37 / 49
始まりの森編
待ち伏せレア種と4個目の虹色の果実2
しおりを挟む本当に酷い攻撃力だ、通常の薙ぎ斬りでさえ当たれば痛いのに。ここは盾と短槍にチェンジするべきか、取り敢えず《Dタッチ》を決め込みつつ悩んでみたり。
敵のHPだが、ようやく半減に差し掛かったところ。敵の種類によっては、体力半減で急にハイパーモードに移行する奴もいるけど。
ひょっとしてコイツもそうなのかも、急に特殊技を使い始めて来たし。何にしろ厄介には違いない、さて武器の交換はどうしよう?
結局は武器チェンジする事無く、そのまま棍棒で攻撃する事に。曲がりなりにも両手棍は、武器スキル8Pも振り込んだ俺のアバターの最強武器だ。
武器スキルも2つ覚えてるし、パワーにはパワーで対抗だ。取り敢えずは《Dタッチ》で少しだけ回復出来たが、再びあのパワー技を喰らったらとても不味い。
取り敢えず俺は安全策を取って、足止めにと《風の茨》をばら撒きに掛かる。巨体相手にどうかなと思ったけど、何とか奴の動きは緩和してくれた。
その隙にベルトのポーチを漁って、ポーション瓶を取り出して一気飲み。回復ついでに、ポーチに入ってた闇の水晶玉での投擲攻撃も行なう。
これは結構効いた模様……こちらは一応全回復したし、これで負けの目はなくなったかな? いやいや、油断は大敵だが回復を挟めたのはかなりデカい。
後はとにかく果敢に攻め込んで、大カマキリの息の根を止めるだけ。とか思っていたら、思わぬしっぺ返しが襲い掛かって来た。
これも多分だけど、相手の体力が減ったから発動した特殊技かも。レア種カマキリの皮膚の色が急変して、周りの風景に溶け込むように《保護色》が発動したのだ。
うぬっ、そうは言っても完全に消える訳は無……げえっ、目の前から敵がいなくなったよ! これにはビックリ、不意打ちであの攻撃を受けたら正直ヤバいかも?
取り敢えずは他力本願で、俺はファーに居場所を確認してみる。
驚いた事に、ファーは呆気無く敵の特殊能力を見抜いてしまっていた。アッチと指差した方向に目を遣ると、なるほど何となく景色が揺らいで見える。
焦って殴り掛かるも、手にした武器には何の衝撃も感じない。手応えを求めて周囲を闇雲に殴ってみるも、時既に遅しで敵の手掛かりは消えていた。
ナニやってんのとの、従者の筈の妖精のジトッとした視線が主の俺に注がれる。いやだって、透明な敵と戦うって無茶でしょ!?
その返答は、重い斬撃としてすぐに返って来た。ムキーッとなって適当な方向に攻撃を繰り出すが、やはり手に反応は全く無しの結果に。
全くやり難い能力持ちのレア種である、パワーがある敵だけに最悪だな。幸い、ファーは律儀にも敵の方向の指差しを続けてくれている。
腹が立った俺は、これでどうだと踏み込んでの《ブン回し》の範囲攻撃を敢行。しかしこれも大外れ、スキルの空振りって初めてかも?
そして反撃の辻斬りに遭遇、またまたHPを減らして何とも苛つく攻防の繰り返しに。堪忍袋の緒が切れた俺は、ベルトのポッケから水晶玉の残りを取り出す。
そしてファーの向けてる指先へと、まとめて放り投げると言う暴挙に出てしまった。後で思えば、相当勿体無い事をしちゃったなとも思う。
とにかくこれが功を奏して、敵のHPが久し振りに激減してくれた。そしてダメージによる効果が表面に噴出、空間が揺らいで大カマキの姿がようやく出現した。
このチャンスを逃すと、もう後が無いかも知れない。その焦りと怒りを乗せた一撃を棍棒に乗せ、俺は思い切り敵の脳天へと撃ち降ろす。
見事にヒットした久々の感触が、脳天を痺れさせるほどの快感へと変わって行く。それに驕らず、俺はすぐに次の攻撃へと移行する。
撃ち降ろした棍棒を、今度は真上へとカチ揚げる軌道へと修正する。つまりは《撃ち上げ花火》のスキル技で、大カマキへのトドメの一撃!
