【勢い小説】転生したらただの〇〇〇〇でした

しゅーげつ

文字の大きさ
3 / 9
第一章 とある牢獄でひっそり横たわる男へ

第二話

しおりを挟む
『……いやぁそれでねぇ、なんか知らんけど王様に投獄されちゃってさ~
まじウケるwwwwww』


うるせえ、黙れ。


耳を閉じる、というコマンドがないオレに
延々あらすじを語って聞かせるサイモンとか言う男の魂は、

ものの数分で敬語を通り越してタメ口になり、


今では軽快な独り言を垂れ流すYoutuber調になっていた。



ウザイ。しかもこいつ話が長い。



居るよねこういうの……主にリア充界隈に。


延々自分語り、
我慢してウンウン聞いてりゃ、
話に要点がねぇ、

しまいにゃオチもねぇ。

何度も何度も壊れかけのレディオのように繰り返すもんだから、
流石にいやでも投獄ストーリーをしっかり覚えてしまった。

要約するとこうだ――
この男、別にガーファンクルという相方は居ない。


……冗談はさておき、
この男は、とある山奥に引き籠る国の勇者で、
何やら悪の親玉を倒すために王様に謁見したら――



速攻で捕まって投獄されたという、


不幸のだるまおとしのような男だ。


普通王様つったらはした金でもくれてよこすのが定番だろーよ。

こんぼう渡して魔王倒して来いとか、


受け取った瞬間、そのこんぼうでしこたま殴打したくなるような
そんなクズ王でもそのその王様よりゃマシだわな。



しかしまぁ、この男もただナスのママ、じゃねえや、
なすがままに投獄された訳ではなかったらしい。


自分が親玉のバラなんとか?とやらを倒すために携えていた大事な剣を、
古くからの友人で別の勇者であるオルなんちゃらとか言う男に渡すために、

無実の罪で捕まる前に何とか取り上げられないようにしなくては!!

と、

咄嗟に思い至ったらしい。



んだが、勿論そんな長いもん、懐に忍ばせるなんて出来るはずもなく、
考え抜いた結果何を思ったのか定かではないが、

背中から、鎧の下のインナーの中に差し込んで、
剣先を太もも裏に回して隠したんだそうな。


いや、よくそれで隠しおおせたなと。


電車の中で強制こんにちわする立派なブツを括約筋の活躍で挟んだまま、
駅のトイレまで耐えるよりハードじゃねーか。


で、鎧を剥がれて木の実ナナ……じゃねえや、
着の身着のまま、孤島の牢獄に放り込まれ、



うっかりそのまま独房のベットに大の字になって――




ケツを二つに割って出血死したらしい。



どおりでベットが赤黒い訳だ。
死因は切れ痔だ。



まぁそれはたいした話ではない。
悲惨な話ではあるが、重要ではない。



奴の話で取るべき所はたった一点……



そのまま白骨化して肝心の剣が、


ベッドの下に転げ落ちたことだ!!!!



仮にそのオルなんちゃらさんとやらが現れても、
そのオルふにゃむにゃさんとやらが、

勝手に息子の部屋を掃除する大阪のオバサンでも無い限り、
ベットの下までは漁らないだろう。

むしろ名前からして、紫のパンチパーマというよりは、
上半身裸ブリーフ一丁で斧持った変態マスクな印象を受ける。


そんな奴はまずベットなんて調べない。
下手したら斧でカチ割るだろう。


要するに、『牢獄で力尽きた男の親友に剣を渡す』というクエストは、
そもそも始まる前から詰んでいるのだ。



そして、最後は決まって『剣を渡さなければ……』と締めて、
話はループする。
この文言自体がリピートマークみたいなもんなんだろう。




オレは考えた。
気になってみた。


こいつは多分親友に剣を渡せなかった未練で、
意識だか魂だかが、この白骨にしがみ付いているのだろう。


しかしとりあえずは、この骨は今はオレなのだ。
一骨二魂は間尺に合わない。


何とか成仏してもらってお引取り願いたいが……
そのオル・・・とやらは本当に現れるのだろうか??


そもそもまだ生きているのかすらも定かじゃない。



オレはエンドレスナレーションを子守唄に、
薄汚れたベットに横たわった――というより元から横たわってんだが、

気がした前提で――

眠りについた、



ような思いに浸った。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜

桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。 上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。 「私も……私も交配したい」 太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

あべこべな世界

廣瀬純七
ファンタジー
男女の立場が入れ替わったあべこべな世界で想像を越える不思議な日常を体験した健太の話

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...