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第1章 落ちこぼれの目覚めと瓦礫の誓い
第1章 落ちこぼれの目覚めと瓦礫の誓い
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意識が戻った時、野中勇樹は見覚えのない天井を見上げていた。
白い漆喰に金糸で縁取られた装飾が施され、中央には水晶のシャンデリアが静かに揺れている。JR九州の社員寮の薄暗い天井とはまるで違う豪華さに、勇樹は困惑した。
「お目覚めですね」
振り返ると、品のある女性の声が聞こえた。年の頃は二十歳ほどだろうか。栗色の髪を緩やかに結い上げ、深い青のドレスを纏った令嬢が、ベッドサイドの椅子に腰掛けている。その瞳には好奇心と、僅かな警戒心が入り混じっていた。
「ここは——」
「私の屋敷です。あなた、街道で倒れているところを発見されたのよ。身元を示すものは何も持っていらっしゃらなかった」
勇樹は上体を起こした。体に痛みはない。むしろ、あの日の激務で蓄積されていた疲労が嘘のように消えている。あの日——確か、遅延ダイヤの復旧作業で徹夜続きだった。最後に覚えているのは、運転席で意識が遠のいていく感覚と——
「お名前をお聞かせください」
「野中、野中勇樹です」
令嬢は首をかしげた。
「のなか、ゆうき? 珍しいお名前ですね。どちらのご出身でしょう」
「JR九州、いえ——」勇樹は慌てて口を噤んだ。JR九州などと言っても、この世界では通じるはずがない。「九州地方の、小さな町からです」
令嬢の表情に微かな困惑が浮かんだ。きっと九州という地名も、この世界には存在しないのだろう。
「とりあえず、お体の調子は如何ですか? 回復魔法は施しましたが」
魔法。勇樹の思考が一瞬停止した。魔法という単語が、まるで日常会話のように口にされている。
「魔法、ですか」
「ええ。治癒の魔法です。ただし、私はそれほど上級ではありませんから、完全とは言えませんけれど」
令嬢は当然のように答えた。勇樹の混乱を見て取ったのか、彼女は立ち上がった。
「まだ頭がはっきりしないようですね。お食事をお持ちしますから、ゆっくりお休みください」
令嬢が部屋を出ていくと、勇樹は改めて周囲を見回した。
部屋は明らかに客間として使われているようで、調度品の全てが上品で統一感がある。壁には風景画が掛けられ、窓際には精巧な彫刻が施された机と椅子が置かれている。
勇樹は窓に近づいた。外の景色を見れば、自分がどこにいるのか少しは分かるかもしれない。
しかし、窓の外に広がっていたのは、予想を遥かに超える光景だった。
眼下に広がる街並みの向こう、地平線近くに巨大な山が聳えている。だが、それは普通の山ではなかった。山の斜面には無数の瓦礫が積み重なり、まるで巨大な廃墟のような様相を呈している。コンクリートの破片らしきものや、鉄骨の残骸、砕けた石材が山肌を覆い尽くしている。
「何だ、あれは——」
勇樹の呟きに、ノックの音が重なった。
「失礼いたします」
扉が開いて、初老の男性が入ってきた。燕尾服に身を包んだ執事らしき人物で、銀髪を丁寧に撫でつけている。その後ろには、メイド服の若い女性が食事を載せた盆を持って続いた。
「お加減は如何ですか、野中様」執事は丁寧に一礼した。「私はこの屋敷の執事を務めますウィリアムと申します」
「あ、ありがとうございます。おかげさまで、体調は良くなりました」
ウィリアムは頷くと、侍女に指示を出した。侍女は手早く机に食事を並べていく。パンにスープ、肉料理と野菜——見た目は馴染みのある料理だが、香辛料の香りが微妙に異なっている。
「あの、外に見える山のようなものは——」勇樹は窓を指差した。「あれは一体?」
ウィリアムの表情が僅かに曇った。
「あれは『嘆きの瓦礫山』と呼ばれております。十年前の大災害で崩壊した古い都市の残骸が積み重なったものです」
「大災害?」
「魔獣の大群による襲撃でした。一夜にして都市が壊滅し、多くの人命が失われました。救援も間に合わず——」ウィリアムは言葉を切った。「申し訳ございません。お客様にこのような重い話をするべきではありませんでした」
救援が間に合わなかった。その言葉が勇樹の胸に突き刺さった。
JR九州の運転士として働いていた頃、勇樹は数え切れないほどの乗客を運んだ。通勤客、観光客、そして時には緊急搬送を必要とする患者や、災害時の避難民も。一分一秒を争う状況で、一人でも多くの命を安全に目的地まで運ぶことが、勇樹の使命だった。
