【BL】転生したら獣人の世界で何故か肉食獣に愛されています。

梅花

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本編

204話

話を聞くと、夫妻はコーヒーショップを経営しているようだった。
コーヒーの販売だけだと言うので、店内に飲食スペースを作って軽食。
ドーナッツやシフォンケーキ、クッキー等を提供してみてはどうかというのと、カフェオレや、カプチーノなど、ミルクを使ったものとかも伝えてみた。
いまいちドーナッツが何かわからないと言うことで、俺は急遽ドーナッツを作ろうとしたが、それよりなによりふたりに仮眠を取ってもらってからだとしたくだけしておくことにして、夫妻が食事を終えると寝室に行って貰い、俺はドーナッツの生地作りを始めた。
この世界にはホットケーキミックスなんて便利なものは無いから、全部自分で素材を選ばなければならない。
ドーナッツの支度をして生地を練っていると、ミラが起きてきたらしい。
なう。と、可愛い声で鳴いたミラは、何を作っているのか興味津々なようで、見たいと甘えてくる姿は破壊力満点で、俺は手を洗うとリビングの椅子を運んできてからミラをそこに座らせた。
ドーナッツと言っても、油を使うものは処理などが大変だから、今回は焼きドーナッツにする。
本当はシリコンの型かあれば楽なんだけどと思いながら、ふと俺は手を止める。
カップケーキでもいいじゃん?
ちょっと出すだけならカップケーキならいびつになりにくい。
俺はリルたちのお弁当用の紙の器を取り出すと、中に生地を入れていく。
温めておいたオーブンにそれを入れると暫くして甘い香りが漂ってきた。
ミラがふんふんと鼻を鳴らし、オーブンの窓から中を覗く。
本当にミラはこういったものが好きなのだ。
少しずつ変化するものをじっと根気よく見ている。
「ミラ、焼き上がったら熱々を一緒に食べようね?」
俺の言葉にこくこくと頷く銀と黒の混じる毛並みを優しく撫でると、小さな耳がピピッと震えた。
チン。
音を立ててオーブンが焼き上がりを知らせる。
俺は扉を開けるとミトンをした手で天板を引き出した。
「美味しそうに焼けたね、中まで火が通っているか確認するからね?」
細い竹串のようなものを中心に突き立てると、戻りが無いかを確認した。
「ミラ、できたけどこれにお砂糖を振ってみようか、雪みたいで綺麗だよ?」
そう言う俺に、『雪』がわからなかったのかミラが首を傾げるのを見ながら俺はカップケーキに砂糖をかける。
白い姿が本当に雪のように見えた。
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