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第60話 もしかしてループしてる?

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どうやらさらに進むことができるようだ。私たちは進んで行くことに決めたのだった。そしてしばらく歩いた先で鉱石を見つける。
 
 「やっと見つかった! あれ......?」
 
 鉱石をリズが見つけると少し違和感があることに気づく。
 
 私たちも近くに寄ると先ほど見た鉱石と同じだった。
 
 ん? おかしいぞ? この鉱石はさっき見たはずなんだけど......。てか配置も同じような気がしなくもないんだけど……。まあ、もしかすると鉱石自体が複数あるだけかもしれないし?

  私は他の所にも似たようなのがないかを探すことにした。しかしどの鉱石を見ても先ほど見た配置と変わっていないことを確認する。
 
 「おかしい、おかしいぞ! どうしてさっきと同じ光景なんだ!? 」
 
 エリック達も私と同様に周りを見ているが思っているのと同じように困惑した表情を浮かべていた。
 
 私は確信する。

 もしかしてループしているんじゃないだろうか?なぜなら道が同じだからだ。
 
 「皆、奥からなにか来るよ」
 
 レズリタがいち早く魔物の気配に気がついたようで奥の方を見ながら険しい顔を見せていたのだ。
 
 私たちもその方を見る。すると奥から禍々しいオーラを発している魔物が姿を現したのだった──。 私たちの前に姿を現した魔物の名前はトロール。体は2メートルほどの高さで巨体に見合った鈍重な動きが特徴であり、力は人間の力を軽く上回るほどだ。

 冒険者パーティーからの依頼の中に討伐難易度が高いとされており、その巨体とは思えぬスピードで攻撃を繰り出してきたりするというのでかなり恐怖心や強い危険性をもたらすことで知られているのだとか。
 
 「どうしてここにトロールがいるのよ!?」
 
 「取り合えずここでやられちまったらジ・エンドだぜ!」
 
 リズとエリックは半ばパニック状態になりつつも、剣を鞘から抜きトロールに相対した。

 リズとエリックは武器を構えトロールが襲いかかってくるのを待っているかのように相手の動きをじっと伺っているようだった。

 レズリタは2人の邪魔にならない範囲で精霊魔法を放つ準備をしているようだったが私はレズリタに小声で伝える。
 
 「魔力は今は使わないで温存しといた方がいいかも」
 
 そう言うとレズリタは警戒を怠らないように頷くと臨戦態勢はそのままでリズとエリックの戦闘を見守ることに専念し始めた。
 
 トロールの動きは人間の動きとは違い鈍重であるが故に捉えるのが難しく回避力も兼ね備えているものだったため、戦闘を開始してからはかなり激しい攻防が続いた。
 
 「バーチカルッッッッ!」
 
 「インパクトッッ!」
 
 2人の攻撃がトロールに直撃する。トロールの体は抉られそこから血が噴出してきたのだ。
 
 トロールは傷つきながらも反撃の姿勢を見せるがエリックの剣がトロールの腕に突き刺さる。さらに追い打ちをかけるようにリズの剣が再び脇腹を突き刺すと勝負が終わる。
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