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夢に向って
しおりを挟むこの世界では15歳になるとスキル継承という特殊な物が行なわれる
これは自らの子にスキルの一部を渡し、一人前と認めるための儀式だ。
この儀式が終われば、俺達は一人前と言う扱いになり働く事が出来る。
普通なら歓喜の日だ、新しいスキルを手に入れることが出来るし一人前になれる日だからな。
だが、残念なことにこのスキル継承の儀式、この儀式はかなり残酷な側面もある。
「すまないね、ノク、私達マーズテール家のスキルはひ弱だから、精々料理しか出来ないし」
この儀式は親から子にスキルを渡す行動だ、故に鳶が鷹を生むなんて事がほぼあり得ない。
親に優秀なスキルがあればそのスキルを子が継承し、一気に強くなれるが
優秀なスキルが親に無ければその子供はいつまでも底辺を這うことになる。
だから、今まで対等だと思っていた友達との格差が一気に開いたりして無気力に陥る物もいる
一応その子供が特殊固有スキルを持っていることもあるがそれは稀だ。
「その、選択肢は少ないだろうけど選んでくれ」
俺の両親が渡してくれたスキル表に使えそうなスキルは4つしか書かれていなかった。
【身体強化・小】{レア度、N}
少しだけ身体能力を強化できる
非常に複数存在しているため価値は殆ど無い。
場合によっては身体強化を持ってない人間にも力で負けることがある。
【剣術技能・中】{レア度、R}
そこそこ優秀な剣術を扱うことが出来る。
兵士レベルになればこのスキルは必須。
ただ、多少鍛えればここまでスキルを成長させることは可能。
【料理技能、極】{レア度、UR}
圧倒的なほどな料理の腕を得る事が出来る。
王家の料理人でも持っている可能性が極めて低いほどのスキル。
このスキルは努力した天才程度しか得る事出来ないほどのスキル。
【成長の糧】{レア度SR}
本来成長しない特殊固有スキルを成長させることが出来る、このスキルは状況によって効果が変化する
この4つだった、スキルを継承してしまえば親のそのスキルは消える。
つまり、この中で唯一ぶっ壊れ性能の料理技術を選べば父さん母さんは料理が出来なくなる。
我が家はレストランを営んでいる料理屋だ、だから料理が出来なくなるのは致命的すぎる。
他にも家事スキルもあったりするが、これは訓練で手に入れることが出来る為必要ない。
あと、レア度って奴はスキルを評価した物だったりする。
「これじゃあ、冒険家なんて夢のまた夢だな、すまない才能の無い親で」
「いや、そんな風に落ち込まないでくれよ、それに才能は十分すぎるほどあるじゃないか
料理技能・極だぜ? 王家の料理人にだってなれるほどの実力だろ?」
「そうかも知れないけど、私達のスキルだと冒険なんて・・・・これじゃあギルドにも入れないわよ」
「大丈夫だって、あ、スキルは成長の糧が欲しい」
「こんな物で良いのか? 固有スキルが無ければ無意味なのに」
「大丈夫だって、言ってなかったけど俺には固有スキルがあるんだ」
「なんだと!? そんな話は初めて聞いたぞ!」
「使い勝手が悪すぎて使えなかったし、なんか使えないのに持ってるって言っても恥ずかしいし」
「そうなのか、一応今聞いても良いか?」
「いや、恥ずかしいから成長したら話すよ」
「そう・・・・じゃあ、楽しみね!」
「あぁ、楽しみに待っててくれ」
こうして俺は継承の儀式で成長の糧を手に入れることが出来た。
これで俺のスキルは4つになったな。
【剣術・小】{N}
{剣術技能と似た系統のスキルで、剣術技能と組み合わせると効果が増す
単体では非常に弱く、持っててもほぼ意味は無いほど}
【料理技能・中】{R}
{主婦レベルの料理能力を発揮する事が出来る}
【特殊固有スキル、完全なる支配空間】{EX}
{自身の半径1センチの空間を支配することが出来る
この範囲内に召喚できる物もあるが、他のスキルが少なければ召喚できない}
【継承スキル、成長の糧】{SR}
{固有スキルを強化することが出来る}
【コンボスキル、剣の支配】{特殊}
{自身の周辺の空間に剣を召喚できるようになる}
{このスキルは特殊固有スキルと剣術・小のコンボ}
【コンボスキル、食の支配】{特殊}
{自身の周辺に空間に食料を召喚できるようになる}
{このスキルは特殊固有スキルと料理技能のコンボ}
【コンボスキル、成長の喜び】{特殊}
{スキルを使い続けるとスキルを成長させる事ができ、スキルが成長すれば体力が完全回復する}
{このスキルは特殊固有スキルと成長の糧のコンボスキル}
・・・・もしかして、俺の固有スキルって結構色んなスキルとコンボが発動するのか?
