199 / 696
本編
204話
話を聞くと、夫妻はコーヒーショップを経営しているようだった。
コーヒーの販売だけだと言うので、店内に飲食スペースを作って軽食。
ドーナッツやシフォンケーキ、クッキー等を提供してみてはどうかというのと、カフェオレや、カプチーノなど、ミルクを使ったものとかも伝えてみた。
いまいちドーナッツが何かわからないと言うことで、俺は急遽ドーナッツを作ろうとしたが、それよりなによりふたりに仮眠を取ってもらってからだとしたくだけしておくことにして、夫妻が食事を終えると寝室に行って貰い、俺はドーナッツの生地作りを始めた。
この世界にはホットケーキミックスなんて便利なものは無いから、全部自分で素材を選ばなければならない。
ドーナッツの支度をして生地を練っていると、ミラが起きてきたらしい。
なう。と、可愛い声で鳴いたミラは、何を作っているのか興味津々なようで、見たいと甘えてくる姿は破壊力満点で、俺は手を洗うとリビングの椅子を運んできてからミラをそこに座らせた。
ドーナッツと言っても、油を使うものは処理などが大変だから、今回は焼きドーナッツにする。
本当はシリコンの型かあれば楽なんだけどと思いながら、ふと俺は手を止める。
カップケーキでもいいじゃん?
ちょっと出すだけならカップケーキならいびつになりにくい。
俺はリルたちのお弁当用の紙の器を取り出すと、中に生地を入れていく。
温めておいたオーブンにそれを入れると暫くして甘い香りが漂ってきた。
ミラがふんふんと鼻を鳴らし、オーブンの窓から中を覗く。
本当にミラはこういったものが好きなのだ。
少しずつ変化するものをじっと根気よく見ている。
「ミラ、焼き上がったら熱々を一緒に食べようね?」
俺の言葉にこくこくと頷く銀と黒の混じる毛並みを優しく撫でると、小さな耳がピピッと震えた。
チン。
音を立ててオーブンが焼き上がりを知らせる。
俺は扉を開けるとミトンをした手で天板を引き出した。
「美味しそうに焼けたね、中まで火が通っているか確認するからね?」
細い竹串のようなものを中心に突き立てると、戻りが無いかを確認した。
「ミラ、できたけどこれにお砂糖を振ってみようか、雪みたいで綺麗だよ?」
そう言う俺に、『雪』がわからなかったのかミラが首を傾げるのを見ながら俺はカップケーキに砂糖をかける。
白い姿が本当に雪のように見えた。
コーヒーの販売だけだと言うので、店内に飲食スペースを作って軽食。
ドーナッツやシフォンケーキ、クッキー等を提供してみてはどうかというのと、カフェオレや、カプチーノなど、ミルクを使ったものとかも伝えてみた。
いまいちドーナッツが何かわからないと言うことで、俺は急遽ドーナッツを作ろうとしたが、それよりなによりふたりに仮眠を取ってもらってからだとしたくだけしておくことにして、夫妻が食事を終えると寝室に行って貰い、俺はドーナッツの生地作りを始めた。
この世界にはホットケーキミックスなんて便利なものは無いから、全部自分で素材を選ばなければならない。
ドーナッツの支度をして生地を練っていると、ミラが起きてきたらしい。
なう。と、可愛い声で鳴いたミラは、何を作っているのか興味津々なようで、見たいと甘えてくる姿は破壊力満点で、俺は手を洗うとリビングの椅子を運んできてからミラをそこに座らせた。
ドーナッツと言っても、油を使うものは処理などが大変だから、今回は焼きドーナッツにする。
本当はシリコンの型かあれば楽なんだけどと思いながら、ふと俺は手を止める。
カップケーキでもいいじゃん?
ちょっと出すだけならカップケーキならいびつになりにくい。
俺はリルたちのお弁当用の紙の器を取り出すと、中に生地を入れていく。
温めておいたオーブンにそれを入れると暫くして甘い香りが漂ってきた。
ミラがふんふんと鼻を鳴らし、オーブンの窓から中を覗く。
本当にミラはこういったものが好きなのだ。
少しずつ変化するものをじっと根気よく見ている。
「ミラ、焼き上がったら熱々を一緒に食べようね?」
俺の言葉にこくこくと頷く銀と黒の混じる毛並みを優しく撫でると、小さな耳がピピッと震えた。
チン。
音を立ててオーブンが焼き上がりを知らせる。
俺は扉を開けるとミトンをした手で天板を引き出した。
「美味しそうに焼けたね、中まで火が通っているか確認するからね?」
細い竹串のようなものを中心に突き立てると、戻りが無いかを確認した。
「ミラ、できたけどこれにお砂糖を振ってみようか、雪みたいで綺麗だよ?」
そう言う俺に、『雪』がわからなかったのかミラが首を傾げるのを見ながら俺はカップケーキに砂糖をかける。
白い姿が本当に雪のように見えた。
あなたにおすすめの小説
運命の番は僕に振り向かない
ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。
それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。
オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。
ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。
ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。
ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。
ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。
完結しました!ありがとうございました。
拾われたのはたぶん僕です 〜ポンコツ魔法使いと騎士団の平和な大事件〜
ニア。
BL
崖から落ちただけなのに、騎士団長に拾われました。
真面目に生きてきた魔法使いモーネ。
ただ薬草を採ろうとして滑落しただけなのに、なぜか王国最強の騎士団長イグラムに連れて行かれ、騎士団で暮らすことに。
しかしこの魔法使い、少しだけ普通ではありません。
回復魔法を使えば何かが増え、
補助魔法を使えば騎士団が浮き、
気づけば庭はプリンになります。
——本人はちゃんとやっています。
巻き込まれる騎士団と、なぜか楽しそうな団長。
さらに弟子や王子、ドラゴンまで加わって、騎士団は今日も平和に大騒ぎ。
これは、ポンコツ魔法使いが真面目に頑張るたびに世界が少し壊れる、騒がしくて優しいファンタジーです。
人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます
七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。
歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。
世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。
気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。
ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!
由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。
しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。
そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。
「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」
やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった。しかしハルの血が特殊だと知ったダンピールはハルを連れ帰って?
いっそ美味しい『血』(治癒)と『体液』(バフ)と『癒し』を与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
異世界転生してひっそり薬草売りをしていたのに、チート能力のせいでみんなから溺愛されてます
ひと息
BL
突然の過労死。そして転生。
休む間もなく働き、あっけなく死んでしまった廉(れん)は、気が付くと神を名乗る男と出会う。
転生するなら?そんなの、のんびりした暮らしに決まってる。
そして転生した先では、廉の思い描いたスローライフが待っていた・・・はずだったのに・・・
知らぬ間にチート能力を授けられ、知らぬ間に噂が広まりみんなから溺愛されてしまって・・・!?
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください