12 / 17
12
領地でたっぷりストレス発散して、王都に帰って来た。
シーズンが始まって1週間。
パーネル男爵と夜会や茶会に行き、わたくしに話しかけた方々の本音を探って貰う。ちょっとズルい気もするけど、なかなかに楽しい。
夜会や茶会の次の日にお会いしたり、手紙を頂いたりして情報を教えて頂くんだけど……分かった事はわたくしの人を見る目は素晴らしいって事ね。
わたくしが不快に思った相手は、たいてい最低な事を考えてる。今のところ、可もなく不可もなくって方か、不快な方しかお会い出来ていないのよね。困ったわ。
パーネル男爵のご希望で、彼の魔法の事は信頼している使用人にも伝えていない。だけど、わたくしとパーネル男爵が親しくなった事は分かってるみたい。お仕事でも提携させて頂くようになったんだけど、とてもやりやすい。
身分差があるから、わたくしの言いなりになる可能性もあると思ってた。だけど、彼はちゃんと領民や領地を守る気がある。無理な取引はちゃんと断って下さるし、理由も納得いくまで説明して下さる。
面倒だから、パーネル男爵にはわたくしの考えはいつでも読んで良いと伝えてある。今更だし、読まれてるかもと疑うくらいなら常に読んでもらう方が気楽だ。深層心理までわかる訳じゃないから、心で考える事も喋るのと同じように意識すれば良いだけだしね。
使用人達の心は勝手に読まないようにして欲しいから、わたくしと会う時は使用人を下げようとしたんだけど、パーネル男爵は魔法の訓練をなさったらしくて任意の相手の気持ちだけをピンポイントに読めるようになったんですって。
なんて凄いのかしら。魔法の訓練は毎日やらないとすぐ勘が鈍ってしまうのに。きっと、毎日欠かさず訓練をなさったのでしょうね。
わたくし達がしょっちゅう会ったり、手紙のやりとりをしたりするものだから使用人達はパーネル男爵に好意的だ。
執事や、幼い頃は乳母をしてくれたメイド長からはさっさと捕まえろとけしかけられている。
そりゃ、パーネル男爵は素敵な方だけど……わたくしの結婚相手を探そうとして下さってるのよ?!
好きな女性の結婚相手を探そうとしたりする?!
わたくしは、彼の好みではないのだろう。確かに、わたくしとナターシャ様は正反対だもの。
こんな本音、絶対知られたくないからパーネル男爵がいらっしゃった時は思考をコントロールしている。
パーネル男爵は人気なのに、一向に婚約者を決める気配がない。きっと、わたくしの事を慮って下さっているのだろう。
早く次のお相手を見つけないと。焦り始めていた頃、夜会で第三王子とお話しをした。
非常に好意的で、わたくしに気があるのだろうなとは思った。だけど、パーネル男爵が青い顔で震えている。
嫌な予感がして、失礼にならない程度にお相手してからパーネル男爵の元へ行った。あんなに女性達に囲まれていたのに、わたくしが近寄ったら皆さま赤い顔をして去っていかれた。
ああ、お邪魔してごめんなさい。どのご令嬢もお美しいし、可愛らしい。わたくしにはない、可愛らしさ。羨ましい。胸がチクリと痛んだけど、すぐ思考を切り替えてパーネル男爵に話しかけた。
「あの、お顔の色が優れないようですけど……どうなさったのですか?」
「……聞こえないんです。魔法を使っても、王子の……聞こえなくて……」
シーズンが始まって1週間。
パーネル男爵と夜会や茶会に行き、わたくしに話しかけた方々の本音を探って貰う。ちょっとズルい気もするけど、なかなかに楽しい。
夜会や茶会の次の日にお会いしたり、手紙を頂いたりして情報を教えて頂くんだけど……分かった事はわたくしの人を見る目は素晴らしいって事ね。
わたくしが不快に思った相手は、たいてい最低な事を考えてる。今のところ、可もなく不可もなくって方か、不快な方しかお会い出来ていないのよね。困ったわ。
