29 / 31
3・桐とタルト
桐とタルト・8
しおりを挟む
「自己紹介がまだでしたよね。俺は御園生秀治といいます。じきにカフェの店長になる予定です。こちらは庭師をしている御園生有麻で、俺の伯父です」
「ま、まりあさんじゃ、ないんですね」
祥子は正面に座る有麻をちらっと見て、すぐに顔を伏せた。何となく小動物を思わせる仕草だ。
「まりあと呼ぶのは、莉々子だけですね。あ、俺の娘の莉々子です」
莉々子は立ち上がって祥子の横まで歩いていくと、またスカートをつまみ上げる淑女のあいさつをした。
「莉々子です。どうぞおみみりおきを」
「おみしりおきだろ」
秀治の突っこみを、やんわりと祥子は手で制した。
「大丈夫、わかりますから」
そして莉々子に目線を合わせ、ていねいに頭を下げた。
「荒川祥子です。どうぞよろしく」
莉々子に恥をかかせないようにし、莉々子を一人前の人として扱ってくれている。祥子の人柄が垣間見えた気がした。
「さあ、お茶をどうぞ。ハーブティーなんですが」
有麻がカップを手渡すと、また祥子の頬がバラ色に染まる。
「ありがとうございます。まりあ、じゃない有麻さん」
「まりあでもいいですよ」
有麻に笑いかけられて、祥子の顔はバラ色を通り越してゆでだこ状態だった。自分を落ち着かせるようにカップに口をつけ、ふーと息をつく。
「何だか、落ち着く感じがします」
「カモミールのブレンドなんです。カモミールは……」
「あ、大丈夫です。さっきの説明ドア越しに聞いてしまったので」
しゃべりかけた秀治を手で制して、祥子は肩をすくめる。
「マフィンもどうぞ。プレーンとチョコチップのどちらが?」
「ど、どっちも、いいですか?」
有麻が取り分けたマフィンの皿を受け取って、祥子はまずはチョコチップから口をつけた。ふんふんとうなずきながら食べきり、プレーンはまず何もつけずにかじりつく。その後イチゴジャムを塗り、一口食べて「おいしい」と声を上げた。
「このイチゴジャムおいしいですね。手作りですか?」
「そう、この近くのイチゴ農家さんが毎年規格外品を分けてくれるんだ」
「イチゴの品種は?」
「色々。ごちゃまぜにして、ジャムにしちゃってる」
「わあ、贅沢」
有麻と会話する祥子は、楽しげだ。やはりお菓子作りへの興味は、まだ祥子の中にあるようだ。
さあ、ここからどうする気なんだと、秀治は有麻に目線をやる。
その視線を受け、桐の切り株と祥子とに目線をやって、有麻は話し出した。
「桐の木の話をしてもいいですか?」
ビクリと、祥子の肩が跳ねた。
「克也さんも祥子さんも、あの桐の木が祥子さんが生まれた時の記念樹だと思われてますよね。そもそも、そこが間違いだったんです」
「間違いって、そんな」
「いや、御園生さん、そんなはずはないです。あの桐の木は、祥子が生まれた時にお袋が植えた木なんですから。記念樹じゃないとしたら、何のために植えたんですか」
祥子と克也が口々に言っても、有麻の顔色は変わることはない。
「他の木だったら、記念樹だったと思うんですよ。でも、桐の木となると、意味合いが違ってきます」
桐の切り株に目をやって、有麻はすうっと目線を上へ滑らせた。まるで、そこに存在した桐の木を仰ぐように。
「昔は、女の子が生まれると、家の敷地に桐の木を植えたそうなんです。どうしてか、わかりますか?」
「え、だから、記念樹では……」
そう言えば、ここのお隣の宮村さんも言っていた。『昔はよく女の子が生まれると桐の木を植えたものだけど、今は見なくなったわよねえ』と。
「昔はお嫁入りの時に、娘に訪問着や留袖を持たせるのが一般的でした。それらを入れる桐の箪笥も、嫁入り道具として必需品だったんです。桐の木は防湿、防虫効果があり、火にも強いと言いますから、着物をしまうのにはぴったりですからね」
その辺りの話は知っているようで、克也もうなずいている。
「しかし桐の箪笥というのは、なかなか高価な品物です。そこで親達は女の子が生まれたら、家の敷地に桐の木を植えたんです。桐の木は生長が早いですからね。女の子と一緒にスクスク育ち、やがてお嫁入りする年頃になるとちょうど箪笥が作れるくらいに育っているというわけです。その木を伐って乾燥させて、箪笥を作ってもらい、お嫁入りに備えたんですね」
