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二年生へ進級
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ミシェランでの充実した夏休みが終わり、私たちは再び学院山へと戻ってきた。
二年への進級試験の結果が発表され、一年生の時には57人いた生徒が、二年生に進級できたのはわずか33人だった。
そして私たち8人全員が優秀な成績で進級を果たし、一年生の時と同様に多くの奨学金を獲得することができた。そして、魔獣討伐後に言われた通り、私たちの身分は学院の全員に知れ渡っていた。だが、遠巻きに注目される状況は以前とあまり変わらなかった。
選択した授業は一年生の時と同じにしたけれど、社交に関しては貴族学校で受講することが正式に決まった。
進級者が33人になったことで、チームも再編成されるだろう。私たち8人のチームは変更はないが、この前の魔獣召喚の儀式により魔獣契約できた者とできなかった者とでチーム内が分裂したのは、オルドたちだけではなかったようだ。魔獣召喚がこんな結果になってしまうのは毎年のことらしいが、今回は契約者が多かったこともあり、影響が大きかったそうだ。
現在のチーム構成は以下の通りになっている。
* マッド(魔獣契約者 8名
* アイラ(魔獣契約者) 2名
* カーサ(非契約者) 6名
* オルド(魔獣契約者) 4名
* ウレン(非契約者) 3名
* ムスト(非契約者) 6名
* グンド(非契約者) 4名
* 留年組(非契約者) 5名
6名以上10名内でチームを組まなければならないので、これは再編成されるだろう。
教師から、貴族学校の社交を受けるのは私たち8名とオルドたち4名の計12名だと告げられてから、オルドたちと話す機会は益々増えた。
学院のあちこちから、私たちの身分について話す声が聞こえてくる。
「おい、聞いたか? 王女様や次期侯爵様だったって話?」
「当たり前じゃない、もう知らない人はいないわよ! 今朝なんて、食堂のあちこちでその話で持ちきりだったんだから」
「やっぱり普通ではなかったんだな。どうりで、あんなにも優秀なわけだ。これからどう接すればいいんだ、まともに話せる気がしないぞ……」
「接するなんて出来る訳ないでしょう。だって相手は王族よ? 私は、今まで通り陰から見るだけにするわ。それくらいしかできないもの」
「えー、俺は従者にでもしてくれないかなあ。もしお側で仕えられたら、一生安泰だろう?」
「何を夢みたいなこと言ってるのよ!相手は王族と侯爵様よ、従者なんて、生半可な気持ちで務まるわけないでしょう!」
「でも、今回の進級でも、彼らののチームが一番優秀だったらしいぞ」
「ああ、今期も8人は目立ちそうだな」
「それって、今までと何も変わらなくないか? 身分が分かっても、結局遠巻きに見るしかできないなんて、なんだか寂しいもんだな」
そして、教室の片隅ではオルドたちが話し込んでいた。彼らの声も、いつもより少し興奮しているように聞こえる。
「やはり、身分の高い者たちだったんだな。最初に会った時も、どこか只者ではない雰囲気を感じてはいたんだ」とオルドが腕を組みながら言った。
アヤナが頷く。「そうね、でも喋ってみると普通だったわね。むしろ、私たちの方が気を使ってしまって、向こうが戸惑っていたくらいよ」
レイが口を開いた。「そうなんだよな、この前、僕があんなに怒鳴ったのに彼らは許してくれた。あれだけ偉い人たちなのに、文句とか何も言ってこないんだよな」
「貴族学校にも一緒に通うようですし、これは仲良くできる良い機会ですね。私も今度お話ししてみたいわ」とクミは嬉しそうに言った。
「でも、護衛がいないようだけど大丈夫なのかな? 武術はあまりできないって噂だから心配だよ」
オルドがレイの肩を叩いた。「噂は当てにならないぞ。彼らの魔獣召喚に掛かった時間から考えても、そうは思えないけどね」
「えー、実は凄く強いの? オルドは何か聞いてるの? もしかして、隠し持っている能力があるとか…?」
オルドは首を振った。「父上は何も教えてくれないから何も知らないよ。だけど、彼らは自分たちの身を守る術は何か持っている気がするよ」
オルドの眼差しは、私たちの方向をちらりと向いた。
学院での噂話を耳にしたジルとレティが、二人で話しをしているようだ。彼らの表情は、いつも以上に真剣だ。
「やはり広まってしまいましたね」とレティが静かに言った。
ジルが腕を組み、難しい顔で頷いた。「想定していたから問題はないが、今まで以上に注意が必要だ。軽々しく手出しはできなくなったが、逆に悪意を持った奴らに狙われるおそれもある」
「特に貴族学校の方が注意すべきだと私は思います」とレティが言った。
「確かにそうかもしれないな。貴族の御子息の中には、権力に取り入ろうとする者や、足元をすくおうとする者もいるだろう、とにかく単独行動だけは絶対にしないように注意しよう」とジルは念を押した。
「そうですね。ボンドンにも言っておきます」
二人の会話から、私たちの身分が公になったことで、新たな種類の危険が生じていることがうかがえた。しかし、私たちには頼れる仲間たちがいる。この学院での二年目も、きっと色々なことがあるだろう。だが、皆で力を合わせれば、どんな困難も乗り越えられると信じている。
