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白井純恋視点
第四話
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「体が弱かったって話はしたことがあったよね?私、それでよく体を壊して学校にほとんど行けないまま死んじゃったの」
「で、でも…それならどうしてここにいるの?」
旬君からそう聞かれた。
それに関しては、私もよくわかっていない。
「多分、学校に行きたいと思いながら死んじゃったからだと思う。私にも、よくわからないけど」
「……」
旬君は、信じられないという顔をしていた。
当然の反応だと思う。
私も、同じ立場ならきっと信じられない。
「ごめんね、いきなりこんなこと言っても、やっぱり信じられないよね」
「うん…」
旬君と話していると、旬君のクラスメイトの男の子が、旬君に話しかけた。
「草凪?」
「!?あ、斉藤君、だっけ…何?」
「いや、一人で喋ってるからさ、何してんだろって」
「え?」
「い、いや、一人じゃないって、ここにもう一人いるでしょ…?」
他の人には私が見えない。
これは、私の話が本当だということの、何よりの証拠。
「何言ってんだ?草凪、お前以外誰もいないだろ」
「え?」
「よ、剛。草凪もいたのか、なにやってんの?」
「いや、草凪が一人で喋ってるから」
「だ、だから一人じゃないって、ここにいるでしょ」
きっと、これで旬君も信じてくれるだろう。
「?誰もいないように見えるけど」
「え?でも…」
「嘘ついてる感じじゃないよな」
「うん、つまり、俺と剛には見えてないのか、幽霊的なやつとか?」
「わかんねぇ」
「それより、剛、急がなくていいのか?先生に呼ばれてるんだろ?」
「あ、忘れてた、行ってくる」
「俺も一回帰るか、草凪、またな」
「う、うん」
「二人には見えてないみたい…じゃあ、本当に…」
「それじゃあ、信じてくれる?」
「うん…」
旬君は、一応信じてくれたようだ。
でも、何かが引っかかっているようだった。
「でも、どうして僕には見えてるの?」
どうして旬君には、私が見えるんだろう。
私は色々考えてみたけど、その答えは見つからなかった。
「わからない、私、いろんな人に声をかけたけど、今まで気づかれたことなかったから」
ただ、一つ言えることがある。
「だから、旬君が気づいてくれた時はすごくびっくりしたし、すごく嬉しかった」
「……」
「あ、そうだ、あと一つ、謝らないと」
「何?」
「私、旬君がなんのために屋上に行こうとしてたのか知ってた、どうしてそうしようとしてるのかは知らなかったけど、止めなきゃって思って、声をかけた」
「黙っててごめんね」
「そうだったんだ…でも、いいよ、むしろありがとう、白井さんが止めてくれなかったら、僕は変われなかったよ」
私は、怒られる覚悟で打ち明けた。
二度と関わってくれなくなることも…だけど、旬君は許してくれた。
それどころか感謝までしてくれた。
「そっか、なら、止めてよかった」
「…そうだ!白井さん」
突然、旬君は何かを思いついたようだった。
「どうしたの?」
「白井さんのやりたいこと、一緒にやろうよ」
旬君は、とても優しい人だった。
前からわかっていたことだけど、今回のことで、それを再確認した。
「私のやりたいこと?」
「うん、ほら、前に言ってたやつ」
「それはわかるけど…いいの?」
「当たり前だよ、白井さんは僕の恩人だもん」
そう言ってくれたことが嬉しかった。
「ありがとう、旬君は優しいね」
でも、それと同時に…
「白井さんほどじゃ無いよ」
「そんなこと無いよ、本当にありがとう」
とても、寂しい気持ちになった。
「で、でも…それならどうしてここにいるの?」
旬君からそう聞かれた。
それに関しては、私もよくわかっていない。
「多分、学校に行きたいと思いながら死んじゃったからだと思う。私にも、よくわからないけど」
「……」
旬君は、信じられないという顔をしていた。
当然の反応だと思う。
私も、同じ立場ならきっと信じられない。
「ごめんね、いきなりこんなこと言っても、やっぱり信じられないよね」
「うん…」
旬君と話していると、旬君のクラスメイトの男の子が、旬君に話しかけた。
「草凪?」
「!?あ、斉藤君、だっけ…何?」
「いや、一人で喋ってるからさ、何してんだろって」
「え?」
「い、いや、一人じゃないって、ここにもう一人いるでしょ…?」
他の人には私が見えない。
これは、私の話が本当だということの、何よりの証拠。
「何言ってんだ?草凪、お前以外誰もいないだろ」
「え?」
「よ、剛。草凪もいたのか、なにやってんの?」
「いや、草凪が一人で喋ってるから」
「だ、だから一人じゃないって、ここにいるでしょ」
きっと、これで旬君も信じてくれるだろう。
「?誰もいないように見えるけど」
「え?でも…」
「嘘ついてる感じじゃないよな」
「うん、つまり、俺と剛には見えてないのか、幽霊的なやつとか?」
「わかんねぇ」
「それより、剛、急がなくていいのか?先生に呼ばれてるんだろ?」
「あ、忘れてた、行ってくる」
「俺も一回帰るか、草凪、またな」
「う、うん」
「二人には見えてないみたい…じゃあ、本当に…」
「それじゃあ、信じてくれる?」
「うん…」
旬君は、一応信じてくれたようだ。
でも、何かが引っかかっているようだった。
「でも、どうして僕には見えてるの?」
どうして旬君には、私が見えるんだろう。
私は色々考えてみたけど、その答えは見つからなかった。
「わからない、私、いろんな人に声をかけたけど、今まで気づかれたことなかったから」
ただ、一つ言えることがある。
「だから、旬君が気づいてくれた時はすごくびっくりしたし、すごく嬉しかった」
「……」
「あ、そうだ、あと一つ、謝らないと」
「何?」
「私、旬君がなんのために屋上に行こうとしてたのか知ってた、どうしてそうしようとしてるのかは知らなかったけど、止めなきゃって思って、声をかけた」
「黙っててごめんね」
「そうだったんだ…でも、いいよ、むしろありがとう、白井さんが止めてくれなかったら、僕は変われなかったよ」
私は、怒られる覚悟で打ち明けた。
二度と関わってくれなくなることも…だけど、旬君は許してくれた。
それどころか感謝までしてくれた。
「そっか、なら、止めてよかった」
「…そうだ!白井さん」
突然、旬君は何かを思いついたようだった。
「どうしたの?」
「白井さんのやりたいこと、一緒にやろうよ」
旬君は、とても優しい人だった。
前からわかっていたことだけど、今回のことで、それを再確認した。
「私のやりたいこと?」
「うん、ほら、前に言ってたやつ」
「それはわかるけど…いいの?」
「当たり前だよ、白井さんは僕の恩人だもん」
そう言ってくれたことが嬉しかった。
「ありがとう、旬君は優しいね」
でも、それと同時に…
「白井さんほどじゃ無いよ」
「そんなこと無いよ、本当にありがとう」
とても、寂しい気持ちになった。
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