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フェルマンサイド 3
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意識を取り戻したセラフィーヌに安堵し、あとの看病は使用人たちに任せることにした。
これまで気を張った生活をしてきた彼女がゆっくりできるようにと、自分は顔を出すのを控えることにした。
するとメイドから、セラフィーヌが怯えているようだと報告があった。
「怯えている?」
「はい。いまだ、ガエル様や以前の使用人がいつ来るのか不安なのではないでしょうか」
この屋敷に来てから辛い境遇を耐える毎日、死の淵から生還したばかりの彼女が不安に苛まれるのは理解できる。
もう大丈夫だと言われてもいつまたガエルが現れるのかと恐ろしく、メイドたちもまだ信じられず怖いのかもしれない。
「そうか……。しかし私が話を聞きに行くと余計に嫌がられるかもしれぬな」
「いえ、旦那様の事はとても信頼なさっているご様子でした。大変喜ばれるのではないでしょうか」
使用人にまだ警戒をしている彼女が私に気を許してくれていると聞いて嬉しくなった。
何もしてやれなかった自分だが、今彼女の支えになれているのであれば少しは罪滅ぼしになる。
フェルマンはセラフィーヌを見舞った。
ノックをしてドアを開けたとき、ベッドヘッドにもたれて座っていたセラフィーヌが、花が咲いたように笑ってくれた。
その笑顔に、見舞いに来てよかったとこちらまで嬉しくなった。
しかし私の訪問をこれほどによろこぶほど、今までつらい目に遭っていたのだと思うと不憫に思ってしまった。
過ぎた日々を取り戻すことはできないが、これからは本当の笑顔を取り戻し幸せになってほしいと思う。
ここで過ごす間は心穏やかに、楽しく過ごして欲しい。
それからは刺繍や本など彼女の好きそうなものを差し入れるようにした。
菓子やお茶を差し入れると、彼女から一緒にと招かれ、会話する時間が増えていった。
ガエルがおざなりにしていた事業関係者との再構築、資金の流れや書類チェック、屋敷内の人事などすべきことが山のようにあった。
加えて急遽、王都に滞在することになったため領地の経営を託す相手への引継ぎなどもあり、心身ともに疲れていたのだが、セラフィーヌとお茶を飲む時間はフェルマンにとっても癒しの時間となっていった。
妻が亡くなってから仕事ばかりしていた朴念仁のフェルマンにとって、思いがけず得た心が温まる時間だった。
「セラフィーヌ! 私につかまりなさい」
「申し訳ありません、フェルマン様。ありがとうございます」
少しずつ体力をつけたいと運動を望むセラフィーヌだったが、体力も筋力もなくふらふらしている。
歩くときにふらついたセラフィーヌを咄嗟に抱き留め、腕につかまらせた。
不快に思われなかったかと心配したが、セラフィーヌは笑って腕に手をかけてくれた。
その柔らかくて白い手を私にゆだね、私を見上げて微笑む彼女に年甲斐もなく見惚れてしまった。
それから移動するときにはセラフィーヌは当たり前のようにすっと私の腕に手を伸ばしてくれる、それがとてつもなくうれしかった。
ちなみに、いつまでもお義父様と呼ぶセラフィーヌにフェルマンと呼ぶよう許可を出したのは私だ。ガエルと離婚をした以上そのような関係ではないからだ。
次第に彼女は執務も手伝ってくれるようになった。実家でも執務を手伝っていた彼女は優秀で、打てば響く彼女に心地よさを感じた。
このまま仕事の補佐をしてもらえると非常に助かると思い始めたが、もう少し元気になれば、彼女に独り立ちの術か良縁を用意をしなければならない。
ひどく胸が痛んだ、今まで目を背けていたが自分の気持ちに気が付いてしまった。
彼女を苦しめた分際で何と自分はあさましい気持ちを抱いてしまったのだろう。
自分には彼女を幸せにする責任がある。心に蓋をして良い縁談を探しては彼女に紹介した。
しかし彼女は悲しそうに首を横に振るばかり。
彼女に断られるたび、困ったと思いながらもほっとし喜んでしまう自分がいる。
このままではいかんと、親しい付き合いをさせていただいている陛下に恥ずかしながらと相談を持ち掛けて紹介を受けた超優良な人物を薦めてみた。
これ以上の良縁はないという縁談であったが、それでも彼女は首を横に振った。
さらにはこのまま私の傍にいたいと言ってくれたのだ。
