がある限りはなんでも収納してしまうそうですわ。便利ですわね。
2人とも10歳の誕生日に魔法の存在を教えて貰っており、使いこなしています。
まずは、お父様とリュカがわたくしが時を戻った事を教えます。何があったかも、簡単に伝えました。みんな、顔を顰めてしまいましたがきちんと聞いて下さいました。
念のためだと、弟がわたくしの鑑定をして時戻りの魔法がない事を確認してくれました。リュカの事も鑑定しようとしたそうですが、弾かれたとむくれておりましたわ。
「これで、姉さんは時戻りの魔法に縛られる事はないね。ついでに、父上に言われて昨日こっそりルイーズも鑑定しといたけど魅了は無かったから大丈夫だよ。ところで、ルイーズって魅了魔法しか使えないの? 属性魔法いっこも鑑定に出なかったんだけど。姉さんは、水魔法を筆頭に全部使えるのに。改めて鑑定すると、姉さんの水魔法は凄いね。僕の鑑定は、使える魔法の強さが数値化されるんだけど……見た事ない数値を叩き出してたよ。城の魔術師とか、治癒士より高い数値だよ。こんなに優秀な姉さんを国から出そうなんて普通思わないよ。それこそ、リュカみたいに姉さんを守ってくれる国内の貴族と結婚するのが最良でしょ」
「……本当に、私は何を考えていたんだろう……」
お父様が、また頭を抱えて小さくなってしまわれました。
「父上、話を聞く限りでは父上と母上以外はみんなおかしくなっていたのでしょう? ルイーズがクリストフ様へ魅了をかけたのなら、みんながおかしくなった原因は私かもしれません。カトリーヌの婚約相手なら私は絶対に調べ尽くします。それで、カトリーヌに相応しいと思ったら城中で相手を褒めちぎるような気がするのです」
「貴方なら、そうするわね。わたくしも、社交界でお相手の自慢をしてしまいそうだわ」
「そうして、1年間でクリストフ様に好意的な者ばかりになったところで、ルイーズの魅了か……!」
「それは、あり得るわねぇ。でも、わたくしとっても疑問があるの」
「なんでしょう? お姉様」
「どうして、カトリーヌは魅了の影響がなかったの?」
あ……! 本当です!
わたくしはクリストフ様の婚約者だったのですから、普通に考えるとルイーズの魅了の影響を受けない筈ありません。
「カトリーヌはクリストフ様が嫌いだったとか?」
「そんな事はありませんでしたわ。婚約した当初はお優しかったですし、この方となら生涯仲良くやっていけると思っておりました」
お姉様が、少し考え込んだ後わたくしに仰いました。
「ねぇ、それってやっぱりカトリーヌはクリストフ様を好きではなかったんじゃないかしら?」
「……え?」
「多分だけど、わたくし達はカトリーヌを大事にしてくれる素晴らしい男性としてクリストフ様に好意を持ったと思うの。当然よね。みんなカトリーヌが大好きなんだもの。でも、カトリーヌのその言い方だと、クリストフ様に好意を持つ段階まではいってなかったんじゃないかしら?」
「政略結婚は、どうしてもそうなりますよね。わたくしは違ったけど、普通はお会いするのもお仕事みたいになりがちだと聞きますわ。少しずつ愛を育む良さはあるけど、相手を好きになるまでに時間がかかるの。クリストフ様が積極的なアプローチをしてきたなら数回会うだけでも意識するでしょうけど、そんな事はなかったんでしょう?」
「そ、そうですわね。お優しくて誠実だなとは思っておりましたけど、好きだとか、愛してるなんて言われませんでしたわ」
お父様、お母様、お兄様ご夫婦と、隣国に嫁いだお姉様、まだ13歳と10歳と幼い弟達、そしてわたくしとリュカ。
お姉様は、わたくしの誕生日を祝う為来て下さっています。旦那様はお仕事なので、おひとりでの里帰りです。
過去も今回も、わたくしの婚約をとても喜んで下さいました。
