【BL】転生したら獣人の世界で何故か肉食獣に愛されています。

梅花

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本編

203話

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「リクト大丈夫か?」

レヴィに声を掛けられて目が覚めると、身体は重いけれど気持ちはすっきりとしていた。

「うん、俺は大丈夫だけど……レヴィは?」
「新境地を切り開いた感じだな」
「俺もだ……」

どうやらリルも起きていたらしい。
リルと、レヴィにおはようのキスをすると、まだもう少しゆっくりとしたい身体を叱咤して、朝食を作ろうと起き出した。

「ご飯はトーストとオムレツでいい?」
「オムレツならチーズがいいな」
「俺も」

そんな会話をしながら起き出して、食事を終えた頃、玄関のチャイムが鳴った。

「はーい」

俺が返事をしても、玄関に向かったのはレヴィ。
出ていこうとした俺をリルが止めた。そっか、昨日の件があるからね。
暫く待っていると、ベンガルの夫妻が顔を覗かせた。

「昨日はすまなかった…知らないこととは言え、私どもの家のものがしたことだ……」
「申し訳ありません」

深々と頭を下げた二人に俺は座っていた椅子から立ち上がると、二人に近寄った。

「頭をあげてください。そして、あのビーグルの方を怒らないであげてくださいね?で、今日はこんなに朝早くどうしましたか?」

この二人があのビーグルの御者さんを罰していないのはなんとなくわかった。

「あの、これを見ていただけますか?」

婦人が差し出したのは1本のリボン。
どうやら、眠らずに針を刺したのだろう。

「綺麗な色ですね。きっと良い子ができると思いますよ」

紳士の青い目の色のリボンと婦人の目の色をした黄緑の刺繍糸。
綺麗に縁取られた部分まで一針一針丁寧に仕上げられていた。
寝ていないのだろう。目の下に隈ができている。

「リルとレヴィは客間を用意してくれる?おふたりは少しだけ眠りましょう?寝不足だとどの枝に結ぶか、決められないといけませんから」

俺はふたりをとりあえずソファーへと促して座らせる。
残り物で申し訳ないが、バターロールとオムレツ、サラダを手早く作るとワンプレートずつで出した。

「口に合うかわかりませんが、とりあえずお腹に何か入れてから休んでお昼くらいに聖樹へと行きましょう?俺たちも行きますから」

でも、と遠慮するふたりに俺は無理やり食事をさせると、程よくリルとレヴィが戻ってきた。

「取り敢えず2階だ」
「ありがとう」

ふたりにお礼を言うと、食後のコーヒーを差し出す。

「おや、コーヒーを飲まれるのですか?」

紳士の方が驚いて話し掛けてくる。

「ええ、好きなんですよ」

俺が笑うと、そうですかと頷く。

「私の店でも扱っていますので、良かったら豆をお持ちしましょうか」
「本当ですか?」

コーヒーの種類があまり無く願ってもいない申し出だった。
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