T.R.E.I: 特務研究教育機構――潜む存在

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第六話:秘密の扉

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商店街での激しい遭遇から数日後、神崎玲はT.R.E.Iの本部に戻った。初のEntityとの接触は、彼女に多くの疑問と不安を残していた。目に見えず、しかし確かに存在するその力――科学の常識では説明できない現象は、玲の理性を何度も試してきた。

「玲、解析結果が出た」

上官の声に導かれ、玲は解析室へ向かう。モニターには、Entityの動きや熱・エネルギー反応のパターンが複雑に表示されていた。だが、その中に一つ、不自然な“規則性”が浮かび上がる。微細な波形が、まるでメッセージのように繰り返されているのだ。

「……これは、意志のある通信かもしれない」

玲は目を見開く。Entityは単なる脅威ではなく、知性を持ち、情報を残している可能性がある。解析端末でデータを拡大すると、パターンの一部がT.R.E.I内部の古い記録に類似していることに気づいた。

「上官……このパターン、以前の異常事案の記録と一致しています」

上官は眉をひそめる。「その記録は、我々の極秘ファイル。表には出ていない過去の調査だ……。つまり、Entityの存在は、ずっと以前からT.R.E.I内部でも認識されていた可能性がある」

玲の胸に重い感覚が広がる。T.R.E.Iは単に異常現象に対処する組織ではなく、Entityの存在を“管理”するために設立されたのかもしれない。表向きの任務と、裏に隠された秘密――その狭間で、玲の信念は揺れ動く。

「玲、今回の接触は偶然ではない。Entityは何かを探している……あるいは、こちらにメッセージを送っている可能性がある」

解析端末の画面に、微細な波形が再び映し出される。玲は指先で操作し、光学解析とデータ照合を行う。影の中に潜む存在、その正体はまだ完全には明かされない。しかし、手がかりは確かに存在した――T.R.E.Iの記録、都市に残る微弱な熱と振動、そして何よりEntity自身の意志。

玲は心を決める。未知の存在と向き合うためには、組織の秘密を知り、真実を探らなければならない。都市の影に潜むEntity、その存在の意味を解き明かす旅が、今、始まろうとしていた。
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