それなのに——救援が間に合わなかった都市がある。勇樹にとって、それは耐え難い現実だった。
「野中様?」
ウィリアムの声で現実に戻った。勇樹は慌てて頭を振った。
「すみません、少しぼんやりしていました」
「それでは、お食事をどうぞ。お嬢様が、お体が回復されましたら、簡単な検査をさせていただきたいと仰せです」
「検査、ですか」
「ええ。この地域では、身元不明の方には魔法適性の検査を受けていただくことになっております。ご事情を察するに、記憶に混乱がおありのようですし」
勇樹は頷いた。魔法適性という概念も理解できないが、この世界では常識なのだろう。とりあえず、この屋敷の人々の善意に従うしかない。
食事を終えた勇樹は、ウィリアムに案内されて屋敷の奥へと向かった。
廊下の両側には絵画や彫像が並び、足音が高い天井に反響する。JR九州の社員寮とは比較にならない豪華さだが、勇樹にとっては落ち着かない空間だった。
「こちらです」
案内されたのは、客間よりもやや広い小広間だった。中央に円形の台が設置され、その上に水晶玉のような球体と、複雑な文様が刻まれた金属板が置かれている。
既に令嬢が待っていた。彼女の隣には、深紅のローブを纏った中年男性が立っている。
「こちらがこの地域の魔導教師、マスター・ガレス」令嬢が紹介した。「野中さん、こちらがお世話になったお嬢様のアリシア・ブランシェット様です」
「どうぞよろしく、野中さん」アリシアは微笑んだ。「簡単な検査ですから、ご心配なく」
マスター・ガレスは厳格そうな表情で勇樹を見つめた。
「それでは始めよう。まず、こちらの魔力計測水晶に手をかざしてください」
勇樹は指示された通り、水晶玉の上に右手をかざした。
数秒が経過した。水晶は何の反応も示さない。
「おかしいですね」ガレスは眉をひそめた。「では、左手で試してください」
勇樹は左手に替えた。やはり水晶に変化はない。
「うーん——」ガレスは首をひねった。「それでは、魔導刻印板の方をお試しください」
今度は金属板の上に手を置くように指示された。板の表面には複雑な魔法陣のような文様が刻まれている。勇樹が手を置くと——やはり何も起こらない。
「これは——」ガレスの表情が困惑から驚愕に変わった。「全く反応がありません」
小広間に静寂が流れた。アリシアの表情にも動揺が浮かんでいる。
「全く、とは?」勇樹が尋ねた。
「魔力が全く感知できないということです」ガレスは重々しく言った。「生まれつき魔力の低い人でも、僅かな反応は示すものです。しかし、あなたの場合は——」
「魔法が使えない、ということですか」
「そういうことになります」
勇樹は複雑な気持ちだった。魔法というもの自体、まだ実感が湧かない。しかし、この世界の住人にとっては、それは深刻な問題らしい。
「でも、心配することはありません」アリシアが慌てたように言った。「魔法が使えなくても、他の才能があるかもしれませんし——」
「他の才能、といいますと?」
「例えば、工芸や商業、学問など——」
勇樹の脳裏に、JR九州での日々が蘇った。時刻表の暗記、安全運行の手順、緊急時の対応、車両整備の知識。そして何より、一人でも多くの人を安全に運ぶための技術と経験。
「鉄道は、どうでしょうか」
「鉄道?」ガレスとアリシアが同時に首をかしげた。
「ええ。線路の上を走る車両で、大勢の人や物を運ぶシステムです。蒸気機関を使って——」
「蒸気機関?」今度はガレスが困惑した。「そのような機械仕掛けで、魔法もなしに人を運ぶと?」
「はい。石炭を燃やして水を沸騰させ、蒸気の力で車輪を回転させるんです。魔法は必要ありません」
小広間に再び静寂が訪れた。今度は困惑ではなく、呆れたような静寂だった。
「野中さん」アリシアが優しく言った。「そのような原始的な方法では、とても実用的とは——魔法を使えば、もっと効率的で安全な移動手段がいくらでもありますから」
「でも、大量輸送には向いていると思うのですが。一度に数百人の乗客を——」
「数百人?」ガレスが鼻で笑った。「飛行魔法なら、魔導師一人で十数人を同時に運べます。それで十分でしょう」
「災害時の救援には? 怪我人や病人を安全に、大量に運ぶ必要がある場合は——」
「治癒魔法と転移魔法を組み合わせれば済む話です」
