【BL】幸せは四葉のクローバーと共に。白兎と狐の可愛いカフェで。

梅花

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15話

「ジル、商船が着くって話し聞いた?」
ティオがそう洗い上げたグラスを拭きながら言う。
俺も、床の掃除をしながら振り向いた。
「商船?荷運びの仕事があるよとギルドで言われたことがあるんだけど」
床をはいていた箒を止めてティオを見た。
「俺、ギルドで登録してきていい?荷物運びやってみたいんだよ」
力仕事は得意だし、あわよくば少しでもお小遣いが貰えたら嬉しいなと。
ティオの手伝いは泊めてもらう為の対価だし、本当はティオに借りているお金を返さないといけないのだが、返せていないのが現状だ。
「ちゃんとお店には迷惑をかけないようにするからさ?ね?」
「ん?大丈夫だけど、なら私もやろうかな……時間があるなら、登録しに行く?ついでにデートしようか」
ティオに反対されることは無かったため、ティオもやるとは言っていたがあの細い腕で大丈夫だろうかと逆に不安になった。
「じゃあ、ランチが終わったらギルドに行こう?」
「うん」
ティオに促され、俺は頷いた。
「じゃあ、片付けたら行こう?」
「わかった、ティオは何か買いたい物がある?食材とかはどう?」
せっかく行くのだからとまた荷物持ちくらいはするよと言う。
「そうだね、お肉が少ないかなぁ?でも、まだあるから……その場で買うものを決めようか」
「わかった」
俺は最後纏めた塵を取ってから捨てると手を洗ってエプロンを外した。
「じゃあ行こうか、寒くない?上着持って行こう?」
ティオは壁に掛けてあったコートを手にした。
「はい、ジルの分……」
「ありがと」
「寒くなってきたね、もう少し暖かいコートも必要かな」
ティオに良く似合う黒のコート。
「マフラーや手袋ももう少ししたら必要かな、寒いから手を繋ごうか」
出口に施錠してから、ティオから差し出された手に手を重ねる。
水仕事をしているのに、カサつきも感じさせないくらい滑らかな肌。
「ティオの手はすべすべだね……この時期でも」
俺の言葉にティオはきょとんとしてから、あぁと、声を上げた。
「うん、クリームを塗ってるからね?手が荒れないように」
そう言えば、水仕事をした後に必ずと言っていい程ティオは手に何かを塗っていた。
「それに、ジルを沢山触りたいから爪にも気を付けているんだよ?」
耳に吹き込まれた言葉に言葉の裏に隠された意味に頬に朱が走った。
「ティオ!」
「だって、触られて気持ち悪かったら嫌じゃない?相手に不快を与えない努力も必要だよ?と言うか、私の自己満足だから、気にしないで」
ティオの唇が悪戯にチュッと頬に触れる。
触れられた部分が熱くなったのは、間違いではないと思う。
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