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341話

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「ライは、まだ赤ちゃんなんだよ?フェロモンって......」
「まぁ、リクトの言いたいことはわかる」
リルは困ったように目を伏せた。
「とりあ、犬っころは俺達がボコボコにして、自警団に投げたから数日は拘留されるだろ。だけどな、伴侶だってわかっちまうと、辛いのもわからなくはねぇんだ」
「だけどな、いきなりにも程がある。だから俺は許したくはない」
隣にいたリルがボソッと呟いた。
俺だって許したくは無い。
本当に心臓が止まりそうになったのだ。
「二人はどうする?ライのこと」
俺は顔を上げて問いかけた。
「俺はライに任せたい。ライが自己管理ができるようになって、自分の意思で伴侶を選べるようになるまでは犬っころの接触を許したくは無い」
「俺もだ、ライがあいつを選ぶのならそれも運命だが、選ばないのも運命だ」
リルとレヴィはそれぞれそう言った。
「リル、レヴィ......ライが大きくなるまでは守ってあげなきゃね。もちろんルスもだけど......」
したことは許したくないけれど、無事にライは戻ってきたしリルとレヴィがそれなりの事をしたようだからロウの事は気にしない事にする。
「もっと酷いことになってるのかと思ったけど、まだ許せる範囲で良かった......かな」
俺はゆっくりと息を吐き出して、隣に座ってくれていたレヴィに抱きついた。
「レヴィもリルもありがとう......マッサージする?」
身体が疲れたでしょう?と、申し出るとレヴィに逆に抱きしめられた。
「リクトだって疲れただろう?いつもとは逆にマッサージをしてやろう」
レヴィの申し出にそうだなとリルも賛成した。
「えっ、いいって......俺、それよりも二人のモフモフの間で寝たいんだけど......」
寒くないように、くっついて眠りたい。
リルとレヴィの柔らかい毛に包まれて眠るのが幸せなのだから。
本当は子供たちとも眠りたいけれど、潰してしまうのが怖い。
「リル」
「おぅ」
二人は瞬時に獣化する。
パサりと服が床に落ちた。
「わぁ、リルもレヴィも凛々しいし可愛い」
『グルゥ......可愛くは無いだろう......』
「可愛いよ、レヴィ」
『あんまり煽るなリクト』
「リルだって、もっふもふだよ」
大好きな伴侶が大好きな格好をしていて、幸せじゃない訳が無い。
「ふふ、もふもふだぁ......」
『ほら、くっついてやるからリクトも脱げよ、俺たちだけ全裸なのは狡い』
狡いと言われても、リルもレヴィも立派な毛皮を纏っているのに、俺は何も無いんだと抗議しようとした。
『リクトは何も着ていないのが一番綺麗だ』
口下手なレヴィに言われたら、俺は脱ぐしか無かった。
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