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本編
491話
「ぼくたちがつくったー」
元気にはしゃぐ子供たち。
「ルス、ライ、いただきますしようね?」
シャーラの下にレジャーシートを敷いてその上に俺たちは座っていた。
ルーファスさんとミラが丁度よく帰ってきたのだ。
軽い食事は取ったという二人にクレープがあるため、シャーラの下でお茶をしませんかと誘うと、ルーファスさんはミトさんと参加してくれた。
「お父さんもお母さんも、紅茶をどうぞ」
グラスに紅茶を入れて、子供たちにはオレンジジュース。
「おぅ、綺麗に出来たな」
お皿にひとつずつラップドクレープを置いてフォークを添えた。
リルが子供たちを褒めると、嬉しそうに胸を張った双子。
「いただきましょ?ミラはどうする?紅茶でいいのかしら」
「うん」
そのやり取りを聴きながら、俺は全員に皿が行き渡ったのを確認してから、いただきますとクレープにフォークを入れた。
「いただきまぁす!」
「いただきます」
双子がクレープにかぶりつく。
固めに作った生クリームが子供の口の端から溢れるが、皿がそれを受け止めた。
「リクト」
レヴィに呼ばれて振り向くとレヴィが小箱を持っている。
中にリボンが入っているのがわかっている。
「うん、ありがとう」
そっとその箱に触れる。
シャーラには負担を掛けるのかもしれないけれど。
暫く話をしながらクレープを食べて一段落すると、俺はそっと立ち上がる。
「手を洗ってきますね?」
汚れた手でリボンには触れたくなくて脱いだ靴を履き直すと、庭師さんたちの小屋の脇にある水道で手を洗わせて貰っていると、ひょこりと顔を出した庭師さんに結ぶのか?と聞かれ頷いた。
「俺たちも見てぇんだがいいか?」
「あ、はい。直ぐに結んでしまおうかと思っていますが」
「おう、皆、子作り一号だぜ」
その言い方に恥ずかしくなるが、仕方ないと先に行きますねと、シャーラの所に戻った。
するとそこにはラディットさんやメイドさんたちもいた。
「え?」
「リクト様、わたくしどももどのように実ができるのか見たいのです」
そう言って並んでいるのは、番が居ない獣人か子が無い獣人たちだった。
「だ、大丈夫ですが……直ぐに実が出来るとは限らない……ですよ?」
それでもいいと言われて俺はレヴィから小箱を受け取って、シャーラに触れた。
「リルとレヴィはどの枝にするか決めた?」
「あぁ」
リルとレヴィが立ち上がり、俺を挟むように立つ。
「これはどうだ?」
目線の高さにある一枝をレヴィが指差した。
「うん、良いね……シャーラ、リボンを結んでもいい?」
シャーラに聞くと、さわさわとシャーラの葉が揺れて答えてくれたような気がした。
「ほら」
俺の手から小箱を受け取り蓋を開けてくれたリルからリボンを受け取ってシャーラの一枝にそっとリボンを掛けた。
元気にはしゃぐ子供たち。
「ルス、ライ、いただきますしようね?」
シャーラの下にレジャーシートを敷いてその上に俺たちは座っていた。
ルーファスさんとミラが丁度よく帰ってきたのだ。
軽い食事は取ったという二人にクレープがあるため、シャーラの下でお茶をしませんかと誘うと、ルーファスさんはミトさんと参加してくれた。
「お父さんもお母さんも、紅茶をどうぞ」
グラスに紅茶を入れて、子供たちにはオレンジジュース。
「おぅ、綺麗に出来たな」
お皿にひとつずつラップドクレープを置いてフォークを添えた。
リルが子供たちを褒めると、嬉しそうに胸を張った双子。
「いただきましょ?ミラはどうする?紅茶でいいのかしら」
「うん」
そのやり取りを聴きながら、俺は全員に皿が行き渡ったのを確認してから、いただきますとクレープにフォークを入れた。
「いただきまぁす!」
「いただきます」
双子がクレープにかぶりつく。
固めに作った生クリームが子供の口の端から溢れるが、皿がそれを受け止めた。
「リクト」
レヴィに呼ばれて振り向くとレヴィが小箱を持っている。
中にリボンが入っているのがわかっている。
「うん、ありがとう」
そっとその箱に触れる。
シャーラには負担を掛けるのかもしれないけれど。
暫く話をしながらクレープを食べて一段落すると、俺はそっと立ち上がる。
「手を洗ってきますね?」
汚れた手でリボンには触れたくなくて脱いだ靴を履き直すと、庭師さんたちの小屋の脇にある水道で手を洗わせて貰っていると、ひょこりと顔を出した庭師さんに結ぶのか?と聞かれ頷いた。
「俺たちも見てぇんだがいいか?」
「あ、はい。直ぐに結んでしまおうかと思っていますが」
「おう、皆、子作り一号だぜ」
その言い方に恥ずかしくなるが、仕方ないと先に行きますねと、シャーラの所に戻った。
するとそこにはラディットさんやメイドさんたちもいた。
「え?」
「リクト様、わたくしどももどのように実ができるのか見たいのです」
そう言って並んでいるのは、番が居ない獣人か子が無い獣人たちだった。
「だ、大丈夫ですが……直ぐに実が出来るとは限らない……ですよ?」
それでもいいと言われて俺はレヴィから小箱を受け取って、シャーラに触れた。
「リルとレヴィはどの枝にするか決めた?」
「あぁ」
リルとレヴィが立ち上がり、俺を挟むように立つ。
「これはどうだ?」
目線の高さにある一枝をレヴィが指差した。
「うん、良いね……シャーラ、リボンを結んでもいい?」
シャーラに聞くと、さわさわとシャーラの葉が揺れて答えてくれたような気がした。
「ほら」
俺の手から小箱を受け取り蓋を開けてくれたリルからリボンを受け取ってシャーラの一枝にそっとリボンを掛けた。
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