これが文字通りに闘いの終止符となって、意外と長かった戦闘も終了へ。いやいや本当に苦労した、パワー型なのに特殊能力も持ってるって反則だろ。
とにかく終わってホッとした、そしてレベルが10に上がると言う快挙。ようやく2桁への到達は、過去の冒険を鑑みてちょっと嬉しいかも。
おっと、忘れない内に4個目の『虹色の果実』も回収しておかないと。そう言えば、ファーの気にしてた収集ポイントもあったっけ?
これは戦闘が終わっても、一息つく暇もありゃしない。
お楽しみのレア種の報酬だけど、まずはスキル3Pをゲット。強敵だったのでもう少し上でも良かったとも思うが、あまり贅沢は言うまい。
それからドロップは、まずは両手武器の大鎌が1つ。今までは素材系が多かったのに、今回はちゃんとした武器の形を成しての報酬である。
見た感じかなり強いんだけど、残念ながらスキルがナッシング。それから恒例の魔石(小)と『風の術書』、それから『器用の果実』と『剣術指南書』が一冊。
定番の2品はともかく、剣術指南書は指定の武器スキルを2P上昇してくれるらしい。風の術書と器用の果実はすぐに使うとして、大鎌の性能はこんな感じ。
――蟷螂の大鎌 耐久8、攻+14、時々風ダメージ追加
んをっ、これは……何か凄い性能な気もするけど、スキルゼロPで武器を使う気は未だに無い。必殺技の行使が面白いので、使うならガッツリとスキルPを振り込む算段になる。
一緒にドロップした剣術指南書を、大鎌スキル伸ばしに使うのもアリなのか? しかしそれだと、両手武器を2つも使い分ける魔法戦士が誕生してしまう。
魔法の並びももう少し増やしたいし、ここは取り敢えず保留の方向で。ドロップした大鎌は良い武器で勿体無いけど、仕方ないのでこれは鞄行き。
ファーがここも大事と、さっきから例のモンスターの巣跡のポイントを指し示している。おっと忘れる所だった、お楽しみの収集作業をしなきゃね。
結果は巨大生物の大腿骨や鎖骨部分が幾つかと、土や風の水晶の欠片が少々。毛皮とか変なキノコも採れたけど、キノコは動物の死骸から生えていると言う。
ファーがどこからか、丈夫な木の蔦素材を取って来て再び鞄がパンパンに。魔除けの香炉を焚きながら、鞄と風呂敷の整理に追われつつ。
ポイント収集で発見した大腿骨、棍棒素材に使えそうだなぁと思考に耽ってみたり。鋭利な骨素材も結構あるし、骨系の材料で両手棍を作れないかな?
何とかなりそうな気もするが、これはまた木工とは別種の難しさがありそう。接着素材とか工具があればいけそうだけど、それを探すのも一苦労と言うね。
とは言えレベルも上がったし、そろそろ棍棒系の新しい武器も欲しいかなぁ? そう言えば、ここの森の探索で新しい木の棒も入手したんだっけ。
夢は広がるが、肝心な合成能力が追い付かないんだよね。
それはともかく、念願の2桁に達した現在のステータス!