勇樹の提案は全く理解されなかった。それどころか、機械に頼るという発想自体が、この世界では下等なものと見なされているようだった。
「まあ、野中さんなりに考えてくださったのでしょうが——」アリシアが苦笑いを浮かべた。「やはり魔法の才能がないと、発想も限られてしまうのでしょうね」
その言葉が、勇樹の胸に重くのしかかった。JR九州で培った全ての知識と経験が、この世界では価値のないものとして切り捨てられる。
小広間の隅で、侍従の一人が別の侍従に囁いているのが聞こえた。
「やはり落ちこぼれね」
「魔法も使えずに、機械頼みなんて——」
「可哀そうに。これからどうやって生きていくのかしら」
勇樹は拳を握りしめた。確かに魔法は使えない。この世界の常識も知らない。だが、彼には誇りがあった。人の命を預かる仕事を全うしてきた誇りが。
「ありがとうございました」勇樹は深く頭を下げた。「お世話になりました。もう、お暇させていただきます」
「え、でも野中さん——」アリシアが慌てた。
「大丈夫です。自分の道は、自分で見つけます」
勇樹は踵を返した。小広間を出て、長い廊下を歩きながら、窓の外の瓦礫山を見つめた。
あそこには、救えなかった人々がいる。魔法があっても救えなかった命がある。
ならば——自分にできることがあるはずだ。たとえ魔法が使えなくても、機械が軽視される世界でも。
勇樹の心に、かつてない決意が芽生えていた。
勇樹は足を止めずに廊下を歩き続けた。侍従たちの視線が背中に突き刺さるのを感じながら、彼は屋敷の奥へと向かった。どこへ行くという当てもない。ただ、あの小広間にいることが耐えられなかった。
長い廊下の突き当たりに、大きな窓がある回廊を見つけた。そこは人の気配がなく、静寂に包まれていた。勇樹は窓辺に歩み寄り、外の景色を見つめた。
夕日が西の空を茜色に染め、その光が瓦礫山の表面で鈍く反射している。距離があるにも関わらず、山の巨大さは圧倒的だった。コンクリートの破片、鉄骨の残骸、砕けた石材——それらが無秩序に積み重なった光景は、まさに絶望の象徴だった。
十年前の大災害。救援が間に合わなかった都市。
勇樹の脳裏に、JR九州での日々が鮮明に蘇った。
あれは、入社三年目の夏だった。九州北部を襲った集中豪雨で、各地で土砂崩れが発生した。通常のダイヤは完全に麻痺し、救援物資の輸送と避難民の移送が急務となった。
勇樹は連続四十八時間の勤務に就いた。眠気と疲労で意識が朦朧とする中、彼は運転席で必死にハンドルを握り続けた。一本でも多くの列車を走らせ、一人でも多くの人を安全な場所へ運ぶために。
「野中、もう限界だろう。交代しろ」
同僚が心配そうに声をかけたが、勇樹は首を振った。
「まだ大丈夫です。あと二本、避難所まで運んでから」
実際には大丈夫ではなかった。視界がぼやけ、手足が震えていた。それでも、避難民を乗せた列車を運転席で待っている限り、立ち止まるわけにはいかなかった。
最後の便は、病院からの緊急搬送だった。重篤な患者と、その家族を乗せた救急列車。通常なら救急車が担う役割を、道路の寸断により列車が代行することになった。
「お願いします、一刻も早く——」
患者の家族が涙ながらに頼み込んだ。勇樹は頷き、可能な限りの速度で列車を走らせた。線路の状況を見極めながら、安全と速度の両立を図る。一つ間違えれば脱線の危険があったが、それでも彼は走り続けた。
結果として、その患者は命を取り留めた。家族から感謝の言葉を受けた時、勇樹は初めて自分の仕事の意味を実感した。
自分は人の命を預かっている。一人ひとりの乗客に、かけがえのない人生がある。家族がいて、夢がある。その全てを背負って、運転席に座っている。
それから勇樹の働き方は変わった。より多くの知識を身につけ、より的確な判断を下せるように努力した。安全運行のためなら、どんな困難にも立ち向かった。
だが、その献身が彼自身を蝕んでいることには、最後まで気づかなかった。
過労による体調不良は徐々に深刻化し、やがて運転中の意識消失という最悪の事態を招いた。幸い乗客に被害はなかったが、勇樹は二度と運転席に立つことはなかった。
病院のベッドで医師から告知を受けた時、勇樹は自分の人生が終わったと感じた。鉄道員として、人の命を預かることができなくなった自分に、一体何の価値があるのかと。
そして、意識を失った。次に目覚めた時には、この異世界の屋敷にいた。
「魔法が使えない落ちこぼれ」
