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4 デートをする
「あの…アイヴィス様?」
アスランから渡されたのは一式の洋服とウィッグ。
どう見てもこの格好は町娘だ。
いや、女性いないんだけどね?
白いフリルが少な目で小花の刺繍が襟元にあるブラウス
モスグリーンのティアードフレアジャンパースカートに茶色のロングブーツ
若草色の薄手のカーディガン。
用意されたウィッグは明るい茶色で軟らかく毛先が巻かれていた。
「良く似合っている」
ニコニコ笑うのは紺のウィッグに白いシャツとグレーのベスト
黒いトラウザーズ。
うん?
これって…変装?確かに街に行きたいって言ったけどねっ!
アイヴィス様が一緒じゃなくていいんだってば!
アイヴィスに外出をしたいと申し出てからややあってこれが届いた。
確かにアルトリアで水色の髪は珍しいため、大きめの帽子を被るか悩んでいたが、帽子だと建物に入るときは脱がなければならないし、帽子で身分がばれてしまうかも。
ウィッグがあればいいなと思っていた矢先だった。
「出掛けようか。街なら案内できるからな?」
手を差し出してきたアイヴィスの手を反射的に掴んでしまうとセラフィリーアはぐいっと引き寄せられる。
たたらを踏み掛けて抱き締められる。
案外強引なのだ。
「途中まで馬車で行って、其処から徒だ。
何人かの騎士が私服での警護につくし、制服の騎士の巡回も人数を増やすように伝えたからな」
「…この国の皇帝であり、飛竜騎士団長のアイヴィス様がいらっしゃるので、何も心配はしておりませんが…」
じと目で見上げると、アイヴィスはすいっと視線を逸らす。
まったくもう!
「でも、初めてのデートですね。楽しみです」
そうセラフィリーアがいうと、アイヴィスが漸くホッとした表情を浮かべた。
それから、王宮の紋章が無い、少しだけ大きめな馬車を街の外れに寄せてもらい、セラフィリーアはアイヴィスと降り立つ。
元レイヤーとしても、自分もアイヴィスも民の格好ではあるものの、自分はいいとして、この王様の全身から出るオーラで陛下とは気付かれないだろうが、貴族のお忍びくらいは思われるのだろうなと思いつつ、もう楽しむしかないと割り切った。
「セラ、どの店に行きたいんだ?」
整えられた石畳の上を歩きながら問い掛けられる。
「えぇと、手芸店に。布や小物が見たくて…」
だって、このあとにイベントが控えているからね!
仮装してお菓子を貰いに行くやつ。
その衣装作りを始めなきゃと、買い物に来たんだ。
何をやるかはもう決めてあるから。
アイヴィス様はやるのかな。
「ふむ、そうだな…私もまた今年何に扮するのか…いつも当日まではわからないのだが…」
話を聞くとハワード達が用意しているらしい。
そう言えばゲームの中でもイベントがあったから、アイヴィスも知っているのだろうなと納得した。
アイヴィスが案内してくれた手芸店は、店の大きさからは考えられないほどの素材の宝庫で、それも凄かったがそれよりなにより、店の奥からミシンの音がした。
たぶん、騎士の給金だけじゃミシンには手が届かない。
国庫の予算を使えば買えないものは無いだろうが、自分のものを買うのだから、それを使うわけにはいかないだろう。
欲しいなと思いながらも、必要な布を購入してからアイヴィスを見上げる。
「これで大丈夫です」
支払いを済ませようとしたら、アイヴィスが全て払ってくれたらしい。
代金は、出来上がったのを一番に見せて欲しいと言われた。
荷物はアイヴィスが持ってくれ、危ないからと片手は繋ぐ。
そのまま二人でゆっくりと街を歩き、時折屋台で食べ物を買ったりして食べた。
アイヴィスは案外慣れているようで色々と教えてくれる。
たくさん遊んでまた馬車で帰路に着く。
「は…ぁ…」
馬車の車輪の振動がするたびに、セラフィリーアは小さな声を上げる。
体内の奥にアイヴィスが当たるからで。
買い物に付き合ったお礼が欲しいと言われ頷いたのはセラフィリーアだったが…
王宮に着くまでのイチャイチャだとは思っておらず…
アイヴィスに蕩けさせられ受け入れてしまったのが先程。
王宮まではそんなにかからない筈なのにと思いながらも、馬車のカーテンは閉まっているのだ。
「あっ…んあぁ…ダメ…」
繋がる度に敏感になっていく身体が簡単に絶頂をむかえる。
「簡単に交われるこの服もいいな」
アイヴィスの声はセラフィリーアには聞こえなかった。
アスランから渡されたのは一式の洋服とウィッグ。
どう見てもこの格好は町娘だ。
いや、女性いないんだけどね?
