567 / 708
本編
571話
カラカラと、馬車が坂道を登っていく。
ラディットさんが用意してくれた馬車に乗り込んで自宅に向かった。
双子はネイさんと一緒に違う馬車に乗っている。
何かやらかすのではないかとヒヤヒヤしながらも双子を任せたが、思ったより簡単に双子が懐いたことにも驚いた。
「俺たちだけ先に帰ってきちゃっていいのかなぁ」
ラディットさんに、荷物は運びますから先にどうぞと促されて帰宅途中なのだ。
「大丈夫だろ、後日でいいからクルー呼んで料理で労ってやるのはリクトの負担が大きいか?」
リルにそう言われて俺はハッと顔を上げて頷いた。
「そうだね、そうしようか」
「親父たちも当分は出港しねぇだろうし、リクトの大丈夫な時にしたらいいんじゃねぇか?新しく子ができたらバタバタすると思うし……?」
「あー……そうだよね、で、子供の名前……」
決めてくれたの?と聞くと、ふいっと視線を逸らされた。
「リクト、まだ名前はいい……性別も決まっていないし顔を見てから決めてもいい。双子もそうだっただろ?」
レヴィに言われて、俺は頷いた。
確かにそうだったなと懐かしく思い出す。
早ければあと数日で生まれるかもしれない。
少しだけ気が昂っている。
「服も買ってあるし……でも、性別がわからないのって楽しみでもあるけど不便だね」
「リクトんとこじゃわかったのか?」
リルが驚きに目を見開いた。
「うん。特殊な光を当てて中を映すと男の子か女の子かはわかったよ……もちろん光だから絶対にわかる訳じゃないし、上手く隠れちゃったりすると見えなかったりするから……さ」
厳密には光ではないが、医療用具の説明なんてしてもリルやレヴィにはわからないだろうし、俺も上手くは説明できない。
「どんなものかがわかりゃー作ってもらうのは出来そうな気はすんだが」
リルの面白いもの見たさが発動している。
だけど、エコー機材など使ったことは無かったし何となくも思い出したことは無い。
一人っ子で弟や妹がいるわけでもなく、妊娠した伴侶や恋人がいた訳でもなかった俺は、胎児の写真など見たこともなく、医療関係者でもないから。
「医者とかならその辺話せば何とかなるんじゃねぇかなぁ、魔導具使って……それにしても、リクトの世界は本当に面白ぇな」
そんなかんがえをするやつはいなかったな……と、リルもレヴィも頷いているが、この世界は別に男女で子供が生まれる訳では無いから、どうして男女の区別があるのだろうかと、ふいに俺は疑問を持ったのだった、。
ラディットさんが用意してくれた馬車に乗り込んで自宅に向かった。
双子はネイさんと一緒に違う馬車に乗っている。
何かやらかすのではないかとヒヤヒヤしながらも双子を任せたが、思ったより簡単に双子が懐いたことにも驚いた。
「俺たちだけ先に帰ってきちゃっていいのかなぁ」
ラディットさんに、荷物は運びますから先にどうぞと促されて帰宅途中なのだ。
「大丈夫だろ、後日でいいからクルー呼んで料理で労ってやるのはリクトの負担が大きいか?」
リルにそう言われて俺はハッと顔を上げて頷いた。
「そうだね、そうしようか」
「親父たちも当分は出港しねぇだろうし、リクトの大丈夫な時にしたらいいんじゃねぇか?新しく子ができたらバタバタすると思うし……?」
「あー……そうだよね、で、子供の名前……」
決めてくれたの?と聞くと、ふいっと視線を逸らされた。
「リクト、まだ名前はいい……性別も決まっていないし顔を見てから決めてもいい。双子もそうだっただろ?」
レヴィに言われて、俺は頷いた。
確かにそうだったなと懐かしく思い出す。
早ければあと数日で生まれるかもしれない。
少しだけ気が昂っている。
「服も買ってあるし……でも、性別がわからないのって楽しみでもあるけど不便だね」
「リクトんとこじゃわかったのか?」
リルが驚きに目を見開いた。
「うん。特殊な光を当てて中を映すと男の子か女の子かはわかったよ……もちろん光だから絶対にわかる訳じゃないし、上手く隠れちゃったりすると見えなかったりするから……さ」
厳密には光ではないが、医療用具の説明なんてしてもリルやレヴィにはわからないだろうし、俺も上手くは説明できない。
「どんなものかがわかりゃー作ってもらうのは出来そうな気はすんだが」
リルの面白いもの見たさが発動している。
だけど、エコー機材など使ったことは無かったし何となくも思い出したことは無い。
一人っ子で弟や妹がいるわけでもなく、妊娠した伴侶や恋人がいた訳でもなかった俺は、胎児の写真など見たこともなく、医療関係者でもないから。
「医者とかならその辺話せば何とかなるんじゃねぇかなぁ、魔導具使って……それにしても、リクトの世界は本当に面白ぇな」
そんなかんがえをするやつはいなかったな……と、リルもレヴィも頷いているが、この世界は別に男女で子供が生まれる訳では無いから、どうして男女の区別があるのだろうかと、ふいに俺は疑問を持ったのだった、。
あなたにおすすめの小説
捨てられおじさん、魔王の嫁になる。
ごぶーまる
BL
魔王討伐パーティの一員だった傭兵メグイは、故郷の復興を条件に戦っていた。
だが王室はその約束を反故にし、仲間たちもまた、魔王軍の襲撃から逃れるためにメグイを囮にして逃げ出す。
生け捕りにされたメグイが連れていかれた先で出会ったのは、どう見ても魔王らしくない、ポンコツ気味の若き魔王チハタだった。
捕虜の扱い方も、尋問の仕方もわからないチハタは、メグイにお茶を淹れ、夕食を共にし、挙げ句の果てには「僕のお嫁さんになる?」と言い出す。
しかしチハタには、父である先代魔王ブラッドヘルによって刻まれた、ある秘密があった。
捨てられたおじさん傭兵と、魔王として生まれた若者。
孤独な二人が出会い、たった一晩で国の運命を変えてしまう、ファンタジーBL読み切り。
若頭の溺愛は、今日も平常運転です
なの
BL
『ヤクザの恋は重すぎて甘すぎる』続編!