侍従たちの言葉が、再び勇樹の耳に響いた。この世界でも、自分は無価値な存在として扱われる。前世での挫折が、形を変えて繰り返されている。
だが——違う。
勇樹は瓦礫山を見つめ直した。あそこには、救えなかった人々の痛みが眠っている。魔法という万能の力があっても、救えなかった命がある。
ならば、魔法以外の方法があってもいいはずだ。機械の力で、人を救う方法があってもいいはずだ。
「蒸気機関は原始的だって?」
勇樹は独り言のように呟いた。
「大量輸送は必要ないって? じゃあ、なぜあの瓦礫山があるんだ」
彼の記憶の中で、JR九州の蒸気機関車が力強い汽笛を鳴らしていた。石炭を燃やし、水を沸騰させ、蒸気の力で重い車両を牽引する。魔法など使わずに、ただ物理法則に従って動く機械。
それでも、人を運ぶことができる。救うことができる。
勇樹の拳に、徐々に力が込められていった。
「俺は、諦めない」
この世界の常識がどうであれ、自分の信念を曲げるつもりはない。人の命を守るために、鉄道という手段を諦めるつもりもない。
「いつか必ず、この手で——」
その時、勇樹の足元に微かな振動が伝わった。
最初は気のせいかと思った。だが、振動は次第に強くなり、やがて明らかな地鳴りとなって屋敷全体を震わせ始めた。
窓ガラスがかすかに震え、シャンデリアが微妙に揺れている。遠くから、動物の鳴き声のようなものが聞こえてきた。ただし、それは普通の動物の声ではない。何かもっと大きな、もっと恐ろしいものの咆哮だった。
「これは——」
勇樹の背後から、慌ただしい足音が聞こえてきた。
「大変です! 大変です!」
振り返ると、先ほどの侍女が血相を変えて走ってくるのが見えた。その顔は恐怖で青ざめている。
「どうした」勇樹が声をかけると、侍女は息を切らしながら答えた。
「森の向こうから、魔獣の群れが——! 街道を襲いながら、こちらに向かってきています!」
魔獣。勇樹には聞き慣れない言葉だったが、その侍女の恐怖の表情から、尋常でない事態であることは理解できた。
地鳴りがさらに強くなった。今度は床が明らかに振動している。
「お嬢様はどちらに?」勇樹が尋ねた。
「大広間におられます。ウィリアム様が避難の準備を——」
侍女の言葉が途中で途切れた。屋敷の外から、今度ははっきりと獣の咆哮が聞こえてきたのだ。それも一頭や二頭ではない。無数の声が重なり合って、不気味な合唱を奏でている。
勇樹は窓から外を見下ろした。屋敷の門前に広がる街道の向こう、森の切れ目から黒い影がいくつも現れるのが見えた。それらの影は異常に大きく、四つ足で移動している。
「避難経路は?」勇樹が侍女に尋ねた。
「え?」
「この屋敷から安全な場所への避難経路だ。どのルートが一番安全で、どこに避難すればいい?」
侍女は困惑した表情を浮かべた。おそらく、そのような具体的な避難計画など考えたことがないのだろう。
勇樹の頭の中で、JR九州時代の緊急対応マニュアルが自動的に展開された。火災、地震、事故——あらゆる非常事態において、乗客の安全をいかに確保するか。避難誘導の手順、安全な場所への移動方法、パニックの防止策。
屋敷の構造を頭の中で再構成する。正面玄関から敷地外への最短ルート。裏口から森への退避経路。地下室や屋上といった一時避難場所。
「裏庭に馬小屋があるはずだ。そこから森の小道を通って——」
「え、ええ、ありますけど——」
「そのルートなら、正面から来る魔獣の群れを避けられる。大広間の皆さんを、そこへ誘導しろ」
勇樹は指示を出しながら、自分の行動を考えていた。JR九州の運転士として培った危機管理能力が、無意識のうちに発動している。
この瞬間、勇樹は気づいた。魔法が使えなくても、自分には別の力がある。人を安全に導く知識と経験がある。それは、この異世界でも必要とされる力のはずだ。
地鳴りがさらに激しくなり、屋敷の建物全体が軋み始めた。遠くから聞こえる咆哮も、次第に近づいてきている。
「急げ」勇樹は侍女の背中を押した。「一刻も早く避難を開始しろ」
侍女は慌てて駆け出していった。勇樹も後を追おうとして——足を止めた。
窓の外の瓦礫山が、夕日に照らされて赤く光っている。
「救えなかった人々」
勇樹の心に、強い決意が湧き上がった。
今度は違う。今度は、自分の力で人を救ってみせる。魔法が使えなくても、機械が軽視される世界でも。鉄道の力で、必ず——。
轟音が屋敷を揺るがした。いよいよ魔獣の群れが接近している。勇樹は踵を返し、大広間へと走り出した。
