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6章 自我
6-6
「ラース兄様…」
「おはようセラ、気分はどう?」
「今日はとても良いです。少し外に出たいと言ったら、風か冷たいからと…」
「そうだね、まだ少し早いかな…アイヴィス様が連れていってくれるなら大丈夫だろうけれど、私にはセラを抱いていく力は無いからね?」
そんなやり取りをしながらも、何日過ぎたかはわからない。
魔力を流されると眠くなってしまうのだ。
もう少し話がしたいのに、ディー兄様やラース兄様はあまり時間を取ってくれない。
それに、たまにしか会えないのだ。
フェリド兄様もアリエス兄様も来てくれたのは1度だけ。
あれ、でもラース兄様とアリエス兄様は嫁いだんじゃなかったっけ…
アリエス兄様は、ファレナスの国境を守護する辺境伯のところに。
ラース兄様は隣国の王様に…違ったっけ…
ディー兄様は父様の補佐…フェリド兄様はディー兄様の補佐をしてるから…
ディー兄様とフェリド兄様は来てくれるのはわかるのに…
でも、あれ…俺が寝てるから会えないのかな…
父様も、母様もどちらもずっと顔を見ていない。
それを聞いてみると、忙しいのだとラース兄様は言う。
その代わり、アスランや、アイヴィスは良く居てくれる。
アスランは気付くとこまめに食事や着替えの世話をしてくれる。
皆、居てくれるのは嬉しいけれどアイヴィスが居てくれるのが一番嬉しい。
アイヴィスは、俺の顔色を見て時折寝台から出してくれて散歩をしてくれる。
横抱き…お姫様抱っこが絶対条件だけど。
許可される理由としては空間魔法と言うのか、アイヴィスの周りだけは暖かかった。
ただ、アイヴィスが来てくれるのは大概夜で、足元を照らす明かりと、綺麗な夜空ばかりで
太陽や花などはあまり見ることができなかった。
「ありがとうございます、アイヴィス…今日も月が綺麗ですね」
外の空気を感じながらセラフィリーアは夜空を見上げる。
ぽっかりと丸い満月が空にあった。
それを一瞬何かが横切り灯りを遮る。
「え…」
「あぁ、飛竜だ…」
名前だけは聞いたことがある。
大きな体躯と翼を持ち、空を自在に飛ぶ。
夜目もきき、新月の空でも難なく飛べるらしい。
「わぁ…触って見たい…いつか触れるかなぁ…」
図鑑で見たことしかない竜という生き物。
どんな形でどんな体温で、どんな手触りなのだろう。
犬や猫のように触らせてくれるのだろうか。
楽しげに空を見上げて想いを馳せるが、次第に瞼が重くなりセラフィリーアはアイヴィスの腕の中で目を閉じる。
漸く流れ始めた魔力を感じながら浅い眠りに落ちるのだった。
「おはようセラ、気分はどう?」
「今日はとても良いです。少し外に出たいと言ったら、風か冷たいからと…」
「そうだね、まだ少し早いかな…アイヴィス様が連れていってくれるなら大丈夫だろうけれど、私にはセラを抱いていく力は無いからね?」
そんなやり取りをしながらも、何日過ぎたかはわからない。
魔力を流されると眠くなってしまうのだ。
もう少し話がしたいのに、ディー兄様やラース兄様はあまり時間を取ってくれない。
それに、たまにしか会えないのだ。
フェリド兄様もアリエス兄様も来てくれたのは1度だけ。
あれ、でもラース兄様とアリエス兄様は嫁いだんじゃなかったっけ…
アリエス兄様は、ファレナスの国境を守護する辺境伯のところに。
ラース兄様は隣国の王様に…違ったっけ…
ディー兄様は父様の補佐…フェリド兄様はディー兄様の補佐をしてるから…
ディー兄様とフェリド兄様は来てくれるのはわかるのに…
でも、あれ…俺が寝てるから会えないのかな…
父様も、母様もどちらもずっと顔を見ていない。
それを聞いてみると、忙しいのだとラース兄様は言う。
その代わり、アスランや、アイヴィスは良く居てくれる。
アスランは気付くとこまめに食事や着替えの世話をしてくれる。
皆、居てくれるのは嬉しいけれどアイヴィスが居てくれるのが一番嬉しい。
アイヴィスは、俺の顔色を見て時折寝台から出してくれて散歩をしてくれる。
横抱き…お姫様抱っこが絶対条件だけど。
許可される理由としては空間魔法と言うのか、アイヴィスの周りだけは暖かかった。
ただ、アイヴィスが来てくれるのは大概夜で、足元を照らす明かりと、綺麗な夜空ばかりで
太陽や花などはあまり見ることができなかった。
「ありがとうございます、アイヴィス…今日も月が綺麗ですね」
外の空気を感じながらセラフィリーアは夜空を見上げる。
ぽっかりと丸い満月が空にあった。
それを一瞬何かが横切り灯りを遮る。
「え…」
「あぁ、飛竜だ…」
名前だけは聞いたことがある。
大きな体躯と翼を持ち、空を自在に飛ぶ。
夜目もきき、新月の空でも難なく飛べるらしい。
「わぁ…触って見たい…いつか触れるかなぁ…」
図鑑で見たことしかない竜という生き物。
どんな形でどんな体温で、どんな手触りなのだろう。
犬や猫のように触らせてくれるのだろうか。
楽しげに空を見上げて想いを馳せるが、次第に瞼が重くなりセラフィリーアはアイヴィスの腕の中で目を閉じる。
漸く流れ始めた魔力を感じながら浅い眠りに落ちるのだった。
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