弟達はまだ幼いですが、理解出来ない年齢ではありませんから同席しています。弟達の特殊魔法は、鑑定と収納だそうです。
収納は、その名の通り魔力がある限りはなんでも収納してしまうそうですわ。便利ですわね。
2人とも10歳の誕生日に魔法の存在を教えて貰っており、使いこなしています。
まずは、お父様とリュカがわたくしが時を戻った事を教えます。何があったかも、簡単に伝えました。みんな、顔を顰めてしまいましたがきちんと聞いて下さいました。
念のためだと、弟がわたくしの鑑定をして時戻りの魔法がない事を確認してくれました。リュカの事も鑑定しようとしたそうですが、弾かれたとむくれておりましたわ。
「これで、姉さんは時戻りの魔法に縛られる事はないね。ついでに、父上に言われて昨日こっそりルイーズも鑑定しといたけど魅了は無かったから大丈夫だよ。ところで、ルイーズって魅了魔法しか使えないの? 属性魔法いっこも鑑定に出なかったんだけど。姉さんは、水魔法を筆頭に全部使えるのに。改めて鑑定すると、姉さんの水魔法は凄いね。僕の鑑定は、使える魔法の強さが数値化されるんだけど……見た事ない数値を叩き出してたよ。城の魔術師とか、治癒士より高い数値だよ。こんなに優秀な姉さんを国から出そうなんて普通思わないよ。それこそ、リュカみたいに姉さんを守ってくれる国内の貴族と結婚するのが最良でしょ」
「……本当に、私は何を考えていたんだろう……」
お父様が、また頭を抱えて小さくなってしまわれました。
「父上、話を聞く限りでは父上と母上以外はみんなおかしくなっていたのでしょう? ルイーズがクリストフ様へ魅了をかけたのなら、みんながおかしくなった原因は私かもしれません。カトリーヌの婚約相手なら私は絶対に調べ尽くします。それで、カトリーヌに相応しいと思ったら城中で相手を褒めちぎるような気がするのです」
「貴方なら、そうするわね。わたくしも、社交界でお相手の自慢をしてしまいそうだわ」
「そうして、1年間でクリストフ様に好意的な者ばかりになったところで、ルイーズの魅了か……!」
「それは、あり得るわねぇ。でも、わたくしとっても疑問があるの」
「なんでしょう? お姉様」
「どうして、カトリーヌは魅了の影響がなかったの?」
あ……! 本当です!
わたくしはクリストフ様の婚約者だったのですから、普通に考えるとルイーズの魅了の影響を受けない筈ありません。
「カトリーヌはクリストフ様が嫌いだったとか?」
「そんな事はありませんでしたわ。婚約した当初はお優しかったですし、この方となら生涯仲良くやっていけると思っておりました」
お姉様が、少し考え込んだ後わたくしに仰いました。
「ねぇ、それってやっぱりカトリーヌはクリストフ様を好きではなかったんじゃないかしら?」
「……え?」
「多分だけど、わたくし達はカトリーヌを大事にしてくれる素晴らしい男性としてクリストフ様に好意を持ったと思うの。当然よね。みんなカトリーヌが大好きなんだもの。でも、カトリーヌのその言い方だと、クリストフ様に好意を持つ段階まではいってなかったんじゃないかしら?」
「政略結婚は、どうしてもそうなりますよね。わたくしは違ったけど、普通はお会いするのもお仕事みたいになりがちだと聞きますわ。少しずつ愛を育む良さはあるけど、相手を好きになるまでに時間がかかるの。クリストフ様が積極的なアプローチをしてきたなら数回会うだけでも意識するでしょうけど、そんな事はなかったんでしょう?」
「そ、そうですわね。お優しくて誠実だなとは思っておりましたけど、好きだとか、愛してるなんて言われませんでしたわ」
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