「生まれた時から、お嫁に出す準備をしているんですか?」
克也が、どこか呆れたような声を上げた。
「ええ、昔は女の子はお嫁に行くのが当たり前でしたからね。それが幸せなことだと言われていました。祥子さんのおばあさまも、そういう価値観の持ち主だったんじゃないでしょうか」
克也と祥子は顔を見合わせ、どちらからともなくうなずいた。
「おばあちゃん、いつも私に言ってました。女の子はお嫁に行くのが幸せだって。私の花嫁姿を楽しみにしてるって」
「えっ、ということは、ここの桐の木も?」
克也が何かに気づいたように、桐の切り株を振り返る。有麻が「そうです」とうなずいた。
「おばあさまは、祥子さんに嫁入り道具として桐の箪笥を持たせようと、桐の木を植えたんですよ」
克也と祥子は口に手を当てて呆然としていた。同じような表情でポカンとしているのを見ると、やはり親子なんだなと秀治は思う。
「専門学校に行くって決めた時、おばあちゃんにはずいぶん反対されました。女の子はお嫁に行くものなのに、手に職をつけてどうするって。そもそもの価値観が、私とは違っていたんですね」
「おばあさまはおばあさまなりに、祥子さんの幸せを願っていたんだと思いますよ。でも現代の感覚とはずれてしまっていたんですね」
「じゃ、じゃあ、どうして妻は、あの木を伐ってしまったのでしょう」
すがるような声で克也が言った。祥子がその隣で、ギュッとスカートを握るのが見えた。
「桐の木は、嫁入り道具の材料として用意されたものでした。祥子さんのお母さんは、それを、もういらないものだからと言ったんでしたね」
祥子の体が縮こまっていく。衝撃から身を守ろうとするように。
有麻が明かそうとしている真実は、本当に祥子にとって優しいものだろうか。祥子を救ってくれるのだろうか。
秀治自身も、膝に置いた手を握りこまずにいられなかった。
「祥子さんに嫁入り道具はいらない、と、お母さんは言ったんです。結婚するなという意味では決してないですよ。おばあさまの考えるお嫁さんは、家の中のことをしっかりやって、旦那さんを支える奥さんという姿だったんじゃないでしょうか。お母さんが祥子さんに望んだのは、そういう未来ではなかった」
祥子の手が、スカートから離れる。しわしわになったスカートから、祥子の緊張が伝わってくる。
「結婚相手に頼らず、自分の力で自分の人生を生きていって欲しい。お母さんはそう願いをこめて、桐の木を伐ったのじゃないでしょうか?」
刹那的に、祥子の顔に晴れやかなものが浮かんだ気がした。だけどすぐに、雲が太陽を覆ってしまうように、祥子の表情は影に沈む。
「じゃあ、じゃあどうしてお母さんは、私にあんなものを遺したんでしょう。形見の品がただの石ころなんでしょうか」
「ただの石ころを、お母さんがあなたに遺すと思いますか?」
「え……?」
祥子が思わずというように、有麻の顔を真っ直ぐに見つめる。その潤んだ瞳が、期待と不安で揺れているのがわかる。
「ま、まりあさんじゃ、ないんですね」
祥子は正面に座る有麻をちらっと見て、すぐに顔を伏せた。何となく小動物を思わせる仕草だ。
「まりあと呼ぶのは、莉々子だけですね。あ、俺の娘の莉々子です」
莉々子は立ち上がって祥子の横まで歩いていくと、またスカートをつまみ上げる淑女のあいさつをした。
「莉々子です。どうぞおみみりおきを」
「おみしりおきだろ」
秀治の突っこみを、やんわりと祥子は手で制した。
「大丈夫、わかりますから」
そして莉々子に目線を合わせ、ていねいに頭を下げた。
「荒川祥子です。どうぞよろしく」
莉々子に恥をかかせないようにし、莉々子を一人前の人として扱ってくれている。祥子の人柄が垣間見えた気がした。
「さあ、お茶をどうぞ。ハーブティーなんですが」
有麻がカップを手渡すと、また祥子の頬がバラ色に染まる。
「ありがとうございます。まりあ、じゃない有麻さん」
「まりあでもいいですよ」
