興味はないが、皇帝になってやるよ

編端みどり

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第二十六話

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明日には皇帝が決まり、即日即位する。

前日は、皇帝、フォス、イオスの3人で食事をするのが決まりだ。給仕は全て皇帝の直属の者が行う為、久しぶりにイオスは他人の作った物を口にしていた。当然、毒は入っていない。

「いよいよ明日だな。どちらが皇帝になっても、立派に余の後を継いでくれると思っている」

「もちろんです父上! 私が皇帝になり、立派に跡を継いでみせます!」

フォスは、既に自分が皇帝になる気でいた。だが、それは言ってはいけない言葉。まだ決まっておらず、皇帝が決める次期皇帝に自分がなると断言してしまったのだから。

「フォス、どういう事だ?」

フォスは、何に失敗したか理解出来なかったので、無言になった。決まっていないのに、さも、決まったかのように発言した事がまずいとすぐ気がついたが、その時にはイオスのフォローが入っていた。

「まぁまぁ、兄上を支持する方は多いですから、兄上が次期皇帝だと考える者が居ても不思議はありません。現に、私の侍従であるフランツも、廊下で大声で兄上を次期皇帝と紹介しておりました。私は直接聞いておりませんが、証人はたくさん居るそうですよ」

イオスは、兄をフォローするフリをしながらトドメを刺す。

「何だと?! まだ決まってもいないのにか?! フォスの侍従ならともかくイオスの侍従がそんな事を言うなど無礼にも程がある! フランツはイオスにとって大事な侍従か?」

「いいえ。私は元々侍従はおりませんでした。フランツは、兄上が私を心配してつけてくれただけです。仕事も手伝いませんし、黙って私の側に控えているだけなので、はっきり言うと邪魔ですね。」

「なら、今すぐ解雇しろ!」

「御意」

「ま、待ってください! フランツはイオスの為に言ったのです! 希望を持ってはイオスも辛いだろうと」

「フォス! まさかと思うがお前はフランツがそのような馬鹿げた発言をした場に、おったのか?!」

「そ、それは……」

「当然、兄上もいらっしゃいましたよ。何人もの貴族が見ております。否定もせずニコニコ笑っていたと聞いておりますよ」

「イオス!」

フォスは慌ててイオスを止めようとしたが、もう遅かった。怒りに満ちた皇帝が、静かに発言する。

「食事が済んだら、順番に私の私室に来い。皇帝になって実現させたい事を教えて貰う。イオス、お前は皇帝になる気はないと言っていたが、話はする。必ず来い」

「皇帝陛下のお心のままに」

「それから、フランツは今すぐ解雇しろ。城への出入りも禁止する。今すぐ通達しろ」

皇帝の指示に、数名がすぐに動いた。

「フォスも、イオスの侍従なのだから口を出すな。分かったな」

「……かしこまりました」

通達は、すぐさまフランツの家に伝えられた。フランツは次期当主だったが廃嫡され、その後フランツの姿を見た者はいない。
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