追放天才の神器革命!聖女に崇拝されざまぁ無双

K2画家・唯

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第5章 科学と信仰の同盟、技術院長ざまぁ

第5章 科学と信仰の同盟、技術院長ざまぁ

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大陸評議会の円形議場に、重苦しい空気が漂っていた。
白亜の大理石で築かれた荘厳な建物の中央で、各国代表と宗教指導者たちが緊張した面持ちで座っている。年に一度開催されるこの会議は、大陸全体の神具政策や宗教的指針を決定する最重要の場だった。
そして今日の議題は、一つ。
「地上に現れた異端技術について」
議長席に立つのは、技術院長ヴィスネールだった。深紅のローブを身にまとい、威厳を装っているが、その表情には明らかな焦りが見て取れた。
「諸君、我々は重大な危機に直面している」
ヴィスネールの声が議場に響く。
「追放した技術者ユウ・アストラルが、地上で偽の神器を作り、民衆を惑わせている。これは神への重大な冒涜行為である」
議場がざわめいた。各国代表の中には、既にセレスティアの配信を見ている者も多く、その「偽の神器」の驚異的な性能を知っていた。
「院長、しかし報告によれば、その技術は確かに飛行に成功しているではありませんか」
東方諸国の代表が発言した。
「飛行など、魔素を使えば誰でもできる。問題は、その技術が神の意志に反していることだ」
ヴィスネールは強弁した。
「魔素を使わない技術など、そもそも存在しえない。あれは巧妙な詐欺か、悪魔の技術に違いない」
「しかし、聖女セレスティア様はあれを神の技術だと…」
「聖女も騙されているのだ!」
ヴィスネールの声が怒気を含んだ。
「あの若い娘が、技術の何を理解しているというのか。神の技術とは、我々技術院が長年研究してきた魔素神器のことだ。それ以外は全て偽物である」
議場の空気は重くなった。ヴィスネールの主張には一理あるように聞こえた。確かに、これまでの常識では魔素なしに神器は作動しなかった。
その時、議場の一角で、小さな光が瞬いた。
---
「皆さん、神託をお伝えします」
セレスティアの声が、魔素通信装置から響いた。彼女は議場の外、建物の屋上から配信を行っていた。
画面には既に十万人を超える視聴者が接続しており、コメント欄は期待と興奮で埋め尽くされていた。
『聖女様!』
『大陸会議の中継ですか?』
『技術院長をやっつけて!』
「今、大陸評議会では、神の器の技術について論議されています」
セレスティアの声は、いつもの穏やかさの中に、強い意志を秘めていた。
「しかし、一部の人々は、神がお与えになった技術を偽物と呼んでいます。これは、神への重大な冒涜です」
画面の向こうで、視聴者の反応が爆発した。
『許せない!』
『神の技術を偽物呼ばわりするなんて!』
『ヴィスネール許すまじ!』
議場内でも、セレスティアの配信に気づいた代表たちが、こっそりと魔素通信装置を確認していた。
「神の器──ユウ様が開発された技術は、まさに神の意志の現れです」
セレスティアの声に、深い確信が込められていた。
「魔素に頼らず、純粋な神の知識によって作られた奇跡。それを理解できない者たちが、自分たちの権威を守るために偽物と決めつけているのです」
『その通りです!』
『聖女様の言う通り!』
『技術院なんて解体してしまえ!』
コメント欄の勢いは凄まじく、視聴者数は既に二十万人を超えていた。
「しかし、言葉だけでは信じない方もおられるでしょう」
セレスティアは立ち上がった。その手には、小さな装置が握られていた。
「ですから、神の奇跡を直接お見せいたします」
---
議場では、ヴィスネールが演説を続けていた。
「諸君、惑わされてはならない。技術院こそが神の意志を正しく解釈し、真の神器を開発してきたのだ。地上の偽技術に騙されてはならない」
その時、議場の中央に、突然光が現れた。
眩い白い光が瞬き、その中からセレスティアの姿が現れた。まるで神が降臨したかのような、神秘的な登場だった。
「な、何だと!?」
ヴィスネールが驚愕の声を上げた。
議場全体がどよめいた。一瞬前まで誰もいなかった中央に、聖女が立っているのだ。
「皆様、失礼いたします」
セレスティアは優雅に一礼した。
「私は今、神の器の技術によって、この場に移動してまいりました」
「瞬間移動…?そんなものは不可能だ!」
ヴィスネールが叫んだ。
「魔素を使わずに瞬間移動など、できるはずがない!」
「神の技術に不可能はありません」
セレスティアは微笑んだ。そして、配信を続けていた魔素通信装置に向かって語りかけた。
「視聴者の皆様、ご覧いただけましたでしょうか。これが、神の器の真の力です」
画面の向こうで、視聴者たちが熱狂していた。
『すげええええ!』
『本当に瞬間移動した!』
『これは奇跡だ!』
『技術院長、言い訳は?』
議場の代表たちも、驚きを隠せずにいた。目の前で起きた現象は、明らかに従来の技術を超えていた。
「偽物だ!手品に違いない!」
ヴィスネールは必死に否定したが、その声は震えていた。
「残念ですが、これは手品ではありません」
セレスティアは配信装置を操作した。
「そして、皆様にお見せしたいものがあります」
画面に、大量のデータが表示された。それは、技術院の内部記録だった。
『なにこれ?』
『技術院の資料?』