名前:ヤスケ 初心者Lv10 種族:ミックスB
筋力 20 体力 24 HP 79(+8)
器用 23 敏捷 21(+2) MP 62
知力 17 精神 17(-4) SP 59
幸運 15(+8) 魅力 7(+3) スタミナ**
職業(1):『新米冒険者』Lv10
武器(4):《ブン回し》《落とし突き》《撃ち上げ花火》《》
補正(3):《投擲威力20%up》《》《》
武器:弓矢1P
:短剣1P
:短槍4P《落とし突き》
:両手棍8P《ブン回し》《撃ち上げ花火》
:投擲4P《投擲威力20%up》
魔法:『闇』5P《Dタッチ》
:『風』5P《風の茨》
種族:『ミックスB』(幸運+2、魅力-1)
称号:『蝶舞』『猪突』
モネー:21、500
スキルP:13
***『新米冒険者』ヤスケ 装備一覧***
武器 :大猪の牙の木槍(4) 攻+5
武器2:粗末な木の棍棒(4) 攻+4(両手時+6)
予備 :研ぎ直した粗末な石斧 耐久3、攻+4(投擲可)
盾 :粗末な木の盾(3) 防+2
頭 :犬獣人の兜(4) 防+3
上着 :質素な狼皮ベスト(5) 防+5
指輪1:耐魔の指輪(2) 耐魔20%
指輪2:契約の指輪(-) 従者+3
腕 :粗末な革の腕輪(-) 防+0
ベルト:革の幅広ベルト(7) 防+5、ポーチ×4
下肢 :疾風のズボン(8) 防+7、敏捷+2
靴 :粗末な革の靴(-) 防+0
従者:妖精Lv1 幸運+6、魅力+4、精神-4
鞄:魔法の鞄(初心者用)
アイテム:ポーション(大)、ポーション(小)×21、毒消し×2、マナポ×3
:雷の術書、水の術書、潤いの蜂蜜×7、魔石(小)×5、魔石(中)
:蛇の皮、蛇の牙、大猪の毛皮、虹色の果実×4、海賊のサーベル
:料理キット、冒険者セット《地図形成》《水中呼吸》蟷螂の大鎌
:宝珠《清き水》、緋色の頭巾、闇の眼帯、海賊の大斧、海賊の長槍
:魔除けの香炉、金のメダル×3『初級海賊』薬品箱、松脂1瓶
:剣術指南書、巨大な大腿骨
今回は初のレベル2桁到達の恩恵なのか、幸運値と魅力値も上がってくれた。ステータス的には順調だが、装備に関しては残念なお知らせが続いている。
まず1つ目、せっかくここ2日間に渡って、良品武器ドロップが続いていると言うのに。使っているのは、相変わらず拙い自作の武器と言う事実。
愛着は湧くけど、攻撃力とか耐久値的には物凄く残念。それから2つ目、着ぐるみのクエ交換で貰っていた粗末な装備が、2部位も壊れてしまった事。
ファーには笑われるし、せめて穴あきの靴はどうにかしたい所。これは森の中央の安全地帯に戻れば、何とか直して貰えるのかなぁ?
もしくはクエ報酬で、新しいのを貰えるとか。
――いつまで経っても課題は山積み、そんな新米冒険者だったり。
0
あなたにおすすめの小説
親がうるさいのでVRMMOでソロ成長します
miigumi
ファンタジー
VRが当たり前になった時代。大学生の瑞希は、親の干渉に息苦しさを感じながらも、特にやりたいことも見つからずにいた。
そんなある日、友人に誘われた話題のVRMMO《ルーンスフィア・オンライン》で目にしたのは――「あなたが求める自由を」という言葉。
軽い気持ちでログインしたはずが、気づけば彼女は“ソロ”で世界を駆けることになる。
誰にも縛られない場所で、瑞希は自分の力で強くなることを選んだ。これは、自由を求める彼女のソロ成長物語。
毎日22時投稿します。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
転生大賢者の現代生活
サクラ近衛将監
ファンタジー
ベイリッド帝国の大賢者として173歳で大往生したはずのロイドベル・ダルク・ブラームントは、何の因果か異世界のとある若者に転生を遂げた。
ロイドベルの知識、経験、能力、更にはインベントリとその中身まで引き継いで、佐島幸次郎として生き返ったのである。
これは、21世紀の日本に蘇った大賢者の日常の生活と冒険を綴る物語である。
原則として、毎週土曜日の午後8時に投稿予定です。
感想は受け付けていますけれど、原則として返事は致しませんので悪しからずご了承ください。
スラム街の幼女、魔導書を拾う。
海夏世もみじ
ファンタジー
スラム街でたくましく生きている六歳の幼女エシラはある日、貴族のゴミ捨て場で一冊の本を拾う。その本は一人たりとも契約できた者はいない伝説の魔導書だったが、彼女はなぜか契約できてしまう。
それからというもの、様々なトラブルに巻き込まれいくうちにみるみる強くなり、スラム街から世界へと羽ばたいて行く。
これは、その魔導書で人々の忘れ物を取り戻してゆき、決して忘れない、忘れられない〝忘れじの魔女〟として生きるための物語。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる