時を戻して、今度こそ好きな人と幸せになります

編端みどり

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24.不快な親子【クリストフ視点】

どこかに隙はないか。どうにかカトリーヌ王女を手に入れられないか。

そんな事ばかり考えていたら、眠れなかった。

本来の予定では、カトリーヌ王女を僕が気に入ったら仲を深めたり探りを入れたりする時間が必要なので1週間の滞在期間を取っていた。気に入らなかったら観光でもしようと思っていた。だけど、ウロウロしていたらカトリーヌ王女とリュカ殿の仲睦まじい様子が目に入るかもしれない。

だから、部屋から出ないでおこうと思っていたのに部屋の外から煩い声が聞こえてきた。

騒がしい。あまり良く聞こえないが徹夜の頭に響くからやめて欲しい。

「もう! パーティーに勝手に来てはいけないって叱られたじゃない! お母様が魔法で送って下さったのに、何が駄目なのよ! お母様は王女だったのよ! カトリーヌより、わたくしの方が優雅で美しいのにパーティーに行く事すら許されないなんておかしいわ!」

「今回のパーティーは、カトリーヌ王女の婚約者を探す為に開かれたようなものだからね。ルイーズのように華やかな子が居てはカトリーヌ王女ではなくルイーズに求婚者が殺到してしまうだろう」

「……むぅ、そうね! 仕方ないわ。カトリーヌに婚約者が出来たら、わたくしが魅了してあげるの! そうしたらカトリーヌは……うふふっ!」

「カトリーヌ王女に婚約者が出来たとは聞いていないが、王女の婚約者なら王族だろうからな……ルイーズ、上手くやれよ」

「わたくしを誰だと思ってるの!」

「王女より王女らしい私の可愛い娘だよ」

「うふふ、お父様だぁーいすき」

なんだ、この下品な会話は。
品位の欠片もないではないか。

「今なら城に王族が多く居るから、気に入った男が居れば魅了すれば良いぞ」

「そうね。それも良いわね。どうせならうちより大きな国の王子様が良いわ」

「大国ならカドゥール国の王子が来ていたな。何故か顔が思い出せんのだが……」

「もう! わたくしの未来の旦那様になるかもしれないんだから、ちゃんと調べておいてよ!」

「すまんすまん。だが、見目麗しい方だと聞いておるぞ」

「そうなのね。会ってみたいわ。気に入ったら魅了しようかしら。でもやっぱり、カトリーヌの婚約者の方がいいかしら。だって、あの子はあんなに地味なのに王女だというだけで持て囃されて……わたくしだって、お母様の血を引いているのだから、わたくしが王女で良いじゃない」

……この女は、馬鹿なのか?!
血を引いているだけで王族を名乗れる訳がないだろう!

ルイーズと呼ばれている……確かパーティーに乱入した子どもだな。国王陛下が、生涯パーティーに出入り禁止だと言っていたよな? その意味を理解していないのか? 王家主催のパーティーに出入り禁止になった者が他のパーティーに呼ばれる訳ないだろう。実質、社交界への出入り禁止だ。

頭も悪そうだったから、結婚相手を探すのは難しいだろうな。公爵令嬢と言っていたから、支援を申し出て下位貴族に無理矢理結婚を迫るくらいしか手はないのではないか?

しかし、あそこまで馬鹿だと男爵家でも断られそうだな。誰だって王家に睨まれたくはない。王家にそっぽを向かれた令嬢と縁を結びたい者はあまり居ないだろう。

本人に魅力があれば別だが、派手な服を着ている下品な女だという印象しかない。

そんな公爵令嬢が社交界以外で王族との出会いなんてある訳ないだろう。そもそも、王族の婚姻相手はほとんど王族だ。

カトリーヌ王女のように国内の貴族と婚約する方が少数派だと理解しているのか?!
王族と婚姻したいなら、せめてリュカ殿くらいの知性は欲しい。いや、彼は王族より王族らしかったから彼と比べるのはあの子どもが可哀想だな。

あんなに立派な男でなければ……僕にもチャンスがあったのに……。

そもそも、あれだけカトリーヌ王女にべったりなリュカ殿が魅了などされる訳がないだろう。好かれるどころか敵意を向けられていたではないか!

あの敵意に気が付かない程、鈍いのか?! 父親もリュカ殿の事を知らない様子だ。パーティーに参加していなかったのだろうか。さすがに、覚えていないな。

これが公爵家……この国は大丈夫なのか?!

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