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31 オッキュイネの優しさ
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しばらくはソファーに座り直し、ぼぅっとしていたリーシャだが気を取り直してテーブルのカップや皿を片付けてワゴンに積み上げた。厨房に運ぼうかと思ったが、広い王城、無事に厨房に辿り着ける自信がない。迷うリーシャの耳に、羽ばたく音が聞こえた。窓の外からだ。
「オッキュイネ?」
急いでテラスに出るリーシャ、だがオッキュイネはいない。
がっかりして部屋に戻ろうとすると、今度はトンと、なにかがテラスに降り立つ音がした。振り向くと、何もないはずの空間が見る間に色づいて、いつものあの派手な色合いのオッキュイネの姿に変わった。
「オッキュイネ!」
駆け寄って縋るようにオッキュイネに抱き着くと、オッキュイネはお腹を床につけて姿勢を低くし、翼でリーシャを包み返してくる。キュルキュルと優しい声で鳴き、リーシャの頬に自分の頬を擦りつけてくる。
「オッキュイネ、あなた、すっごく優しいよね」
考えてみると、修道院から攫われた時、肩を掴まれたけどほんの少しも痛くなかった。痛くないようオッキュイネは気を付けてリーシャを捕まえてくれたんだ。それにあの夜、わたしが冷えないようにずっと暖めてくれていた。
食べるときは恐ろしいほどけたたましいけれど、それ以外、オッキュイネはいつも温和しい。
「あなたも辛いものを背負っているのね」
オッキュイネの出生の話を思い出したリーシャが涙ぐむ。リーシャが悲しげなのがなぜなのかオッキュイネに判るはずもなく、少し慌てた様子のオッキュイネ、リーシャの顔を覗き込み首を傾げる。ピーピーと鳴くのはリーシャを慰めているのかもしれない。
リーシャがオッキュイネの頭を撫でていると、ズンとオッキュイネが一段低くなった。お腹の羽に隠れていた足を一本、前に突き出していて、その足にリーシャを乗せたいらしく、背中を頭で押してくる。
「ここに座っていいの?」
躊躇いながらオキュイネの足にリーシャが座ると、モフモフっと羽全体を膨らませリーシャの身体をすっぽり包み込んだ。
「あったかい……」
オッキュイネの中側の羽は、背中のしっかりした羽と違ってふわふわで、オッキュイネそのもののだと思った。今日も陽だまりの匂い、だけど――
(今、誰かがここに来てわたしたちを見たら、オッキュイネからわたしの首が生えてるように見えるわね)
想像して思わず笑うリーシャ、気をよくしたのか、オッキュイネが嬉しそうにリーシャの髪を啄んだ。
「ねぇ、オッキュイネ……」
優しさに気が弱くなったのか、心細げにリーシャが呟く。
「ライナムルは魔物の王に勝てるかしら?」
するとオッキュイネが『キュルルル』っと、やっぱり小さな声で鳴き、頬をリーシャに擦りつける。リーシャにはオッキュイネがなんと言っているかは判らない。だけど『大丈夫だよ、ライナムルはちゃんと護るからね』、オッキュイネがそう言っているように思えた。
それからしばらくはそのまま抱き合うようにリーシャと身を寄せあっていたオッキュイネだ。
どんどん傾いていく太陽がそろそろ地平線に隠れるかという頃、急にオッキュイネがピンと首を伸ばした。
「どうしたの?」
驚くリーシャ、オッキュイネはゆっくり体を伸ばし、リーシャを自分の足から立ち上がらせる。
「キュルキュル」
少しだけ大きなオッキュイネの声、すると窓が少し乱暴に開けられた。オッキュイネの鳴き声が部屋の中に届いたのだ。
「リーシャ、ここにいたんだね。どこに行ったかと心配したよ――来てたんだ、オッキュイネ! 寝床はもうできた?」
テラス窓から顔を出したライナムルが駆け寄って、リーシャもろともオッキュイネに抱き着いた。そのライナムルを、リーシャもろともオッキュイネが包み込む。
「二人で何を話していたんだい?」
リーシャを見詰めてそう言ってから、ライナムルがオッキュイネを見上げる。
「オッキュイネ、僕からリーシャを盗らないでよっ!?」
ライナムルの焼きもちがまた始まった? でも、なんとなくリーシャの気持ちが明るくなった……そんなライナムルが愛しい。
窓際で、コホンとロンバスが咳払いする。ハッとしたライナムルが、リーシャとオッキュイネからそっと離れた。
「父上との話が長引いちゃって、ゆっくり説明する暇がなくなっちゃった。帰ってきたら話すから、リーシャ、我慢してね」
「親玉ネズミを退治しに行くのね、ライナムル?」
ライナムルがいつもと同じ穏やかな視線でリーシャを見詰める。そんなライナムルからリーシャも視線を外せない。
「帰ってくるのを待っているから。いつまでも待っているから――」
ライナムルが苦笑し、もう一度オッキュイネごとリーシャをギュッと抱き締めて、それからそっと身体を離した。
「ホシボクロと約束した時刻になる――帰ってきたらゆっくり話そう。いい子にしてるんだよ、リーシャ」
窓から部屋に踏み込んだ時、ライナムルが振り返った。
「すぐに暗くなって冷えてくる。オッキュイネと一緒ならあったかく感じるだろうけど、テラスは吹き曝しだ。早めに中に入るんだよ――それじゃ、行ってくるね」
行ってらっしゃい、と言おうとして、リーシャは声が出せなかった。ライナムル、本当に帰ってくる? 帰って来れるの? リーシャの返事を待たずにライナムルは部屋に入った。きっとロンバスが廊下に続く扉を開けて待っているのだろう。
「オッキュイネ――」
不安なリーシャに頼られたオッキュイネが、再び姿勢を低くしてリーシャを包み込んだ。ライナムルはすぐにでも部屋に入って欲しかったみたいだけど、その気になれないリーシャだ。オッキュイネに寄り添って貰っていれば、部屋で一人でいるよりよっぽど落ち着いた気持ちでいられる。今、リーシャが甘えられるのはオッキュイネだけだ――そんなリーシャを片足に乗せたまま、オッキュイネがそっとリーシャの襟首を嘴で引っ張る。そして翼が大きく広がった。
(えっ!?)
急に身体が持ち上がり、バランスを崩しそうになるリーシャ、すぐそこに見えていたオッキュイネの細い足にしがみ付く。
「えっ? えええええっ!」
見る見るテラスが遠くなる。羽毛に包まれていた身体が、オッキュイネの羽ばたきと流れる外気に冷やされていく。
「もう、ダメ――」
眩暈の発作、急激に怪しくなっていく意識、オッキュイネの足にしがみ付いていたリーシャの手が力を失い、頭が後ろに倒れていく――
(オッキュイネ……)
落ちそうなリーシャの身体をオッキュイネの指が捕まえた。
(オッキュイネ――どこに行こうというの?)
