あぁだからお前は孤独なのだ

タンメン

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私はまた今の自分とは真逆な誰か共に過ごす夢から目覚める。
そこに映る光景は相変わらずロダンの考える人の様に固まるスマホを見る人達が並ぶ光景だ。
しかし、今の時代に車窓からの景色を観る変わり者は私ぐらいしかいないだろう。
スマホは私にとっては、辞書であり、フィルムスキャナーであり、ゲーム機械でもあり、何
人もの人達と絡み合っている毛玉である。
私はその毛玉の糸と結ぶ事に息苦しさを感じてしまうため。外出する際には持っていかず、
毛玉としての機能は使われていない。
私以外の人達にとってそこから映る世界は小さく感じるが、私から見た車窓からの景色は砂
漠の様な酷く広く見えた。
そう思いながら目的も分からずもうとっくに卒業した大学へ向かっていた。
久しぶりに来た平日の大学の景色は変わらず休日のアウトレットの様に賑わっていた、この
光景を見るのも大学へ行く際の一つの楽しみではある。
学内で歩いている生徒を観察すると魅力に見える服を着ている人とそうでない人が顕著に表
れている。私が思うのは服もスマホと同じく人と人を繋ぐ為のツールだと思っており、前者
は新しい出会いを求めて過ごしていて後者は今は出会いを必要としていなく今を満足してい
ると思っている。しかし私と違って両者ともスマホを持っていて必ず誰かと繋がっている。
そう思うと心の奥にじわじわと錘が滲み出てきた。
以前お世話になった教授の人達と会う前に卒業前の学内と卒業後で変わった所を探すために
学内を散歩をしていたら卒業前にはなかった部室名があった。
「オカルト研究部」
令和の時代にそんな名前の部活に人が来るのかと思って入り口のドアにある窓を
目を細めながら近づいて見たら、部室内には7から 8 人くらいの部員が各々活動しており何
かしらの機械を制作している部員やプログラムを組んでいる部員等、私が思っていたのと真
逆な光景が映っていたそれだけでも驚きなのだが特に目を引いたのが成人男性の腰ぐらいの
高さの小型のパラボラアンテナが室内に円を囲む様に並んでいたことだった。私は気になっ
て気になってその部活にしか考えられなくなり直ぐに以前お世話になった教授にその部活の
アポを取って貰い顧問の教授に活動内容を聞いてもらった。教授の話によると、物質が光を
反射する際どんな色か分かる様な特徴を持つ波がそれぞれの物質にあり、その波を視神経や
脳細胞が色や形を認識したり、修正をしたりして物を見ていて、かつては幽霊の色も認識することが出来る視神経を持った特殊な人間もいたが今はもう退化していないらしいそこで幽
霊の色を示している波を探し出し受け取ったデータからパソコン内で幽霊の形を作ってその
幽霊の姿をスマホのが画面に映す活動をしているらしい。私に何か手伝える事はありません
かと聞いてみて私が工学部の卒業生のおかげか幽霊を見えるようにした特殊なスマホのモニ
タリングをしてレポートにして欲しいと頼まれた私は心を踊りながら部室内にある研究資料
を読み始めた。
私がオカルト研究部に協力して 2 週間私が来た時には装置はほとんど完成をしていて更に映
し出す幽霊の準備も出来ていたらしい後はその幽霊が囲まれたアンテナの中心に立ってもら
いスマホに姿を映し出すだけだ。
装置が起動されてスマホから映し出された幽霊の姿だが手以外はモザイクの様に粗く映し出
されていたしかしその手の姿は指は枝のように細いが肉付きは良く、肌は雪のように白く、
爪は真珠のように綺麗に整った手だった。部員は映し出された映像を見て安堵したような驚
きで満ちていた。その後教授や部員の人達は早速論文作成に取り掛かり、私は継続して装置
のモニタリングや映し出された幽霊との意思疎通に取り掛かった。
幽霊との意思疎通から約 2 ヶ月経った会話の手段は私からは普通の会話で伝える事は出来た
が幽霊側からは物理的に返す事は出来ないので手話で返してもらった。
私は死因を直接聞くのは失礼だと思いその話題を避けながら話をしていたが、名前はいくら
尋ねても教えては貰えなかった。幽霊側からは全身が見えてきたら教えて貰えるとのことだ。
最初は新しい発見の連続で楽しかった。幽霊になった時の生活、幽霊視点での物事の見方等
誰かと繋がりを持つ快感は心地が良かった。しかし、時間が経つにつれて価値観の違いや、
幽霊側が飽きて装置から離れないように私が幽霊側に合わせるように私が話をするうちに繋
がりの糸が私を締め付け始めた。
それから 1 ヶ月が経った日スマホに小型のアンテナが付けられ学校内なら移動しながら幽霊
と接することが出来た。ある黄昏の日、私は幽霊にある場所に招かれた屋上だ。
そして屋上の端まで誘われて私は端の下を見た。下は真っ黒で何も見えず異界に繋がってい
るかと思うほどだ。幽霊側からは一緒にいて欲しいとのこともし同意をしてくれたら名前を
教えてくれるとのことだ。確かに私は研究部に入ってもまるでいたかどうかも分からない正
しく幽霊の様な存在だった。しかし、幽霊はよく私と話してくれていた。そのおかげが全く
初心者だった手話が短期間で会話できるくらい上達していた。
だが今の私の状態は早くこの絡まった糸をほどきたくて仕方がない状態だった。
私はごめんなさいと言いそのスマホを部室に返して帰っていった。
帰宅ラッシュの前の誰もいない電車の中私は不思議と顔が重くなり顔から全ての液体が零れ
しまうのではないかとゆうくらい顔が重くなってしまいその液体をこぼさないように体を丸めて過ごした。そして列車は私を暗がりから連れ戻すように夕焼けの光へと向かって行った。
数日経った日私の身体は何も問題無かった。
私にとっては何も問題無いのが一番の呪いと思った。
そして私は陽だまりの中肩を落としながら目的も無く歩いて行った。
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