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50話
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「んじゃ行くか」
リルの号令のもと翌日、晴れた日差しの中、俺達は職人街に向かう。
今日こそはブラシを買うのだ。
他にもあれば、オイルも買いたいし、爪とかも鑢をかけてあげたいなと思っている。
色々と考えながら預かった硬貨を持って買い出しに行く。
それでやっぱり両手はふたりに握られたまま。
今日のふたりは何故かいつもよりお洒落をしている。
まぁ、いつも格好いいんだけど、あまり見ないプレートタグを首から下げたりしている。
「ね、そのタグ何?」
開いたシャツの中に見えるシルバーのチェーン。
「あぁ、これは身分証明な…折角だからリクトのも作って貰おうと思ってな」
「俺?身分証明?」
「あぁ、とりあえず俺達が保証人になる」
「嫌か?」
心配そうに顔を覗き込んでくるふたりに笑みを返す。
「嫌じゃないよ?」
そう言えば、そんなラノベもあったなぁなんて思いながらも、自分がこの世界の住人になれるのかななんて少しだけ不安だったりもする。
「でも、俺が悪いことをしたら、ふたりが責任を取らなきゃいけなくなるだろ?やめた方が…」
「リクトは悪いことをするのか?」
レヴィが静かに聞いてきた。
「するつもりはないけれど、何かで間違いをしちゃったら困るから」
「はは、国を追放されたら、リクトを抱いてレヴィと3人で逃亡するくらいは楽勝だから気にするな。リクトが嫌じゃなきゃタグを作ろうぜ?」
「まずは、埋め込む魔石からだな…色とかあれば」
「なら、見てみてからにしていい?」
「「勿論だ」」
優しげなふたりの声に、断らなくて良かったと笑った。
リルの号令のもと翌日、晴れた日差しの中、俺達は職人街に向かう。
今日こそはブラシを買うのだ。
他にもあれば、オイルも買いたいし、爪とかも鑢をかけてあげたいなと思っている。
色々と考えながら預かった硬貨を持って買い出しに行く。
それでやっぱり両手はふたりに握られたまま。
今日のふたりは何故かいつもよりお洒落をしている。
まぁ、いつも格好いいんだけど、あまり見ないプレートタグを首から下げたりしている。
「ね、そのタグ何?」
開いたシャツの中に見えるシルバーのチェーン。
「あぁ、これは身分証明な…折角だからリクトのも作って貰おうと思ってな」
「俺?身分証明?」
「あぁ、とりあえず俺達が保証人になる」
「嫌か?」
心配そうに顔を覗き込んでくるふたりに笑みを返す。
「嫌じゃないよ?」
そう言えば、そんなラノベもあったなぁなんて思いながらも、自分がこの世界の住人になれるのかななんて少しだけ不安だったりもする。
「でも、俺が悪いことをしたら、ふたりが責任を取らなきゃいけなくなるだろ?やめた方が…」
「リクトは悪いことをするのか?」
レヴィが静かに聞いてきた。
「するつもりはないけれど、何かで間違いをしちゃったら困るから」
「はは、国を追放されたら、リクトを抱いてレヴィと3人で逃亡するくらいは楽勝だから気にするな。リクトが嫌じゃなきゃタグを作ろうぜ?」
「まずは、埋め込む魔石からだな…色とかあれば」
「なら、見てみてからにしていい?」
「「勿論だ」」
優しげなふたりの声に、断らなくて良かったと笑った。
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