そこでリーシャは完全に意識を失った。
気が付いた時にはオッキュイネの部屋、ぼんやりと周囲を見渡すと、オッキュイネの寝床があった場所には抜け羽や枯れ枝・枯草が散乱しているが、まだまだ寝床とは言い難い。
オッキュイネが腹を床につけ、リーシャを自分の指に腰かけさせ、足に凭れさせて包み込んでいた。直に床に横たえたり座らせたらリーシャが冷える、オッキュイネはそう思って自分の指にリーシャを座らせたのだろう。
(オッキュイネはライナムルの部屋には入れないものね)
ライナムルの部屋のテラスに出られる窓は、高さはあるが人が一人ずつ通れる程度の横幅しかない。オッキュイネが通り抜けるのは無理だ。きっとオッキュイネはわたしを一人にしたくなかったんだわ、優しく寄り添って、リーシャの髪を時どき啄むオッキュイネを見てリーシャが思う。オッキュイネは、わたしを幸せに運んでくれた――
今までだって幸せだった。シスターや孤児仲間に囲まれた生活は穏やかで優しくて愛に溢れたものだ。でもそれはリーシャだけのものではなく、一緒に暮らすみんなと共有されたものだった。リーシャだけの幸せは、きっとそこにはなかった。修道院からここに連れてこられて、違う意味の幸せを知った。
わたしはここで自分を見つけた。きっとそうだ。大勢の中の一人じゃなくて、世界にたった一人のわたし――巧く言葉にできないけれど、全体を気にすることなく、わたしは自分が何をするのか、何をしたいのかを選んでいい。それをここに来て初めて知ったのだ。
選択肢は幾つもあって、それは自分で決めなきゃならなくて、自分で決めていいことで……なんとなく、ライナムルがどうして焼きもちを妬くのか判る気がする。わたしはライナムルを選ばないことだってできる。だからライナムルは時どき不安になるんだ。
ジュジャイ伯爵夫人の的外れな心配を思い出す。ウルマに先を越されるな……そんなことには絶対ならないけれど、ウルマじゃなく、ほかの誰かだとしたらある話なのだ。わたしがライナムル以外を選んでいいように、ライナムルだってわたしではない誰かを選ぶこともできるのだから。
オッキュイネはわたしに優しいけれど、それはオッキュイネがそうすることを選んだからだ。なぜオッキュイネがわたしに優しくしようと思ったのかは判らない。それでもオッキュイネ自身が優しくするを選んだことは間違いない。
わたしはライナムルの傍にいることを選んだ。ライナムルが言うようにその気になれば修道院に帰れたのに、王城に、ライナムルの傍にいることを選んだ。
「オッキュイネ……」
リーシャは縋りつくように、オッキュイネの胸羽に顔を埋めた。そんなリーシャをオッキュイネは優しく嘴で抱き寄せる。
あなたがここに連れて来てくれたから、わたしは生きる意味に気付けた。人生は自分で選んで掴み取っていくものだ。与えられたものを受け取るだけでなく、自分で望んで選んでいく、それが本当の幸せに導いてくれる――
わたしはライナムルを選んだ。この先もライナムルの傍にいたい。その未来をわたしはこの手で掴む。ライナムルを魔物の王になんか渡すものか!
「オッキュイネ?」
急いでテラスに出るリーシャ、だがオッキュイネはいない。
がっかりして部屋に戻ろうとすると、今度はトンと、なにかがテラスに降り立つ音がした。振り向くと、何もないはずの空間が見る間に色づいて、いつものあの派手な色合いのオッキュイネの姿に変わった。
「オッキュイネ!」
駆け寄って縋るようにオッキュイネに抱き着くと、オッキュイネはお腹を床につけて姿勢を低くし、翼でリーシャを包み返してくる。キュルキュルと優しい声で鳴き、リーシャの頬に自分の頬を擦りつけてくる。
「オッキュイネ、あなた、すっごく優しいよね」
考えてみると、修道院から攫われた時、肩を掴まれたけどほんの少しも痛くなかった。痛くないようオッキュイネは気を付けてリーシャを捕まえてくれたんだ。それにあの夜、わたしが冷えないようにずっと暖めてくれていた。
食べるときは恐ろしいほどけたたましいけれど、それ以外、オッキュイネはいつも温和しい。
「あなたも辛いものを背負っているのね」
オッキュイネの出生の話を思い出したリーシャが涙ぐむ。リーシャが悲しげなのがなぜなのかオッキュイネに判るはずもなく、少し慌てた様子のオッキュイネ、リーシャの顔を覗き込み首を傾げる。ピーピーと鳴くのはリーシャを慰めているのかもしれない。
リーシャがオッキュイネの頭を撫でていると、ズンとオッキュイネが一段低くなった。お腹の羽に隠れていた足を一本、前に突き出していて、その足にリーシャを乗せたいらしく、背中を頭で押してくる。
「ここに座っていいの?」
躊躇いながらオキュイネの足にリーシャが座ると、モフモフっと羽全体を膨らませリーシャの身体をすっぽり包み込んだ。
「あったかい……」
オッキュイネの中側の羽は、背中のしっかりした羽と違ってふわふわで、オッキュイネそのもののだと思った。今日も陽だまりの匂い、だけど――
(今、誰かがここに来てわたしたちを見たら、オッキュイネからわたしの首が生えてるように見えるわね)
想像して思わず笑うリーシャ、気をよくしたのか、オッキュイネが嬉しそうにリーシャの髪を啄んだ。
「ねぇ、オッキュイネ……」
優しさに気が弱くなったのか、心細げにリーシャが呟く。
「ライナムルは魔物の王に勝てるかしら?」
するとオッキュイネが『キュルルル』っと、やっぱり小さな声で鳴き、頬をリーシャに擦りつける。リーシャにはオッキュイネがなんと言っているかは判らない。だけど『大丈夫だよ、ライナムルはちゃんと護るからね』、オッキュイネがそう言っているように思えた。
それからしばらくはそのまま抱き合うようにリーシャと身を寄せあっていたオッキュイネだ。
どんどん傾いていく太陽がそろそろ地平線に隠れるかという頃、急にオッキュイネがピンと首を伸ばした。
「どうしたの?」
驚くリーシャ、オッキュイネはゆっくり体を伸ばし、リーシャを自分の足から立ち上がらせる。
「キュルキュル」
少しだけ大きなオッキュイネの声、すると窓が少し乱暴に開けられた。オッキュイネの鳴き声が部屋の中に届いたのだ。
「リーシャ、ここにいたんだね。どこに行ったかと心配したよ――来てたんだ、オッキュイネ! 寝床はもうできた?」
テラス窓から顔を出したライナムルが駆け寄って、リーシャもろともオッキュイネに抱き着いた。そのライナムルを、リーシャもろともオッキュイネが包み込む。
「二人で何を話していたんだい?」
リーシャを見詰めてそう言ってから、ライナムルがオッキュイネを見上げる。
「オッキュイネ、僕からリーシャを盗らないでよっ!?」
ライナムルの焼きもちがまた始まった? でも、なんとなくリーシャの気持ちが明るくなった……そんなライナムルが愛しい。
窓際で、コホンとロンバスが咳払いする。ハッとしたライナムルが、リーシャとオッキュイネからそっと離れた。
「父上との話が長引いちゃって、ゆっくり説明する暇がなくなっちゃった。帰ってきたら話すから、リーシャ、我慢してね」
「親玉ネズミを退治しに行くのね、ライナムル?」
ライナムルがいつもと同じ穏やかな視線でリーシャを見詰める。そんなライナムルからリーシャも視線を外せない。
「帰ってくるのを待っているから。いつまでも待っているから――」
ライナムルが苦笑し、もう一度オッキュイネごとリーシャをギュッと抱き締めて、それからそっと身体を離した。
「ホシボクロと約束した時刻になる――帰ってきたらゆっくり話そう。いい子にしてるんだよ、リーシャ」
窓から部屋に踏み込んだ時、ライナムルが振り返った。
「すぐに暗くなって冷えてくる。オッキュイネと一緒ならあったかく感じるだろうけど、テラスは吹き曝しだ。早めに中に入るんだよ――それじゃ、行ってくるね」
行ってらっしゃい、と言おうとして、リーシャは声が出せなかった。ライナムル、本当に帰ってくる? 帰って来れるの? リーシャの返事を待たずにライナムルは部屋に入った。きっとロンバスが廊下に続く扉を開けて待っているのだろう。
「オッキュイネ――」
不安なリーシャに頼られたオッキュイネが、再び姿勢を低くしてリーシャを包み込んだ。ライナムルはすぐにでも部屋に入って欲しかったみたいだけど、その気になれないリーシャだ。オッキュイネに寄り添って貰っていれば、部屋で一人でいるよりよっぽど落ち着いた気持ちでいられる。今、リーシャが甘えられるのはオッキュイネだけだ――そんなリーシャを片足に乗せたまま、オッキュイネがそっとリーシャの襟首を嘴で引っ張る。そして翼が大きく広がった。
(えっ!?)
