外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

空月そらら

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第14話 影を操る少女

 待て待て待て、明らかに頭がおかしい奴だ。

 しかもこれほどの魔力、私達とは別次元なのは間違いない。

 これは戦ったら絶対負ける……。

 いや生きて帰れないかもしれない……逃げようとしても逃げられる気がしない。
 
 そんな事を考えているとリズを担ぎながら動こうともしない私を見て少女が口を開いた。
 
 「私を警戒してるの?」
 
 そう言ってニヤリと微笑む。

 私はここから逃げられないことを悟る。

 恐らく逃げ出そうとしたところで射程圏内であるだろう。

 勝ち目はない、ならば会話をして時間を稼ぐしか……。

 そう思いながら私は言葉を絞り出す。
 
 「す、すみません……仲間を助けたいんです……見逃してくれますか……?」
 
 そう言うと少女は私を人差し指で差した。
 
 「仲間ね~それよりもさ仲間だと言ってくれなくて悲しかったよ~?」
 
 な、何が言いたいんだ……?

 少女は相変わらずニコニコと笑みを浮かべて口を開いた。
 
 「ねぇ……人間ごときが龍力を手に入れようだなんて分不相応だと思わない?」
 
 ゾワっと体中を恐怖が駆け回る。

 先程までは少女の純粋な笑顔が可愛らしくも思えていたが、今となってはその笑顔が全く違って見えてしまう。

 身が凍るかと思った……、何故なら少女の目も今、笑っているからだ。

 私は恐怖のあまり言葉が出ない。

 すると少女が口を開く。
 
 「だから私は龍を殺してみたの、そしてそいつの力を奪った」
 
 なんで少女はこんな話をしながら笑顔なのかが理解できないし理解したくない。

 すると少女は口を開き私が恐れている事を口にした。

 「だってあなたの能力......私達と同じで龍力を持ってるじゃない!」
 
 どういう事なのか全く私の中で理解が追いつかない……。

 私の能力は《コピー》じゃなかったのか?

 そしてこの少女はさっき私達の龍力って言ってたけど、どういう意味なの?

 他にもこいつの仲間がいるの……?

 私がそう頭の中でぐるぐる考えていると、少女は口を開いた。
 
 「仲間じゃないならさ~手加減してあげる必要はないね! あははは!!」
 
 そう言うと少女は高笑いをしながら私の方へ向かってくる。

 そして少女の腕が影と化しその影が私とリズを包んだ。

 私は影に包まれる瞬間に片手を挙げスキルを発動する。
 
 《コピーッッ!》
 
 ――――――――――――――――――――――
 《影》がコピーされました。
 
 あなたが使用できるスキル一覧
 ・《コピー》
 ・《ポイズン》
 ・《ブリザード》
 ・《影》NEW!
 ――――――――――――――――――――――
 
 そう言った瞬間私の片手から禍々しい魔力のオーラが発射される。

 そして少女の影と衝突し、激しい音と共に魔力が拡散してしまう。
 
 「あはは! そんなんじゃ私に傷はつけられないよ?」
 
 少女は黒い煙に包まれながらも無傷な様子であった。

 これはきつすぎる。

 そう思った時、少女の後ろから声が発される。
 
 「そこまでだ」
 
 声を発した先には男の剣士が立っており、黄色い前髪が揺れた気がする。

 すると少女が口を開く。
 
 「ちぇ~もう着いちゃったか~」
 
 少女はそう言うと黒い煙が晴れた。

 私は少し驚き少女の顔を見ると少女はニコッと笑いかけている。

 そこで男の剣士が口を開く。
 
 「君は何者だ」
 
 その言葉を聞いても笑顔の止まらない少女だったが、私の顔を見て一言呟く。
 
 「じゃあ、またね」
 
 そう言って少女は影の中へと消えていった。

 男剣士は私の方へ近づいてくる。
 
 「君達大丈夫か?」
 
 その問いかけに私は緊張の糸が途切れ少し声を発してしまう。
 
 「はい……」
 
 男剣士はその言葉を聞き安心してくれたみたいだった。
 
 「私は王国騎士団長、リスタだ」
 
 「私は……冒険者ラゼルです」
 
 私が名乗り終えると男は納得したようで更に口を開く。
 
 「君の仲間はある程度治癒魔法をかけておいたから安静にしていれば治るはずだ。」
 
 私は驚いてリズを見ると体の傷が回復し始めている。

 近くには黄色のような精霊が飛んでいるのが見える。

 精霊騎士かな……と思っているとリスタは口を再び開いた。
 
 「ラゼル、先ほどの少女についてなにか知っているか?」
 
 「すみません、あの少女については何も知らないです……。ただ〈影〉の龍力を取り込んだとか言っていました」
 
 「〈影〉の龍力か……情報感謝する」
 
 そう言うとリスタは剣を握りしめ驚異的な速さで走りだし魔物を次々と殲滅し始めたのだった。

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