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第三章 リベラティオへの旅路
第229話 強制的にブートなトレーニング
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「──おいお前達、声が小さいぞ!」
俺とエルフが四名……計五人は、キサラギさん達と距離を置き森の本の少し奥まで来ていた。
今俺は、両手を組みエルフ達を上から見下ろしている。
「こら、手を休めるな! 疲れても続けろ、これは戦いなんだ!」
俺はきつい口調で彼らを責め続ける。
言うまでも無いとは思うが、彼らは上半身に純白のTシャツを身に付けていた。
その名も【シルフの衣】船長に頂いた、ありがたい、ありがたいマジックアイテムだ。
トゥナ、ハーモニー、ティアに渡されたシャツを選出されたエルフの男三人に渡す。
やせ形のエルフ達と言えども、女性に渡されたサイズだけありパッツパツだ。──もしかして船長、女性船員もクルーにする気だったのか……恐るべし。
「おい、勇者の孫……貴様何を考えている」
ダイロンは、腕立て伏せをさせられつつも顔は綻んでいた。
しかし、口調だけは険しいままだ。
彼には俺の分……船長が直接着ていたシャツを与えてある。
別に深い意味はない、彼だけ体格が大きいからだ、決して彼の態度が嫌い……っとかではない。
彼の声を聞き、他のエルフ達は手が止まる。
「何度いったら分かるんだ! お前達、同胞を助けたいんだろ、お遊びのつもりか!?」
俺の罵倒を聞き、止まっていた彼等の腕立ては再開された。
きっとエルフ達はこう思っているだろう『こんな事をしていて、本当に同胞が救えるのか?』っと……。
「いいから俺を信じろ! それにじいちゃんが……勇者が良く言っていた言葉に、痛み無くして得るもの無し……っというありがたい格言がある。この意味、お前達なら分かるよな?」
──でっち上げた。
じいちゃんが、一度足りともそんな台詞を言ってるのを聞いたことはない。
しかし、嘘も方便と言う言葉もある。ここはあえて、じいちゃんの名前を出して、彼等のやる気を出させた。
「──お前ら、返事は!!」
「イェッサー!!」
ちなみに今行っている作業は、シルフの衣にエルフ達が魔力の供給を行っている。
この方法は、このマジックアイテムをくれた人達直伝……間違いなどあるはずがない。
「「「「五十一、五十二……五十三!」」」」
辛いだろ……辛いよな?
だが──今は耐えてくれ、皆が笑顔になるために!
「お前達なら出来る! とにかく続けるんだ。そうすれば……必ず勝てる!」
彼等の額には汗が滲み、トレーニングメニューの過酷さを物語る。──そうだ……それでいい。お前達の血と汗と涙が魔力となり、そのシャツへと蓄積されていくのだから。
それと比例するように『着たくない』と言う感情が沸き上がる。しかし、前回とは違う。
俺は彼等の必死な姿を今回は目撃している。
それは責任を感じさせ、自身を背水の陣に追い込んだ。
「お前達にだけに、辛い思いはさせないからな?」
謎の仲間意識を感じつつも、指導に勤しんだ──。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「──よし……十分だ! 皆、よく頑張った!」
彼等のシャツを見ると、汗が絞れるほどになっている。
それは同時に、魔力が蓄積されたことを意味しているのだ。
「はぁはぁ……勇者の孫、結局これには、何の意味があったんだ?」
「お前達が着ているシャツは、風を生むマジックアイテムなんだ。魔力を貯めるため、協力してもらったって訳だよ」
「わ、私達は魔力に長けたエルフだぞ? こんなことをせずともこんなものに魔力を送ることなど容易い、だからこそ聞いているのだ……」
──おい、マジかよ!?