有麻に笑いかけられて、祥子の顔はバラ色を通り越してゆでだこ状態だった。自分を落ち着かせるようにカップに口をつけ、ふーと息をつく。
「何だか、落ち着く感じがします」
「カモミールのブレンドなんです。カモミールは……」
「あ、大丈夫です。さっきの説明ドア越しに聞いてしまったので」
しゃべりかけた秀治を手で制して、祥子は肩をすくめる。
「マフィンもどうぞ。プレーンとチョコチップのどちらが?」
「ど、どっちも、いいですか?」
有麻が取り分けたマフィンの皿を受け取って、祥子はまずはチョコチップから口をつけた。ふんふんとうなずきながら食べきり、プレーンはまず何もつけずにかじりつく。その後イチゴジャムを塗り、一口食べて「おいしい」と声を上げた。
「このイチゴジャムおいしいですね。手作りですか?」
「そう、この近くのイチゴ農家さんが毎年規格外品を分けてくれるんだ」
「イチゴの品種は?」
「色々。ごちゃまぜにして、ジャムにしちゃってる」
「わあ、贅沢」
有麻と会話する祥子は、楽しげだ。やはりお菓子作りへの興味は、まだ祥子の中にあるようだ。
さあ、ここからどうする気なんだと、秀治は有麻に目線をやる。
その視線を受け、桐の切り株と祥子とに目線をやって、有麻は話し出した。
「桐の木の話をしてもいいですか?」
ビクリと、祥子の肩が跳ねた。
「克也さんも祥子さんも、あの桐の木が祥子さんが生まれた時の記念樹だと思われてますよね。そもそも、そこが間違いだったんです」
「間違いって、そんな」
「いや、御園生さん、そんなはずはないです。あの桐の木は、祥子が生まれた時にお袋が植えた木なんですから。記念樹じゃないとしたら、何のために植えたんですか」
祥子と克也が口々に言っても、有麻の顔色は変わることはない。
「他の木だったら、記念樹だったと思うんですよ。でも、桐の木となると、意味合いが違ってきます」
桐の切り株に目をやって、有麻はすうっと目線を上へ滑らせた。まるで、そこに存在した桐の木を仰ぐように。
「昔は、女の子が生まれると、家の敷地に桐の木を植えたそうなんです。どうしてか、わかりますか?」
「え、だから、記念樹では……」
そう言えば、ここのお隣の宮村さんも言っていた。『昔はよく女の子が生まれると桐の木を植えたものだけど、今は見なくなったわよねえ』と。
「昔はお嫁入りの時に、娘に訪問着や留袖を持たせるのが一般的でした。それらを入れる桐の箪笥も、嫁入り道具として必需品だったんです。桐の木は防湿、防虫効果があり、火にも強いと言いますから、着物をしまうのにはぴったりですからね」
その辺りの話は知っているようで、克也もうなずいている。
「しかし桐の箪笥というのは、なかなか高価な品物です。そこで親達は女の子が生まれたら、家の敷地に桐の木を植えたんです。桐の木は生長が早いですからね。女の子と一緒にスクスク育ち、やがてお嫁入りする年頃になるとちょうど箪笥が作れるくらいに育っているというわけです。その木を伐って乾燥させて、箪笥を作ってもらい、お嫁入りに備えたんですね」
「生まれた時から、お嫁に出す準備をしているんですか?」
克也が、どこか呆れたような声を上げた。
「ええ、昔は女の子はお嫁に行くのが当たり前でしたからね。それが幸せなことだと言われていました。祥子さんのおばあさまも、そういう価値観の持ち主だったんじゃないでしょうか」
克也と祥子は顔を見合わせ、どちらからともなくうなずいた。
「おばあちゃん、いつも私に言ってました。女の子はお嫁に行くのが幸せだって。私の花嫁姿を楽しみにしてるって」
「えっ、ということは、ここの桐の木も?」
克也が何かに気づいたように、桐の切り株を振り返る。有麻が「そうです」とうなずいた。
「おばあさまは、祥子さんに嫁入り道具として桐の箪笥を持たせようと、桐の木を植えたんですよ」
克也と祥子は口に手を当てて呆然としていた。同じような表情でポカンとしているのを見ると、やはり親子なんだなと秀治は思う。