パーネル男爵のご希望で、彼の魔法の事は信頼している使用人にも伝えていない。だけど、わたくしとパーネル男爵が親しくなった事は分かってるみたい。お仕事でも提携させて頂くようになったんだけど、とてもやりやすい。
身分差があるから、わたくしの言いなりになる可能性もあると思ってた。だけど、彼はちゃんと領民や領地を守る気がある。無理な取引はちゃんと断って下さるし、理由も納得いくまで説明して下さる。
面倒だから、パーネル男爵にはわたくしの考えはいつでも読んで良いと伝えてある。今更だし、読まれてるかもと疑うくらいなら常に読んでもらう方が気楽だ。深層心理までわかる訳じゃないから、心で考える事も喋るのと同じように意識すれば良いだけだしね。
使用人達の心は勝手に読まないようにして欲しいから、わたくしと会う時は使用人を下げようとしたんだけど、パーネル男爵は魔法の訓練をなさったらしくて任意の相手の気持ちだけをピンポイントに読めるようになったんですって。
なんて凄いのかしら。魔法の訓練は毎日やらないとすぐ勘が鈍ってしまうのに。きっと、毎日欠かさず訓練をなさったのでしょうね。
わたくし達がしょっちゅう会ったり、手紙のやりとりをしたりするものだから使用人達はパーネル男爵に好意的だ。
執事や、幼い頃は乳母をしてくれたメイド長からはさっさと捕まえろとけしかけられている。
そりゃ、パーネル男爵は素敵な方だけど……わたくしの結婚相手を探そうとして下さってるのよ?!
好きな女性の結婚相手を探そうとしたりする?!
わたくしは、彼の好みではないのだろう。確かに、わたくしとナターシャ様は正反対だもの。
こんな本音、絶対知られたくないからパーネル男爵がいらっしゃった時は思考をコントロールしている。
パーネル男爵は人気なのに、一向に婚約者を決める気配がない。きっと、わたくしの事を慮って下さっているのだろう。
早く次のお相手を見つけないと。焦り始めていた頃、夜会で第三王子とお話しをした。
非常に好意的で、わたくしに気があるのだろうなとは思った。だけど、パーネル男爵が青い顔で震えている。
嫌な予感がして、失礼にならない程度にお相手してからパーネル男爵の元へ行った。あんなに女性達に囲まれていたのに、わたくしが近寄ったら皆さま赤い顔をして去っていかれた。
ああ、お邪魔してごめんなさい。どのご令嬢もお美しいし、可愛らしい。わたくしにはない、可愛らしさ。羨ましい。胸がチクリと痛んだけど、すぐ思考を切り替えてパーネル男爵に話しかけた。
「あの、お顔の色が優れないようですけど……どうなさったのですか?」
「……聞こえないんです。魔法を使っても、王子の……聞こえなくて……」
あなたにおすすめの小説
嘘が愛を試す時 〜君を信じたい夜に〜
月山 歩
恋愛
サラとマリウス・ハンプトン侯爵夫婦のもとに、衝撃的な告白を携えた男が訪れる。「隠れてサラと愛し合っている。」と。
身に覚えのない不貞の証拠に、いくらサラが誤解だと訴えてもマリウスは次第に疑念を深めてゆく。
男の目的はただ一つ、サラを奪うこと。
*こちらはアルファポリス版です。
死ぬまでに叶えたい十の願い
木風
恋愛
「あなたを妻として、愛することはない。おそらく、生涯抱くこともないだろう」
三年間の白い結婚——捨て置かれた王太子妃エリアーナに、側妃が『死の呪い』をかけ余命一年を宣告する。
離縁を願うも拒否され、代わりに「死ぬまでに十の願いを叶えて」と契約する——
二人きりの外出、星空、海…ささやかな願いが王太子の心をほどいていく。
【完結】私の愛する人は、あなただけなのだから
よどら文鳥
恋愛
私ヒマリ=ファールドとレン=ジェイムスは、小さい頃から仲が良かった。
五年前からは恋仲になり、その後両親をなんとか説得して婚約まで発展した。
私たちは相思相愛で理想のカップルと言えるほど良い関係だと思っていた。
