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第三章 リベラティオへの旅路
第242話 決意と謝罪
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ハーモニーが俺に当てた手紙に目を通した。
「私だけの……勇者さまか……」
本当に俺は、そんな大層なものじゃ無いんだけどな。
普段なら全力で否定する所だが、彼女の勇者……それならば悪くない、そんな事を思って更に決意を固める。
「ハーモニー……必ず、必ず会いに行くから。お前を諦めるのは諦めた! 勇者が、諦める訳にはいかないもんな?」
そう言いながら、俺は自分宛の手紙をビリビリと破っていく。
「カ、カナデ様! 何を……」
「これは必要無くなったからな。俺はやることを速攻済ませ、ハーモニーを何としても迎えに行く! 方法が無かろうとしても……何としてもだ!! だから決意を鈍らせるこれは、必要がない」
そう言いながら、破いた手紙をゴミ箱に捨てた。
もう後向きの女々しいは終わりだ。
同じ女々しいなら、前を向こう。
そんな事を考え、ティアとルームに笑顔を見せた。
「カナデ様……」
ティアはうつむき俺から視線を外す。
そして、手紙を捨てたゴミ箱を見ている彼女が口を開いたのだ。
「カナデ様の覚悟は分かりました──ただ、手紙を破き捨てるとはどういう事でしょうか、私がハーモニー様なら怒りますよ!?」
……え、えぇ~!
「ほんまやで、確かに未練がないアピールとしてはええかもしれん。でもハーモニーの嬢ちゃんが一生懸命書いたんやで? 大切にしたげな」
だ、だから覚悟と決意の為に……いや、でも確かにハーモニーも覚悟を胸に手紙を宛てた訳で。
よし、もう言い訳は言うまい。
「す、すみませんでした……」
俺は素直に謝った。
例えば言い訳をしたとしよう……それは何となく、女性人を敵に回すと思ったのだ。
「私達に謝っても仕方ないですよ? だから、ハーモニー様本人に謝りましょう」
「ティア……」
「そうやで? ウチらも一緒に謝ったる! だから……ハーモニーはんに、かならず会わへんとな?」
「あ、あぁ! そうだよな?」
……嬉しかった。
彼女達も同じように、ハーモニーに再開することを決意してくれたのだから。
俺は手紙をゴミ箱から拾い集め、拭い紙で包みマジックバックの中に閉まった。
ハーモニーに会ったら、ごめんなさいしないといけないからな?
「──カナデ、結局最後までダメダメカナ!」
突然、ミコが無銘から飛び出した。
メソメソしてた先ほどまでの彼女じゃない。
俺達エルピスの中で、一番元気で笑顔の似合う、ムードメーカーの彼女だった。
「おいミコ、ダメ言うな。それにまだ最後じゃないだろ? ハーモニーに会って怒られないといけないんだから」
まったく、怒られるのが楽しみになる日が来るなんてな?
そんな日が来るとは思ってもみなかったよ。
「そうですね……ハーモニー様が、そんな風に思ってもらえるなんて、羨ましいです」
──え? ティア……それって。
「つ、つまり。ティアも俺に怒りたいって事か?」
「──違いますよ、そこじゃないです!」
ティアは腰に手を当てながらも、頬を膨らま怒って見せる。
なんかそれが無性に可愛く見え、俺達は面白おかしくなり笑い始めた。
久しぶりに笑った気がするな、後は全て片付け、本当の意味で心から笑いたい。
俺は、絶対に今までの日々を取り戻す!