その言葉に舞い上がってしまったが、弱っている彼女のそばに私ずっとがいたせいで、視野を狭くしてしまったのだ。
受け入れない私に、約束通り責任を取ってほしいと……私ははしたなくもその言葉に喜びを感じてしまった。
だが若く素晴らしい彼女を私のような年の離れた、しかもガエルの親である私に縛り付けてよいはずがない。
私は時間をくれと言い、その間にどうにか彼女の考えを変えようと思っていたが、彼女は私が娶ってくれないのであれば修道院へ行くと泣いてしまった。
その涙は私の胸に深く刺さった。
そして彼女がそこまで気持ちを打ち明けてくれているのに自分はきれいごとを言いながら、その実自分が恥をかきたくないだけなのだと恥じ入った。
だから
「父上を泣かせてしまうかもしれない」
自分の決意をそう表した。
そう決めてからは話は早かった。
陛下の許可をいただいたり、あちらの親にも頭を下げたりと色々なことがあってこうして夫婦となった。
もちろん、彼女を害されるのを防ぐためその存在も結婚したこともガエルに伝えることはなかった。
その間も、ガエルに最後のチャンスを与えていたのだが、このような結果になってしまった。
任せた仕事でさえきちんとこなせなかったガエルから仕事を取り上げ、簡単な書類業務のみさせた。そして愛人との結婚を許可し、離れで生活をさせた。
そうされることで危機感を抱いて改心し、仕事を取り返そうと励み、せめてあの女を貴族の一員となるよう教育してくれれば……除籍せず、一部の事業に関わらせるつもりはあった。
しかしガエルは、そのチャンスを生かすどころか最後のチャンスだという事にも気が付かなかった。
あれから随分日がたち、私がセラフィーヌと結婚し、子が宿ってもガエルは変わらなかった。
フェルマンに取りあげられた仕事を取り返そうとも別の仕事をしようとも、教えを乞うてくることさえなかった。そしてジョゼットを厳しく教育こともなく、事業を支えられるように勉強させるわけでもなくただ好き勝手に生活をさせるだけだった。
初めから金目当てだとは思っていたが、それを隠そうともしない品がなく貪欲で見苦しい女。
それを見抜けないばかりか、突撃し暴言を吐いてきた女を止めることもできなかったガエルにも愛想が尽きた。
最後の最後まで醜態をさらした息子夫婦を見送ることとなったのだった。
これまで気を張った生活をしてきた彼女がゆっくりできるようにと、自分は顔を出すのを控えることにした。
するとメイドから、セラフィーヌが怯えているようだと報告があった。
「怯えている?」
「はい。いまだ、ガエル様や以前の使用人がいつ来るのか不安なのではないでしょうか」
この屋敷に来てから辛い境遇を耐える毎日、死の淵から生還したばかりの彼女が不安に苛まれるのは理解できる。
もう大丈夫だと言われてもいつまたガエルが現れるのかと恐ろしく、メイドたちもまだ信じられず怖いのかもしれない。
「そうか……。しかし私が話を聞きに行くと余計に嫌がられるかもしれぬな」
「いえ、旦那様の事はとても信頼なさっているご様子でした。大変喜ばれるのではないでしょうか」
使用人にまだ警戒をしている彼女が私に気を許してくれていると聞いて嬉しくなった。
何もしてやれなかった自分だが、今彼女の支えになれているのであれば少しは罪滅ぼしになる。
フェルマンはセラフィーヌを見舞った。
ノックをしてドアを開けたとき、ベッドヘッドにもたれて座っていたセラフィーヌが、花が咲いたように笑ってくれた。
その笑顔に、見舞いに来てよかったとこちらまで嬉しくなった。
しかし私の訪問をこれほどによろこぶほど、今までつらい目に遭っていたのだと思うと不憫に思ってしまった。
過ぎた日々を取り戻すことはできないが、これからは本当の笑顔を取り戻し幸せになってほしいと思う。
ここで過ごす間は心穏やかに、楽しく過ごして欲しい。
それからは刺繍や本など彼女の好きそうなものを差し入れるようにした。
菓子やお茶を差し入れると、彼女から一緒にと招かれ、会話する時間が増えていった。
ガエルがおざなりにしていた事業関係者との再構築、資金の流れや書類チェック、屋敷内の人事などすべきことが山のようにあった。
加えて急遽、王都に滞在することになったため領地の経営を託す相手への引継ぎなどもあり、心身ともに疲れていたのだが、セラフィーヌとお茶を飲む時間はフェルマンにとっても癒しの時間となっていった。
