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第63話 黄色の鉱石【ドレア】
しおりを挟む私はそれを手に取り赤い鉱石を眺めた。魔力に反応する鉱石の特性から察するに恐らくこれが原因だろうと確信が持てた。
そしているとレズリタがリズの回復をするために《治癒の祈り》を発動している。普通回復魔法を習得するには多大なる努力が必要とされている。
何故なら魔法には属性や使える適正が必要不可欠であり、それを見出だしてから魔法書に書かれた様々な魔法を習得して行く流れになるのだが……レズリタは適正関係なく努力して様々な魔法を習得することに成功したらしい。
本当にレズリタは努力家だ。
そして数分後、リズの回復がある程度完了すると私たちはさらに先へと進んでいくのだった。
先ほどの魔物との戦いでは限界を超えた力を引き出してしまった影響からか疲労による倦怠感が体を襲う。
「もう魔物は出で来ないよな?」
エリックは恐る恐る口を開く。エリックの問いに私とレズリタはそんなことはないと告げつつ進むのであった。
しばらく進んでいると光が刺すように明るくなっていき、広い空間に出る。その中心には鉱石が見える。
これは恐らく……ドレアだ。レズリタはこの光景を見て目を輝かせていたのだった。
「やっと見つけた~!」
「え! 本当!?」
リズとレズリタが嬉しそうに会話をしているのでやっと見つかったのかとドレアに目線を向ける。
私たちの目の前には黄色く美しい鉱石が存在している。レズリタはドレアの近くに行き採取するため近づく。そして魔法を詠唱し、鉱石に向けて魔法を発動する。私たちはまた魔物が出ないか周囲を警戒した。
まあ、魔力の影響を受けているものはこの洞窟にはなかったはずなのでおそらく大丈夫だとは思うけど……やっぱり念の為ね。
《採掘LV4→5》
レズリタがスキルを発動するとレベルが上がっているようだ。 そして数十分後、ドレアを入手することができたため撤退することになったのだ。
私たちは来た道を戻ることになったのだがループしないか心配で気が気ではなかった。そしていざ地上へ戻ると時間はそんなには経過していないようなので安心した。
私たちは肩を撫で下ろしエリックが口を開く。
「命がいくつあっても足りないな……」
エリックがしみじみそう呟いたと同時に私たちも深く頷くのだった。そして疲れきった顔で皆が同じ意見を揃えたことを言う 、あの不気味な洞窟に入るのは絶対やめようと……。
その後は馬車に数時間ほど揺られ王都へと到着する。しかし、武器屋に行く元気は残っておらずとりあえず宿へと直行することとなった。
そして朝起き、疲れがまだ残っているが何とか体を無理やり動かし武器屋へと向かうのであった。
道をまっすぐ進んでいくと一本の剣が描かれた看板を掲げる大きな建物を発見したので早速中に入ることにする。
建物の中はとても綺麗で立派な剣の絵などが壁に描かれていたりなど芸術作品のように感じてしまう程だった。
「いらっしゃ......あ、リズさん!」
出迎えてくれたのは20代くらいの女性だ。
「もしかしてドレア見つかったの!?」
「なんとか......採掘しましたよ」
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