俺はいつしか彼女達と過ごす普通の日々が好きになっていたようだ。
「──う……うぅ~ん……」
俺達の笑い声で起きたのだろうか、随分顔色が良くなっているトゥナが目を覚ましたようだ。
「トゥナ、起きたのか!」
体を起こし、目を擦りながら辺りを見渡すトゥナ。
きっと今の状況が分からないのだろう。──良かった……もう普通に起き上がれるみたいだ。
「こ、ここは……? 私は一体……」
「──フォルトゥナ様! 良かった、起きられて! 本当に良かったです……」
ティアは嬉しさのあまり、トゥナに抱きつき泣き出した。それは今までの涙とは違う、少しだけ温かい涙に思えた。
ミコもトゥナ抱きつき、ルームも彼女の手を握る。
「ハーモニー……ひとまず、トゥナが目を覚ましたよ」
誰に聞かせるわけでもなく、俺は呟いた。
小さな少女の決意が実を結んだ。それは、そんな粋な瞬間であった。
「私だけの……勇者さまか……」
本当に俺は、そんな大層なものじゃ無いんだけどな。
普段なら全力で否定する所だが、彼女の勇者……それならば悪くない、そんな事を思って更に決意を固める。
「ハーモニー……必ず、必ず会いに行くから。お前を諦めるのは諦めた! 勇者が、諦める訳にはいかないもんな?」
そう言いながら、俺は自分宛の手紙をビリビリと破っていく。
「カ、カナデ様! 何を……」
「これは必要無くなったからな。俺はやることを速攻済ませ、ハーモニーを何としても迎えに行く! 方法が無かろうとしても……何としてもだ!! だから決意を鈍らせるこれは、必要がない」
そう言いながら、破いた手紙をゴミ箱に捨てた。
もう後向きの女々しいは終わりだ。
同じ女々しいなら、前を向こう。
そんな事を考え、ティアとルームに笑顔を見せた。
「カナデ様……」
ティアはうつむき俺から視線を外す。
そして、手紙を捨てたゴミ箱を見ている彼女が口を開いたのだ。
「カナデ様の覚悟は分かりました──ただ、手紙を破き捨てるとはどういう事でしょうか、私がハーモニー様なら怒りますよ!?」
……え、えぇ~!
「ほんまやで、確かに未練がないアピールとしてはええかもしれん。でもハーモニーの嬢ちゃんが一生懸命書いたんやで? 大切にしたげな」
だ、だから覚悟と決意の為に……いや、でも確かにハーモニーも覚悟を胸に手紙を宛てた訳で。
よし、もう言い訳は言うまい。
「す、すみませんでした……」
俺は素直に謝った。
例えば言い訳をしたとしよう……それは何となく、女性人を敵に回すと思ったのだ。
「私達に謝っても仕方ないですよ? だから、ハーモニー様本人に謝りましょう」
「ティア……」
「そうやで? ウチらも一緒に謝ったる! だから……ハーモニーはんに、かならず会わへんとな?」
「あ、あぁ! そうだよな?」
……嬉しかった。
彼女達も同じように、ハーモニーに再開することを決意してくれたのだから。
俺は手紙をゴミ箱から拾い集め、拭い紙で包みマジックバックの中に閉まった。
ハーモニーに会ったら、ごめんなさいしないといけないからな?
「──カナデ、結局最後までダメダメカナ!」
突然、ミコが無銘から飛び出した。
メソメソしてた先ほどまでの彼女じゃない。
俺達エルピスの中で、一番元気で笑顔の似合う、ムードメーカーの彼女だった。
「おいミコ、ダメ言うな。それにまだ最後じゃないだろ? ハーモニーに会って怒られないといけないんだから」
まったく、怒られるのが楽しみになる日が来るなんてな?
そんな日が来るとは思ってもみなかったよ。
「そうですね……ハーモニー様が、そんな風に思ってもらえるなんて、羨ましいです」
──え? ティア……それって。
「つ、つまり。ティアも俺に怒りたいって事か?」
「──違いますよ、そこじゃないです!」
ティアは腰に手を当てながらも、頬を膨らま怒って見せる。
なんかそれが無性に可愛く見え、俺達は面白おかしくなり笑い始めた。
久しぶりに笑った気がするな、後は全て片付け、本当の意味で心から笑いたい。
俺は、絶対に今までの日々を取り戻す!
俺はいつしか彼女達と過ごす普通の日々が好きになっていたようだ。
「──う……うぅ~ん……」
俺達の笑い声で起きたのだろうか、随分顔色が良くなっているトゥナが目を覚ましたようだ。
「トゥナ、起きたのか!」
体を起こし、目を擦りながら辺りを見渡すトゥナ。
きっと今の状況が分からないのだろう。──良かった……もう普通に起き上がれるみたいだ。
「こ、ここは……? 私は一体……」
「──フォルトゥナ様! 良かった、起きられて! 本当に良かったです……」
ティアは嬉しさのあまり、トゥナに抱きつき泣き出した。それは今までの涙とは違う、少しだけ温かい涙に思えた。
ミコもトゥナ抱きつき、ルームも彼女の手を握る。
「ハーモニー……ひとまず、トゥナが目を覚ましたよ」
誰に聞かせるわけでもなく、俺は呟いた。
小さな少女の決意が実を結んだ。それは、そんな粋な瞬間であった。
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