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分配 マッド視点
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マッド視点
盗賊たちの持ち物を分配するため、俺たちは騎士団室に来ていた。
マーカスさんの話では、今回はすでに多くの盗賊団の私物をトド町の冒険者ギルドに送ってしまったから、ここにあるのはごく一部らしい。それでも、大きな貢献をした俺たちへの褒賞として、価値のある物がいくつか残されているらしいので期待してほしい、と言っていた。
分配に参加するのは、俺たち8人と、騎士団の精鋭部隊10人だ。
ちなみに、父さんや母さん、マーカスさんは除外されるので、何ももらえないらしい。
部屋の中には鎧や武器の他にも宝石などがずらりと並べられており、確かに価値のある物も数点見受けられた。
気になるのは、盗賊団のメンバーだった50人ほどの人たちもそこに並んでいることだった。話によると、彼らの取り調べは既に終わっており、犯罪奴隷となった者たちらしい。ここにいる50人は、あまり深く盗賊団に関わっていなかった者や、下っ端ばかりが集められているようだ。要するに、盗賊団の情報は持っていないから、欲しければどうぞ、ということらしい。
「一応配分を説明するぞ。それぞれのテーブルから1個ずつ持っていってくれ。価値については専門家が見立てているので、それほど大きな違いはないと思う。奴隷については、選べるように50人を用意したが、一人につき一人だ。いらない場合は後ほど奴隷商が買い取ってくれることになっているから、ここでは必ず一人を選んでほしい。買い取り価格は皆同じ金額で10万リラだ。申し訳ないが、時間は1時間しか与えられないから早い者勝ちだ」
マーカスさんが簡潔に説明してくれた。
10人の精鋭部隊の反応は、慣れているのかものすごく早かった。
俺たちが目をやる頃には、既にテーブルには8つの物しか残されていなかった。つまり、それらは俺たちの物だ。キャロルとドナは楽しそうに物を選んでいる。マリアはリオと一緒に選んでいるようだ。
「キャロル様、これなんかいいんじゃないですか?」
ドナが手に持っているのは鉄の鎧だ。キャロルが着たら重くて動けないだろう。
すかさずジルはドナを回収しに行き、俺の方に来て言った。
「マッド様、キャロル様のお相手をお願いします」
俺がキャロルの側に行き、彼女に聞いてみた。
「いいのはあったかい?」
「マッド、私はこれとこれに決めたわ。マッドは?」
キャロルが持っていたのは、古い文字で書かれた本と、彼女の背丈以上の大きな弓だった。その弓はかなり価値ある物だが、精鋭部隊の人たちには弓を使う者がいなかったから残ったんだろう。まあ、マーカスさんがキャロルに行くように仕組んだんだろうな。
俺は名工が作ったとされる大剣と、魔道ランプをもらった。
俺とキャロル、リオ、マリアが選んだ後で、ジルたち4人が選び始めた。ちなみに、さっきドナが持っていた鉄の鎧は、なぜだかボンドンがもらったようだ。
一番大変だったのは奴隷選びだった。
ここでも10人の精鋭部隊はものすごく早かった。
彼らは妻子持ちも多いからか、選んでいくのは掃除や洗濯などの下働きができる者や、自分が家を空ける時に家族を警護できそうな者ばかりだった。使えなければ売ればいい、と難しくは考えていないのだろう。
ここにいる奴隷たちは、必死で自分を売り込んでいる。犯罪奴隷の中でも山賊や盗賊は嫌われる存在だ。奴隷商会で売られたとしても、まともな人間は買わないことを彼らは充分すぎるほど知っているのだろう。
キャロルは小さな女の子を選んだようだ。まだ10歳だ。栄養失調なのか、普通の10歳より小さく見える。俺はその女の子の隣にいる10歳の小さな男の子を選んだ。なぜなら、二人は双子だからだ。
リオは40代くらいの、片足に大きな傷がある逞しそうな男性を選んだようだ。古傷が年々痛むらしく、今は走ることもできないらしい。マリアが選んだのは彼の奥さんだ。
ジルは、ムッサリとジータの手伝いができそうな者を、自分が選んだ二人の中から選んでほしいと俺に頼んできた。鑑定してスキルを教えると、ジルは礼を言った。ジルが選んだのは17歳の女性で、洗濯と雑用のスキルを持った者だ。
レティも同様に、俺に二人のどちらにするかを迷っていると言ってスキルを聞いてきた。レティは自分がいない時にマリアを守ってくれる者を探しているようだ。レティが選んだのは、結界スキルを持つ22歳の女性だった。
驚いたのはドナだ。ドナは自分との対戦を拒んだ大柄な男に目をつけた。どうしても戦いたくて、彼を選んだようだ。彼はドナを見て青ざめていた。
ボンドンが選んだのは56歳の女性だ。何でも、亡くなった祖母にどことなく似ているらしい。ボンドンは思ってもいないだろうが、彼女はかなり強い。
ようやく奴隷選びは終わった。俺たちが選んだ奴隷を見ると、全員魔力量も多いし、結構強い。それに何より、盗賊とは言っても悪人はいないように思える。気づいたら仲間にされていた者や、騙されたり脅されたりして働いていた者ばかりだ。
精鋭部隊が選んだ者たちの中にも、それほどの悪人はいないように思える。選ばれなかった32人を鑑定すると、かなり酷いことを平気でやってきた者たちが大勢いた。
鑑定に頼らなくても、本能や魂が訴えかけてきて、自分に適した者を選ぶ能力を誰もが持っているのではないかと俺は思った。
選んだ奴隷たち
* キャロル:リン(10歳、女、火属性、調合)
* マッド:レン(10歳、男、風属性、俊足)
* リオ:ザック(42歳、男、土属性、警戒、槍)
* マリア:アナ(38歳、女、水属性、農業)
* ジル:エリィ(17歳、女、水属性、洗濯、雑用)
* ドナ:バンス(18歳、男、氷属性、体術、槌、剛力)
* ボンドン:サチ(56歳、女、雷属性、身体強化、体術、棒)
* レティ:ジェーン(22歳、女、風属性、結界、盾)
盗賊たちの持ち物を分配するため、俺たちは騎士団室に来ていた。
マーカスさんの話では、今回はすでに多くの盗賊団の私物をトド町の冒険者ギルドに送ってしまったから、ここにあるのはごく一部らしい。それでも、大きな貢献をした俺たちへの褒賞として、価値のある物がいくつか残されているらしいので期待してほしい、と言っていた。
分配に参加するのは、俺たち8人と、騎士団の精鋭部隊10人だ。
ちなみに、父さんや母さん、マーカスさんは除外されるので、何ももらえないらしい。
部屋の中には鎧や武器の他にも宝石などがずらりと並べられており、確かに価値のある物も数点見受けられた。
気になるのは、盗賊団のメンバーだった50人ほどの人たちもそこに並んでいることだった。話によると、彼らの取り調べは既に終わっており、犯罪奴隷となった者たちらしい。ここにいる50人は、あまり深く盗賊団に関わっていなかった者や、下っ端ばかりが集められているようだ。要するに、盗賊団の情報は持っていないから、欲しければどうぞ、ということらしい。
「一応配分を説明するぞ。それぞれのテーブルから1個ずつ持っていってくれ。価値については専門家が見立てているので、それほど大きな違いはないと思う。奴隷については、選べるように50人を用意したが、一人につき一人だ。いらない場合は後ほど奴隷商が買い取ってくれることになっているから、ここでは必ず一人を選んでほしい。買い取り価格は皆同じ金額で10万リラだ。申し訳ないが、時間は1時間しか与えられないから早い者勝ちだ」
マーカスさんが簡潔に説明してくれた。
10人の精鋭部隊の反応は、慣れているのかものすごく早かった。
俺たちが目をやる頃には、既にテーブルには8つの物しか残されていなかった。つまり、それらは俺たちの物だ。キャロルとドナは楽しそうに物を選んでいる。マリアはリオと一緒に選んでいるようだ。
「キャロル様、これなんかいいんじゃないですか?」
ドナが手に持っているのは鉄の鎧だ。キャロルが着たら重くて動けないだろう。
すかさずジルはドナを回収しに行き、俺の方に来て言った。
「マッド様、キャロル様のお相手をお願いします」
俺がキャロルの側に行き、彼女に聞いてみた。
「いいのはあったかい?」
「マッド、私はこれとこれに決めたわ。マッドは?」
キャロルが持っていたのは、古い文字で書かれた本と、彼女の背丈以上の大きな弓だった。その弓はかなり価値ある物だが、精鋭部隊の人たちには弓を使う者がいなかったから残ったんだろう。まあ、マーカスさんがキャロルに行くように仕組んだんだろうな。
俺は名工が作ったとされる大剣と、魔道ランプをもらった。
俺とキャロル、リオ、マリアが選んだ後で、ジルたち4人が選び始めた。ちなみに、さっきドナが持っていた鉄の鎧は、なぜだかボンドンがもらったようだ。
一番大変だったのは奴隷選びだった。
ここでも10人の精鋭部隊はものすごく早かった。
彼らは妻子持ちも多いからか、選んでいくのは掃除や洗濯などの下働きができる者や、自分が家を空ける時に家族を警護できそうな者ばかりだった。使えなければ売ればいい、と難しくは考えていないのだろう。
ここにいる奴隷たちは、必死で自分を売り込んでいる。犯罪奴隷の中でも山賊や盗賊は嫌われる存在だ。奴隷商会で売られたとしても、まともな人間は買わないことを彼らは充分すぎるほど知っているのだろう。
キャロルは小さな女の子を選んだようだ。まだ10歳だ。栄養失調なのか、普通の10歳より小さく見える。俺はその女の子の隣にいる10歳の小さな男の子を選んだ。なぜなら、二人は双子だからだ。
リオは40代くらいの、片足に大きな傷がある逞しそうな男性を選んだようだ。古傷が年々痛むらしく、今は走ることもできないらしい。マリアが選んだのは彼の奥さんだ。
ジルは、ムッサリとジータの手伝いができそうな者を、自分が選んだ二人の中から選んでほしいと俺に頼んできた。鑑定してスキルを教えると、ジルは礼を言った。ジルが選んだのは17歳の女性で、洗濯と雑用のスキルを持った者だ。
レティも同様に、俺に二人のどちらにするかを迷っていると言ってスキルを聞いてきた。レティは自分がいない時にマリアを守ってくれる者を探しているようだ。レティが選んだのは、結界スキルを持つ22歳の女性だった。
驚いたのはドナだ。ドナは自分との対戦を拒んだ大柄な男に目をつけた。どうしても戦いたくて、彼を選んだようだ。彼はドナを見て青ざめていた。
ボンドンが選んだのは56歳の女性だ。何でも、亡くなった祖母にどことなく似ているらしい。ボンドンは思ってもいないだろうが、彼女はかなり強い。
ようやく奴隷選びは終わった。俺たちが選んだ奴隷を見ると、全員魔力量も多いし、結構強い。それに何より、盗賊とは言っても悪人はいないように思える。気づいたら仲間にされていた者や、騙されたり脅されたりして働いていた者ばかりだ。
精鋭部隊が選んだ者たちの中にも、それほどの悪人はいないように思える。選ばれなかった32人を鑑定すると、かなり酷いことを平気でやってきた者たちが大勢いた。
鑑定に頼らなくても、本能や魂が訴えかけてきて、自分に適した者を選ぶ能力を誰もが持っているのではないかと俺は思った。
選んだ奴隷たち
* キャロル:リン(10歳、女、火属性、調合)
* マッド:レン(10歳、男、風属性、俊足)
* リオ:ザック(42歳、男、土属性、警戒、槍)
* マリア:アナ(38歳、女、水属性、農業)
* ジル:エリィ(17歳、女、水属性、洗濯、雑用)
* ドナ:バンス(18歳、男、氷属性、体術、槌、剛力)
* ボンドン:サチ(56歳、女、雷属性、身体強化、体術、棒)
* レティ:ジェーン(22歳、女、風属性、結界、盾)
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