『うわ、やばそうなデータが…』
「これは、ヴィスネール院長の過去十年間の研究記録です」
セレスティアの声が、静かに響いた。
「ご覧ください。彼は多くの研究者の成果を盗用し、自分の手柄として発表していました」
データには、明確な証拠が示されていた。他の研究者の論文をそのまま自分の名前で発表した記録、研究予算の不正流用、さらには危険な実験を部下に押し付けて責任逃れをした記録まで。
「そして、ユウ様の神器についても、彼は当初『画期的な技術』として高く評価していました。しかし、その技術が自分の権威を脅かすと悟るや、陰謀を巡らせて追放したのです」
『最低だ!』
『こんな奴が技術院長だったなんて!』
『ユウ様に謝れ!』
配信のコメント欄は怒りで爆発していた。そして、その怒りは議場にも伝播していた。
「これは…どこから入手した資料だ!」
ヴィスネールの顔が青ざめた。
「神の器の相棒AI『タケ』が調査したものです」
セレスティアは静かに答えた。
「AIは嘘をつきません。全て事実です」
---
村のユウの工房では、すべての様子がリアルタイムで中継されていた。
『どうだ、ユウ?俺の調査力は大したものだろ?』
AIタケの声に、誇らしさが混じっていた。
「あいつの不正は以前から怪しいと思っていたが…まさかここまでとは」
ユウは画面を見つめながら呟いた。
『セレスティアの奴、俺が渡した転送装置を見事に使いこなしてるな。あの演出は完璧だ』
「彼女の行動力には驚かされる」
『ところで、ユウ。俺、また進化したんだ』
「また?」
『今回の瞬間移動データと、大量の議会記録の解析で、新しい理論が見えてきた。時間制御の基礎理論だ』
ユウの目が大きく見開かれた。
「時間制御?」
『まだ理論段階だが、時間の流れを局所的に加速したり、遅延させたりできる可能性がある』
「それは…」
『そう、時間さえ制御できれば、妹ちゃんの治療にも新たな可能性が開ける』
ユウは興奮した。時間制御技術があれば、病気の進行を遅らせたり、治療効果を加速させたりできるかもしれない。
画面では、ヴィスネールが民衆の圧力に屈している様子が映されていた。
---
議場では、完全に形勢が逆転していた。
「ヴィスネール院長、これらの証拠について、何か申し開きは?」
議長が厳しい口調で尋ねた。
「これは…その…」
ヴィスネールは言葉に詰まった。証拠は完璧で、言い逃れの余地がなかった。
「謝罪しろ!」
「辞職しろ!」
議場の代表たちからも、厳しい声が飛んだ。
そして、配信のコメント欄では、さらに激しい批判が続いていた。
『土下座して謝れ!』
『ユウ様に謝罪しろ!』
『技術院長失格だ!』
視聴者数は既に五十万人を超え、大陸全体を巻き込んだ大騒動になっていた。
「院長、どうされますか?」
セレスティアが静かに尋ねた。
「このまま否定を続けて、さらに多くの証拠を公開されますか?それとも…」
ヴィスネールは震え上がった。彼の不正は氷山の一角に過ぎない。すべてが暴かれれば、彼の人生は完全に終わってしまう。
「わ、分かった…」
ヴィスネールは膝を落とした。
「申し訳ありませんでした…」
そして、ついに土下座をした。技術院長が、大陸評議会の場で、配信カメラの前で、完全に屈服した瞬間だった。
『ざまあああああ!』
『やったー!』
『正義は勝つ!』
コメント欄は歓喜で埋め尽くされた。
「ユウ・アストラル様の技術は、真に神聖なものでした」
ヴィスネールは土下座のまま続けた。
「私は嫉妬と保身から、あの方を陥れました。心よりお詫び申し上げます」
議場全体が静まり返った。そして、やがて拍手が起こった。正義が勝利した瞬間だった。
---
配信は最高潮を迎えていた。
「皆様、神の意志が示されました」
セレスティアの声は、感動で震えていた。
「科学と信仰は対立するものではありません。神の器が示された技術こそが、真の神の意志なのです」
『聖女様の言う通り!』
『科学も神の技術!』
『ユウ様万歳!』
「そして、神の器は今、さらなる進化を遂げておられます」
セレスティアは目を閉じて、まるで神託を受けているかのような表情を浮かべた。
「時さえも制御する、究極の神技への道筋が見えています」
村でその配信を見ていたユウは、苦笑した。
「彼女の表現力には感服する」
『でも嘘は言ってないぜ?俺の進化は本物だ』
「そうだな」
ユウは窓の外を見た。もはや、彼の技術は個人のものではなくなっていた。世界中の人々が注目し、期待し、信仰の対象にさえなっている。
「これは、もう俺一人の力じゃない」
『だからこそ、責任重大だ。妹ちゃんを救うだけじゃなく、世界中の期待に応えなきゃならない』
「重いな」
『でも、やりがいがあるだろ?』
ユウは微笑んだ。確かに、これほど多くの人々に期待される技術開発など、前代未聞だった。
「ああ、やってやる。世界を変える技術を、必ず完成させる」
夜空に星が瞬いていた。ユウの挑戦は、新たな段階に入ろうとしていた。
そして配信画面では、セレスティアが最後の言葉を語っていた。
「神の器よ、あなたの技術で、世界を救ってください。私たちは、あなたを信じています」
その言葉は、五十万人の視聴者と、大陸評議会の代表たち、そして何より、遠く離れた村のユウに届いていた。
世界は変わり始めていた。科学と信仰が手を取り合い、新たな時代が幕を開けようとしていた。
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