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本編
176話レヴィ視点
「おい……リクトには言わなかったけど……」
先に湯船に浸かっていると、後からリルか入ってくる。
互いに慣れてはいるが……。
「ん?」
「あいつ、ヒト属だろ?すげぇな……」
「本当に」
ざぶりと湯が揺れる。
リルの体積分だけお湯が零れた。
「ったく、お前が理性を失うの、そうそう見ねぇけどな……」
「あぁ、あの誘引香は困るな……抑え込むのにかなりの精神が削られる…が、お前は……」
「俺が我慢してると思うか?」
「してないな」
「当たり前だろ」
そんな軽口を叩きながらも、リルはザブザブとお湯で顔を洗った。
我慢は多少なりともしているだろう。
リルが我慢せずに誰かを抱くと、かなりの確率で抱き潰す事を知っているからだ。
「伴侶の俺達しかわからねぇからな、それでもあれがおさまるまでは何処かに隠っておかねぇと駄目だろ?」
「だよな、流石に俺達がおかしくなる」
溜め息を吐くと、俺は湯から上がる。
リクトのおかげで風呂が好きにはなったが、長時間は入っていられない。
「リクトはどうした?」
「まだ寝たいのだと。流石に俺達ふたりを受け入れるからな……」
「無理はさせたくないが」
「リクトに求められちゃ俺達に抗う術はねぇよ」
「本当にな」
置かれているアメニティが気に入らず、リルの眉間に皺が寄るのを見ながら全身を洗い、ざばっと流した。
リルは俺とは違って身嗜みに煩い。
俺から見てもいい男だと思う。
まぁ、ミトさん似だしな……。
そんなことを考えていたら、リルと目が合い更に眉間の皺が深くなる。
どうやら俺の思っていることは筒抜けらしい。
「ったく、お前だってお袋そっくりだからな、考え方が」
見た目ではなく中身がだと言う。
俺はあそこまで賑やかではないと思うのだが。
そう首を傾げるとリルが豪快に笑った。
「しゃあねぇだろ、俺達家族なんだからさ」
そうさらりと口にするリルに、これだからいつも勝てないのだと思う。
豪快だが、細かい気遣いもできる男なのだ。
「そうだな……」
血が繋がらなくても家族だと言ってくれる3人。
俺がここまでこれたのもミトさんたちのお陰だからだ。
「リクトとミラも家族だけど、お袋みたくはなって欲しくねぇなぁ……」
リルの呟きに俺は苦笑しか返せなかった。
先に湯船に浸かっていると、後からリルか入ってくる。
互いに慣れてはいるが……。
「ん?」
「あいつ、ヒト属だろ?すげぇな……」
「本当に」
ざぶりと湯が揺れる。
リルの体積分だけお湯が零れた。
「ったく、お前が理性を失うの、そうそう見ねぇけどな……」
「あぁ、あの誘引香は困るな……抑え込むのにかなりの精神が削られる…が、お前は……」
「俺が我慢してると思うか?」
「してないな」
「当たり前だろ」
そんな軽口を叩きながらも、リルはザブザブとお湯で顔を洗った。
我慢は多少なりともしているだろう。
リルが我慢せずに誰かを抱くと、かなりの確率で抱き潰す事を知っているからだ。
「伴侶の俺達しかわからねぇからな、それでもあれがおさまるまでは何処かに隠っておかねぇと駄目だろ?」
「だよな、流石に俺達がおかしくなる」
溜め息を吐くと、俺は湯から上がる。
リクトのおかげで風呂が好きにはなったが、長時間は入っていられない。
「リクトはどうした?」
「まだ寝たいのだと。流石に俺達ふたりを受け入れるからな……」
「無理はさせたくないが」
「リクトに求められちゃ俺達に抗う術はねぇよ」
「本当にな」
置かれているアメニティが気に入らず、リルの眉間に皺が寄るのを見ながら全身を洗い、ざばっと流した。
リルは俺とは違って身嗜みに煩い。
俺から見てもいい男だと思う。
まぁ、ミトさん似だしな……。
そんなことを考えていたら、リルと目が合い更に眉間の皺が深くなる。
どうやら俺の思っていることは筒抜けらしい。
「ったく、お前だってお袋そっくりだからな、考え方が」
見た目ではなく中身がだと言う。
俺はあそこまで賑やかではないと思うのだが。
そう首を傾げるとリルが豪快に笑った。
「しゃあねぇだろ、俺達家族なんだからさ」
そうさらりと口にするリルに、これだからいつも勝てないのだと思う。
豪快だが、細かい気遣いもできる男なのだ。
「そうだな……」
血が繋がらなくても家族だと言ってくれる3人。
俺がここまでこれたのもミトさんたちのお陰だからだ。
「リクトとミラも家族だけど、お袋みたくはなって欲しくねぇなぁ……」
リルの呟きに俺は苦笑しか返せなかった。
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