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第7章 浮遊列車と不気味な影
第7章 浮遊列車と不気味な影
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霜牙山地での雪崩事件から二週間後、勇樹たちは驚くべき新技術を完成させた。
「見てくれ」ガンドルフが誇らしげに新型車両を指差した。「これが、俺たちの最新作だ」
都市外れの試験場に、見たことのない形状の列車が置かれていた。従来の機関車と似ているが、車体の下部に青く光る結晶状の装置が複数取り付けられている。車輪も特殊な合金製で、従来よりも軽量化されていた。
「浮遊機能付き救援列車」勇樹は名前を口にした。「ガンドルフさんの魔法元素封入技術と、古代遺跡から発見された浮遊石を組み合わせた最新型です」
試験場には、多くの見物人が集まっていた。市民、技術者、商人、そして数名の貴族議員。皆、この新型車両に強い関心を示していた。
「本当に浮くんですか?」見物人の一人が尋ねた。
「やってみましょう」勇樹は運転席に座った。
車体下部の浮遊石が徐々に明るく光り始めた。ガンドルフの技術により、風の元素を封入した特殊合金と浮遊石が共鳴し、車両全体を重力から解放する。
機関車がゆっくりと地面から浮き上がった。
「信じられない——」
「本当に飛んでる——」
見物人たちから驚嘆の声が上がった。列車が宙に浮いている光景は、この世界の常識を覆すものだった。
「高度、三メートル」リリアが計器を確認した。「安定しています」
「振動もほとんどないわ」ミナが感心した。「地上を走る時より、むしろ快適かも」
浮遊列車は試験場の上空をゆっくりと移動した。従来の線路に拘束されることなく、三次元的な移動が可能になった。山岳地帯や河川の上空も、直接通過できる。
「これなら」技術者の一人が興奮して言った。「どんな地形でも関係ありませんね。災害で道路が寸断されても、空から救援に向かえる」
「燃費はどうなんだ?」商人が実用性を気にして尋ねた。
「従来比で約三割向上しています」ガンドルフが答えた。「浮遊状態では車輪の摩擦抵抗がないため、推進力が効率よく活用できるんです」
見物人の間で、称賛の声が次々と上がった。
「すごいじゃないか」
「魔法にも負けない技術だ」
「これで、救援活動の幅が大きく広がる」
しかし、貴族議員の一人だけは複雑な表情を浮かべていた。中年男性で、豪華な衣装を身に着け、常に護衛を連れている。名前はヴィクター・グランデュール侯爵。機械下等論の支持者として知られている人物だった。
「確かに技術的には興味深い」ヴィクター侯爵が慎重に言った。「しかし、安全性の面で懸念があります」
「懸念?」勇樹が振り返った。
「空中での事故が発生した場合、地上以上に深刻な被害をもたらす可能性があります」侯爵は表面的には理性的な指摘をした。「十分な検証が必要でしょう」
勇樹は頷いた。確かに、新技術には慎重な検証が必要だ。
「おっしゃる通りです。本格運用前に、徹底的な試験を行います」
「それなら」侯爵の目に一瞬、奇妙な光が宿った。「私も試運転に同乗させていただけませんか?政府関係者として、安全性を確認したい」
勇樹は少し迷った。貴族議員の同乗は、何かと面倒な問題を引き起こす可能性がある。しかし、政府の理解を得ることは重要だった。
「分かりました。ただし、試験運転中は指示に従っていただきます」
「もちろんです」侯爵は愛想良く微笑んだ。
こうして、浮遊列車の試運転に貴族議員が同乗することになった。
試運転は午後から開始された。乗客は勇樹、リリア、ミナ、ガンドルフ、そしてヴィクター侯爵とその護衛一名。合計六名の小規模な試験運行だった。
「それでは、出発します」勇樹は操縦桿を握った。
浮遊列車は滑らかに上昇を開始した。地面から五メートル、十メートル、十五メートル——安定した浮遊状態を維持しながら、都市の上空へと向かっていく。
「素晴らしい眺めですね」侯爵が窓の外を見ながら言った。
確かに、上空からの景色は圧巻だった。街並みが一望でき、遠くには山々の連なりも見える。鳥の視点で世界を見下ろす体験は、地上の列車では味わえないものだった。
「高度、五十メートル」リリアが報告した。「各部の状況は正常です」
「浮遊石の出力も安定しています」ガンドルフが付け加えた。「予定通りのコースを飛行できそうですね」
浮遊列車は都市を離れ、郊外の上空を進んでいく。下には田園地帯が広がり、農民たちが空を見上げて手を振っている。
「農民たちも驚いているようですね」ミナが微笑んだ。
「当然でしょう」勇樹も嬉しそうだった。「列車が空を飛ぶなんて、夢にも思わなかったでしょうから」
その時、リリアが侯爵の行動に注目していた。
侯爵は表面的には景色を楽しんでいるように見えたが、時折、列車の操縦席や計器類を詳しく観察していた。メモ帳を取り出し、何かを記録している様子もある。
「あの方——」リリアは小声でミナに囁いた。「なんだか変じゃない?」
「変って?」ミナも侯爵を見た。
「視線が、観光客のものじゃないの。まるで、列車の弱点を探しているような——」
確かに、侯爵の視線は技術的な部分に集中していた。浮遊石の取り付け部分、操縦系統の配線、緊急時の安全装置——重要なシステムを順番に確認している。
「気のせいじゃないかしら」ミナは首をかしげた。「政府関係者なら、安全性を詳しく調べるのは当然よ」
「そうかもしれないけど——」リリアの表情には不安が残った。
その時、侯爵が立ち上がった。
「失礼、お手洗いを——」
列車には簡易的な設備が設置されており、短時間の試運転には十分だった。侯爵は後部車両に向かったが、その足取りはどこか目的を持ったものだった。
リリアは侯爵の後を追おうとしたが、護衛に制止された。
「申し訳ございませんが、侯爵様のプライバシーを——」
「あ、はい——」
リリアは引き下がるしかなかった。しかし、侯爵がお手洗いとは反対の方向、機関室の近くに向かったのを見逃さなかった。
「ガンドルフさん」リリアは小声で鍛冶師に声をかけた。「機関室の様子は分かりますか?」
「ん?」ガンドルフは首をかしげた。「特に異常はないが——何か気になることでも?」
「侯爵の行動が——」
その時、侯爵が戻ってきた。表情は平静だったが、手に小さな装置を持っているのがリリアの目に留まった。魔法結晶のような光を放つ、見慣れない道具だった。
「お疲れ様でした」侯爵は何事もなかったように席に戻った。
リリアは確信した。あの男は何かを企んでいる。
しかし、侯爵の目的が何なのか、まだ分からない。試運転を妨害するつもりなのか、それとも技術情報を盗み出そうとしているのか——
「勇樹さん」リリアは運転席の勇樹に近づいた。
「どうしました?」勇樹は操縦に集中しながら答えた。
「あの侯爵——」
だが、リリアの警告は中断された。浮遊列車が突然、軽い衝撃に見舞われたのだ。
「何だ?」ガンドルフが立ち上がった。
「風の乱気流かもしれません」勇樹は操縦桿を調整した。「高度を少し下げてみます」
外を見ると、雲が急速に厚くなっているのが分かった。先ほどまで快晴だった空が、いつの間にか灰色の雲に覆われている。
「天候の変化が予想より早いですね」ミナが空を見上げた。
「問題ありません」勇樹は冷静に対応した。「浮遊列車なら、多少の悪天候でも安全に運行できます」
しかし、侯爵の表情に微妙な変化が見られた。まるで、何かを待っているような——
リリアは不安を抑えきれなくなった。侯爵の怪しい行動、急変する天候、そして彼が持っていた謎の装置——全てが何かの陰謀の一部のように思えてならない。
「勇樹さん——」リリアは再び声をかけようとした。
だが、その時だった。
浮遊列車の上空で、雲の間から巨大な影がちらりと姿を現したのは——。
雲間から現れた影を目撃した瞬間、リリアは勇樹に駆け寄った。
「勇樹さん!」彼女の声には緊迫感が込められていた。「侯爵の行動、やっぱりおかしいです。機関室に何かを仕掛けたかもしれません」
勇樹は操縦桿を握ったまま振り返った。浮遊列車は高度六十メートルを維持し、順調に飛行を続けている。
「リリアさん、今は——」
「今だからこそです!」リリアは声を荒らげた。「あの人が持っていた装置、明らかに怪しかった。それに、空の様子も——」
「落ち着いてください」勇樹は冷静に答えた。「侯爵は政府の代表者です。疑いの目で見るのは適切ではありません」
「でも——」
「今は試運転の成功が最優先です」勇樹の声に、僅かに苛立ちが混じった。「貴族議員に不信感を抱いていると思われたら、鉄道ギルドの設立にも悪影響を与えかねません」
リリアは言葉に詰まった。確かに、根拠のない疑念で政府関係者を非難するのはリスクが大きい。しかし、彼女の直感は明確に危険を告げていた。
「勇樹さんの言うことも分かるけど」ミナが仲裁に入った。「リリアちゃんの警戒心も無視すべきじゃないわ。獣人の直感だって馬鹿にならないもの」
「ミナさんまで——」勇樹は困惑した。
「私たちは仲間でしょ?」ミナは真剣な表情で言った。「だったら、お互いの意見を尊重すべきよ。リリアちゃんが心配してるなら、それなりの理由があるはず」
ガンドルフは黙って成り行きを見守っていた。ドワーフの鍛冶師として、技術的な問題には敏感だったが、政治的な駆け引きには関わりたくないという思いもあった。
「分かりました」勇樹は譲歩した。「試運転終了後に、侯爵の行動について詳しく話し合いましょう。ただし、今は安全運行に集中させてください」
リリアは不満そうだったが、勇樹の判断を受け入れた。確かに、飛行中に内部対立を起こすのは危険だった。
しかし、その時だった。
浮遊列車の計器に異常が現れ始めた。
「おかしいな」ガンドルフが眉をひそめた。「浮遊石の出力が不安定になってる」
勇樹は慌てて計器を確認した。確かに、浮遊機能を支える魔法元素の流量が変動している。
「原因は?」
「分からん」ガンドルフは後部車両に向かった。「機関室を点検してみる」
数分後、ガンドルフが青ざめた顔で戻ってきた。
「やられた」彼の声は震えていた。「浮遊石の制御装置に、見知らぬ魔法結晶が取り付けられてる」
リリアの表情が「やはり」という色に変わった。
「それって——」
「妨害工作だ」ガンドルフは断言した。「あの結晶は浮遊石の魔力を乱す効果がある。このままだと——」
浮遊列車が急激に高度を下げ始めた。制御を失った浮遊機能により、予測不能な動きを見せ始める。
「緊急着陸します!」勇樹は操縦桿を必死に操作した。
だが、状況は悪化の一途を辿った。浮遊列車は左右に大きく揺れ、時には急上昇し、時には急降下する。乗客たちは座席にしがみつき、恐怖に青ざめていた。
「侯爵は?」リリアが叫んだ。
振り返ると、ヴィクター侯爵とその護衛の姿が見当たらない。いつの間にか、車両から消失していた。
「どこに——」ミナが車内を見回した。
その時、窓の外で異様な光景を目撃した。
侯爵とその護衛が、魔法の飛行術で空中に浮遊していたのだ。彼らは浮遊列車から離脱し、安全な場所へと移動していく。
「裏切り者——」ガンドルフが歯を食いしばった。
「最初から、これが狙いだったのね」リリアが悔しそうに言った。「浮遊列車を墜落させて、鉄道技術の危険性を実証するつもりだったのよ」
勇樹は自分の判断ミスを痛感した。リリアの警告を無視し、侯爵を信用した結果、全員を危険にさらしてしまった。
「すみません」勇樹は謝罪した。「僕の判断が間違っていました」
「謝るのは後よ」ミナが実用的に答えた。「今は、この状況をどうにかしないと」
浮遊列車の制御は完全に失われていた。高度は不規則に変動し、機体は激しく振動している。このままでは墜落は時間の問題だった。
「妨害装置を除去できませんか?」勇樹がガンドルフに尋ねた。
「試してみるが——」ガンドルフは機関室に向かった。「時間がかかるかもしれん」
その時、空の様子がさらに不気味になった。
先ほどまで薄い雲だったものが、急速に厚みを増している。そして、雲の中から巨大な影がいくつも現れ始めた。
「あれは——」リリアが息を呑んだ。
影の正体は、最初は鳥の群れのように見えた。しかし、よく見ると異様に大きく、翼の形状も普通の鳥とは異なる。魔獣の一種かもしれないが、これまで見たことのない種類だった。
「数が多すぎる」ミナが警戒した。「少なくとも数十匹はいる」
影の群れは浮遊列車を取り囲むように移動している。まるで意図的に、列車を監視しているかのようだった。
「まさか——」勇樹は恐ろしい可能性を考えた。「侯爵の妨害工作と、あの影の出現は——」
「関連してる可能性があるわね」リリアが同意した。「タイミングが良すぎる」
確かに、侯爵が妨害装置を仕掛けた直後に、謎の影が現れるのは偶然にしては出来すぎていた。何らかの計画的な行動の一部かもしれない。
浮遊列車の揺れがさらに激しくなった。制御装置の異常により、高度は三十メートルまで下がっている。地面との衝突まで、あと僅かな時間しかない。
「ガンドルフさん!」勇樹が叫んだ。「装置の除去は?」
「もう少し——」機関室からガンドルフの声が聞こえた。「結晶が複雑に絡み合ってて——」
その時、上空の影の群れが動きを見せた。
一斉に下降を始め、浮遊列車に向かって急降下してくる。その速度は恐ろしく速く、明らかに攻撃的な意図を持っていた。
「来る!」ミナが叫んだ。
影の群れは浮遊列車の周囲を旋回し始めた。間近で見ると、それらは確かに生物だった。翼を持つ魔獣の一種だが、これまで見たことのない巨大さと凶暴性を持っている。
「魔獣の群れ——」リリアが青ざめた。「でも、こんな種類は聞いたことがない」
魔獣たちは列車に直接攻撃はしてこなかったが、明らかに威嚇行動を取っている。鋭い鳴き声を上げ、翼を大きく広げて存在感を示していた。
「何の目的で——」勇樹は困惑した。
その時、ガンドルフが成功の声を上げた。
「やったぞ! 妨害装置を除去した!」
浮遊列車の制御が徐々に回復し始めた。不規則な揺れが収まり、高度も安定してくる。
「緊急着陸します」勇樹は操縦桿を慎重に操作した。「地上の安全な場所まで——」
しかし、魔獣の群れは列車の降下を妨害するかのように、より激しく旋回し始めた。まるで、空中に留まることを強要しているようだった。
「何が目的なの?」ミナが疑問を口にした。
「分からない」勇樹は汗を拭った。「でも、このまま空中にいるのは危険です」
浮遊列車は魔獣の群れに囲まれながら、ゆっくりと降下を続けた。地上まであと十五メートル——だが、魔獣たちの鳴き声はますます激しくなっている。
「まるで——」リリアが呟いた。「私たちを、どこかに誘導しようとしているみたい」
確かに、魔獣の動きには一定のパターンがあった。列車を特定の方向に導こうとするかのような、組織的な行動を見せている。
「知能がある?」勇樹は驚いた。
「普通の魔獣とは違う」ガンドルフも同意した。「何者かに操られているのかもしれん」
浮遊列車は地上十メートルまで降下した。だが、着陸予定地点の手前で、魔獣の群れが進路を遮った。明らかに、着陸を阻止しようとしている。
「どうする?」ミナが尋ねた。
勇樹は決断した。
「強行着陸します。魔獣がいても、地上の方が安全です」
浮遊列車は魔獣の群れを押し切って降下を続けた。鳥のような魔獣たちは列車に直接攻撃はしてこないが、威嚇の鳴き声はさらに激しくなった。
そして、ついに地面に着陸した。
浮遊機能が停止し、列車は通常の車輪で地上を走行する状態に戻った。魔獣の群れは上空を旋回し続けたが、地上の列車には手を出さないようだった。
「とりあえず、安全ね」リリアがほっとした。
しかし、勇樹の心には大きな不安が残っていた。
侯爵の裏切り、謎の妨害装置、そして組織的に行動する魔獣の群れ——全てが何らかの大きな陰謀の一部のように思える。
「これは始まりに過ぎない」勇樹は空を見上げた。
魔獣たちは依然として上空を旋回し、何かを監視しているようだった。彼らの存在は、新たな脅威の到来を告げているのかもしれない。
浮遊列車の試運転は、技術的には成功だった。しかし、それと引き換えに、より大きな危険を招いたのかもしれない。
勇樹は仲間たちを見回した。リリアの警告を軽視した自分の判断ミスを深く反省し、今後はもっとチームの意見を尊重しなければならないと痛感していた。
空に浮かぶ魔獣の群れは、新たな試練の始まりを予感させていた。
「見てくれ」ガンドルフが誇らしげに新型車両を指差した。「これが、俺たちの最新作だ」
都市外れの試験場に、見たことのない形状の列車が置かれていた。従来の機関車と似ているが、車体の下部に青く光る結晶状の装置が複数取り付けられている。車輪も特殊な合金製で、従来よりも軽量化されていた。
「浮遊機能付き救援列車」勇樹は名前を口にした。「ガンドルフさんの魔法元素封入技術と、古代遺跡から発見された浮遊石を組み合わせた最新型です」
試験場には、多くの見物人が集まっていた。市民、技術者、商人、そして数名の貴族議員。皆、この新型車両に強い関心を示していた。
「本当に浮くんですか?」見物人の一人が尋ねた。
「やってみましょう」勇樹は運転席に座った。
車体下部の浮遊石が徐々に明るく光り始めた。ガンドルフの技術により、風の元素を封入した特殊合金と浮遊石が共鳴し、車両全体を重力から解放する。
機関車がゆっくりと地面から浮き上がった。
「信じられない——」
「本当に飛んでる——」
見物人たちから驚嘆の声が上がった。列車が宙に浮いている光景は、この世界の常識を覆すものだった。
「高度、三メートル」リリアが計器を確認した。「安定しています」
「振動もほとんどないわ」ミナが感心した。「地上を走る時より、むしろ快適かも」
浮遊列車は試験場の上空をゆっくりと移動した。従来の線路に拘束されることなく、三次元的な移動が可能になった。山岳地帯や河川の上空も、直接通過できる。
「これなら」技術者の一人が興奮して言った。「どんな地形でも関係ありませんね。災害で道路が寸断されても、空から救援に向かえる」
「燃費はどうなんだ?」商人が実用性を気にして尋ねた。
「従来比で約三割向上しています」ガンドルフが答えた。「浮遊状態では車輪の摩擦抵抗がないため、推進力が効率よく活用できるんです」
見物人の間で、称賛の声が次々と上がった。
「すごいじゃないか」
「魔法にも負けない技術だ」
「これで、救援活動の幅が大きく広がる」
しかし、貴族議員の一人だけは複雑な表情を浮かべていた。中年男性で、豪華な衣装を身に着け、常に護衛を連れている。名前はヴィクター・グランデュール侯爵。機械下等論の支持者として知られている人物だった。
「確かに技術的には興味深い」ヴィクター侯爵が慎重に言った。「しかし、安全性の面で懸念があります」
「懸念?」勇樹が振り返った。
「空中での事故が発生した場合、地上以上に深刻な被害をもたらす可能性があります」侯爵は表面的には理性的な指摘をした。「十分な検証が必要でしょう」
勇樹は頷いた。確かに、新技術には慎重な検証が必要だ。
「おっしゃる通りです。本格運用前に、徹底的な試験を行います」
「それなら」侯爵の目に一瞬、奇妙な光が宿った。「私も試運転に同乗させていただけませんか?政府関係者として、安全性を確認したい」
勇樹は少し迷った。貴族議員の同乗は、何かと面倒な問題を引き起こす可能性がある。しかし、政府の理解を得ることは重要だった。
「分かりました。ただし、試験運転中は指示に従っていただきます」
「もちろんです」侯爵は愛想良く微笑んだ。
こうして、浮遊列車の試運転に貴族議員が同乗することになった。
試運転は午後から開始された。乗客は勇樹、リリア、ミナ、ガンドルフ、そしてヴィクター侯爵とその護衛一名。合計六名の小規模な試験運行だった。
「それでは、出発します」勇樹は操縦桿を握った。
浮遊列車は滑らかに上昇を開始した。地面から五メートル、十メートル、十五メートル——安定した浮遊状態を維持しながら、都市の上空へと向かっていく。
「素晴らしい眺めですね」侯爵が窓の外を見ながら言った。
確かに、上空からの景色は圧巻だった。街並みが一望でき、遠くには山々の連なりも見える。鳥の視点で世界を見下ろす体験は、地上の列車では味わえないものだった。
「高度、五十メートル」リリアが報告した。「各部の状況は正常です」
「浮遊石の出力も安定しています」ガンドルフが付け加えた。「予定通りのコースを飛行できそうですね」
浮遊列車は都市を離れ、郊外の上空を進んでいく。下には田園地帯が広がり、農民たちが空を見上げて手を振っている。
「農民たちも驚いているようですね」ミナが微笑んだ。
「当然でしょう」勇樹も嬉しそうだった。「列車が空を飛ぶなんて、夢にも思わなかったでしょうから」
その時、リリアが侯爵の行動に注目していた。
侯爵は表面的には景色を楽しんでいるように見えたが、時折、列車の操縦席や計器類を詳しく観察していた。メモ帳を取り出し、何かを記録している様子もある。
「あの方——」リリアは小声でミナに囁いた。「なんだか変じゃない?」
「変って?」ミナも侯爵を見た。
「視線が、観光客のものじゃないの。まるで、列車の弱点を探しているような——」
確かに、侯爵の視線は技術的な部分に集中していた。浮遊石の取り付け部分、操縦系統の配線、緊急時の安全装置——重要なシステムを順番に確認している。
「気のせいじゃないかしら」ミナは首をかしげた。「政府関係者なら、安全性を詳しく調べるのは当然よ」
「そうかもしれないけど——」リリアの表情には不安が残った。
その時、侯爵が立ち上がった。
「失礼、お手洗いを——」
列車には簡易的な設備が設置されており、短時間の試運転には十分だった。侯爵は後部車両に向かったが、その足取りはどこか目的を持ったものだった。
リリアは侯爵の後を追おうとしたが、護衛に制止された。
「申し訳ございませんが、侯爵様のプライバシーを——」
「あ、はい——」
リリアは引き下がるしかなかった。しかし、侯爵がお手洗いとは反対の方向、機関室の近くに向かったのを見逃さなかった。
「ガンドルフさん」リリアは小声で鍛冶師に声をかけた。「機関室の様子は分かりますか?」
「ん?」ガンドルフは首をかしげた。「特に異常はないが——何か気になることでも?」
「侯爵の行動が——」
その時、侯爵が戻ってきた。表情は平静だったが、手に小さな装置を持っているのがリリアの目に留まった。魔法結晶のような光を放つ、見慣れない道具だった。
「お疲れ様でした」侯爵は何事もなかったように席に戻った。
リリアは確信した。あの男は何かを企んでいる。
しかし、侯爵の目的が何なのか、まだ分からない。試運転を妨害するつもりなのか、それとも技術情報を盗み出そうとしているのか——
「勇樹さん」リリアは運転席の勇樹に近づいた。
「どうしました?」勇樹は操縦に集中しながら答えた。
「あの侯爵——」
だが、リリアの警告は中断された。浮遊列車が突然、軽い衝撃に見舞われたのだ。
「何だ?」ガンドルフが立ち上がった。
「風の乱気流かもしれません」勇樹は操縦桿を調整した。「高度を少し下げてみます」
外を見ると、雲が急速に厚くなっているのが分かった。先ほどまで快晴だった空が、いつの間にか灰色の雲に覆われている。
「天候の変化が予想より早いですね」ミナが空を見上げた。
「問題ありません」勇樹は冷静に対応した。「浮遊列車なら、多少の悪天候でも安全に運行できます」
しかし、侯爵の表情に微妙な変化が見られた。まるで、何かを待っているような——
リリアは不安を抑えきれなくなった。侯爵の怪しい行動、急変する天候、そして彼が持っていた謎の装置——全てが何かの陰謀の一部のように思えてならない。
「勇樹さん——」リリアは再び声をかけようとした。
だが、その時だった。
浮遊列車の上空で、雲の間から巨大な影がちらりと姿を現したのは——。
雲間から現れた影を目撃した瞬間、リリアは勇樹に駆け寄った。
「勇樹さん!」彼女の声には緊迫感が込められていた。「侯爵の行動、やっぱりおかしいです。機関室に何かを仕掛けたかもしれません」
勇樹は操縦桿を握ったまま振り返った。浮遊列車は高度六十メートルを維持し、順調に飛行を続けている。
「リリアさん、今は——」
「今だからこそです!」リリアは声を荒らげた。「あの人が持っていた装置、明らかに怪しかった。それに、空の様子も——」
「落ち着いてください」勇樹は冷静に答えた。「侯爵は政府の代表者です。疑いの目で見るのは適切ではありません」
「でも——」
「今は試運転の成功が最優先です」勇樹の声に、僅かに苛立ちが混じった。「貴族議員に不信感を抱いていると思われたら、鉄道ギルドの設立にも悪影響を与えかねません」
リリアは言葉に詰まった。確かに、根拠のない疑念で政府関係者を非難するのはリスクが大きい。しかし、彼女の直感は明確に危険を告げていた。
「勇樹さんの言うことも分かるけど」ミナが仲裁に入った。「リリアちゃんの警戒心も無視すべきじゃないわ。獣人の直感だって馬鹿にならないもの」
「ミナさんまで——」勇樹は困惑した。
「私たちは仲間でしょ?」ミナは真剣な表情で言った。「だったら、お互いの意見を尊重すべきよ。リリアちゃんが心配してるなら、それなりの理由があるはず」
ガンドルフは黙って成り行きを見守っていた。ドワーフの鍛冶師として、技術的な問題には敏感だったが、政治的な駆け引きには関わりたくないという思いもあった。
「分かりました」勇樹は譲歩した。「試運転終了後に、侯爵の行動について詳しく話し合いましょう。ただし、今は安全運行に集中させてください」
リリアは不満そうだったが、勇樹の判断を受け入れた。確かに、飛行中に内部対立を起こすのは危険だった。
しかし、その時だった。
浮遊列車の計器に異常が現れ始めた。
「おかしいな」ガンドルフが眉をひそめた。「浮遊石の出力が不安定になってる」
勇樹は慌てて計器を確認した。確かに、浮遊機能を支える魔法元素の流量が変動している。
「原因は?」
「分からん」ガンドルフは後部車両に向かった。「機関室を点検してみる」
数分後、ガンドルフが青ざめた顔で戻ってきた。
「やられた」彼の声は震えていた。「浮遊石の制御装置に、見知らぬ魔法結晶が取り付けられてる」
リリアの表情が「やはり」という色に変わった。
「それって——」
「妨害工作だ」ガンドルフは断言した。「あの結晶は浮遊石の魔力を乱す効果がある。このままだと——」
浮遊列車が急激に高度を下げ始めた。制御を失った浮遊機能により、予測不能な動きを見せ始める。
「緊急着陸します!」勇樹は操縦桿を必死に操作した。
だが、状況は悪化の一途を辿った。浮遊列車は左右に大きく揺れ、時には急上昇し、時には急降下する。乗客たちは座席にしがみつき、恐怖に青ざめていた。
「侯爵は?」リリアが叫んだ。
振り返ると、ヴィクター侯爵とその護衛の姿が見当たらない。いつの間にか、車両から消失していた。
「どこに——」ミナが車内を見回した。
その時、窓の外で異様な光景を目撃した。
侯爵とその護衛が、魔法の飛行術で空中に浮遊していたのだ。彼らは浮遊列車から離脱し、安全な場所へと移動していく。
「裏切り者——」ガンドルフが歯を食いしばった。
「最初から、これが狙いだったのね」リリアが悔しそうに言った。「浮遊列車を墜落させて、鉄道技術の危険性を実証するつもりだったのよ」
勇樹は自分の判断ミスを痛感した。リリアの警告を無視し、侯爵を信用した結果、全員を危険にさらしてしまった。
「すみません」勇樹は謝罪した。「僕の判断が間違っていました」
「謝るのは後よ」ミナが実用的に答えた。「今は、この状況をどうにかしないと」
浮遊列車の制御は完全に失われていた。高度は不規則に変動し、機体は激しく振動している。このままでは墜落は時間の問題だった。
「妨害装置を除去できませんか?」勇樹がガンドルフに尋ねた。
「試してみるが——」ガンドルフは機関室に向かった。「時間がかかるかもしれん」
その時、空の様子がさらに不気味になった。
先ほどまで薄い雲だったものが、急速に厚みを増している。そして、雲の中から巨大な影がいくつも現れ始めた。
「あれは——」リリアが息を呑んだ。
影の正体は、最初は鳥の群れのように見えた。しかし、よく見ると異様に大きく、翼の形状も普通の鳥とは異なる。魔獣の一種かもしれないが、これまで見たことのない種類だった。
「数が多すぎる」ミナが警戒した。「少なくとも数十匹はいる」
影の群れは浮遊列車を取り囲むように移動している。まるで意図的に、列車を監視しているかのようだった。
「まさか——」勇樹は恐ろしい可能性を考えた。「侯爵の妨害工作と、あの影の出現は——」
「関連してる可能性があるわね」リリアが同意した。「タイミングが良すぎる」
確かに、侯爵が妨害装置を仕掛けた直後に、謎の影が現れるのは偶然にしては出来すぎていた。何らかの計画的な行動の一部かもしれない。
浮遊列車の揺れがさらに激しくなった。制御装置の異常により、高度は三十メートルまで下がっている。地面との衝突まで、あと僅かな時間しかない。
「ガンドルフさん!」勇樹が叫んだ。「装置の除去は?」
「もう少し——」機関室からガンドルフの声が聞こえた。「結晶が複雑に絡み合ってて——」
その時、上空の影の群れが動きを見せた。
一斉に下降を始め、浮遊列車に向かって急降下してくる。その速度は恐ろしく速く、明らかに攻撃的な意図を持っていた。
「来る!」ミナが叫んだ。
影の群れは浮遊列車の周囲を旋回し始めた。間近で見ると、それらは確かに生物だった。翼を持つ魔獣の一種だが、これまで見たことのない巨大さと凶暴性を持っている。
「魔獣の群れ——」リリアが青ざめた。「でも、こんな種類は聞いたことがない」
魔獣たちは列車に直接攻撃はしてこなかったが、明らかに威嚇行動を取っている。鋭い鳴き声を上げ、翼を大きく広げて存在感を示していた。
「何の目的で——」勇樹は困惑した。
その時、ガンドルフが成功の声を上げた。
「やったぞ! 妨害装置を除去した!」
浮遊列車の制御が徐々に回復し始めた。不規則な揺れが収まり、高度も安定してくる。
「緊急着陸します」勇樹は操縦桿を慎重に操作した。「地上の安全な場所まで——」
しかし、魔獣の群れは列車の降下を妨害するかのように、より激しく旋回し始めた。まるで、空中に留まることを強要しているようだった。
「何が目的なの?」ミナが疑問を口にした。
「分からない」勇樹は汗を拭った。「でも、このまま空中にいるのは危険です」
浮遊列車は魔獣の群れに囲まれながら、ゆっくりと降下を続けた。地上まであと十五メートル——だが、魔獣たちの鳴き声はますます激しくなっている。
「まるで——」リリアが呟いた。「私たちを、どこかに誘導しようとしているみたい」
確かに、魔獣の動きには一定のパターンがあった。列車を特定の方向に導こうとするかのような、組織的な行動を見せている。
「知能がある?」勇樹は驚いた。
「普通の魔獣とは違う」ガンドルフも同意した。「何者かに操られているのかもしれん」
浮遊列車は地上十メートルまで降下した。だが、着陸予定地点の手前で、魔獣の群れが進路を遮った。明らかに、着陸を阻止しようとしている。
「どうする?」ミナが尋ねた。
勇樹は決断した。
「強行着陸します。魔獣がいても、地上の方が安全です」
浮遊列車は魔獣の群れを押し切って降下を続けた。鳥のような魔獣たちは列車に直接攻撃はしてこないが、威嚇の鳴き声はさらに激しくなった。
そして、ついに地面に着陸した。
浮遊機能が停止し、列車は通常の車輪で地上を走行する状態に戻った。魔獣の群れは上空を旋回し続けたが、地上の列車には手を出さないようだった。
「とりあえず、安全ね」リリアがほっとした。
しかし、勇樹の心には大きな不安が残っていた。
侯爵の裏切り、謎の妨害装置、そして組織的に行動する魔獣の群れ——全てが何らかの大きな陰謀の一部のように思える。
「これは始まりに過ぎない」勇樹は空を見上げた。
魔獣たちは依然として上空を旋回し、何かを監視しているようだった。彼らの存在は、新たな脅威の到来を告げているのかもしれない。
浮遊列車の試運転は、技術的には成功だった。しかし、それと引き換えに、より大きな危険を招いたのかもしれない。
勇樹は仲間たちを見回した。リリアの警告を軽視した自分の判断ミスを深く反省し、今後はもっとチームの意見を尊重しなければならないと痛感していた。
空に浮かぶ魔獣の群れは、新たな試練の始まりを予感させていた。
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