妻が亡くなってから仕事ばかりしていた朴念仁のフェルマンにとって、思いがけず得た心が温まる時間だった。
「セラフィーヌ! 私につかまりなさい」
「申し訳ありません、フェルマン様。ありがとうございます」
少しずつ体力をつけたいと運動を望むセラフィーヌだったが、体力も筋力もなくふらふらしている。
歩くときにふらついたセラフィーヌを咄嗟に抱き留め、腕につかまらせた。
不快に思われなかったかと心配したが、セラフィーヌは笑って腕に手をかけてくれた。
その柔らかくて白い手を私にゆだね、私を見上げて微笑む彼女に年甲斐もなく見惚れてしまった。
それから移動するときにはセラフィーヌは当たり前のようにすっと私の腕に手を伸ばしてくれる、それがとてつもなくうれしかった。
ちなみに、いつまでもお義父様と呼ぶセラフィーヌにフェルマンと呼ぶよう許可を出したのは私だ。ガエルと離婚をした以上そのような関係ではないからだ。
次第に彼女は執務も手伝ってくれるようになった。実家でも執務を手伝っていた彼女は優秀で、打てば響く彼女に心地よさを感じた。
このまま仕事の補佐をしてもらえると非常に助かると思い始めたが、もう少し元気になれば、彼女に独り立ちの術か良縁を用意をしなければならない。
ひどく胸が痛んだ、今まで目を背けていたが自分の気持ちに気が付いてしまった。
彼女を苦しめた分際で何と自分はあさましい気持ちを抱いてしまったのだろう。
自分には彼女を幸せにする責任がある。心に蓋をして良い縁談を探しては彼女に紹介した。
しかし彼女は悲しそうに首を横に振るばかり。
彼女に断られるたび、困ったと思いながらもほっとし喜んでしまう自分がいる。
このままではいかんと、親しい付き合いをさせていただいている陛下に恥ずかしながらと相談を持ち掛けて紹介を受けた超優良な人物を薦めてみた。
これ以上の良縁はないという縁談であったが、それでも彼女は首を横に振った。
さらにはこのまま私の傍にいたいと言ってくれたのだ。
その言葉に舞い上がってしまったが、弱っている彼女のそばに私ずっとがいたせいで、視野を狭くしてしまったのだ。
受け入れない私に、約束通り責任を取ってほしいと……私ははしたなくもその言葉に喜びを感じてしまった。
だが若く素晴らしい彼女を私のような年の離れた、しかもガエルの親である私に縛り付けてよいはずがない。
私は時間をくれと言い、その間にどうにか彼女の考えを変えようと思っていたが、彼女は私が娶ってくれないのであれば修道院へ行くと泣いてしまった。
その涙は私の胸に深く刺さった。
そして彼女がそこまで気持ちを打ち明けてくれているのに自分はきれいごとを言いながら、その実自分が恥をかきたくないだけなのだと恥じ入った。
だから
「父上を泣かせてしまうかもしれない」
自分の決意をそう表した。
そう決めてからは話は早かった。
陛下の許可をいただいたり、あちらの親にも頭を下げたりと色々なことがあってこうして夫婦となった。
もちろん、彼女を害されるのを防ぐためその存在も結婚したこともガエルに伝えることはなかった。
その間も、ガエルに最後のチャンスを与えていたのだが、このような結果になってしまった。
任せた仕事でさえきちんとこなせなかったガエルから仕事を取り上げ、簡単な書類業務のみさせた。そして愛人との結婚を許可し、離れで生活をさせた。
そうされることで危機感を抱いて改心し、仕事を取り返そうと励み、せめてあの女を貴族の一員となるよう教育してくれれば……除籍せず、一部の事業に関わらせるつもりはあった。
しかしガエルは、そのチャンスを生かすどころか最後のチャンスだという事にも気が付かなかった。
あれから随分日がたち、私がセラフィーヌと結婚し、子が宿ってもガエルは変わらなかった。
フェルマンに取りあげられた仕事を取り返そうとも別の仕事をしようとも、教えを乞うてくることさえなかった。そしてジョゼットを厳しく教育こともなく、事業を支えられるように勉強させるわけでもなくただ好き勝手に生活をさせるだけだった。
初めから金目当てだとは思っていたが、それを隠そうともしない品がなく貪欲で見苦しい女。
それを見抜けないばかりか、突撃し暴言を吐いてきた女を止めることもできなかったガエルにも愛想が尽きた。
最後の最後まで醜態をさらした息子夫婦を見送ることとなったのだった。
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