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2章 成人
6話
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すれ違う騎士が振り返る。
どう?アタシの見習い騎士は格好いいのよ。
そう、口には出さずにレイモンドは笑みを浮かべながら自分の事のように胸を張る。
アタシの見習い騎士なのよと。
「レイモンド様、今夜の訓練は是非手合わせをお願いします」
廊下を歩きながら後ろから掛かった声にレイモンドは振り向いた。
「え、どうしたのニコル」
「是非、双刀で……お願いします。まだ、そこまでの技術はありませんが、騎士になるのにレイモンド様と剣を交えたいのです」
足を止めたニコルに、レイモンドは無意識の家に眉根を寄せた。
「言っている意味がわかっているのかしら……アタシが双刀を使うのは、人以外に対してなのよ?」
「知っています、その理由も」
「じゃあ!」
「僕が目指す強さがレイモンド様なんです……だから……」
縋るような瞳で見つめられると、レイモンドは小さく溜息を吐く。
「あのね、目指すのはいいわ。でもね、ニコルの傷付けたくないのよ」
ニコルの腕に触れて促すように執務室の扉を開けた。
「アタシの相手をできると判断したらやってあげるわね、それでいいかしら?」
「……わかりました。では、レイモンド様騎士になったら何でもくれると言う約束で、レイモンド様と双刀で試合う許可をください」
確かに先日レイモンドはひとつだけ欲しいものをあげると言った。
でも、そんなものは想定していない。
「すぐじゃなきゃダメなの?それも、双刀じゃなきゃいけない?他の武器ならいくらでも相手をしてあげるんだけど
仕方ないわね……但し、保証はしないわよ……まぁ、ニコルの騎士人生が絶たれたらアタシが面倒みるけれど、できるだけそうならないようにするわね……今夜、支度をしておきなさい」
レイモンドは深く息を吸って吐き出した。
「ちょっと、出てくるわ着いて来なくて良いわよ……ちゃんと寝ておきなさい。アタシも直ぐに戻るから。睡眠不足で注意力散漫になるわけにいかないからね」
そう言い残すとレイモンドは部屋を出た。無意識に向かったのはムサファの部屋だった。
「ムサファ、いるかしら?」
レイモンドはノックをすると返事を待って中に入った。
「ムサファ、聞いて!あのこアタシと双刀でやりたいんだって、どうしろっつーのよ」
最大音量で叫ぶように言葉を紡いだレイモンド。
「嫌よ、あの子の騎士生命を絶つの!」
「あー?あのガキ、んな事言いやがったのか?」
呆れた表情を浮かべたムサファは、レイモンドにソファーにでも座れと促してから気怠げに向かいに腰掛けた。
どう?アタシの見習い騎士は格好いいのよ。
そう、口には出さずにレイモンドは笑みを浮かべながら自分の事のように胸を張る。
アタシの見習い騎士なのよと。
「レイモンド様、今夜の訓練は是非手合わせをお願いします」
廊下を歩きながら後ろから掛かった声にレイモンドは振り向いた。
「え、どうしたのニコル」
「是非、双刀で……お願いします。まだ、そこまでの技術はありませんが、騎士になるのにレイモンド様と剣を交えたいのです」
足を止めたニコルに、レイモンドは無意識の家に眉根を寄せた。
「言っている意味がわかっているのかしら……アタシが双刀を使うのは、人以外に対してなのよ?」
「知っています、その理由も」
「じゃあ!」
「僕が目指す強さがレイモンド様なんです……だから……」
縋るような瞳で見つめられると、レイモンドは小さく溜息を吐く。
「あのね、目指すのはいいわ。でもね、ニコルの傷付けたくないのよ」
ニコルの腕に触れて促すように執務室の扉を開けた。
「アタシの相手をできると判断したらやってあげるわね、それでいいかしら?」
「……わかりました。では、レイモンド様騎士になったら何でもくれると言う約束で、レイモンド様と双刀で試合う許可をください」
確かに先日レイモンドはひとつだけ欲しいものをあげると言った。
でも、そんなものは想定していない。
「すぐじゃなきゃダメなの?それも、双刀じゃなきゃいけない?他の武器ならいくらでも相手をしてあげるんだけど
仕方ないわね……但し、保証はしないわよ……まぁ、ニコルの騎士人生が絶たれたらアタシが面倒みるけれど、できるだけそうならないようにするわね……今夜、支度をしておきなさい」
レイモンドは深く息を吸って吐き出した。
「ちょっと、出てくるわ着いて来なくて良いわよ……ちゃんと寝ておきなさい。アタシも直ぐに戻るから。睡眠不足で注意力散漫になるわけにいかないからね」
そう言い残すとレイモンドは部屋を出た。無意識に向かったのはムサファの部屋だった。
「ムサファ、いるかしら?」
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「ムサファ、聞いて!あのこアタシと双刀でやりたいんだって、どうしろっつーのよ」
最大音量で叫ぶように言葉を紡いだレイモンド。
「嫌よ、あの子の騎士生命を絶つの!」
「あー?あのガキ、んな事言いやがったのか?」
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