だとするとかなり高性能だな・・・・能力は範囲が狭すぎて扱いにくいけど。
このスキルは名前だけは無駄に格好いいくせに能力は狭すぎて使えない。
だから俺は誰かに話すのを避けてきてたんだよな、だから今まで父さん母さんはこのスキルを知らなかった。
でも、成長の糧を手に入れたんだ、絶対にこの能力を成長させてやる!
それに成長の喜びって奴も手に入れたこれからだ!
そして、スキル継承の儀式が終わった次の日、俺は速攻でギルドに参加する為に申請を行なった。
「ギルドの参加希望者・・・・ですか」
「はい!」
「まぁ、良いんですけどね、最近は人手不足ですし、あなたみたいな若い人は大歓迎なんですけど・・・・」
メガネを掛け、髪の毛を後ろでとめ、スーツを着た金髪のボインな受付の人は
俺のスキルの表を見てものすごく苦笑いをしていた。
「その-、ですね、あなたみたいな人がギルドに参加しちゃったら、その・・・・死にますよ?」
「えっと」
「戦闘が出来そうなスキルは剣術・小程度、固有スキルとコンボスキルは特殊で判断しかねますが
効果範囲が・・・・1センチじゃあ、何も出来ませんよね? コンボスキルも効果がイマイチわかりませんが
説明を見る限り、特殊固有スキルと同じ範囲でしか扱えそうに無いですし」
「うぅ」
確かに俺のスキルはかなり貧弱だ、戦えそうなスキルも1つだけだし。
「もう少しね、自分の身の丈を考えた方が良いのでは? それにしても
スキルが少なすぎですよね、何がどうしたらこんな事に
ですが、料理の腕はありますし、大人しく実家のレストランを引き継いだらどうですかね?」
そうか、俺の家がレストランって事も知ってるのか確かに家のレストランはこの国で美味いと有名だ。
そりゃあ、あの2人には料理技能・極があるんだ、王族が食える料理よりも美味いだろうしな。
でも、俺はあの山奥の家で料理をして一生を終わらせたくない!
「冗談じゃ無い! 俺は冒険家になりたいんだ! 冒険家は男の夢だって!」
「馬鹿ですね、死にに行くような物ですよ、そもそもあなた程度ではギルドの試験に受かるわけが無いでしょう?」
「うぐぐ・・・・た、確かにそうかも知れませんけど!」
「せめて、お仲間の1人位は連れてきてください、そうしないと試験に受かるわけが無いでしょう」
そうだ、ギルドの試験はコミュティーも試されるんだ! 試験に1人で打ち勝てれば十分
仮に1人で打ち勝てなかろうと、そいつの顔が広く、誰かに手伝ってクリアしたとしても合格!
だが、どうする? 俺は友達居ないぞ・・・・どうしようも無いじゃないか。
「・・・・ね、ねぇ、そこの君」
俺が唸っていると、後ろの方から女の子の声が聞えてきて、俺の肩がつかまれた。
「はい?」
俺はその声に反応して後ろを向いてみると、そこには長く茶色の髪の毛で
その長い髪の毛を後ろでひとくくりにしている女の子、頭の頂点には狐の耳が生えていて
狐耳の近くには俺が小学生の頃に転校した女の子に渡していた鈴を付けている。
顔立ちも昔の面影がある、この女の子は俺が小学生の時に転校した筈のマリちゃんだ!
「ま、マリちゃん!? どうしてここに!」
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