二年への進級試験の結果が発表され、一年生の時には57人いた生徒が、二年生に進級できたのはわずか33人だった。
そして私たち8人全員が優秀な成績で進級を果たし、一年生の時と同様に多くの奨学金を獲得することができた。そして、魔獣討伐後に言われた通り、私たちの身分は学院の全員に知れ渡っていた。だが、遠巻きに注目される状況は以前とあまり変わらなかった。
選択した授業は一年生の時と同じにしたけれど、社交に関しては貴族学校で受講することが正式に決まった。
進級者が33人になったことで、チームも再編成されるだろう。私たち8人のチームは変更はないが、この前の魔獣召喚の儀式により魔獣契約できた者とできなかった者とでチーム内が分裂したのは、オルドたちだけではなかったようだ。魔獣召喚がこんな結果になってしまうのは毎年のことらしいが、今回は契約者が多かったこともあり、影響が大きかったそうだ。
現在のチーム構成は以下の通りになっている。
* マッド(魔獣契約者 8名
* アイラ(魔獣契約者) 2名
* カーサ(非契約者) 6名
* オルド(魔獣契約者) 4名
* ウレン(非契約者) 3名
* ムスト(非契約者) 6名
* グンド(非契約者) 4名
* 留年組(非契約者) 5名
6名以上10名内でチームを組まなければならないので、これは再編成されるだろう。
教師から、貴族学校の社交を受けるのは私たち8名とオルドたち4名の計12名だと告げられてから、オルドたちと話す機会は益々増えた。
学院のあちこちから、私たちの身分について話す声が聞こえてくる。
「おい、聞いたか? 王女様や次期侯爵様だったって話?」
「当たり前じゃない、もう知らない人はいないわよ! 今朝なんて、食堂のあちこちでその話で持ちきりだったんだから」
「やっぱり普通ではなかったんだな。どうりで、あんなにも優秀なわけだ。これからどう接すればいいんだ、まともに話せる気がしないぞ……」
「接するなんて出来る訳ないでしょう。だって相手は王族よ? 私は、今まで通り陰から見るだけにするわ。それくらいしかできないもの」
「えー、俺は従者にでもしてくれないかなあ。もしお側で仕えられたら、一生安泰だろう?」
「何を夢みたいなこと言ってるのよ!相手は王族と侯爵様よ、従者なんて、生半可な気持ちで務まるわけないでしょう!」
「でも、今回の進級でも、彼らののチームが一番優秀だったらしいぞ」
「ああ、今期も8人は目立ちそうだな」
「それって、今までと何も変わらなくないか? 身分が分かっても、結局遠巻きに見るしかできないなんて、なんだか寂しいもんだな」
そして、教室の片隅ではオルドたちが話し込んでいた。彼らの声も、いつもより少し興奮しているように聞こえる。
「やはり、身分の高い者たちだったんだな。最初に会った時も、どこか只者ではない雰囲気を感じてはいたんだ」とオルドが腕を組みながら言った。
アヤナが頷く。「そうね、でも喋ってみると普通だったわね。むしろ、私たちの方が気を使ってしまって、向こうが戸惑っていたくらいよ」
レイが口を開いた。「そうなんだよな、この前、僕があんなに怒鳴ったのに彼らは許してくれた。あれだけ偉い人たちなのに、文句とか何も言ってこないんだよな」
「貴族学校にも一緒に通うようですし、これは仲良くできる良い機会ですね。私も今度お話ししてみたいわ」とクミは嬉しそうに言った。
「でも、護衛がいないようだけど大丈夫なのかな? 武術はあまりできないって噂だから心配だよ」
オルドがレイの肩を叩いた。「噂は当てにならないぞ。彼らの魔獣召喚に掛かった時間から考えても、そうは思えないけどね」
「えー、実は凄く強いの? オルドは何か聞いてるの? もしかして、隠し持っている能力があるとか…?」
オルドは首を振った。「父上は何も教えてくれないから何も知らないよ。だけど、彼らは自分たちの身を守る術は何か持っている気がするよ」
オルドの眼差しは、私たちの方向をちらりと向いた。
学院での噂話を耳にしたジルとレティが、二人で話しをしているようだ。彼らの表情は、いつも以上に真剣だ。
「やはり広まってしまいましたね」とレティが静かに言った。
ジルが腕を組み、難しい顔で頷いた。「想定していたから問題はないが、今まで以上に注意が必要だ。軽々しく手出しはできなくなったが、逆に悪意を持った奴らに狙われるおそれもある」
「特に貴族学校の方が注意すべきだと私は思います」とレティが言った。
「確かにそうかもしれないな。貴族の御子息の中には、権力に取り入ろうとする者や、足元をすくおうとする者もいるだろう、とにかく単独行動だけは絶対にしないように注意しよう」とジルは念を押した。
「そうですね。ボンドンにも言っておきます」
二人の会話から、私たちの身分が公になったことで、新たな種類の危険が生じていることがうかがえた。しかし、私たちには頼れる仲間たちがいる。この学院での二年目も、きっと色々なことがあるだろう。だが、皆で力を合わせれば、どんな困難も乗り越えられると信じている。
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