うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。

かの

文字の大きさ
40 / 68
第五章 孫を追いかけ王都を目指す旅で御座います。

5-8 朝市で商売で御座います。

しおりを挟む
「探偵さんよぅ。ばぁばは朝から何を張り切っておるんじゃ?」

「ええ、それが商売をしてお金を稼ぐそうですよ」

 探偵さんの知恵をお借りして、準備は整いました。リンゴを20個、そして桃を20個を準備致しましたが、これでは金貨100枚には届きません。……これでは金貨40枚分にしかなりません。なので私、朝からクッキーとアップルパイも焼きました。それにイチゴでジャムも作りました。

 探偵さんがおっしゃるには、私達の世界の物を使えば、高く売れるとの事です。

「探偵さん。準備が出来ましたが、クッキーとアップルパイとジャムは幾らで売ればよろしいでしょうか?」

 夕暮れ時の市で、市井の方々が手にしていた、虫眼鏡のような物を、探偵さんも手にしていらっしゃいます。

「……クッキーはオレンジピール入りですね。これは金貨1枚で。アップルパイとジャムは金貨2枚で売れますよ」

 私、頭の中で計算を致しました。クッキーが10包みで、金貨10枚。アップルパイが10個で、金貨20枚。ジャムも10個で、金貨20枚。リンゴと桃を足して、……あら、金貨90枚分にしかなりません。まだまだイチゴはありますから、あとジャムを5個ですね。

「……探偵さん、じぃじ、レオンさん。長らくお待たせ致しました」

 じぃじにはリンゴと桃を、探偵さんにはアップルパイとクッキーを、レオンさんにはジャムを背負っていただき、いざ広場の朝市へ出陣で御座います。

「……さあさあ、ペリーヌの町の方々。こちらを見て行ってくださいませ。これはリンゴ、そしてこちらは桃。どちらも異世界から取り寄せた珍しい果物で御座います。どちらも一つ金貨1枚でお譲り致します。疑うのでしたら、どうぞステータスをお調べくださいませ」

 いつかの探偵さんの口上の真似をしてみました。

「……そしてこちらはクッキーと言うお菓子で御座います。こちらにも異世界から取り寄せた、オレンジピールを使っています。こちらも一つ金貨1枚で御座います。そして先程のリンゴを使ったお菓子、アップルパイと、こちらも異世界のイチゴを使った甘い甘いジャムです。アップルパイとジャムは金貨2枚でお譲り致します」

 私の口上に、市井の方々が足を止め、あの虫眼鏡を覗いておいでです。

 あら、早速アップルパイとジャムが売れました。あら、リンゴと桃も。あら、クッキーも。あら、またジャムです。

 朝市に出向いて、まだ30分と経っておりませんが、もう店仕舞いで御座います。あれよあれよで、全て売り切ったじゃありませんか。

「光江さん。金貨100枚になりましたか?」

「ええ。ありがとうございます」

 用意していた布袋の中には、しっかり金貨100枚が入っております。

「それで、この後は?」

「はい。サーカス小屋に行って、ルラちゃんをこのお金で買ってから、王都に向けて出発致します。なのでもうしばらくお時間をくださいませ」

 探偵さんも、じぃじも、レオンさんも、私のする事に口出しはしないようで御座います。

「あの……、ばぁばさん」

「どうしましたか?」

 ルラちゃんがとても細い声を、掛けてこられました。

「私なんかのために、こんな大金を使っていいんですか?」

「何を言っているんですか。子供はお金の心配をする必要は御座いません!」

 ルラちゃんに向けて、そう言った時。私、ふと思い出しました。2年前の夏休みでした。サマーキャンプでアメリカに2週間行くと言う雷人に、同じ台詞を言った事が御座いました。……あの時の雷人も、親ではない私やじぃじに気を使ったのかもしれません。……ルラちゃんも言ってみれば赤の他人。私にきっと気を遣ってくださってるんですね。

 その後、私はサーカス小屋にまいりまして、人犬ミックスの副団長さんに、金貨100枚を叩きつけてやりました。……極妻の志麻さんが乗り移ったような口調で挑みましたので、こちらで詳しくお話させていただくのは、大変恥ずかしい事で御座います。なのでその辺りは割愛させていただきます。

 と、言う事で、王都まではルラちゃんも、無事一緒に向かう事になりました。探偵さんには雷人の情報を集めていただかなければ、なりませんが。私はとりあえずルラちゃんのお父様の元へ、参りたいと思います。 
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

異世界の片隅で引き篭りたい少女。

月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!  見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに 初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、 さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。 生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。 世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。 なのに世界が私を放っておいてくれない。 自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。 それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ! 己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。 ※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。 ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。  

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

きっと幸せな異世界生活

スノウ
ファンタジー
   神の手違いで日本人として15年間生きてきた倉本カノン。彼女は暴走トラックに轢かれて生死の境を彷徨い、魂の状態で女神のもとに喚ばれてしまう。女神の説明によれば、カノンは本来異世界レメイアで生まれるはずの魂であり、転生神の手違いで魂が入れ替わってしまっていたのだという。  そして、本来カノンとして日本で生まれるはずだった魂は異世界レメイアで生きており、カノンの事故とほぼ同時刻に真冬の川に転落して流され、仮死状態になっているという。  時を同じくして肉体から魂が離れようとしている2人の少女。2つの魂をあるべき器に戻せるたった一度のチャンスを神は見逃さず、実行に移すべく動き出すのだった。  女神の導きで新生活を送ることになったカノンの未来は…?  毎日12時頃に投稿します。   ─────────────────  いいね、お気に入りをくださった方、どうもありがとうございます。  とても励みになります。

スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜

もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。 ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を! 目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。 スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。 何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。 やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。 「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ! ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。 ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。   2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。 彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。 最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。 一種の童話感覚で物語は語られます。 童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました

腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。 しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。

子育てスキルで異世界生活 ~かわいい子供たち(人外含む)と楽しく暮らしてます~

九頭七尾
ファンタジー
 子供を庇って死んだアラサー女子の私、新川沙織。  女神様が異世界に転生させてくれるというので、ダメもとで願ってみた。 「働かないで毎日毎日ただただ可愛い子供と遊んでのんびり暮らしたい」 「その願い叶えて差し上げましょう!」 「えっ、いいの?」  転生特典として与えられたのは〈子育て〉スキル。それは子供がどんどん集まってきて、どんどん私に懐き、どんどん成長していくというもので――。 「いやいやさすがに育ち過ぎでしょ!?」  思ってたよりちょっと性能がぶっ壊れてるけど、お陰で楽しく暮らしてます。

処理中です...