【ＢＬ】空と水の交わる場所～30のお題

29 可愛らしいことをする

「セラ…いつまでそれをやるの？」

「もう少しだけ…カラク様のお子様、もうすぐでしょう？」

カラクの子供が産まれると聞いたのは先日。
安定期に入るまでは言わなかったのだと聞いた。
アイヴィスに聞いたら、ずっと前から希望していたのだが、なかなか恵まれなかったのだと。
これを機会にカラクは騎士団から降りるらしい。
カラクはしっかりと後がまを育てて据える用意もできており、後は時間の問題のようだ。

「そうらしいが…」

「祝福してあげませんと…おめでたい事ですから」

「私は他人の子より、セラとの子供が欲しい…たくさん」

「…えぇ、作りましょうか」

「！」

「アイヴィス様、こちらを…」

今まで子供については何も言ってこなかったアイヴィスが、子供について口にした。
それが珍しくて前から考えていた答えを返す。
幅広いリボンにセラフィリーアは名前を刺繍してある。アイヴィスの名前も最後の１文字だけ以外は。

「アイヴィス様が最後に抜いとりが上手くできたら大丈夫ですから。
できるまでは頑張ってくださいね？」

できなければ子供はダメですと、セラフィリーアは笑って差し出す。
練習するだろうアイヴィスを横目にセラフィリーアはカラクの息子に贈る着ぐるみに刺繍をいれていくのだった。