「専門学校に行くって決めた時、おばあちゃんにはずいぶん反対されました。女の子はお嫁に行くものなのに、手に職をつけてどうするって。そもそもの価値観が、私とは違っていたんですね」
「おばあさまはおばあさまなりに、祥子さんの幸せを願っていたんだと思いますよ。でも現代の感覚とはずれてしまっていたんですね」
「じゃ、じゃあ、どうして妻は、あの木を伐ってしまったのでしょう」
すがるような声で克也が言った。祥子がその隣で、ギュッとスカートを握るのが見えた。
「桐の木は、嫁入り道具の材料として用意されたものでした。祥子さんのお母さんは、それを、もういらないものだからと言ったんでしたね」
祥子の体が縮こまっていく。衝撃から身を守ろうとするように。
有麻が明かそうとしている真実は、本当に祥子にとって優しいものだろうか。祥子を救ってくれるのだろうか。
秀治自身も、膝に置いた手を握りこまずにいられなかった。
「祥子さんに嫁入り道具はいらない、と、お母さんは言ったんです。結婚するなという意味では決してないですよ。おばあさまの考えるお嫁さんは、家の中のことをしっかりやって、旦那さんを支える奥さんという姿だったんじゃないでしょうか。お母さんが祥子さんに望んだのは、そういう未来ではなかった」
祥子の手が、スカートから離れる。しわしわになったスカートから、祥子の緊張が伝わってくる。
「結婚相手に頼らず、自分の力で自分の人生を生きていって欲しい。お母さんはそう願いをこめて、桐の木を伐ったのじゃないでしょうか?」
刹那的に、祥子の顔に晴れやかなものが浮かんだ気がした。だけどすぐに、雲が太陽を覆ってしまうように、祥子の表情は影に沈む。
「じゃあ、じゃあどうしてお母さんは、私にあんなものを遺したんでしょう。形見の品がただの石ころなんでしょうか」
「ただの石ころを、お母さんがあなたに遺すと思いますか?」
「え……?」
祥子が思わずというように、有麻の顔を真っ直ぐに見つめる。その潤んだ瞳が、期待と不安で揺れているのがわかる。
1
あなたにおすすめの小説
『婚約破棄された悪役令嬢ですが、嫁ぎ先で“連れ子三人”の母になりました ~三人の「ママ」が聞けるまで、私は絶対に逃げません~』
放浪人
恋愛
「母はいりません」と拒絶された悪役令嬢が、最強の“ママ”になるまでの物語。
「君のような可愛げのない女は、王妃にふさわしくない」
身に覚えのない罪で婚約破棄され、“悪役令嬢”の汚名を着せられたクラリス。 彼女が新たに嫁いだのは、北方の辺境を守る「氷の公爵」ことレオンハルト・フォン・グレイフだった。
冷え切った屋敷で彼女を待っていたのは、無表情な夫と、心に傷を負った三人の連れ子たち。 「僕たちに、母はいりません」 初対面で突きつけられた三つの拒絶。しかし、クラリスは諦めなかった。
「称号はいりません。私が欲しいのは――あなたたち三人の『ママ』になれる日だけです」
得意の生活魔法『灯(ともしび)』で凍えた部屋を温め、『鎮(しずめ)』の歌で夜泣きを癒やし、家政手腕で荒れた食卓を立て直す。 クラリスの献身的な愛情は、頑なだった子供たちの心を解きほぐし、やがて不器用な夫の氷の心さえも熱く溶かしていく。
これは、不遇な悪役令嬢が「最強の母」となり、家族を脅かす元婚約者や魔獣たちを華麗に撃退し、最愛の家族から「ママ」と呼ばれるその日までを綴った物語。
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました
ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。
ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。
王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。
そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。
「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる