ひとりの獣人と精霊

わんコロ餅

文字の大きさ
58 / 66
原因とその先

しおりを挟む
少し立ち止まって考えてみる3人

どうするのか?途方もない広いエリアをこのまま進んだとしても体力を消耗するだけではないのか?

かと言ってこのまま何もしないのも愚策

頭を抱えて考える

ゴゴゴゴゴォッ

唐突に視野全てが揺れ動き、それが地震だとすぐに理解する

「なななななな、何が起こったにゃ!?」

「じ、地震ですかね!?」

「ふ、伏せよう。」

慌てる中、ポセイラスの声で姿勢を低くして3人は伏せる

こんなところで、生き埋めにならないように祈りながら

ドゴッ





ゴゴゴゴゴ・・・







「お、収まったにゃ?」

「そう見たいです・・・な、なんですかあれ!?」

「ん?エメレッタどうかしたのか?」

地震も収まり安心した後、身体の状態を起こすとそこには先程まで無かった空間に突如、巨大な黒い古城がそびえ立っていた

「!?」

「ここは、う、海の中だよな??」

「その筈にゃ・・・」

互いを見ては再び古城を見て確認する

どう考えても、作り話とかに出てくるドラキュラ城を真っ黒に染めた見た目で禍々しい雰囲気が漂っている

細々とした装飾も全て黒一色で出来ていて入り口の巨大な門は開かれており、まるで3人をいざなっているように見える

「こ、これは明らかに・・・」

「そうですね。私たちを誘っていますね。」

「い、行くのかにゃ?」

怖気付きながらも、3人は門を潜る

門を潜るとそこは広い庭園となっていて全て黒く不気味だ

黒い芝生に水こそ出ていないが、黒いレンガで出来た噴水のような物

そして一際目に飛び込んだのが、一つの黒い男性を模した像でこちらを睨んでいるように見える

「不気味ですね・・・」

「この空気も嫌にゃ。」

「禍々しいな。」

恐る恐る像を迂回するように進む3人は奥にある建物の扉を目指す

無事何もなく扉にたどり着いて一呼吸

「ふぅ・・・何もなく着いたにゃ」

安心しきったぎんたの声に他の2人も警戒を緩めてしまう


ガコッガラッ

「にゃ!?」

「え!?」

「なっ!?」

扉に手をかけた瞬間、背後から何が動く音がして振り向くと先程の像がこちらにドンドンッと音を立てて向かって走ってくる

「は、早く中へ」

「にゃ!?あ、開かないにゃ!?」

「ぎ、ぎんたちょっと退いて!」

焦るエメレッタとぎんたを退かしてタックルで開けようとするが、ビクともせずに弾かれるポセイラス

「なんだこの扉は!?」

「きゃっ、き、来ますよ!」

エメレッタが短杖を動く像に向け、炎の球を出そうと詠唱しはじめる

「仕方がない迎え打つか。」

「ぎんたは扉を開けれるか色々試すにゃ。」

抜剣して立ち向かうポセイラスと中へ入る為に模索するぎんたとで役割分担をする

先に詠唱し終えて攻撃を仕掛けることに成功したエメレッタ

ボォッ・・・ドンッ

飛んだ炎の球が、像の頭部辺りにぶつかって火煙が立ち上がる

「うわっ、勢いが止まってないです!」

エメレッタの火力が弱かったのか、火煙が上がった箇所が少し崩れた程度でそのまま突進してくる像

「大丈夫・・・斬れる」

神海竜の王剣レヴィアタンを上で構えてその場で高く飛び上がるポセイラス

像の肩を踏み台にして背面から足元にかけて振り下ろし

スパッ・・・ドシャッ

神海竜の王剣レヴィアタンで斬り崩した


斬り口が水圧で切ったような磨き抜かれた表面をしていた

「す、凄い切れ味・・・」

「私もここまで斬れるとは思わなかったよ。」

圧倒されるエメレッタと自身でも驚くポセイラス

ギィ、ガチャッ

「にゃっ!?開いたにゃ」

真っ二つに割れた像が崩れ砕けた直後、ぎんたが開けようと模索していた扉が開かれた

「・・・どうやら、敵を排除しないと先へ進むことができないみたいだね。」

「趣味が悪すぎだにゃ。」

「全くですよ・・・」

ウンザリした表情をする2人

「ま、まぁ・・・先に進もう。」

バタンッ

ポセイラスの提案で中へ入る3人

扉の中のエントランスは外観とは違って赤い絨毯が敷き詰められており、中央に2階へと続くだろう広々とした階段が一際目立つ

左右を見渡すと護るように西洋の甲冑が置かれており、その後ろには血のような赤い扉が不気味さを醸し出している

「もちろん、外へ出れないんですね・・・」

エメレッタが中へ入った直後、振り返って見た扉はすでになく壁となっていた

「嫌な感じだにゃ。」

嫌そうな表情で尻尾も下げるぎんた

「見た目は綺麗な感じなんだけどね・・・」

ポセイラスは周囲を熟視する

黒い大理石のような壁に赤い絨毯、そして至る所に惜しげもなく使われている黒い宝石の数々は人を惹きつけるのに十分な造りをしている

「でも、これじゃまるで魔王城みたいだにゃ。」

ぎんたがポロリと溢らした本音は言い得て妙でエメレッタとポセイラスを納得させる

「そう!そうですよ!まさにそんな感じですね!」

「あぁ、ピッタリな表情かもしれないね。」

ウンウンと思わず頷く2人

「そうにゃよね?」

ちょっと機嫌が良くなり、尻尾をフリフリさせるぎんただった

「と、とにかく・・・この際はどこから行きますか?別にどこでもいいですけど・・・」

「そうだね。ぎんた、どこがいいと思う?」

エメレッタの提案に頷いたポセイラスはぎんたに選択を委ねる

「そうにゃね・・・中央の階段は明らかにって感じで怖いから、右から行ってみないかにゃ?」

「分かった。」「良いですよ。分かりました。」

3人は甲冑が立つ血のように赤い扉に向かうようにした


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

処理中です...