今はまだ、鉄道を召喚する力はない。しかし、人を導く力は持っている。
それが、野中勇樹という男の、新たな戦いの始まりだった。
白い漆喰に金糸で縁取られた装飾が施され、中央には水晶のシャンデリアが静かに揺れている。JR九州の社員寮の薄暗い天井とはまるで違う豪華さに、勇樹は困惑した。
「お目覚めですね」
振り返ると、品のある女性の声が聞こえた。年の頃は二十歳ほどだろうか。栗色の髪を緩やかに結い上げ、深い青のドレスを纏った令嬢が、ベッドサイドの椅子に腰掛けている。その瞳には好奇心と、僅かな警戒心が入り混じっていた。
「ここは——」
「私の屋敷です。あなた、街道で倒れているところを発見されたのよ。身元を示すものは何も持っていらっしゃらなかった」
勇樹は上体を起こした。体に痛みはない。むしろ、あの日の激務で蓄積されていた疲労が嘘のように消えている。あの日——確か、遅延ダイヤの復旧作業で徹夜続きだった。最後に覚えているのは、運転席で意識が遠のいていく感覚と——
「お名前をお聞かせください」
「野中、野中勇樹です」
令嬢は首をかしげた。
「のなか、ゆうき? 珍しいお名前ですね。どちらのご出身でしょう」
「JR九州、いえ——」勇樹は慌てて口を噤んだ。JR九州などと言っても、この世界では通じるはずがない。「九州地方の、小さな町からです」
令嬢の表情に微かな困惑が浮かんだ。きっと九州という地名も、この世界には存在しないのだろう。
「とりあえず、お体の調子は如何ですか? 回復魔法は施しましたが」
魔法。勇樹の思考が一瞬停止した。魔法という単語が、まるで日常会話のように口にされている。
「魔法、ですか」
「ええ。治癒の魔法です。ただし、私はそれほど上級ではありませんから、完全とは言えませんけれど」
令嬢は当然のように答えた。勇樹の混乱を見て取ったのか、彼女は立ち上がった。
「まだ頭がはっきりしないようですね。お食事をお持ちしますから、ゆっくりお休みください」
令嬢が部屋を出ていくと、勇樹は改めて周囲を見回した。
部屋は明らかに客間として使われているようで、調度品の全てが上品で統一感がある。壁には風景画が掛けられ、窓際には精巧な彫刻が施された机と椅子が置かれている。
勇樹は窓に近づいた。外の景色を見れば、自分がどこにいるのか少しは分かるかもしれない。
しかし、窓の外に広がっていたのは、予想を遥かに超える光景だった。
眼下に広がる街並みの向こう、地平線近くに巨大な山が聳えている。だが、それは普通の山ではなかった。山の斜面には無数の瓦礫が積み重なり、まるで巨大な廃墟のような様相を呈している。コンクリートの破片らしきものや、鉄骨の残骸、砕けた石材が山肌を覆い尽くしている。
「何だ、あれは——」
勇樹の呟きに、ノックの音が重なった。
「失礼いたします」
扉が開いて、初老の男性が入ってきた。燕尾服に身を包んだ執事らしき人物で、銀髪を丁寧に撫でつけている。その後ろには、メイド服の若い女性が食事を載せた盆を持って続いた。
「お加減は如何ですか、野中様」執事は丁寧に一礼した。「私はこの屋敷の執事を務めますウィリアムと申します」
「あ、ありがとうございます。おかげさまで、体調は良くなりました」
ウィリアムは頷くと、侍女に指示を出した。侍女は手早く机に食事を並べていく。パンにスープ、肉料理と野菜——見た目は馴染みのある料理だが、香辛料の香りが微妙に異なっている。
「あの、外に見える山のようなものは——」勇樹は窓を指差した。「あれは一体?」
ウィリアムの表情が僅かに曇った。
「あれは『嘆きの瓦礫山』と呼ばれております。十年前の大災害で崩壊した古い都市の残骸が積み重なったものです」
「大災害?」
「魔獣の大群による襲撃でした。一夜にして都市が壊滅し、多くの人命が失われました。救援も間に合わず——」ウィリアムは言葉を切った。「申し訳ございません。お客様にこのような重い話をするべきではありませんでした」
救援が間に合わなかった。その言葉が勇樹の胸に突き刺さった。
JR九州の運転士として働いていた頃、勇樹は数え切れないほどの乗客を運んだ。通勤客、観光客、そして時には緊急搬送を必要とする患者や、災害時の避難民も。一分一秒を争う状況で、一人でも多くの命を安全に目的地まで運ぶことが、勇樹の使命だった。
それなのに——救援が間に合わなかった都市がある。勇樹にとって、それは耐え難い現実だった。
「野中様?」