「で、でも接触面積が広い方が吸収量が多そうだろ? そ、それに俺はお前達の熱意を感じ、それを力に変えるスキルがあるんだ!」
「そ、そうなのか? そんなスキルが……流石勇者の孫と言うだけの事はあるんだな? 悔しいが悪くない時間だった、これで同胞が助かるのなら、もっと責めて欲しいぐらいだ!」
「……」
……えっとすみません、実はそんなスキル全くございません、知らなかっただけなんです。
でもダイロン、貴方が良い顔ではぁはぁ言ってるから言い出せそうにありません。
「つ、疲れただろ? もう休んでいい、いいけど……必ずまた、戻ってこいよ?」
俺は彼らからシャツを受けとると、それをたすき掛けで自分に身につけた。
そして、彼等を背に魔物の元へと向かったのだ。
「レディー○ーフェクトリー!!」っと、声に出しながら。
俺とエルフが四名……計五人は、キサラギさん達と距離を置き森の本の少し奥まで来ていた。
今俺は、両手を組みエルフ達を上から見下ろしている。
「こら、手を休めるな! 疲れても続けろ、これは戦いなんだ!」
俺はきつい口調で彼らを責め続ける。
言うまでも無いとは思うが、彼らは上半身に純白のTシャツを身に付けていた。
その名も【シルフの衣】船長に頂いた、ありがたい、ありがたいマジックアイテムだ。
トゥナ、ハーモニー、ティアに渡されたシャツを選出されたエルフの男三人に渡す。
やせ形のエルフ達と言えども、女性に渡されたサイズだけありパッツパツだ。──もしかして船長、女性船員もクルーにする気だったのか……恐るべし。
「おい、勇者の孫……貴様何を考えている」
ダイロンは、腕立て伏せをさせられつつも顔は綻んでいた。
しかし、口調だけは険しいままだ。
彼には俺の分……船長が直接着ていたシャツを与えてある。
別に深い意味はない、彼だけ体格が大きいからだ、決して彼の態度が嫌い……っとかではない。
彼の声を聞き、他のエルフ達は手が止まる。
「何度いったら分かるんだ! お前達、同胞を助けたいんだろ、お遊びのつもりか!?」
俺の罵倒を聞き、止まっていた彼等の腕立ては再開された。
きっとエルフ達はこう思っているだろう『こんな事をしていて、本当に同胞が救えるのか?』っと……。
「いいから俺を信じろ! それにじいちゃんが……勇者が良く言っていた言葉に、痛み無くして得るもの無し……っというありがたい格言がある。この意味、お前達なら分かるよな?」
──でっち上げた。
じいちゃんが、一度足りともそんな台詞を言ってるのを聞いたことはない。
しかし、嘘も方便と言う言葉もある。ここはあえて、じいちゃんの名前を出して、彼等のやる気を出させた。
「──お前ら、返事は!!」
「イェッサー!!」
ちなみに今行っている作業は、シルフの衣にエルフ達が魔力の供給を行っている。
この方法は、このマジックアイテムをくれた人達直伝……間違いなどあるはずがない。
「「「「五十一、五十二……五十三!」」」」
辛いだろ……辛いよな?
だが──今は耐えてくれ、皆が笑顔になるために!
「お前達なら出来る! とにかく続けるんだ。そうすれば……必ず勝てる!」
彼等の額には汗が滲み、トレーニングメニューの過酷さを物語る。──そうだ……それでいい。お前達の血と汗と涙が魔力となり、そのシャツへと蓄積されていくのだから。
それと比例するように『着たくない』と言う感情が沸き上がる。しかし、前回とは違う。
俺は彼等の必死な姿を今回は目撃している。
それは責任を感じさせ、自身を背水の陣に追い込んだ。
「お前達にだけに、辛い思いはさせないからな?」
謎の仲間意識を感じつつも、指導に勤しんだ──。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「──よし……十分だ! 皆、よく頑張った!」
彼等のシャツを見ると、汗が絞れるほどになっている。
それは同時に、魔力が蓄積されたことを意味しているのだ。
「はぁはぁ……勇者の孫、結局これには、何の意味があったんだ?」
「お前達が着ているシャツは、風を生むマジックアイテムなんだ。魔力を貯めるため、協力してもらったって訳だよ」
「わ、私達は魔力に長けたエルフだぞ? こんなことをせずともこんなものに魔力を送ることなど容易い、だからこそ聞いているのだ……」
──おい、マジかよ!?
「で、でも接触面積が広い方が吸収量が多そうだろ? そ、それに俺はお前達の熱意を感じ、それを力に変えるスキルがあるんだ!」
「そ、そうなのか? そんなスキルが……流石勇者の孫と言うだけの事はあるんだな? 悔しいが悪くない時間だった、これで同胞が助かるのなら、もっと責めて欲しいぐらいだ!」
「……」
……えっとすみません、実はそんなスキル全くございません、知らなかっただけなんです。
でもダイロン、貴方が良い顔ではぁはぁ言ってるから言い出せそうにありません。
「つ、疲れただろ? もう休んでいい、いいけど……必ずまた、戻ってこいよ?」
俺は彼らからシャツを受けとると、それをたすき掛けで自分に身につけた。
そして、彼等を背に魔物の元へと向かったのだ。
「レディー○ーフェクトリー!!」っと、声に出しながら。
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