だが、レンからいきなり婚約破棄して欲しいと言われてしまう。
「俺には最愛の女性がいる。その人の幸せを第一に考えている」
この言葉を聞いて涙を流しながらその場を去る。
あれほど酷いことを言われってしまったのに、私はそれでもレンのことばかり考えてしまっている。
婚約破棄された当日、ギャレット=メルトラ第二王子殿下から縁談の話が来ていることをお父様から聞く。
両親は恋人ごっこなど終わりにして王子と結婚しろと強く言われてしまう。
だが、それでも私の心の中には……。
※冒頭はざまぁっぽいですが、ざまぁがメインではありません。
※第一話投稿の段階で完結まで全て書き終えていますので、途中で更新が止まることはありませんのでご安心ください。
《完結》妻を残して王都へ出稼ぎに出た夫、博打にハマり、借金して簀巻きにされて川へ捨てられる。
ぜらちん黒糖
恋愛
「俺は必ず帰る。お前がいる故郷へ。」
四年前、王都で一旗揚げるはずが、賭博に溺れて全てを失ったベッツ。
彼はついに帰郷を決意するが、その直後、借金取りの無頼者たちに襲われ、瀕死の状態で川に投げ込まれてしまう。
ベッツを救ったのは、心優しい娼婦テレサだった。
無頼者たちの追跡を逃れるため王都を脱出しようとした時、ベッツとテレサは、王都の治安を守護するフェルス伯爵と、人外の力を持つ謎の執事コロネルの陰謀に巻き込まれていく。
そしてやっとの思いでベッツは故郷に辿り着くが、彼の目に映ったのは、壊滅した街の姿と、予想だにしなかった妻アンヌとの「再会」だった。
全ての苦難を乗り越えたベッツが最後に辿り着いた、真実の愛と贖罪のビターエンド物語。
あなたは愛を誓えますか?
縁 遊
恋愛
婚約者と結婚する未来を疑ったことなんて今まで無かった。
だけど、結婚式当日まで私と会話しようとしない婚約者に神様の前で愛は誓えないと思ってしまったのです。
皆さんはこんな感じでも結婚されているんでしょうか?
でも、実は婚約者にも愛を囁けない理由があったのです。
これはすれ違い愛の物語です。
報われなかった姫君に、弔いの白い薔薇の花束を
さくたろう
恋愛
その国の王妃を決める舞踏会に招かれたロザリー・ベルトレードは、自分が当時の王子、そうして現王アルフォンスの婚約者であり、不遇の死を遂げた姫オフィーリアであったという前世を思い出す。
少しずつ蘇るオフィーリアの記憶に翻弄されながらも、17年前から今世まで続く因縁に、ロザリーは絡め取られていく。一方でアルフォンスもロザリーの存在から目が離せなくなり、やがて二人は再び惹かれ合うようになるが――。
20話です。小説家になろう様でも公開中です。
お飾りな妻は何を思う
湖月もか
恋愛
リーリアには二歳歳上の婚約者がいる。
彼は突然父が連れてきた少年で、幼い頃から美しい人だったが歳を重ねるにつれてより美しさが際立つ顔つきに。
次第に婚約者へ惹かれていくリーリア。しかし彼にとっては世間体のための結婚だった。
そんなお飾り妻リーリアとその夫の話。
王太子殿下との思い出は、泡雪のように消えていく
木風
恋愛
王太子殿下の生誕を祝う夜会。
侯爵令嬢にとって、それは一生に一度の夢。
震える手で差し出された御手を取り、ほんの数分だけ踊った奇跡。
二度目に誘われたとき、心は淡い期待に揺れる。
けれど、その瞳は一度も自分を映さなかった。
殿下の視線の先にいるのは誰よりも美しい、公爵令嬢。
「ご一緒いただき感謝します。この後も楽しんで」
優しくも残酷なその言葉に、胸の奥で夢が泡雪のように消えていくのを感じた。
※本作は「小説家になろう」「アルファポリス」「エブリスタ」にて同時掲載しております。
表紙イラストは、雪乃さんに描いていただきました。
※イラストは描き下ろし作品です。無断転載・無断使用・AI学習等は一切禁止しております。
©︎泡雪 / 木風 雪乃