93 / 680
本編
98話
しおりを挟む
「うわぁ…」
色彩の色の渦。
俺にはリボンの種類なんてわからなかったが、見ているだけで凄く楽しい店内だった。
「何色にしようか…リボンの色と刺繍糸」
そう聞くと、二人ともリボンの色は黒がいいと言う。
そんな、お願い事をするのに目立たない色で良いのかと聞きながら、俺は首を傾げた。
「リクトの髪の色だからな」
そう言って笑ったレヴィが手にしているのはサテンだろうか、少し光沢のある3cm幅のリボン。
ゴシック系の服を選ぶ獣人に人気らしい。
このお店は、子供が欲しい獣人がリボンや糸を買いに来るだけでなく、服などを作る人達や小物を作る人たちにも人気らしい。
「長さとか…どのくらいいる?あと、刺繍の練習もしたいんだけど」
皆、どの程度の刺繍をするんだろう…リルとレヴィにそれだけの技術があるのだろうか。
教えて貰えればいいんだけどなぁ。
店の中を回ると、見本が並ぶ場所があった。
え。このレベルまでやらなきゃダメなの?
俺の動きが止まる。
もちろん、見本だから綺麗に出来ているものなのだとはわかるが…鮮やかなピンクのリボンに刺繍されている名前は紅い糸。
そしてその縁には色とりどりの小花が刺されているのだ。
「リルとレヴィはどのくらいならできる?ミトさんに教わった方がいい?」
くるりと振り向きふたりを見ると、心なしかふたりの顔色が悪く見える。
「リクト…俺は名前くらいだと思っていたんだが…」
「レヴィもか?俺もだ…」
「ふたりともなの!?」
ま、まぁ練習だけするなら…ね。
「糸を選ぼうか…この場合、好きな色でいいのかな?自分や互いの目の色とか、髪の色とかを選んだりするのかな…」
「それいいな!」
俺の呟きにふたりが頷く。
「でも、俺は黒に黒だよ?あぁ、糸を刺すときに薄い紙を挟んでその上から縫って紙を外せば間違えなくていいか…終わったら文字の回りを縁取りするとかさ?
華美なのもいいけれど、気持ちがこもっていればいいような気もするし…」
色々と試してみようかと問いかける。
ミトさんに教わらなきゃ。
このふたりは役に立たないとわかった。
とりあえず黒のリボンと白い布。
色とりどりの刺繍糸。
針や細々とした必要なものを買い込んで帰路につく。
問題は山積みだとわかった。
色彩の色の渦。
俺にはリボンの種類なんてわからなかったが、見ているだけで凄く楽しい店内だった。
「何色にしようか…リボンの色と刺繍糸」
そう聞くと、二人ともリボンの色は黒がいいと言う。
そんな、お願い事をするのに目立たない色で良いのかと聞きながら、俺は首を傾げた。
「リクトの髪の色だからな」
そう言って笑ったレヴィが手にしているのはサテンだろうか、少し光沢のある3cm幅のリボン。
ゴシック系の服を選ぶ獣人に人気らしい。
このお店は、子供が欲しい獣人がリボンや糸を買いに来るだけでなく、服などを作る人達や小物を作る人たちにも人気らしい。
「長さとか…どのくらいいる?あと、刺繍の練習もしたいんだけど」
皆、どの程度の刺繍をするんだろう…リルとレヴィにそれだけの技術があるのだろうか。
教えて貰えればいいんだけどなぁ。
店の中を回ると、見本が並ぶ場所があった。
え。このレベルまでやらなきゃダメなの?
俺の動きが止まる。
もちろん、見本だから綺麗に出来ているものなのだとはわかるが…鮮やかなピンクのリボンに刺繍されている名前は紅い糸。
そしてその縁には色とりどりの小花が刺されているのだ。
「リルとレヴィはどのくらいならできる?ミトさんに教わった方がいい?」
くるりと振り向きふたりを見ると、心なしかふたりの顔色が悪く見える。
「リクト…俺は名前くらいだと思っていたんだが…」
「レヴィもか?俺もだ…」
「ふたりともなの!?」
ま、まぁ練習だけするなら…ね。
「糸を選ぼうか…この場合、好きな色でいいのかな?自分や互いの目の色とか、髪の色とかを選んだりするのかな…」
「それいいな!」
俺の呟きにふたりが頷く。
「でも、俺は黒に黒だよ?あぁ、糸を刺すときに薄い紙を挟んでその上から縫って紙を外せば間違えなくていいか…終わったら文字の回りを縁取りするとかさ?
華美なのもいいけれど、気持ちがこもっていればいいような気もするし…」
色々と試してみようかと問いかける。
ミトさんに教わらなきゃ。
このふたりは役に立たないとわかった。
とりあえず黒のリボンと白い布。
色とりどりの刺繍糸。
針や細々とした必要なものを買い込んで帰路につく。
問題は山積みだとわかった。
470
あなたにおすすめの小説
気付いたらストーカーに外堀を埋められて溺愛包囲網が出来上がっていた話
上総啓
BL
何をするにもゆっくりになってしまうスローペースな会社員、マオ。小柄でぽわぽわしているマオは、最近できたストーカーに頭を悩ませていた。
と言っても何か悪いことがあるわけでもなく、ご飯を作ってくれたり掃除してくれたりという、割とありがたい被害ばかり。
動きが遅く家事に余裕がないマオにとっては、この上なく優しいストーカーだった。
通報する理由もないので全て受け入れていたら、あれ?と思う間もなく外堀を埋められていた。そんなぽややんスローペース受けの話
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
【完結】冷酷騎士団長を助けたら口移しでしか薬を飲まなくなりました
ざっしゅ
BL
異世界に転移してから一年、透(トオル)は、ゲームの知識を活かし、薬師としてのんびり暮らしていた。ある日、突然現れた洞窟を覗いてみると、そこにいたのは冷酷と噂される騎士団長・グレイド。毒に侵された彼を透は助けたが、その毒は、キスをしたり体を重ねないと完全に解毒できないらしい。
タイトルに※印がついている話はR描写が含まれています。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる