【BL】転生したら獣人の世界で何故か肉食獣に愛されています。

梅花

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本編

520話

船が大きく警笛を鳴らし、ゆっくりと接岸した。
一瞬大きく揺れたが、それで揺れはおさまった。
「こら、ルスまだ降りれねぇって、下船許可が出ねぇと駄目なんだよ。密輸とかがねぇように……な」
「みつゆー?」
まだ子供には難しい言葉だ。
「持ってきたら駄目な物をお船で運んできたら、王様に怒られちゃうからね、怒られないように見てもらうんだよ。悪いことしてませんって、だからルスもライもいい子にしなきゃ」
「ラヴィのぱぱくるの?」
「うーん、ラヴィのパパは来ないかなぁ?そのお仕事を任されている人達が来ると思うよ?ラヴィのパパはお仕事忙しいから」
「うーん……りるぱぱとレヴィぱぱはおしごといそがしくないの?」
うっ!?そうきたか。
子供の返しは考えられない方向から来る時があって、びっくりする。
「俺たちの仕事は、ルスとライ、それにママを守るのが仕事だからな」
「そっか!」
言葉に詰まった俺に代ってレヴィがそう説明してくれる。
「だから、いい子にしてような。リクトはもう下船の準備は終わったのか?」
「うん、また帰る時に使うものは置いておかせてもらおうかと」
「あー……鍋とかな?いいんじゃね?つーか、王都の家の荷物も荷造りしなきゃならねぇから、1個大きめのインベントリー買っとくか?」
リルがちらりとレヴィを見上げる。
「あぁ、そうだな……双子の服と一緒に買いに行くか」
インベントリー……アイテムボックス。 
俺は二人に買ってもらったバッグがインベントリーだったけれど、違うものもあるのだろうか。
それは若干の厨二病の俺としては気になるところだが。
「でも、先ずはゆっくりしたいなぁ……」
「もちろんだ、食事だって今日は外食でもいいんだぞ?」
「でも、ライのリクエストがあるしね?作れそうなら作るよ」
手を伸ばしてきたライと握手をして、その頭の丸い耳に手を伸ばすが届かない。
リルの肩車だからぎりぎり触れられるかどうか。
リルよりも高いところから見下ろす景色はどうちがうのかなぁと思いながら見上げていたら、その向こうでレヴィが小さく笑った。
「何だ?リクトも肩車するか?」
「しないよ!俺高いところあまり得意じゃない」
リルもレヴィも190cm以上だろうから、怖すぎる。
「いつも抱いている時は視線一緒だろ?」
レヴィが言うのはお姫様抱っこの事だろう。
それは確かに視線が同じくらいになるけれど慣れない高さはやはり怖い時もある。
「そうだけど……あ、終わったかなぁ?」
見慣れない獣人が色々と船の中を見ていくが、その獣人には尻尾が無かった。
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