ウィリアムの声で現実に戻った。勇樹は慌てて頭を振った。
「すみません、少しぼんやりしていました」
「それでは、お食事をどうぞ。お嬢様が、お体が回復されましたら、簡単な検査をさせていただきたいと仰せです」
「検査、ですか」
「ええ。この地域では、身元不明の方には魔法適性の検査を受けていただくことになっております。ご事情を察するに、記憶に混乱がおありのようですし」
勇樹は頷いた。魔法適性という概念も理解できないが、この世界では常識なのだろう。とりあえず、この屋敷の人々の善意に従うしかない。
食事を終えた勇樹は、ウィリアムに案内されて屋敷の奥へと向かった。
廊下の両側には絵画や彫像が並び、足音が高い天井に反響する。JR九州の社員寮とは比較にならない豪華さだが、勇樹にとっては落ち着かない空間だった。
「こちらです」
案内されたのは、客間よりもやや広い小広間だった。中央に円形の台が設置され、その上に水晶玉のような球体と、複雑な文様が刻まれた金属板が置かれている。
既に令嬢が待っていた。彼女の隣には、深紅のローブを纏った中年男性が立っている。
「こちらがこの地域の魔導教師、マスター・ガレス」令嬢が紹介した。「野中さん、こちらがお世話になったお嬢様のアリシア・ブランシェット様です」
「どうぞよろしく、野中さん」アリシアは微笑んだ。「簡単な検査ですから、ご心配なく」
マスター・ガレスは厳格そうな表情で勇樹を見つめた。
「それでは始めよう。まず、こちらの魔力計測水晶に手をかざしてください」
勇樹は指示された通り、水晶玉の上に右手をかざした。
数秒が経過した。水晶は何の反応も示さない。
「おかしいですね」ガレスは眉をひそめた。「では、左手で試してください」
勇樹は左手に替えた。やはり水晶に変化はない。
「うーん——」ガレスは首をひねった。「それでは、魔導刻印板の方をお試しください」
今度は金属板の上に手を置くように指示された。板の表面には複雑な魔法陣のような文様が刻まれている。勇樹が手を置くと——やはり何も起こらない。
「これは——」ガレスの表情が困惑から驚愕に変わった。「全く反応がありません」
小広間に静寂が流れた。アリシアの表情にも動揺が浮かんでいる。
「全く、とは?」勇樹が尋ねた。
「魔力が全く感知できないということです」ガレスは重々しく言った。「生まれつき魔力の低い人でも、僅かな反応は示すものです。しかし、あなたの場合は——」
「魔法が使えない、ということですか」
「そういうことになります」
勇樹は複雑な気持ちだった。魔法というもの自体、まだ実感が湧かない。しかし、この世界の住人にとっては、それは深刻な問題らしい。
「でも、心配することはありません」アリシアが慌てたように言った。「魔法が使えなくても、他の才能があるかもしれませんし——」
「他の才能、といいますと?」
「例えば、工芸や商業、学問など——」
勇樹の脳裏に、JR九州での日々が蘇った。時刻表の暗記、安全運行の手順、緊急時の対応、車両整備の知識。そして何より、一人でも多くの人を安全に運ぶための技術と経験。
「鉄道は、どうでしょうか」
「鉄道?」ガレスとアリシアが同時に首をかしげた。
「ええ。線路の上を走る車両で、大勢の人や物を運ぶシステムです。蒸気機関を使って——」
「蒸気機関?」今度はガレスが困惑した。「そのような機械仕掛けで、魔法もなしに人を運ぶと?」
「はい。石炭を燃やして水を沸騰させ、蒸気の力で車輪を回転させるんです。魔法は必要ありません」
小広間に再び静寂が訪れた。今度は困惑ではなく、呆れたような静寂だった。
「野中さん」アリシアが優しく言った。「そのような原始的な方法では、とても実用的とは——魔法を使えば、もっと効率的で安全な移動手段がいくらでもありますから」
「でも、大量輸送には向いていると思うのですが。一度に数百人の乗客を——」
「数百人?」ガレスが鼻で笑った。「飛行魔法なら、魔導師一人で十数人を同時に運べます。それで十分でしょう」
「災害時の救援には? 怪我人や病人を安全に、大量に運ぶ必要がある場合は——」
「治癒魔法と転移魔法を組み合わせれば済む話です」
勇樹の提案は全く理解されなかった。それどころか、機械に頼るという発想自体が、この世界では下等なものと見なされているようだった。
「まあ、野中さんなりに考えてくださったのでしょうが——」アリシアが苦笑いを浮かべた。「やはり魔法の才能がないと、発想も限られてしまうのでしょうね」
その言葉が、勇樹の胸に重くのしかかった。JR九州で培った全ての知識と経験が、この世界では価値のないものとして切り捨てられる。
小広間の隅で、侍従の一人が別の侍従に囁いているのが聞こえた。
「やはり落ちこぼれね」
「魔法も使えずに、機械頼みなんて——」
「可哀そうに。これからどうやって生きていくのかしら」
勇樹は拳を握りしめた。確かに魔法は使えない。この世界の常識も知らない。だが、彼には誇りがあった。人の命を預かる仕事を全うしてきた誇りが。
「ありがとうございました」勇樹は深く頭を下げた。「お世話になりました。もう、お暇させていただきます」
「え、でも野中さん——」アリシアが慌てた。
「大丈夫です。自分の道は、自分で見つけます」
勇樹は踵を返した。小広間を出て、長い廊下を歩きながら、窓の外の瓦礫山を見つめた。
あそこには、救えなかった人々がいる。魔法があっても救えなかった命がある。
ならば——自分にできることがあるはずだ。たとえ魔法が使えなくても、機械が軽視される世界でも。
勇樹の心に、かつてない決意が芽生えていた。
勇樹は足を止めずに廊下を歩き続けた。侍従たちの視線が背中に突き刺さるのを感じながら、彼は屋敷の奥へと向かった。どこへ行くという当てもない。ただ、あの小広間にいることが耐えられなかった。
長い廊下の突き当たりに、大きな窓がある回廊を見つけた。そこは人の気配がなく、静寂に包まれていた。勇樹は窓辺に歩み寄り、外の景色を見つめた。
夕日が西の空を茜色に染め、その光が瓦礫山の表面で鈍く反射している。距離があるにも関わらず、山の巨大さは圧倒的だった。コンクリートの破片、鉄骨の残骸、砕けた石材——それらが無秩序に積み重なった光景は、まさに絶望の象徴だった。
十年前の大災害。救援が間に合わなかった都市。
勇樹の脳裏に、JR九州での日々が鮮明に蘇った。
あれは、入社三年目の夏だった。九州北部を襲った集中豪雨で、各地で土砂崩れが発生した。通常のダイヤは完全に麻痺し、救援物資の輸送と避難民の移送が急務となった。
勇樹は連続四十八時間の勤務に就いた。眠気と疲労で意識が朦朧とする中、彼は運転席で必死にハンドルを握り続けた。一本でも多くの列車を走らせ、一人でも多くの人を安全な場所へ運ぶために。
「野中、もう限界だろう。交代しろ」
同僚が心配そうに声をかけたが、勇樹は首を振った。
「まだ大丈夫です。あと二本、避難所まで運んでから」
実際には大丈夫ではなかった。視界がぼやけ、手足が震えていた。それでも、避難民を乗せた列車を運転席で待っている限り、立ち止まるわけにはいかなかった。
最後の便は、病院からの緊急搬送だった。重篤な患者と、その家族を乗せた救急列車。通常なら救急車が担う役割を、道路の寸断により列車が代行することになった。
「お願いします、一刻も早く——」
患者の家族が涙ながらに頼み込んだ。勇樹は頷き、可能な限りの速度で列車を走らせた。線路の状況を見極めながら、安全と速度の両立を図る。一つ間違えれば脱線の危険があったが、それでも彼は走り続けた。
結果として、その患者は命を取り留めた。家族から感謝の言葉を受けた時、勇樹は初めて自分の仕事の意味を実感した。
自分は人の命を預かっている。一人ひとりの乗客に、かけがえのない人生がある。家族がいて、夢がある。その全てを背負って、運転席に座っている。
それから勇樹の働き方は変わった。より多くの知識を身につけ、より的確な判断を下せるように努力した。安全運行のためなら、どんな困難にも立ち向かった。
だが、その献身が彼自身を蝕んでいることには、最後まで気づかなかった。
過労による体調不良は徐々に深刻化し、やがて運転中の意識消失という最悪の事態を招いた。幸い乗客に被害はなかったが、勇樹は二度と運転席に立つことはなかった。
病院のベッドで医師から告知を受けた時、勇樹は自分の人生が終わったと感じた。鉄道員として、人の命を預かることができなくなった自分に、一体何の価値があるのかと。
そして、意識を失った。次に目覚めた時には、この異世界の屋敷にいた。
「魔法が使えない落ちこぼれ」
侍従たちの言葉が、再び勇樹の耳に響いた。この世界でも、自分は無価値な存在として扱われる。前世での挫折が、形を変えて繰り返されている。
だが——違う。
勇樹は瓦礫山を見つめ直した。あそこには、救えなかった人々の痛みが眠っている。魔法という万能の力があっても、救えなかった命がある。
