傷物にされた私は幸せを掴む

コトミ

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私の名前はエミリア・フィアナという。子爵家で、妹が居る。ミアと言い、両親からとても可愛がられている。


「お姉様、これくださいな」


ミアが、私の部屋にやってきて、私が十六歳の誕生日の時に婚約者のルイス・テイラーに貰ったネックレスなのだ。ルイスは私と同じ子爵家の次男でフィアナ家へ婿としてやってくることになっている。


「これはルイス様がから頂いたものなのよ。駄目に決まっているでしょう」

「いいじゃないですか。来週はお姉様の十七歳の誕生日で、またルイス様からプレゼント頂くんでしょう?」

「私はルイス様からスイーツや安いピアスしかもらえないのよ」


こいつは…と思った。いつも持ってきて下さるスイーツだって高級店の物で、ピアスだって安いものじゃない。私が誕生日に貰う貴族の中でも高いアクセサリーなだけで、それをいつも妹は欲しがってくる。しかも次の誕生日の時が近い時に。


「ダメと言ったらダメ、早く部屋から出て行きなさい」

「欲しいったら欲しいの!お姉様ほとんど使っていないじゃない!可愛くないお姉様より、可愛いミアが付けた方がアクセサリーも嬉しいわ」


両親がいつもミアの事を甘やかして、可愛い可愛いとはやし立てたために、自分が可愛いと思っている。確かに目も大きくて、顔も小さくて、小柄だ。だから可愛いのは可愛いのだけれど、それを自分で言うのはどうかと思っている。

二人で言い争いをしていると、母が部屋を通りかかった。


「エミリア、ミア、何をしているのですか?」


母が部屋の中に入ってくると、ミアは母に縋り付いた。母はすこし嬉しそうな顔になった。母はミアに頼られるのが好きなのだ。


「お母様!お姉様がアクセサリーをくださらないの。お姉様全然自分につけていないっていうのに、ミアあのアクセサリー付けたいわ、あのアクセサリーずっと欲しかったの」


ミアがそう泣きつくと、母は私の事を睨みつけてきた。母は私の事を嫌っている。


「エミリア、ミアにそれをあげたらどう?可愛い妹が欲しがっているのよ。貴方は長女なんだから」

「でも、ルイス様から貰ったものなんです」

「だからどうしたの?結婚したらいくらでもアクセサリーを買ってもらえばいいじゃない」


お母様がこういったら、渡さなければ、怒鳴られて面倒くさいことになるかもしれない。私は仕方がなくアクセサリーをミアに渡した。


「ありがとうお姉様!大好き」


私はため息をついて、椅子に座った。いつもこれの繰り返しだ。この家の中はミアで回っている。ミアの言う通りにしなければ、父と母に怒られる。

私とルイスが結婚できるまでの辛抱だ。十七になれば結婚できる歳になる。

と思っていた。




「お姉様、私がルイス様と結婚しますわ」
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