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しおりを挟む石と木と蔦を使い《独創魔法》で簡易的な銛をつくった。
あとはザブザブと波を掻き分け、透明度の高い海へと足を進める
膝上まで海水に浸かるくらいの位置で、早くも魚らしき生物を発見
《鑑定》でも食用に適した魚とお墨付きを頂いた
底まで見える程綺麗な海だ、泳いでいる魚も見つけやすい。これなら俺にも簡単に取れそう
そう思い右手に握りしめた銛を近場を泳ぐ魚目掛けて放つ。
……空振りだ
もう一度、もう一度、もう一度、もう一度
ポタリ、と汗が落ち水飛沫が上がる
何で取れねえんだ!ちくしょう!!!
俺の周りを、まるで嘲笑うかのように何匹もの魚が自由に優雅に泳いでいる
何度突いても、かすりもしない。こんな事ってあるのか?俺のセンスが絶望的なのか?
いや、いい。もうこうなったら仕方ない。
銛を静かにインベントリへと収納する
だが、その代わりに違うものを取り出した
「網だーーーー!!!」
バサリと網が宙を舞い海へと落ちた。最初からこうすれば良かったのだ。
網に入った魚は5匹
20センチ程の魚が2匹と、40センチ以上ありそうな大きな魚が3匹だ
《鑑定》の結果、小さい方は煮ることを勧められ、大きい方は煮ても焼いても旨いと表示された
とりあえず一旦戻ろう、と砂浜へ上がると、少し先でグッタリしてたはずの犬が伏せの様な姿勢で砂浜に身体を埋めている。どうやら起き上がれるまでに回復した様だ
急足で犬の元へと向かい、シベリアンハスキーを思わせるその風貌に少し頬が緩む
良かった、良かった、と頭を撫でながら、獲ってきた魚を砂浜の上へと広げた
置いて行った魔素水をすべて飲み干した様なので、皿に新しい水を追加する
そして次に沢山の薪を出し、フラムストーンで火をつけた。
このフラムストーン、森で見つけたのだが、火打ち石の様な物だ。だけど火力が凄い。ためしに使ったらボッ!と出て火傷するかと思ったくらい、大きな火が出る。
おかげで火起こしは簡単だ
あとは四角に切り出した石を並べ組み、その中にも火をつけた薪を入れ、最後に魔素水を入れた石鍋を置く
まだピチピチと動く新鮮な魚を下拵えの後鉄剣でぶつ切りにし、魔素水で洗い石鍋へと放り込んだ。ついでにキノコも入れておこう
残った大きな魚3匹は、木で作った串をブッ刺し、これもまた魔素水で洗い適当に火が昇る薪の周りへと並べる
パチパチと火花が散る音を聞きながら、頭の上で魔素水がたっぷり入ったバケツをひっくり返した。
日が高く暖かいとは言え、全身に水を被ると少し身震いする
だが、先ほどまで感じていた汗と海水によるべた付きが驚くほどスッキリとしている。心なしなパンツもキレイになった気がした。
とりあえず風呂の心配は要らなさそう
「お前どこから来たんだ?」
モフモフを堪能しながら、大きな犬に問いかける
勿論返事はない
ペットにしたい。という感情を芽生えさせながら、焼き上がった魚を与えると、それはもう、美味しそうに、それでいて器用にペロリと食べた。
そんな犬を見ながら俺も魚を口へと運ぶ。
うん、普通に魚だ。しっかり脂がのっていて美味しい。サバみたい。
海水から塩を作ってかければ良かったな…なんて思いながら、魚とキノコのスープを飲む。こちらはあっさり。淡白な魚、少し身が固いか…?まあ、でも悪くない!
空腹に染みる!生き返る!!!
焼き魚をもう1匹犬に与え、優しく頭を撫でた
すると、犬が突然俺の額へと大きな顔を擦り付け、「わふっ」と一声鳴いた。
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