白いフリルが少な目で小花の刺繍が襟元にあるブラウス
モスグリーンのティアードフレアジャンパースカートに茶色のロングブーツ
若草色の薄手のカーディガン。
用意されたウィッグは明るい茶色で軟らかく毛先が巻かれていた。
「良く似合っている」
ニコニコ笑うのは紺のウィッグに白いシャツとグレーのベスト
黒いトラウザーズ。
うん?
これって…変装?確かに街に行きたいって言ったけどねっ!
アイヴィス様が一緒じゃなくていいんだってば!
アイヴィスに外出をしたいと申し出てからややあってこれが届いた。
確かにアルトリアで水色の髪は珍しいため、大きめの帽子を被るか悩んでいたが、帽子だと建物に入るときは脱がなければならないし、帽子で身分がばれてしまうかも。
ウィッグがあればいいなと思っていた矢先だった。
「出掛けようか。街なら案内できるからな?」
手を差し出してきたアイヴィスの手を反射的に掴んでしまうとセラフィリーアはぐいっと引き寄せられる。
たたらを踏み掛けて抱き締められる。
案外強引なのだ。
「途中まで馬車で行って、其処から徒だ。
何人かの騎士が私服での警護につくし、制服の騎士の巡回も人数を増やすように伝えたからな」
「…この国の皇帝であり、飛竜騎士団長のアイヴィス様がいらっしゃるので、何も心配はしておりませんが…」
じと目で見上げると、アイヴィスはすいっと視線を逸らす。
まったくもう!
「でも、初めてのデートですね。楽しみです」
そうセラフィリーアがいうと、アイヴィスが漸くホッとした表情を浮かべた。
それから、王宮の紋章が無い、少しだけ大きめな馬車を街の外れに寄せてもらい、セラフィリーアはアイヴィスと降り立つ。
元レイヤーとしても、自分もアイヴィスも民の格好ではあるものの、自分はいいとして、この王様の全身から出るオーラで陛下とは気付かれないだろうが、貴族のお忍びくらいは思われるのだろうなと思いつつ、もう楽しむしかないと割り切った。
「セラ、どの店に行きたいんだ?」
整えられた石畳の上を歩きながら問い掛けられる。
「えぇと、手芸店に。布や小物が見たくて…」
だって、このあとにイベントが控えているからね!
仮装してお菓子を貰いに行くやつ。
その衣装作りを始めなきゃと、買い物に来たんだ。
何をやるかはもう決めてあるから。
アイヴィス様はやるのかな。
「ふむ、そうだな…私もまた今年何に扮するのか…いつも当日まではわからないのだが…」
話を聞くとハワード達が用意しているらしい。
そう言えばゲームの中でもイベントがあったから、アイヴィスも知っているのだろうなと納得した。
アイヴィスが案内してくれた手芸店は、店の大きさからは考えられないほどの素材の宝庫で、それも凄かったがそれよりなにより、店の奥からミシンの音がした。
たぶん、騎士の給金だけじゃミシンには手が届かない。
国庫の予算を使えば買えないものは無いだろうが、自分のものを買うのだから、それを使うわけにはいかないだろう。
欲しいなと思いながらも、必要な布を購入してからアイヴィスを見上げる。
「これで大丈夫です」
支払いを済ませようとしたら、アイヴィスが全て払ってくれたらしい。
代金は、出来上がったのを一番に見せて欲しいと言われた。
荷物はアイヴィスが持ってくれ、危ないからと片手は繋ぐ。
そのまま二人でゆっくりと街を歩き、時折屋台で食べ物を買ったりして食べた。
アイヴィスは案外慣れているようで色々と教えてくれる。
たくさん遊んでまた馬車で帰路に着く。
「は…ぁ…」
馬車の車輪の振動がするたびに、セラフィリーアは小さな声を上げる。
体内の奥にアイヴィスが当たるからで。
買い物に付き合ったお礼が欲しいと言われ頷いたのはセラフィリーアだったが…
王宮に着くまでのイチャイチャだとは思っておらず…
アイヴィスに蕩けさせられ受け入れてしまったのが先程。
王宮まではそんなにかからない筈なのにと思いながらも、馬車のカーテンは閉まっているのだ。
「あっ…んあぁ…ダメ…」
繋がる度に敏感になっていく身体が簡単に絶頂をむかえる。
「簡単に交われるこの服もいいな」
アイヴィスの声はセラフィリーアには聞こえなかった。
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