過保護すぎる若頭・鷹臣との同棲生活にツッコミが追いつかない毎日を送る幼なじみの相良悠真。
ホットミルクに外出禁止、舎弟たちのニヤニヤ見守り付き(?)ラブコメ生活はいつだって騒がしく、でもどこかあったかい。
だけどそんな日常の中で、鷹臣の覚悟に触れ、悠真は気づく。
……俺も、ちゃんと応えたい。
笑って泣けて、めいっぱい甘い!
騒がしくて幸せすぎる、ヤクザとツッコミ男子の結婚一直線ラブストーリー!
※前作『ヤクザの恋は重すぎて甘すぎる』を読んでからの方が、より深く楽しめます。
追放されたオメガの食堂~嵐の夜に保護した銀狼の獣人王と幼いもふもふ孤児たちに手料理を振る舞ったら、溺愛されました~
水凪しおん
BL
名門貴族の生まれでありながら、オメガであることを理由に家族から見捨てられた青年・リオン。
彼は国境の森の奥深くで、身を隠すようにして小さな食堂を営んでいた。
ある嵐の夜。
激しい雨風に打たれながら食堂の扉を叩いたのは、大柄で威圧的な銀狼の獣人・ガレルと、彼に抱えられた幼い2人のもふもふ獣人の孤児たちだった。
警戒心も露わな子供たちと、不器用ながらも彼らを守ろうとするガレル。
リオンは彼らを食堂へ招き入れ、得意の温かい手料理を振る舞う。
「……うまい食事だった」
リオンの作る素朴で心温まる料理と、彼自身から漂う穏やかな匂いに、ガレルや子供たちは次第に心を開いていく。
誰からも必要とされないと思っていたリオンだったが、ガレルからの真っ直ぐな愛情と、子供たちからの無邪気な懐きによって、少しずつ自身の価値と居場所を見出していく。
美味しいご飯が紡ぐ、孤独だった青年と不器用な獣人王の、甘く温かいスローライフ・ラブストーリー。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
もふもふ聖獣様に拾われた不遇オメガは、空に浮かぶ島で運命の番として極上の溺愛を注がれる
水凪しおん
BL
「オメガがいるから、村に災いが降りかかったのだ」
理不尽な理由で村人たちから忌み嫌われ、深い雪の森へと生贄として捨てられた十九歳の青年、ルカ。
凍える寒さの中、絶望に目を閉じた彼の前に現れたのは、見上げるほど巨大で美しい「白銀の狼」だった。
伝説の聖獣である狼に拾われたルカが目を覚ましたのは、下界の汚れから切り離された雲海に浮かぶ美しい島。
狼は人間の姿——流れるような銀髪と黄金の瞳を持つ壮麗なアルファの偉丈夫、レオンへと変化し、ルカにこう告げる。
「君は、俺の運命の番だ」
これまで虐げられ、自分を穢れた存在だと思い込んでいたルカは、レオンの甘く深いアルファの香りと、恐ろしいほどの優しさに戸惑うばかり。
温かい食事、美しい庭園、そして決して自分を傷つけない大きな手。
極上の溺愛に包まれるうち、ルカの心に固く巻きついていた冷たい恐怖の糸は、少しずつほどけていく。
そして、ルカを捨てた村人たちが強欲にも島へ足を踏み入れたとき、ルカは自らの意志とオメガとしての本当の力に目覚める——。
これは、孤独だった不遇のオメガが、伝説の聖獣の番として永遠の幸せと自分の居場所を見つけるまでの、心温まる溺愛ファンタジー。
ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!
由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。
しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。
そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。
「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」
やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった。しかしハルの血が特殊だと知ったダンピールはハルを連れ帰って?
いっそ美味しい『血』(治癒)と『体液』(バフ)と『癒し』を与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!
転生した新人獣医師オメガは獣人国王に愛される
こたま
BL
北の大地で牧場主の次男として産まれた陽翔。生き物がいる日常が当たり前の環境で育ち動物好きだ。兄が牧場を継ぐため自分は獣医師になろう。学業が実り獣医になったばかりのある日、厩舎に突然光が差し嵐が訪れた。気付くとそこは獣人王国。普段美形人型で獣型に変身出来るライオン獣人王アルファ×異世界転移してオメガになった美人日本人獣医師のハッピーエンドオメガバースです。