ならば、魔法以外の方法があってもいいはずだ。機械の力で、人を救う方法があってもいいはずだ。
「蒸気機関は原始的だって?」
勇樹は独り言のように呟いた。
「大量輸送は必要ないって? じゃあ、なぜあの瓦礫山があるんだ」
彼の記憶の中で、JR九州の蒸気機関車が力強い汽笛を鳴らしていた。石炭を燃やし、水を沸騰させ、蒸気の力で重い車両を牽引する。魔法など使わずに、ただ物理法則に従って動く機械。
それでも、人を運ぶことができる。救うことができる。
勇樹の拳に、徐々に力が込められていった。
「俺は、諦めない」
この世界の常識がどうであれ、自分の信念を曲げるつもりはない。人の命を守るために、鉄道という手段を諦めるつもりもない。
「いつか必ず、この手で——」
その時、勇樹の足元に微かな振動が伝わった。
最初は気のせいかと思った。だが、振動は次第に強くなり、やがて明らかな地鳴りとなって屋敷全体を震わせ始めた。
窓ガラスがかすかに震え、シャンデリアが微妙に揺れている。遠くから、動物の鳴き声のようなものが聞こえてきた。ただし、それは普通の動物の声ではない。何かもっと大きな、もっと恐ろしいものの咆哮だった。
「これは——」
勇樹の背後から、慌ただしい足音が聞こえてきた。
「大変です! 大変です!」
振り返ると、先ほどの侍女が血相を変えて走ってくるのが見えた。その顔は恐怖で青ざめている。
「どうした」勇樹が声をかけると、侍女は息を切らしながら答えた。
「森の向こうから、魔獣の群れが——! 街道を襲いながら、こちらに向かってきています!」
魔獣。勇樹には聞き慣れない言葉だったが、その侍女の恐怖の表情から、尋常でない事態であることは理解できた。
地鳴りがさらに強くなった。今度は床が明らかに振動している。
「お嬢様はどちらに?」勇樹が尋ねた。
「大広間におられます。ウィリアム様が避難の準備を——」
侍女の言葉が途中で途切れた。屋敷の外から、今度ははっきりと獣の咆哮が聞こえてきたのだ。それも一頭や二頭ではない。無数の声が重なり合って、不気味な合唱を奏でている。
勇樹は窓から外を見下ろした。屋敷の門前に広がる街道の向こう、森の切れ目から黒い影がいくつも現れるのが見えた。それらの影は異常に大きく、四つ足で移動している。
「避難経路は?」勇樹が侍女に尋ねた。
「え?」
「この屋敷から安全な場所への避難経路だ。どのルートが一番安全で、どこに避難すればいい?」
侍女は困惑した表情を浮かべた。おそらく、そのような具体的な避難計画など考えたことがないのだろう。
勇樹の頭の中で、JR九州時代の緊急対応マニュアルが自動的に展開された。火災、地震、事故——あらゆる非常事態において、乗客の安全をいかに確保するか。避難誘導の手順、安全な場所への移動方法、パニックの防止策。
屋敷の構造を頭の中で再構成する。正面玄関から敷地外への最短ルート。裏口から森への退避経路。地下室や屋上といった一時避難場所。
「裏庭に馬小屋があるはずだ。そこから森の小道を通って——」
「え、ええ、ありますけど——」
「そのルートなら、正面から来る魔獣の群れを避けられる。大広間の皆さんを、そこへ誘導しろ」
勇樹は指示を出しながら、自分の行動を考えていた。JR九州の運転士として培った危機管理能力が、無意識のうちに発動している。
この瞬間、勇樹は気づいた。魔法が使えなくても、自分には別の力がある。人を安全に導く知識と経験がある。それは、この異世界でも必要とされる力のはずだ。
地鳴りがさらに激しくなり、屋敷の建物全体が軋み始めた。遠くから聞こえる咆哮も、次第に近づいてきている。
「急げ」勇樹は侍女の背中を押した。「一刻も早く避難を開始しろ」
侍女は慌てて駆け出していった。勇樹も後を追おうとして——足を止めた。
窓の外の瓦礫山が、夕日に照らされて赤く光っている。
「救えなかった人々」
勇樹の心に、強い決意が湧き上がった。
今度は違う。今度は、自分の力で人を救ってみせる。魔法が使えなくても、機械が軽視される世界でも。鉄道の力で、必ず——。
轟音が屋敷を揺るがした。いよいよ魔獣の群れが接近している。勇樹は踵を返し、大広間へと走り出した。
今はまだ、鉄道を召喚する力はない。しかし、人を導く力は持っている。
それが、野中勇樹という男の、新たな戦いの始まりだった。
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