急に身体が持ち上がり、バランスを崩しそうになるリーシャ、すぐそこに見えていたオッキュイネの細い足にしがみ付く。
「えっ? えええええっ!」
見る見るテラスが遠くなる。羽毛に包まれていた身体が、オッキュイネの羽ばたきと流れる外気に冷やされていく。
「もう、ダメ――」
眩暈の発作、急激に怪しくなっていく意識、オッキュイネの足にしがみ付いていたリーシャの手が力を失い、頭が後ろに倒れていく――
(オッキュイネ……)
落ちそうなリーシャの身体をオッキュイネの指が捕まえた。
(オッキュイネ――どこに行こうというの?)
そこでリーシャは完全に意識を失った。
気が付いた時にはオッキュイネの部屋、ぼんやりと周囲を見渡すと、オッキュイネの寝床があった場所には抜け羽や枯れ枝・枯草が散乱しているが、まだまだ寝床とは言い難い。
オッキュイネが腹を床につけ、リーシャを自分の指に腰かけさせ、足に凭れさせて包み込んでいた。直に床に横たえたり座らせたらリーシャが冷える、オッキュイネはそう思って自分の指にリーシャを座らせたのだろう。
(オッキュイネはライナムルの部屋には入れないものね)
ライナムルの部屋のテラスに出られる窓は、高さはあるが人が一人ずつ通れる程度の横幅しかない。オッキュイネが通り抜けるのは無理だ。きっとオッキュイネはわたしを一人にしたくなかったんだわ、優しく寄り添って、リーシャの髪を時どき啄むオッキュイネを見てリーシャが思う。オッキュイネは、わたしを幸せに運んでくれた――
今までだって幸せだった。シスターや孤児仲間に囲まれた生活は穏やかで優しくて愛に溢れたものだ。でもそれはリーシャだけのものではなく、一緒に暮らすみんなと共有されたものだった。リーシャだけの幸せは、きっとそこにはなかった。修道院からここに連れてこられて、違う意味の幸せを知った。
わたしはここで自分を見つけた。きっとそうだ。大勢の中の一人じゃなくて、世界にたった一人のわたし――巧く言葉にできないけれど、全体を気にすることなく、わたしは自分が何をするのか、何をしたいのかを選んでいい。それをここに来て初めて知ったのだ。
選択肢は幾つもあって、それは自分で決めなきゃならなくて、自分で決めていいことで……なんとなく、ライナムルがどうして焼きもちを妬くのか判る気がする。わたしはライナムルを選ばないことだってできる。だからライナムルは時どき不安になるんだ。
ジュジャイ伯爵夫人の的外れな心配を思い出す。ウルマに先を越されるな……そんなことには絶対ならないけれど、ウルマじゃなく、ほかの誰かだとしたらある話なのだ。わたしがライナムル以外を選んでいいように、ライナムルだってわたしではない誰かを選ぶこともできるのだから。
オッキュイネはわたしに優しいけれど、それはオッキュイネがそうすることを選んだからだ。なぜオッキュイネがわたしに優しくしようと思ったのかは判らない。それでもオッキュイネ自身が優しくするを選んだことは間違いない。
わたしはライナムルの傍にいることを選んだ。ライナムルが言うようにその気になれば修道院に帰れたのに、王城に、ライナムルの傍にいることを選んだ。
「オッキュイネ……」
リーシャは縋りつくように、オッキュイネの胸羽に顔を埋めた。そんなリーシャをオッキュイネは優しく嘴で抱き寄せる。
あなたがここに連れて来てくれたから、わたしは生きる意味に気付けた。人生は自分で選んで掴み取っていくものだ。与えられたものを受け取るだけでなく、自分で望んで選んでいく、それが本当の幸せに導いてくれる――
わたしはライナムルを選んだ。この先もライナムルの傍にいたい。その未来をわたしはこの手で掴む。ライナムルを魔物の王になんか渡すものか!
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