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本編
192話
あれから、リルとレヴィはギルドに向かうと家を出ていった。
ルーファスさんはミトさんと縁側でミラを抱いていた。
俺はと言うと、洗濯と掃除をしてしまおうとシーツや洋服を洗おうと集めて機械を回すところだった。
「あれ……」
ガシャンと何かが割れたような音がした。
いや、気のせいかもしれないけれど。
辺りを見回すも、室内からでは窓の外の一部分しか見えないと、扉から外に出る。
庭から見た辺りには、特に何もなく裏庭から家の回りを歩いてみた。
ガラスが割れたような気配もなかったため、そのまま玄関から中に入ろうとしてまた何かが割れるような音に、門まで歩くと、其所には見たことがない馬車が停まっていた。
御者席に座るのはビーグルに似た犬の獣人で、こちらを見ると慌てて降りてきた。
「すみません!脱輪してしまって、お力を貸していただけないでしょうか」
門の向こうから声を掛けられ、それは難儀だろうと俺はエプロンを外してそれを手にしながら門の向こう停まっていたいる馬車を見た。
脱輪と言われたが特にこちら側は何も問題はなく見えない方かと敷地を出た瞬間俺はぐいっと腕を引っ張られ、その馬車に連れ込まれた。
あっと言う間の早業で俺は一瞬何がおこったかがわからないほどだった。
バタンと閉められた扉。
動き出す馬車。
窓には布が掛けられていて、何処へ向かっているのかわからなかった。
拘束はされてはいないが馬車の扉は鍵が掛かっているのか、こちら側からは開かない。
ガチャガチャとノブを回したが、全く意味は無いようだった。
「何処に行くのだろう」
誘拐ではあるのかもしれないが、何故か怖さは無かった。
刃物を突き付けられているわけでもなく、それだからまだ何となく大丈夫かなと思えている。
それは俺が日本人だからなのかもしれないけれど。
「あれ……」
馬車のスピードが遅くなり、やがてカタンと音がして車輪が停まったのがわかった。
「降りてください」
ガチャガチャと扉が開いて顔を出したのは御者のビーグルさんだった。
「こちらに」
促されて降りた先は大きなお屋敷だった。
だけど俺はこの屋敷が誰の物かはわからない。
「はい」
俺はあえて何も聞かずに馬車を降りる。
聞いてしまったら、いけない気がした。
扉を潜り案内された先はとても豪奢な作りの応接間だった。
凄い。
溜め息しかでない。
「座ってお待ちください」
ビーグルさんにそう言われて俺は言われるがまま椅子に腰掛けた。
ルーファスさんはミトさんと縁側でミラを抱いていた。
俺はと言うと、洗濯と掃除をしてしまおうとシーツや洋服を洗おうと集めて機械を回すところだった。
「あれ……」
ガシャンと何かが割れたような音がした。
いや、気のせいかもしれないけれど。
辺りを見回すも、室内からでは窓の外の一部分しか見えないと、扉から外に出る。
庭から見た辺りには、特に何もなく裏庭から家の回りを歩いてみた。
ガラスが割れたような気配もなかったため、そのまま玄関から中に入ろうとしてまた何かが割れるような音に、門まで歩くと、其所には見たことがない馬車が停まっていた。
御者席に座るのはビーグルに似た犬の獣人で、こちらを見ると慌てて降りてきた。
「すみません!脱輪してしまって、お力を貸していただけないでしょうか」
門の向こうから声を掛けられ、それは難儀だろうと俺はエプロンを外してそれを手にしながら門の向こう停まっていたいる馬車を見た。
脱輪と言われたが特にこちら側は何も問題はなく見えない方かと敷地を出た瞬間俺はぐいっと腕を引っ張られ、その馬車に連れ込まれた。
あっと言う間の早業で俺は一瞬何がおこったかがわからないほどだった。
バタンと閉められた扉。
動き出す馬車。
窓には布が掛けられていて、何処へ向かっているのかわからなかった。
拘束はされてはいないが馬車の扉は鍵が掛かっているのか、こちら側からは開かない。
ガチャガチャとノブを回したが、全く意味は無いようだった。
「何処に行くのだろう」
誘拐ではあるのかもしれないが、何故か怖さは無かった。
刃物を突き付けられているわけでもなく、それだからまだ何となく大丈夫かなと思えている。
それは俺が日本人だからなのかもしれないけれど。
「あれ……」
馬車のスピードが遅くなり、やがてカタンと音がして車輪が停まったのがわかった。
「降りてください」
ガチャガチャと扉が開いて顔を出したのは御者のビーグルさんだった。
「こちらに」
促されて降りた先は大きなお屋敷だった。
だけど俺はこの屋敷が誰の物かはわからない。
「はい」
俺はあえて何も聞かずに馬車を降りる。
聞いてしまったら、いけない気がした。
扉を潜り案内された先はとても豪奢な作りの応接間だった。
凄い。
溜め息しかでない。
「座ってお待ちください」
ビーグルさんにそう言われて俺は言われるがまま椅子に腰掛けた。
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